翌 日  
 
「と、いうことでな、道場を建て直してもらう事となったのだ」  
伍助は嬉しそうに箸を動かしながらそう言った。  
「やはり男同士、ハラを割って話せば分かってもらえた。さすが、一本筋の通った男衆だのう」  
「よかったねっ、ごっちんの夢にまた一歩近づいたってわけだねっ」  
うむうむと大人びた頷き顔の伍助を見て、志乃はぎこちなく微笑んだ。  
「・・・志乃、何か顔色がおかしいぞ? 大丈夫か?」  
「あ、うん! ダイジョブだよっ」  
やや頬を上気させつつもガッツポーズをとる愛妻を見て、伍助は小さく頷いた。  
 
「では、くれぐれも無理はせぬようにな」  
「うん! いってらっしゃーい!」  
それから程なくして、伍助は道場の普請を確かめるために家を出ていった。  
大げさに手を振って伍助を見送った志乃は、その姿が角を曲がったの確認すると、ゆっくりと屋敷内に戻った。  
ふうぅぅ、と長いため息を吐く。  
がくがくと、膝が砕けそうになるのを柱に掴まって堪える。  
歩を進める度にグリグリ動き、手の届かない身奥から快感の波となって押し寄せてくる。  
小さな身体に埋めこまれた張り型は、一夜明けて、猛毒にも似た威力を発揮していた。  
「う・・・う、ふっ・・・んっ・・・んん・・・」  
玄関の土間口で、志乃は半身を預けるよう廊下に倒れこんだ。  
内股同士が自然と擦り合わせる。顔を廊下に埋めるような体勢のまま、腰が左右に動く。  
「こんなコト・・・してちゃ、ダ・・・メ・・・。急がな・・・きゃ・・・」  
自分に言い聞かせるように呟くが、伍助の前で無理に抑えていた反動か、身体が思うように動かない。  
床板に、着物ごしに乳首が擦れて熱くしこり、きゅうぅん、と甘い痺れに似た感覚が全身を駆け巡る。  
 
そーだ。いっそ、このまま一度イっておいた方がいいかもしれないなあ・・・。  
 
目を閉じていると、そんな考えが思い浮かんだ。指先がしらずしらず、着物の裾に進みそうになる。  
 
先ほどの、伍助の心配そうな顔が、頭をよぎった。  
 
志乃は目を見開いた。  
「ダメ・・・!」  
志乃は大きく息を吸い込み、なるべく身を揺すらぬようゆっくりと立ち上がった。  
そのまま、廊下に寄りかかりながら自室へ向かい、出掛ける支度を始めたのだった。  
 
 
翻 弄 
 
越後屋はさも嬉しそうな笑顔で志乃を出迎えた。  
志乃の通された部屋は、こないだと同じ、土蔵を改築した窓のない座敷だった。  
「案外早かったねぇ」  
「どうでもいいから、早くアレ抜いて!」  
「おや、気に入ってもらえなかったかい? 気持ちよかったろ? 何回達した?」  
「ふざけないで!」  
志乃は精一杯の迫力を込めて、ニヤケ顔を睨みつけた。  
懐中には短刀を忍ばせてある。  
実際に刺す気など毛頭なかったが、いざとなれば見せ付けて脅すつもりだった。  
「やれやれ、分かったよ。仕方がないねぇ」  
越後屋はのそっと立ち上がると、部屋の隅に置いていた縄を手に取った。  
「な、なにする気よ!」身構える志乃。  
「張り型を抜く準備だよ。結構複雑な構造なのでね、しっかり立っててもらわなきゃ抜けないんだよ」  
言いながら、越後屋は縄を解いて天井の梁に引っ掛けた。パラリと降りてきた縄の先端は、鉄製の丸いワッカが二つ付いていた。  
「さ、そこに立って。その輪に手を通して、しっかり縄を握るんだ」  
志乃は胡散臭そうに天井から垂れた縄を眺めた。  
「まあ、私としては、そのまま帰ってもらってもいいんだけどね」  
思いっきり嘘っぽいのは分かってるけど、他に方法がない。付けたまま帰る・・・考えるだけでもおぞましかった。  
志乃はぶるぶるっと身震いし、意を決した。  
「約束、だからね!」  
「ああ、約束は守るとも。商売は信用第一だからね」  
越後屋は低い笑い声を上げた。耳に障る声だ、と思った。  
「これでっ、いいのっ!?」  
すっぽりと輪に手を通して、志乃は怒鳴るように言った。  
「ああ、いいともさ」越後屋は縄尻を取って、ぐいい、と器用に部屋の隅の鉤に引っ張って固定した。志乃の両手が引き上げられる。  
「ちょ、ちょっと!」  
「安心おし。ちゃんと張り型は外したげるから」  
越後屋は志乃の背後に回ると、帯を緩めて着物の裾を大胆にたくし上げた。真っ白の尻に這う黒い革紐のコントラストが外気に晒される。  
「待って! そんな・・・」  
志乃は慌てて止めようとしたが、手が抜けなかった。入れるときは余裕があると思ったのに、吊り上げられた途端にしっかり固定されていた。  
「暴れると危ないよ。じっとしておいで」  
越後屋は諭すように言って、志乃の尻たぶをゆっくりと撫で回した。  
「はっ・・・ああぁ・・・ん・・・」  
意図せずして、口から愉悦の声が漏れた。  
「ほぅら、やっぱりイイ感じに茹で上がってるじゃないか」  
「どうして?! ・・・これ手が・・・はずれな・・・い?」  
「しっかり掴んでおきなよ。さあ、外したげるからね」  
志乃の困惑を無視して、越後屋は懐から小さな鍵を取り出した。  
 
