…あれ?あたし…どうしたんだろ?
何だか頭がぼやけてる、今まで何をしていたのか全然思い出せない。
何で…あたし、こんな暗い部屋の中に一人で居るの…
そうだ、少しずつ思い出さないと、まずあたしの名前は『日ノ森 朝見』…うん、あってる。
年齢は14歳、東京の櫻ノ塚女学校に通ってるのだけど夏休みで実家の会津に帰郷中…
そして今日は何日かというと…何日だったかな?大正14年8月なのは確かだと思うけど…
そう確か友達の操ちゃんと月子ちゃんが盆前に実家に帰るからって、駅まで見送った筈…
でも、そこから先の記憶が思い出せない…、駅から実家に帰る途中で記憶が途切れて、
その後の事が霞かかったようにボケてる…ズキッ…そこから先を考えると何だか頭が痛くなってくるし…。
ガチャッ…
「あ…」
誰?誰か…ゆっくり近づいてきてるみたい、真っ暗で姿は見えないけど気配は感じられるの。
「誰…居るんでしょ、誰か!?」
あたしは、その気配のする方に声をかけました…でも誰もそこから応えません。
気のせいなわけない、その闇から誰かの視線が向けられてるの感じるもの。
まるで全身を見えない蛇が巻き付かれていくような…そんな邪な思いが込められた視線が向けられている…
怖い、心の底から恐怖が湧きあがってきてる、いつしかあたしの身体は震えていました。
『朝見ちゃん…』
え?その闇から声が聞こえてきた…その声、まさか茉くん?
瞬時に記憶の中から引き出された名は、6年前に出会った男の子の名前でした。
ずっと年上の人だったけど会ってから、彼のお爺ちゃんに頼まれた事もあって、
一緒に遊ぶようになったの、茉くんには仲のいい友達が居なくてね、
しかも8つも年下の子供達からもよく苛められていました、
そしてちょうどあたしもその近所の子供達から苛められていて、一緒に遊ぶ友達が互いにいなかったの…
だから初めての友達だったんだ…彼もあたしも。
あの日…あんな事件が起きるまでは…
そう、茉くんのわけが無い!だって…彼はもう、この世に居ないもの。
「誰…誰なの!?」
『僕だよ…朝見ちゃん…また一緒に遊ぼうよ』
嘘だ!だって…茉くんは…近所の子を二人殺して、そしてあたしも…自分の玩具にする為に殺そうとして、
助けにきた兄さまに…殺されたのだから。
それは子供ゆえのスレ違いが起こした悲劇でした…後に遺恨を残し、彼のお爺ちゃんにも、兄さまも、
そしてあたし自身にも影を残してしまったの、だけど今回の帰省でその影は完全じゃないけど幾分か
薄くさせる出来事がありました…ある意味決着したと言えます、
そしてその時にあたしは…初めての友達であった彼に『さよなら』を言いました。
だけど…その彼が今、あたしの傍に居る…
もしかしてあたし…知らない内に地獄に迷い込んだのかな?
ひたっ…
ふと頬に何かが触れてくる、それは大きな手のひらみたい…そう茉くんくらいの手、
やっぱりそうなの?彼なの?こっそり生きていたの?
頭が混乱していく、そんなのありえないのに…だけどそういえば、あたしが彼が死んだ事を
知ったのは人から聞いたからで、実際に死体は確認してなかった。
だから心のどっかでもしかして…と思ってしまう。
でもそういう事ってあるの?そんな風に事実を認識する心が揺れた時…また何かがあたしに触れてくる。
「んっ!?」
ちゅっ…
その触れた場所、そこはあたしの口、唇にだったの…そして触れられたのも生暖かくふっくらしてた、
この感触って…唇だよね…つまりあたし、接吻されてる!?
