翌日、俺はあの変な生き物の食わせる餌の買出しに向かった。
だが、近所のスーパーにはあの化け物が好きそうな肉は置いていなかった。
午前中かけて何件もの肉屋をあたってみたが、ことごとくムダ足だった。
まったく、だから田舎はダメなんだ! これがもし新宿や秋葉原だったら…。
ぶつぶつ言いながら歩いていると、幼稚園の送迎バスから子供が何人か降りてくるところに出くわした。
若い母親たちが子供を迎えに来ている。
だが何人かの子供はまだ迎えの保護者が来ていないらしく、子供たちは不安げにあたりを見回している。
そのとき俺はひらめいた。
おう。こいつら捕まえればタダじゃん!
俺はポンと手を打つと、持っていたズタ袋を取り出して大きく口を開けた。
周りに大人の目が無いことを確かめるとその辺の子供たちを片っ端から詰め込み始める。
幼稚園の子供だけではとても足りなさそうだったので、近所の公園で遊んでいる小学生たちもいっしょに詰め込む。
すばしっこい子供たちを追い回して捕まえるのは、なかなか楽しかった。
うん。大漁だな。これならあいつも喜ぶだろう。
大きく膨れ上がったズタ袋を見ながら俺は満面の笑みを浮かべて頷いた。
袋の中身がもぞもぞと動いて泣き喚くのを蹴り三発で黙らせ、俺は袋を肩に担いだ。
そのときだ。
「センパーイ、何してるんですかぁ?」
後ろから俺にこんな風に声をかけてきた女がいた。
「うわあ、大きな袋。何が入ってるんですかぁ?」
「誰だお前?」
振り向きざまにとりあえずそう口にして考え込む。
ショートカットがなかなか可愛い、化粧気の無い健康的な女だ。
つーか、こんなヤツ知り合いにいたっけ?
「やだなあ。センパイ、冗談キツイですよぉ」
そう言ってケラケラ笑う女の顔をまじまじと見つめる。
ああ、思い出した。ゼミの後輩で、俺の恋人を気取ってるやつだ。
こいつは以前、俺にコクってきやがったんで、とりあえず飽きたら捨てるつもりでOKしたんだった。
既に処女は頂いて、たっぷり俺の体の味を教え込んである。
名前はなんだったっけ? まあどうでもいいか。
こういう肉奴隷を何人も飼っていると、いちいち顔と名前を覚えるのが大変なのだ。
はっきり言ってこいつはウザイやつだし、そろそろ捨てたいんだが…。
捨てるにしても、とりあえずもう一回ぐらいヤっておくか。
「センパイ、どうしたんですかぁ? 私の顔に何かついてますぅ?」
「いや、なんでもない。ところでお前、ヒマなら俺ん家で茶でも飲んでくか?」
「えーっ? センパイ、私みたいないたいけな女の子を部屋に連れ込んで何する気なんですかぁ?」
ナニに決まってるだろうが。カマトトぶるな馬鹿女。
押し問答の末OKを取り付けたので、部屋に連れ込むことにした。
ところが玄関まで来てはたと気がついた。
部屋の中にはあの変な生き物がいる。
いくら俺でもあいつと一緒では勃つものも勃たない。
「ちょ、ちょっとここで待ってろ」
女を玄関に残し、俺は部屋に上がる。
そしてベッドでいびきをかいて昼寝していたあいつの首根っこをひっつかみ、でかい図体をクローゼットに放り込んで扉を閉めた。
「さあ入れ」
におい消しのスプレーを部屋のあちこちに吹きつけ、あいつの痕跡をなるだけ目に付かないようにしてからショートカット女を招き入れた。
「センパイ、もしかしてエッチな本でも隠していたんですかぁ?」
黙れ馬鹿女。
俺はさっさとことを済ませてしまおうと女を押し倒した。
「あん。センパイ、いつも言ってますけど、もっとムードとか大事にしてくださいよぅ」
贅沢言うな馬鹿女。
俺は無言でキスして舌をからませ、胸に手を這わせた。胸はけっこうでかい。さすが馬鹿女。
「はうぅん…せっかちなんだからぁ」
語尾を延ばすな馬鹿女。いらいらする。
胸の先っちょを重点的に責めてやり、徐々に右手を下の方に移動させる。
女の息がだんだん荒くなってきた。
一旦スカートの裾のほうまで下ろした手を、スカートの中に潜り込ませて再び上へと移動させる。
面倒臭いぞ馬鹿女。
ショーツに手を当てると、そこはもうたっぷり濡れているようだった。
「ああん…そ…そこぉ」
むう? よがってるのか馬鹿女?