志乃の背面の腰骨辺りにある、Y字型の中心の錠前に差し込む。  
かちり、と音がして、革紐の拘束が緩んだ。  
越後屋はそのまま腰の周囲を巻いた革紐をくるりと外した。  
体内の張り型がわずかに出て行った感触があり、志乃は思わず小さく息を吐いた。  
「はあぁ、ぁ・・・」  
「さあ、いきんで」  
「え・・・?」  
志乃は思わず振り返った。  
「いきむんだよ。出さなくていいのかい?」  
「そんな・・・こんな途中で・・・。やあ、ン・・・!」  
越後屋の手が再び志乃の左右の尻たぶに伸びてきた。  
ぐにぐに、肌の張りを楽しむように揉みしだく。  
「いつまでもこんな可愛いお尻を突き出されてると、私も気が変わってしまいそうだよ」  
「や、あっ、あっ、ま、ってぇ・・・だ、っめ・・・わかった、からっ」  
志乃は切れ切れになりながら、体内の異物を出そうと必死で下腹に力を込めた。  
「ふぅ、ん、んん・・・」  
ぬちゃ、ずるずる・・・。  
越後屋が嬉しそうに見つめる中、畳に愛液を垂らしつつ、志乃の身体の奥から黒々とした木製男性器が抜け出してきた。  
「おぉ、だんだん出てきたよ」  
「んんんん・・・はっ・・・ふ、ン・・・ん・・・」  
「よーしよし、もうちょっとだよ・・・っと!」  
「あ、っは、あああああぁぁぁ!!」  
志乃の絶叫が狭い室内に響いた。  
半ばまで抜けていた張り型を、越後屋が片手で軽く突き戻したのだった。  
志乃は一瞬で達した。  
ぼたぼたぼた、と畳の上に更に大量の愛液が滴り落ち、腰がかくん、と落ちた。  
「どうだい? 抜ける寸前に押し込まれるのって、すっごく気持ち良かっただろ?」  
志乃の足元にしゃがみこんだ越後屋は、ぬっちょぬっちょ、と粘っこい音を立てる張り型を上下に動かした。  
「いっやあぁぁ・・! あっ、あっ、あっ、あっ・・・ダメ・・・やだっ、やだやだあぁぁ・・・」  
「志乃は、ここの奥のところを突かれるのが、好きなんだよねえ」  
越後屋は片手で志乃の陰芯を摘みながら、張り型の先をへその下をつつく角度を変えた。  
「ちがっ、アタシはっ、は、好きなんか、じゃ・・・っ、ひうっ、んっ、ふんっ、んぁう!」  
志乃は糸で弾かれた人形のように天井を見上げた。越後屋の手の動きがますますヒートアップする。  
「ああっ・・・うああ、んん! もう、ヤぁだ、あ、あっ、あっ、あっ、あーっ! も、うっ、ダっメええぇ!」  
すすり上げるような泣き声を上げ、顔中を涙とよだれだらけにして、志乃は外聞も構わず叫んだ。  
 
ぴたり、と越後屋が手を止めた。  
「え・・・?」  
はあぁ、と熱の篭もった吐息とともに、志乃は怪訝そうな表情を浮かべて越後屋を見た。  
「志乃、イきたいのかい?」  
越後屋が、さも面白そうに訊ねた。  
志乃は唇を噛んだ。  
「気持ち良く、なりたいだろ?」  
志乃は答えず、はっはっ、と荒くなった息を整え、大きく息を吸った。  
「だあれが! アンタなんかに! イかしてもらいたいなんて! 思うもんかぁっ!」  
越後屋は目を瞬かせて、驚いた様子だった。  
「アタシを抱いていいのはごっちんだけなの!!はやく、アタシを離してぇ・・やあ、あ、あぁっ、あっ! はっああああぁぁぁぁ・・・!!」  
越後屋の手が再び動いた。  
すでに絶頂寸前まで高められていた水位は、わずかな刺激で一気に溢れた。  
「・・・面白い。その強情っ面がいつまで持つか、試してみようじゃないか」  
そんな越後屋の呟きを聞きながら、志乃の意識は押し寄せる快楽の波に飲まれて途切れた。  
 