心に激しい衝撃が起きる、だって…あたし接吻なんて生まれて初めての事だったから。
まさかこんな風に唇を奪われるなんて、考えた事もなかったもん。
もちろん嫌だった…それにこれは相手の体臭なのか、酷く臭いの…
さっきから臭みは確かに感じてたけども、接吻された時には更に酷く感じてたから。
きっとあたしの鼻の傍に臭いの原因が居たからよね、つまり臭いの元は接吻の相手そのもの…
だから激しい嫌悪感を感じてた、こんなのと触れたくない、ましてや接吻なんて…
だけど抗えない、何故か手足…いえ身体全体が震えるくらいしか動けないでいたのよ。
やがて上と下の唇が無理矢理に開かされていきます、相手の唇の隙間から出てきた
ヌメッとして柔らかいのによって…こじ開けられていく。
そしてあたしの口の中に入ってきたの、それが!
これって…舌だよね、嘘…なんでこんなのを入れるの?
あまりの出来事に困惑するあたしの頭、でもその入ってきた舌は、
躊躇なくそのまま口内を掻き回してゆきます、無防備な頬の内側を舐められてる、
歯も裏側までねっとりと隅々にまで這われていってる…
あたしの舌にも触れて絡み付かれていく…
「んっ!んんんっ!!」
くちゅっ…ちゅぱぁ…
口の中で舌同士が触れ合って鳴らせる唾液の弾ける音がする、それはあたしの唾だけじゃないよ、
相手の人の唾も混じって鳴らしてた…そして喉の奥へと増していくその唾が流れてゆき、溜まっていきます。
満足に呼吸ができない今こうされたら、息苦しくてたまらないのに…だから仕方なく、
その溜まっていく唾液を飲み込んでた、あたしだけじゃなく、相手のも混じっているのに…
ごっくん…んくっ…
その喉音をたてると、やがて口を塞いでたのが離れていく、
ようやく解放されたみたい、だから胸いっぱいになるまで空気を吸い込みます、
もちろんそれは臭みがついた汚れた空気、でもさっきまでよりは大分マシだったの。
だけど安息の時間は訪れません、すぐにまた何かが迫ってきてたから。
「はぁはぁ…え?」
その触れた瞬間、あたしは事態をすぐに飲めこめずにいた、その触れられている箇所から連想される
この後にされる行為を想像できずにいたの。
その手の知識が乏しいから、咄嗟にわからなかったんだ…
チャプッ…
あたしの股から鳴った水音を聞いても理解できない…すでにそれは、外気に触れてる入り口に、
触れているのに…そこから先の奥へと入り込むまで気付けなかったの。
ズブッ…ヌブゥゥ…!!
「えっ!?んあぁぁっ!!」
いえ、入り込んでもすぐに理解できなかった…犯されたという事実に。
『ほら…一つになったよ…朝見ちゃん』
「あ…あぁ…何、何をされてるの…あぁ!!」
自分の股あたりから凄まじい衝撃が起き、一気に頭に向かって駆けていくようだったの、
それが一突きされ、あたしの中に入れられる毎に全身が思いっきり震えていく。
それはとっても変な感じ…あたしの体の中に、股から大きく硬いのが入ってきてるのは、
段々と知覚してきたけども、その時に入ってきたのが奥の壁にぶつかると、
頭の中の思考が瞬時に消し飛ぶような感覚に襲われていく。
『気持ちいいよ〜朝見ちゃんの中…はぁはぁ…』
「やぁ…あ…あぁ…」
耳から聞こえるのは、相手の喜ぶ声だった…そしてあたしの口から漏れる喘ぎ声。
どうやらその何かを入れた相手は、気持ちよくなってるみたい…なんで?
あたしは苦しい、また変な臭いを鼻に感じてるし、股から変なのを入れられて変な感じになってるし…
そう、この感じ…頭の中がぼやけていき、体の中が熱くなっていく…全身が溶けていきそうだった…
その未知なる感覚に翻弄されていく…あたしの思考を理性を溶かされて、
お酒を飲み干した時のあとの様に酔わされていくみたいだったの…
あれ?もしかして…こんな感じこそ気持ちいいって気持ちじゃ…
認めたくないけど、今のあたしが感じてるのは確かにそれだった…
この感じてるのは紛れもなく快感をいう刺激感だったのよ。
そして察するのはそれだけじゃない、分かってきた…今あたしがされてる事、
それはきっと男女の営みである生殖行為そのもの…卑しい事だったの。
「駄目…駄目だよ…こんな…あぁ!!」
これは旦那様になる人にしかしてはいけない神聖な行為だと思ってた、実際にそうだし…だからしちゃだめ…
だけども、いくらあたしがそう思っても相手は止めてはくれません、むしろもっとしてくるの。
本当に貴方は…茉くんなの?
