外道が家にやってきた 第一話  
 
 町を歩いてるとどこからともなく肉の腐ったような臭いが漂ってきた。  
 鼻をつまみながら堪えていると、いきなりなにやら赤黒い、でかいかたまりが俺の目の前に落ちてきた。  
 それは地面に落ちると悪臭を放つ汁を地面に撒き散らしながら転がり、止まった。  
 避けるまもなく、買ったばかりのズボンが汁まみれになってしまった。  
 辟易していると、低くしわがれたような声が響いた。  
「……腹減っだ」  
 赤黒いかたまりがしゃべった。  
 よく見ると、それは見たことも無い醜悪な生き物だった。  
「ごども、ぐいでぇ」  
 またしゃべった。  
 こうしていても仕方ない。  
 俺はその生き物を肩に担ぐと、鼻の曲がるような匂いを我慢しつつ、自分のアパートの部屋へと運びこんだ。  
 
                              つづかない  

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