 
崩 壊  
 
それから。  
志乃にとって地獄のような快楽に包まれた日々が続いた。  
伍助を送り出した後、駕篭で越後屋まで迎えられ、日が暮れるまでたっぷりと弄られた。  
家に戻される際には、必ず例の黒い淫具を身体の中深くに押し込まれた。  
別れ際には「体面を重んじる武士の妻が、あろうことか商人と密通しているなどという噂が広まったらどうなるだろうねえ」と、皮肉たっぷりの台詞を言い含められても、志乃はただぎゅっと奥歯を噛みしめて耐え忍ぶだけだった。  
そんな二重生活が毎日のように続き、越後屋による調教は日々エスカレートしていった。  
 
口腔に越後屋の肉棒を押し込まれ、小一時間も奉仕することを強制された。  
 
時には、排泄器官でしかない箇所を指で穿られ、無理やり肉棒を埋め込まれたこともあった。  
 
縄でダルマのような体勢にぎっちりと縛られ、その秘所に媚薬たっぷりの張り型を埋め込まれ、志乃が狂ったように泣き叫ぶまで床に転がされていたこともあった。  
 
柱に縛り付けられ、乳首の先端と陰核部にリングを付けられ、面白半分で引っ張りまわされたこともあった。  
 
「・・・というわけで、七菜村という所に行かねばならぬのだ。しばらく帰れぬと思う」  
夕餉の最中に伍助がそう言うのを、志乃はやや呆けた様子で聞いていた。  
「え・・・そうなの?」  
「すまぬ。せっかくのまともな弟子の頼みなのでな。なるべく早めに帰れるようにするからな」  
頭を下げる伍助に、志乃はぱちんと手を打った。  
「それじゃ、出掛ける用意をしなくっちゃねー!」  
と、明るい声で言って立ち上がると、とたたっと廊下に走り出た。  
「そんなに急いで支度せずとも良かろうに?」  
「いーからいーから」  
伍助から見えない位置まで来ると、志乃は歩みを遅くして立ち止まった。  
(アタシ・・・今、一瞬、喜ばなかった・・・?)  
荒々しく濁った快楽の波。越後屋の下卑た顔が近づき、全身を汚されつくす暗い快感。  
無理やり作った笑顔の目尻から、一粒の涙がこぼれた。  
「もう・・・もうヤダよ・・・。ごっちん、助けて・・・」  
 
 
「ほら、腕を後ろに組んでごらん」  
「・・・・・・」  
志乃は言われるまま両腕を後ろに回した。越後屋は慣れた手つきでその両手首を縛り上げると、ぐいっと縄尻を引っ張った。  
志乃が身にまとう物は、既に何ひとつなかった。乳房を強調するように上下を走った縄を別にすれば、だが。  
越後屋が嬉しそうにツンと尖った乳首を摘んだ。  
「ああっ・・・ン」志乃が鼻にかかった声が上げた。  
「何を期待してるんだい? ん?」  
「そん、っなコト・・・ないモン」  
越後屋はひとしきり志乃の柔肌を楽しむと、黒い布切れを取り出した。  
「それ、は・・・?」  
「今日はコレを使ってみようか」  
布切れを帯にして、志乃の頭に回して目隠しにする。  
「ふ、ああぁんっ?!」  
「目隠しされると、感覚が敏感になるだろ?」  
突然秘所に与えられた刺激に、志乃は身をくねらせて悶えた。志乃の秘孔に指をめりこませ、柔肉を撫でさするように上下させる。  
「い、やあああ、あ、あ、っはぁンっ、んぅ・・・やめてぇ・・・」  
「今日からしばらく、旦那が帰って来ないんだって?」  
志乃は、はっと息を呑んだ。  
「ど、して・・・それを・・・ンンーっ!」  
唇を奪われ、押し入ってきた舌で口中をくまなく味わわれる。  
「あんなヘンな三流道場の事くらい、すぐに調べられるさ。さあ、帰ってくるまで何日か、たっぷりと楽しもうじゃないか」  
嘲りの口調で越後屋が言う。  
「・・・ヘンな三流道場なんかじゃ、ないっ! ごっちんの、大事な、道場なんだ、から」  
息を切らしながら、志乃が言った。  
越後屋は驚いた表情で志乃の様子をしげしげと見つめた。  
「まだ、そんな口が聞けるのかい・・・いいだろう、もう一度あの薬を使ってやろう」  
越後屋が離れて行くのを感じて、志乃は身を強張らせた。  
「ダメ・・・あれだけは、やめて・・・アタシがアタシじゃなくなっちゃうよぉ!」  
涙声で志乃が訴えた。  
しばしの時を置いて、べちゃ、と冷たい粘液が志乃の腹部に塗りこまれた。志乃は短く悲鳴を上げた。  
「またせたね。さあ、これで、誰がお前の本当の主人か、思い出せるかな」  
腹部から両乳房へ、垂れ落ちるどろっとした液体を志乃の股間に丹念に塗りこんだ。  
 