その行為でまともに考える事ができない頭で、またその疑問が浮かぶ…ありえないけど、
それでも考えてしまう、あたしとさよならしたくなくて生き返って…そしてあたしを犯してるという妄想を。
すると暗闇の中であたしはそのありえない姿を見出していた。
『朝見ちゃぁん…』
それはあの時の光景…決して忘れる事ができないあの時の…
床に散らばってる、たくさんの玩具…その中に紛れて少女の死体が一つ、
その中であたしは大きな体の茉くんに押し倒されている、ただあの時と違うのは
首をしめられていない事でした、その代わりに彼はあたしを犯している。
あたしの手足を重い体重を込め押さえていて、身動きできないあたしの服を脱がせ…
剥き出しになった股間に、彼のを挿入されていく…
「あ…あぁ…」
そして奥まで貫き一つになっていく…そしてただ乱暴にあたしの中を掻き回して暴れさせていくの。
また何度も唇を重ね、口の中も舐めまわしながらに…
凄く臭い…だけどそれは当然、だって…その茉くんはあっちこっち土汚れがあったから、
そして首の兄さまの傷つけられた箇所からは、蛆が大量に湧いてたの。
そこから何匹か落ちてきて、あたしの胸元に付き這いまわってるような、こそばゆさも…感じられるようでした。
やっぱり死んでたんだね…そして生き返ってきたんだ。
あたしを責める為に…なら仕方ないかも、このまま彼に汚されるのも。
そう思うと少し楽になってきたかもしれない、そして更に感じてた…
かつての友達が相手だからか、心の嫌悪感が薄れ純粋に快楽のみを感じていく。
もちろん茉くんには友達以上の好意をもっていたわけじゃなかったけども、責任を感じると抗えなかった。
茉くんはあの時の怖い目で見つめながら、身体を動かしあたしと交わっていく、
その口からは涎が垂れていき、下にいるあたしの顔を汚してた。
股から卑猥な水音が聞こえる、それは彼のを受け入れてる音…
『うっ…出すよ…』
「あうぅ…あっ!あぁぁぁ!!!!」
ドックゥゥゥ!!!!
そしてお腹の中で爆発が起きました、同時に注がれていく
とっても熱くドロドロした気持ち悪いのが奥へ流れこんでいく脈動を感じてたの。
知ってる…注がれていくこれって、子種…赤ちゃんができる素だっけ…
あたし…このまま茉くんの赤ちゃんを孕まされちゃうのかな。
それを思うと怖くなる…でも少し胸あたりが高揚してた。
そしてそれが彼の望みならあたし…受け入れてもいいと、ふと思ったんだ。
でもね、それはやはり全てあたしの幻想でしかなかったみたい…
いえ正確には見てる光景は幻、感覚は本物だった。
それを知るのは、このドス黒い欲望が篭った白濁の液体を注がれてしまい、
意識が弾けた後の事…その弾けた時にね、また全身を激しく痙攣させてたのだけど、
すると…急に目の前の光景が見えてきたの。
「えっ…」
そして気付いた、実はあたし…ずっと目隠しされていたみたい、
目元を覆い隠してた布が解け落ち、ようやく見せたの…この現実に今居る場所の光景を。
でも現実のここは幻想とそう大差ない光景でした、だってここも薄暗く狭い部屋内だったもの、
しかも床下には無数のゴミが散らばってるような汚い場所だった。
そして目の前には…荒い息を吐く男が居た、何も着ていない裸の大きな男の人が
同じく裸のあたしの上に被さってきてる…凄く興奮しながらに。
しかもその股間に生やした黒ずくんだ巨大な醜悪な姿を晒した肉の塊が、
あたしの…股の裂け目を割り広げて、その内に挿し込んでた…つまり繋がってる。