かすれたその声に混じって、キイ…と、扉のきしむような音がした。
クローゼットの扉がゆっくりと開き、あいつが顔を出してニタリと笑った。
「ぐへ。ぐへへ。いだぁだきまぁず」
そう言うと、あいつはよだれを撒き散らしながら馬鹿女の頭をパクリと口に含んだ。
いきなりのことで、女は何が起こったのか分からないらしい。
自分の頭に覆いかぶさったもの(あいつの口だが)を取っ払おうと、じたばたと暴れている。
俺の目の前で、あいつは幸せそうな目で、女の頭をちゅっぱちゅっぱと音を立ててしゃぶった。
その度に女の体がびくんびくんと震える。
ちょっと面白いぞ馬鹿女。
俺はこの人外の生き物に食らいつかれた馬鹿女のスカートをまくって、股間の割れ目をショーツの上からすうっと撫でた。
すると女が膝をばたばたさせて暴れはじめたので力をこめて押さえつけ、ショーツを引きちぎってしとどに濡れた蜜壷に指を突き立ててみた。
なんと思いのほかよく締まる。処女じゃないくせに。
俺はズボンを脱いで、ギンギンに硬くなったいちもつを取り出した。
さっきはこの化け物と一緒だと勃たないだろうと思っていたのだが、下半身剥き出しの女が化け物に頭をしゃぶられているという異常な状況に俺のいちもつは大喜びしていた。
目の前ではあの化け物が満面の笑みを浮かべている。
そしてそのすぼまった口の中に、女の頭がまるごと入っているのだ。
ほっぺたが時折ぴくぴく動くが、おそらくその口の中で女の顔をあの長い舌で嘗め回しているのだろう。
俺は女の膝を割って、入り口に先っちょを押し当てた。
だんだん女の肌が青黒くなってきている。早めに終わらせるとしよう。
俺はぐいと腰を突き出し、一気に女を貫いた。そのままグラインドをかけるように、ピストン運動を始める。
中はかなり狭い。いつもよりもぐいぐいと締め付けてくる。
女はもう暴れるのをやめ、ぶるぶると震えるだけだ。
俺はひときわ大きく腰を突くと、女の中にたっぷりと放った。
うむ。満足。
たまにはこういう変わったシチュでやるのもいいもんだなあ。
さて、シャワーでも浴びてさっぱりしよう。
俺がシャワーを浴びて戻ってみると、女の姿は既に無かった。
ただあいつがベッドの上にあぐらをかいてでかい腹をさすっていた。
「おっ? 残さず食べたのか。えらいぞ」
そう言って俺が頭をなでてやると、化け物は目を細めてにたっと笑った。かわいいやつだ。
化け物は先ほど俺が持って帰ってきたずた袋を指差して言った。
「ねえねえ、あれ、何? あれ、何?」
俺はニヤリと笑って答えてやった。
「あれは今晩のおかずだ。ちゃんと晩ご飯の時間まで待てよ。行儀よくいい子にしてたら食わせてやる」
「あーい。おれ、腐れ外道、いい子。ぐへぐへ」
その晩、俺は昨日と同じように、この腐れ外道といっしょに晩餐を楽しんだ。
こうして、俺はこいつの名前を知ったのだった。