「はるかなる山女壁女」  
 
 「はあ」  
 ナコルルの脳裏にまた胸が浮かぶ。あのフランスから来た摩天楼の様な大女  
の胸はナコルルの心を乱した。他にも胸の大きな女はいたのだが、あの胸が忘  
れられない。  
 (あの人の胸に比べて私の物は)  
 ナコルルが胸の小ささをこれほど気にしたのは初めてだった。  
 (揉めば大きくなるって)  
 「あ…」  
 自然と手が動いていた。薄い胸の上にかぶせられた手が動く。沈めれるほど  
の豊かさが元々無い。薄い胸にかぶせられた手が、指を押し付けて、離す。押  
し付けて、動かす。  
 「ううん…」  
 衣をはだけて直に触れた。薄さが痛々しい。しかしいずれは大きくする。し  
かし大きくなるのか。本気で大きく出来ると思っているのか。  
 「あっはぁっ」  
 乳首がいつの間にか起き上がっていた。白い裸身は赤みをほのかに帯びてい  
った。その裸体に、手が触れた。  
 「!!」  
 シャルロットがいた。すぐそばにいたのだろう。それにも気がつかないほど  
熱中していた事を察してナコルルが赤くなった。目にあの大きな胸が映る。更に  
顔が赤くなった。  
 「私も、手伝ってやろうか」  
 大きな手が直に胸に覆いかぶさった。足が震える。息は湿り、温もりが高まる。  
 「シャルロットさん、すごく、いい」  
(終わり)  
 

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