さっきまでのアレは、実際には彼の性器とあたしの性器が交わって、感じてたの、
子種を注ぎ込んでいたのもこの彼の方…それは当然にあたしの知っていた男の人ではありません。
全然に見覚えのない知らない人でした、だけどもあの知ってる人を思わせる同じくらいの大きな体の人、
細かい顔つきこそ全然似てないけども、あのまま茉くんが成長してたらこうなってたかも…と、
ふいに思わせる風貌の男性でした。
それに…茉くんもしてたあの目をしてる、そう…あたしが望まずともよく出会う目がそこにあるの…
今までに何度も出会ったあの人種の目…
人殺しの目を、この男性はしていた。
「あぁ…あなた誰?…んっ!」
問い掛けてるのに、その男の人は躊躇なく唇を重ねてくる…そしてまた無理矢理に乱暴に口を掻き回していく、
やがて気が済み、互いの口同士の間にねっとりした唾の糸を垂らさせながら離していくと、
やっと…質問に応えてくれました。
「はぁはぁ…朝見ちゃん…僕は君の飼い主だよ」
「飼い主…?あっ!あ…あぁ…」
だけどそれは一言だけ、しかもあたしにとっては理解できない言動だったの。
なのに彼はそれ以上は語らず、ただひたすらにその身をあたしと重ねていく事に夢中になってゆきます。
つまり…また再開しだしたの、卑猥な性行為の続きを…
グチュッ!ズブゥゥ!!
「あっ!やっ…」
さっきまで目隠しされていたから触感でしか感じれなかったけど、今度は視覚でも感じていく。
腐ってるように黒く変色し悪臭を漂わす肉塊が、あたしの大事な場所に埋まっていくのを…
その人自身の身体から臭う体臭も、酷い代物だったけども…そこから香る悪臭は相当な代物…
まるで生ゴミを数日間暑く蒸した場所に放置したような…、
あるいは死体を何日も放置して腐らせたのがあった講堂下の匂いだった。
嫌だ、そんな汚いのを大事な…子を授かる場所に入れられたくない、汚されたくない…
そう思い嫌悪感が高まっていく…でもそれは一瞬で変化する、それが深々と淫らな水音を鳴らしながらに、
この中を貫き…また何度も何度も往復して、膣内部を擦らせ過敏な箇所を弄ばれていくと、
また頭を…心を酔わせ変にさせられていったから、あの魔力的にも感じさせる魅惑な刺激を感じてしまい、
芽生え増幅させていた筈の嫌悪感を薄らげていくのでした…
こんな風にされるのは頭では拒否してるのに、身体は逆に喜び悶えていく。
まだ相手が茉くんと思えば断罪として受け入れもするけども、本当に相手してた彼は違う…
誰かも知らない危険を感じさせる男と交わって、子を宿らせる行為を行なってるのに…。
当然にそれはあたしからの意思ではないのだから、こうなってる事は仕方のない状況かもしれない、
でも…心は違う、本当に嫌なら拒否すればいいの、例え身体は許しても心は侵食されてはいけない。
だけど今のあたしは…汚れていく、身はもちろん心まで…
あたしって…こんなに卑しい女の子だったのかな?
見知らぬ相手に淫らな行為されて喜ぶような子じゃなかったと思ったのに、
感じてる…喜んでいる、体が…心が高揚して喜んでいる!
もしかして、こういうのは一度でも快楽に身を投じて、溺れ感じてしまったから、もう抗えないのかもしれない…
ただこのまま堕ちていくしかないのかな…
「んくっ!あ…あぁ!!」
「はぁはぁ…朝見ちゃんの中…最高の締め付けだ、ギュッって締め付けて…あぁ!また出る!」
「あぁ…駄目…中は…あぁぁ!!!」
ドクゥゥ───────!!!
