外道が家にやってきた 第二話  
 
 アパートの戸口をくぐろうとすると、肩の上の生き物の体がつっかえた。  
 やむなく肩から下ろし、そいつの上半身を戸口に入れ、力をこめて腕を引っ張った。  
 ちゅるんと音を立てて全身が入り込む。  
 こいつの体がねばねばしてる液で濡れていてよかったかもしれない。  
 俺はベッドまでずるずるとこいつを引っ張って行き、ベッドへ寝かせた。体半分はみだしていたが。  
 ねばねばの液が床へこびりついた。後で掃除しておこう。  
 さて、どうしたものか。  
 めずらしい生き物だ。言葉も喋れるらしいから売れば高値がつくかもしれない。  
 飼いならして見世物にするのも悪くない。  
 俺が顎に手を当てて考え込んでいると、肩に生温かい息遣いを感じた。  
 反射的に裏拳を繰り出す。  
「ぎゃん!」  
 手の甲が変な生き物の顔面にめり込み、そいつは悲鳴を上げた。  
 どうやら俺につかみかかろうとしたらしい。  
「はーらーへったー!」  
 そいつは顔をさすりながら半泣きでわめいた。  
 なかなか元気がいい。  
 
 しかし、まさかこいつ、俺を食おうとしたんじゃあるまいな。  
「ごーどーもーぐーいーでーぇー」  
「子供?」  
 俺はそいつの顔を覗き込んだ。  
「お前、人間の子供食うの?」  
「ごどもー! んまーんまー」  
 食うらしい。  
 長い舌をべろんべろんと振り回し、よだれを垂らしていた。  
 仕方が無い。  
 俺は押入れから小学一年生の女の子を一人取り出すと、裸に剥いてそいつに与えてみた。  
「いだだぎまーず! んまー! んまー!」  
 たちまち平らげて骨までバリバリ食べてしまう。  
「おがわりー! おがわりー!」  
「よしよし。たくさんあるからたっぷり食べろよ」  
 たらふく食べると眠くなったのか、そいつはぷっと吐き出した頭蓋骨を枕にして寝転がった。  
「おやずみなざーい」  
 しかしものすごい食べっぷりだった。  
 明日買出しに行かないといけないな。  
 
             つづかない  
 

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