「きゃ、や、あ、あは、あっ、あっ、あっ、い、や、ああっは、ふ、ふうっ、ふうぅぅ〜〜」  
「どうだ? 気持ちいいか? ん?」  
「い、い、いい、や、っはあ、あァン、あっ、やああぁぁン」  
「私は、気持ちいいかどうか、聞いてるんだよ?」  
粘液に濡れた指で志乃の秘部を弄りながら、越後屋が訊ねた。  
「あ、う、うん、キモチ、イイっ、イイよぉ〜! イイですぅ!」  
越後屋は満足げに笑うと、己の肉棒を露出した。しごきながら志乃の口元に差し出す。  
「ホラ志乃。くわえるんだ」  
「あ・・・むぅ・・・ン」  
無理やり咥えさせられた肉棒に、志乃は半ば反射的に、仕込まれた通りに舌を這わせた。  
稚拙な舌の動きだが、越後屋の興奮の度合いを高めていくには十分だった。  
「よし、もういい」  
志乃の肩を突いて仰向けに押し倒すと、越後屋は志乃の両足をがばっと大きく開いた。  
「ヤぁだ・・・」  
薬の効果か、志乃の全身はぬらぬらと濡れ光り上気して真っ赤になっていた。  
その秘所の赤い秘肉はすっかり充血して、媚薬とも愛液ともつかないものでしとどに溢れていた。  
「いれてやるぞ・・・」  
「あ・・・んっ・・・や、ああああぁぁっ!!」  
この数日間で、越後屋を受け入れることにすっかり慣れてしまった志乃の膣は、入れられるや否や肉棒をきつく包み込んだ。  
「ほぅら、こんなに美味そうに、私のを咥え込んで離そうとしないよ」  
「や、あっ、あっ、ああっん、言、わない、でぇぇ!」  
越後屋が腰を動かしながら続ける。  
「志乃、どうだい? いいのか?」  
「い、やぁ。・・・やっ、あっ、あっ、あっ」  
「嫌ならやめとこうかい?」  
「ヤ! い、やぁ・・・おねがいぃ・・・」  
志乃は一瞬だけ言葉に詰まった。  
「つづけて・・・くださ、い・・・」  
越後屋は志乃の乳首を口に含みながら鼻で笑うと、ぐいぐい腰を動かした。  
「あっ、あっ、あっ、はっ、やぁん・・・そこ、そこがいいのぉ! もっと、もっと奥に! きてぇぇ!」  
感じるところをゴリゴリと刺激され、志乃は何度も甘い嬌声を上げて悶えた。  
越後屋は志乃の膣の収縮を楽しみながら、次第に腰の速度を落としていった。  
「・・・ぁ、あ、え・・・?」  
「志乃、私の囲われ者になりなよ」  
「え・・・?」  
「今の旦那・・・宇田川伍助、だっけか?」  
「ごっちん・・・?」  
「別れちまいなよ」  
耳元で越後屋が言った。言って、腰を一突き、志乃の一番深いところを刺激した。  
「あっ、ああああっっっ!!!」  
「ほら、気持ちいいだろ? 私のところに来れば、ずーっと気持ちいいことを続けてあげるから」  
ゆっくりと、一突き一突き腰を打ちつけながら、越後屋は笑いながら言った。  
「う、うう、・・・」  
志乃はうめき声を上げた。  
「うう、うー・・・ヤ、ダよぉ・・・」  
「うん? なんだって?」  
「アタシ・・・ごっちんと別れるの、ゼッタイにヤダよおぉ!!」  
どこに余力があったのか、と思えるほどの声だった。  
「もう、ヤだああぁぁ。助けてえぇ! ごっちん、助けてよぉぉ!!」  
完全に快楽からではない、悲痛な叫びだった。  
 
その時。  
 
越後屋の背後で、扉が開いた。  
 

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