「あぁぁぁ──────────!!!」
また中に熱いのが放出されていく…そしてあたしの思考を真っ白にさせてた。
気持ちいい…こんな風に感じるのいけない事なのに、あたし…感じて変になって、心地良くなってた。
まだこうなってる状況がよくわかってないのに…卑猥な快楽で屈服させられていく…
するとその時、別の気配を感じました…この部屋に別の誰かが入ってくる。
ガチャッ
「なんじゃ、お嬢ちゃん気付いたんかい」
「!?」
それはまた見た事の無いお爺ちゃんだったの、でも…どことなく誰かに重なるような…
「やれやれ、広の奴は疲れて眠ったか…うむうむ、ちゃんとお嬢ちゃんに種付けは行ってるようじゃな」
ジロジロとあたしの秘部を眺める目、そこからは白く粘々したのが大量に溢れ出てた…
こんなに注がれていたんだ、濃くて粘ったのが…
「あ…あぁ…何、あたし…何でここに…」
いつしかあたしを犯していた男性は眠りについてた、ある意味諦めてた事がある、それはこの人との会話…
今さっきまでので理解できたの…彼はあたしと淫行する事しか頭にないって…
そう彼から見てあたしは自分を喜ばす玩具だったの…かつてのあの人みたいに、
それはこれから聞くお爺ちゃんとの会話で、より確実とさせました。
だからこのお爺ちゃんの方に聞くの、この人は知っているから…
どうしてあたしがここに居て、こんな風にされてるのかを。
「はは、そうかそうか久しく正気に戻ったら、今までの記憶は消しとんだか、かかか」
「え?」
「わかった教えよう、実はお前さんを嫁として孫にあてがったんじゃ」
「!?」
ふいに何かが重なった…そうだやっぱり似てるんだ、茉くんのお爺ちゃんに…愛する孫の為に何でもするお爺ちゃんに。
6年前のあの惨劇へ誘った時のように…
「この子は可愛い女子が好きなんじゃが、何故か肝心の女子がこの子を好いてくれんでな〜」
「だからってこんな…こんな事しなくてもいつか」
だけどこんな事を言ってながら、あたしも思ってた…失礼かもしれないけど、
お爺ちゃんのお孫さん…あたしを犯してたこの人は女の子に好かれるような人じゃないって…
「確かにこの子は若いし可能性はあるかもしれんよ、でもなわしは大分年老いてしまっとる、
じゃからひ孫の顔を見るには…例え無茶な事でもするしかなかったんじゃ」
お爺ちゃんは、ふいに床に横たわるあたしの顔の顎を持ち上げ、
同じく…あの危険な瞳をさせ語ってくる…黒い執念が篭った語りを…自分勝手な思考で並べる言葉の羅列を…
「しかも、この子はわしがおらんと何もできんからな〜こうして力を貸せる内に協力せんとな」
薄っすら微笑みながら…自分のしてるそれが罪だと気付いてるのか判断できない。
「色々と苦労したわい、広にお似合いの女子を見つけたわいいが、どう捕らえるかとな…くくく」
そしてふいにあたしは思い出した、そう…あの日、あたしが駅から出て家まで走って帰る途中…
道の端でうずくまるこのお爺ちゃんを見つけたの。
だから…心配で声をかけて、よろつくお爺ちゃんの体を支えながら家まで連れていってあげた…
そこはボロくなった診療所、このお爺ちゃんはお医者様だったらしい…
お爺ちゃんに頼まれそこに入ると…何か急にチクッとしたのを感じた。
そして…あたしの意識は、そこで途切れたのでした。
「朝見ちゃんが優しい女の子で助かったよ…いやそれも広の嫁として選んだ要因なんじゃがな」
あたし…またやっちゃた…今までも何度も犯罪に巻き込まれてきた、そして今回も…
しかも今度は最悪、すでに気がつけば身は犯されてる…いえ死んでないだけましかもしれない、
彼らも殺すのが目的じゃないみたいだし…でも思考は危険、こんなにもまっとうな人の道から外れてる。
「なんで名前…知ってるの、あたし…眠ってたのに」
「自我は眠ってたな、でも目覚めてたんじゃよ…もっと前に、ただ狂わされていたからな〜」
「………え?」
ふと、そういえばお爺ちゃんは言ってた、久しく正気に戻ったと…どういう事?
