navy & ivory (ネイビー アンド アイボリー)の歌う、指輪という曲がある。
いろはと、旦那様である若者と、二人、この曲を聞いていたら、
いろはが泣き出してしまった。
「・・うぅっ・・・・この曲酷いです・・・っ・・・・」
「う・・・まあその・・・確かに君を泣かせてしまう事もあるなんて言っちゃうのは・・・」
「そんな事で怒ってるんじゃないです!。
そりゃ、ずうっと一緒にいたら、喧嘩しちゃう事とか、泣かされちゃう事とか、あってもいいです!。
旦那様に泣かされるんだったら、私、構いません!」
「・・だったら・・何で・・怒ってるの・・・?」
「・・・僕が・・・さ・・先に逝っても・・・悲しまないで・・・笑ってて・・・なんて・・・、
・・そんなの絶対無理です・・・っ・・!!!!。
・・も・・・もし・・・・旦那様が・・・・私より・・・先に・・・・・・死んじゃったら・・・・、
・・私・・生きていけません・・っ・・・!!!!」
いろはが号泣してしまう。
「!!、あの、分かったから、その、・・そんなに泣かないで・・・!!」
若者が、涙の止まらないいろはを、そっと、強く、抱き締める。
「・・分かったから・・・、・・約束するから・・・・、
・・・いろはを残して、僕は死なない・・・。
・・死ねないよ・・・・。」
「・・・絶対ですよ・・・約束ですよ・・・?」
幼女の様に、瞳にいっぱい涙を溜めて、少し拗ねた様な表情で、いろはが、若者の瞳を見上げる。
「・・絶対だ・・、・・約束する・・・・。」
「・・・・」
若者の胸に面差しをうずめて、また、いろはが、泣いてしまう。
「・・・その代わり、いろはも、約束してくれないか・・?」
「・・何ですか・・?」
「・・僕の幸せの事を思って・・御前試合にまで出てくれて・・・、
・・いろはの気持ちは、とても有り難く思っている・・、
・・でも、
もう二度と、僕の為に危険な事はしないで欲しいんだ・・・。
・・いろはに万が一の事があったら、
・・そんなの、絶対嫌だ・・!!。」
「・・・旦那様・・・・」
「・・もし何かあったら、今度は、僕がいろはを護るから・・!」
「・・旦那様・・・・」
いろはの頬が、紅く、染まる。
「・・あの、そりゃ、僕よりいろはの方がずっと強いし、僕なんかじゃ役に立たないかもしれないけど、
でも、それでも、・・僕はいろはを護りたい・・・!!」
「・・・旦那様・・・・」
「・・だから・・約束してくれ、
・・もう二度と、危険な事はしないと・・・。」
「・・分かりました・・、・・お約束・・します・・・・」
(・・すみません、旦那様・・・、
・・私今、嘘を、ついてしまいました・・・・。
・・もし、何か、あったら・・・、
・・その時は、私が旦那様をお護りします・・・、
・・この命に代えても・・・・!)