「くくく、痛くなかったじゃろ?広とヤって…その可愛らしい小さなまんこで、極太の広のを銜えてな」
「!??」
そう言われてみれば…あんなでかいのを入れられていたのに、圧迫感は感じても心地良い挿入感しか、
あたしは感じていなかった…普通に考えたら、裂けてもおかしくないのに…
よく見れば、あたしの股間部の割れ目の場所…前はこんなに変色し歪んでなかった。
陰毛も産毛くらいしか生えてなくスジのように固く閉じた秘裂でした、でも今は少し違ってる…
陰毛は綺麗に剃られ、秘裂は広がり中の紅を覗かせてる…
そこの上部にある豆のような突起も、皮で隠れてたのに今はめくれて出てるし。
「ははは、ちと海外から取り寄せた薬を投与させてもらったんじゃ…あまりに痛がってたからなぁ」
「!?」
「最初はもの凄く暴れて広を傷つけられかねんかったからの…ふふ、さすが違法の品…効果抜群だったわ」
「何を…言ってるの…ねぇ!」
「あんなに嫌がってたのが、コロッと変わり淫らに腰を自分から振り、男のを銜えおった
…その時にだったかのお前さん自身の口から名を聞いたのは」
「や…やだ…嘘…」
首を横に何度も振って否定する…でも、それは滑稽な姿だったみたい、
お爺ちゃんは愉快そうに笑ってる、その時のあたしの姿を思い出しながらに…
「そうそう初めてだったか、サイズ違いの為か、陰部からドバドバ血が垂れ流していたのになぁ〜くく」
ふと自分の腕を見る…そこには無数の注射跡が残ってた、こんなに…じゃ、やっぱり!?
「多少、あの可愛らしかった秘所が痛んでしまったが、まぁいい…副作用も記憶がふっとぶくらいのようじゃし」
それは大事だと思うけど…もしかしてあたし、自分が認識してる以上にヤバい事になってるかも。
顔から血の気が引いてきた…今更に自分の立場が危うい事をしったから。
早く逃れないといけない…今ならまだ処置すれば望まない相手との子を授かる事も避けれるかもしれないし…
だから周囲を眺めた…武器になる物を探す、相手はお爺ちゃん一人…今が好機なのだから。
「!?」
ふと近くの壁に見慣れたのが置いてあった…それはあたしの木刀、服もある…
十分にそこへは手が届く距離だった…なら悩む暇は無い。
それを考え付き逃亡を決意した瞬間に、その木刀へと手を伸ばす…だけどそれを掴もうとした時。
カチャ…ポロッ
「!?」
伸ばした腕の先の異変に気付いたの、掴めない…指先が動かない…どうして!?
呆然とするあたし…そして笑い声が部屋に響く、お爺ちゃんの笑い声が…。
「あはははははは!!!いやいや、この状況も恐れず勇敢なお嬢ちゃんだ、でも残念…言ったじゃろ薬を投与したと」
「そんな…まさか…」
「部分的に神経を麻痺させる薬を注射しといたんじゃ、ほら…この腕も動かせなくしといてあげるからな」
「いや…やめて!あぁぁぁあ!!!」
お爺ちゃんは用意してあった鞄から、怪しげな薬が詰まった注射器を取り出し、
すでに何度も打たれてる為にか、すっかり青く変色してる程に跡がついた場所に、
また注射の跡を作ったの…そして中身が投与されていく。
「あと、これも打っておかんとな」
お爺ちゃんは、それを注射した後に、また別の薬を打とうとする。
「そ、それは…何?」
「朝見ちゃんは幼く見えるからな、女として成長が遅れているかもしれん、だから…」
そして、それが投与されていく…何かもわからない怪しい薬品が身体に入ってくる。
「女性器の成長と働きを促進させ、器官が完熟してれば受胎しやすくさせる、そんな薬を注射してあげてるのじゃよ」
「なっ!?それじゃ…あたし…」
「くくく、立派なひ孫を孕むんじゃよ〜、そうそう、どうやらもう性感を増大させる薬は必要ないの」
さっきまでのあたしの乱れようを知っているかのように、卑しく微笑してた。
そしてお爺ちゃんは、あたしの四肢の動きを薬で抑制さすと、
今度は食事を無理やりにとらせられていく…それが終えると、
やがてまたこの薄暗い部屋にあたしを残し、お爺ちゃんは出て行きました。
「兄さま…月子ちゃん…操ちゃん…あたし、みんなにもう会えないかも…」
注射されてから、手足を動かそうと何度か試すけど…でも駄目だった、
そして身動きとれないまま、暗い部屋に一人残され…一人考える。
心は孤独を感じ、あたしはただこの状況に悲観するの…
いくら打開策を考えても良い考えは浮かばず、絶望するしかなかったから…
どれくらいそうして時間を過ごしたのかな?やがて眠ってた彼が目覚めてくる。
「朝見ちゃん…へへ、僕のお人形さん…もっと気持ちいいことをしようね〜」
「……あ…あぁぁ!!!」
また犯される…彼の精力が尽きるまで、胎内を弄ばれていき、望まない子種を注がれ続けていく…
あの全てを飲み込み、悲しみを掻き消していくくらいの淫らな快楽を感じさせらていきながら…
ただあたしは、その与えられていく快感を貪るしかなかった…
またそれで身も心もそれに任せていく…夢中になっていく。
だってその淫行はあたしにとって現状で唯一の悲壮感を掻き消し、
何も考えなくていい安らぎを感じさせてくれた行為だから。
例えそれが彼の独りよがりの満足を求める行為でも、あたしを自分が楽しむ為の玩具としか見てなくても…
もうそれしかあたしにとっての楽しみが無いのだから…それに寄り添うしかなかった。
ただ堕ちるしかなかったの…その結果に望まない相手との子を孕む結果になってもね。
それから…どれくらいに経ったのかな?
いつしか、窓の隙間から冷えた風が入ってくる季節になってた、その間にあたしはずっと囚われたまま。
学校はとっくに始まってると思う、だけどあたしは夏からずっとここに居る…
生きた愛玩人形として…飼われてる。
「あっ!あぁぁ!!あんっ…んっ!」
ドブゥゥ!
「熱っ…あぁ…気持ちいい…んふっ」
その間はずっと彼との淫行に更けてた…抵抗は一切してない、
彼の望むまま…そして己の淫欲に忠実なまま自分からも身体を動かし、
彼の欲望を身と心の両方で受け入れてた。
「はぁ…朝見ちゃん…早く僕の子を産んでね〜」
「うん…あ…」
伸びた髪の毛を優しく撫で、あたしの所有者である彼は言う…
まだ触り足りないのか、今度は胸の膨らみも弄っていく…
赤ちゃんのように膨らみの先にある突起してる場所、乳首にしゃぶり付く事もありました。
もう何度も何度もあたしで遊んでるのに飽きないみたいだった、一向にあたしを手放さない…
「はぁはぁ…ねぇ、可愛い服をお爺ちゃんが買ってくれたんだ、それに着替えようね〜うふふ」
そして精力が尽くと、今度は着せ替え人形遊びを始めるの、もちろんその人形はあたし自身。
「うれしい…」
そんな人として扱わない所有者に笑顔であたしは応える…。
最初、それは芝居でした…なのに今は素でその表情をしてる、
もしかしてあたし…本当に彼を愛してしまってるかもしれない。
きっとその感情は幻想…ただの現実逃避なのは頭でわかってる…
辛い現実から逃げ出す口実…そう思う事で精神負担を和らげてるのよ。
それはまた一人っきりになった時…痛い程に実感してた。
「うぷっ…おえぇ…はぁはぁ…」
最近…時々吐き気が襲ってくる、嘔吐で部屋の一部を汚す…
こんあ事して叱られると思った、でも…彼もお爺ちゃんも叱らない。
むしろお爺ちゃんは、愉快そうな笑みを浮かべてた…
そういえば元々あたしに激情をぶつける事は、ほとんど無かったけ…
部屋に監禁され、身の自由を奪われてる以外は、汚物の処理もしてくれて
身は綺麗にしてもらい、食事も与えてくれるのだから待遇は良い方だと思う…
まずい…あたしの心は、この現状に満足してきてる…
淫行してる時はまだしも、こんな一人…我に返っている時まで従順になってきてるなんて。
あたし…もう駄目なのかな…
あたしは、もうこのまま一生をここで過ごすかもと諦めようとしてた…
だけどその数日後の夕暮れの刻…変化の兆しが起きたの。
淫行の終焉の後、快楽の余韻を満喫していると…ふいに指が動いた感じがした。
それはあまりに唐突な事だったから、すぐには気付かなかったけど…確かに動く!?
やがて手が自分の意思で握るまで回復すると、あまりの驚きに余韻が吹っ飛んだの。
どうやらずっと彼に対して都合がいい人形さんだったせいか、
お爺ちゃんは薬の投与を忘れていたみたいでした。
それはあまりにも突然の好機…一瞬躊躇する程の、
この長く続いた恥辱の日々に芽生えた淫らなあたしが語ってくる、
もう諦めた筈よ朝見…あなたは人形なの、彼を喜ばす為だけの肉人形…
その立場に満足してるんでしょ、ほら…さっきもあんなに喜んで遊んでもらってたじゃない、
今更に人に戻るつもり?こんなに素敵な快楽の日々を捨てるの?
心が揺れる、あたし…この性の快楽の喜びを堪能できる生活から逃れたくない…
ふ ざ け る な !
全身…いえ、心の奥底から何か燃え盛る炎のような熱いのが駆け上ってくる、
そしてその甘い屈服した自分を包み焼き殺す!?
何を連中のした罪を正当化してる!
人としての尊厳を奪い、己の都合を押し付け純潔を奪った相手に情けをかけてるの!
思い出せ!これまでの全てを…姑息な罠で捕らえて、無理矢理に純潔だった身体を、
薬漬けにして、汚しまくり、陵辱と恥辱を繰り返したのを!
憎め…怒れ…情けをかけるな!その手に封じ閉じ込めてきた激情の全てを集結させろ!
あたしの心はドス黒い感情で瞬く間に満ちていく…人の良いあたしと性の快楽に酔い浸りたい卑しいあたしが、
理性と淫欲という鎖で縛りずっと閉ざさせてた心の扉が開放されていく!
そしてあたしは…己の闇に飲み込まれたのでした。
ピチャ…ポチャァ…
闇の中…何かが垂れ落ちて床で弾ける音がする…それはどことなく鈍い水音だった。
その音が響く中…あたしは我に返る。
一瞬…それまで何をしてたのか、理解できなかった…
だけど部屋に飾られていた鏡を覗いた時、全て…知った。
その鏡は所々が赤く汚れていたけど、しっかりと惨劇の跡が写ってたから…
床には体格の大きな男と、老人が横たわっている…
皮と肉がめくれ砕けた骨が見える程に割られた額からは、おびただしく血が垂れ流れていく…
その二人の顔は驚愕に表情を歪ませ固まらされていた、もうそこに生気の色は無い。
そして返り血に赤く染めた全裸の少女が一人…それはあたしの姿、
手には血に染まる木刀が握ぎられてる…
そして瞳は…あの目に、人殺しの目になってた
「あたし…人殺しになったの」
ようやく救われたあたし…でも本当は救われてはいなかった…あまりに代償が大きかったから。
「うっ…おえっ…」
うずくまり嘔吐しながら、あたしはそれを自覚していく…
この床で冷たくなっていく男達が、あたしに残したのは、お腹の中で脈打つ
まだ小さな生命の胎動…そしてもう一つ、それは闇の胎動だった。
この手には、まだ感触が残ってる…
生きた肉を潰し、骨を砕いて生を断たせた感触が…
そして心には達成感…そして喜び!?
「あはっ…あははははははははははははははは───────!!!!」
あたしは甲高く笑った、ただひらすらに…解放感を感じながら恍惚した表情で…
いつしか窓からは月の光が差し込み、地獄に迷い込み鬼となった少女を照らしていたのでした。
【 幕 】