道場の屋根から飛び降り伍助と別れた後、オレは夜道を一人歩きながら、ふーっと溜め息を吐いた。  
 この溜め息は、妹に今も泣き暮らすほどの扱いをした元義弟の事や、  
妹への愛ゆえに暴走してくれそうな現在の義弟の事が問題なのではない。  
自分自身の妹との間に起こった間違いを思い出して、オレは己に溜め息を吐いたのだ。  
 駆け込み寺から家へと戻った当初、志乃はずっと泣き暮らしていた。  
 オレに心配をかけまいと隠れて泣いていたようだが、幾ら隠した所で泣き腫らした目を見過ごせるほど、  
オレは愚鈍な人間じゃない。  
 何より、志乃が隠し切れない夜泣きは尋常ではなく、オレはその夜泣きを何度も欲望のままに抑え付けた。  
 志乃の夜泣きをなだめるのではなく、オレはただ、あの夜泣きに煽られるまま、志乃を犯した。  
 兄妹でありながら、弱っている志乃に乱暴を働いたオレは、多分、桐之進よりも何百倍も悪人に違いない。  
 志乃の夜泣きは、桐之進の迫った閨の激しさを思わせる壮絶なものだった。  
 何度も赦しを請いながら、懸命に雄に尽くそうとする。  
 初めて志乃の夜泣きを目にした時は桐之進への怒りが煮えたぎったが、志乃を抱いた後では、  
奴を責める正当性がオレには無い気がして、何も出来ない己が歯痒がった。  
 今も夜になるたびに、志乃の幻影を見る事がある。  
 特に家の寝床に一人でいると、『桐之進様、どうか御赦し下さい』と繰り返し、  
泣きながらすがりついてくる志乃が見えてしまう。  
 手酷く躾られ覚えこまされたに違いない手や口を使った奉仕は、  
未だ幼い妹に不釣合いなほど磨かれた技術だった。遊女のごとき巧みさで雄をためらいもなく飲み込み、  
焦点の合わない怯えた目でこちらの様子を窺いながら尽くしてくる。  
 夜の暗闇の中で、あの屋敷と自分の家、桐之進とオレを見分けられなくなった志乃が、  
泣きながら尺八をしようとした時、オレは志乃から逃げるように離れ、言葉で説得しようとした。  
 ここはお前の慣れ親しんだ家で、自分は兄なのだと、何度も言い聞かせたが、夜の怖さに混乱した志乃は、  
朝が来るまで泣き通しで治まらない。  
 光が差して、ようやくちゃんと周囲が見えるようになって、志乃はプツリと糸が切れたように眠り込み、  
そして起きた後はまた、オレの前で涙を見せぬように昼を過ごしていた。  
 
 妹に対して言い訳はしたくないが、あの夜、志乃に迫られて逃げずに応じたのは、  
連日の志乃の夜泣きに付き合って寝不足だった事も一理ある。志乃が心配で  
茶屋どころか自分で抜く暇もなく、溜まっていたせいもあった。  
「抱いて下さい、桐之進様」  
 とても準備が整っているとは思えない、潤みの足りない秘所を自分から割り開き、志乃が震えながらねだる。  
 その夜オレは、志乃が咥え込もうとする前から怒張していて、ソレに気付いた志乃が、  
オレの欲望を鎮める為にすべき事として考えた結果が、それだった。  
 浴衣をたくしあげた四つんばいで、後ろに両手を伸ばして陰唇を割り開く姿。  
 土手はまだ幼子のようにスベスベとした女陰なのに、膣は陰唇を拡げるだけで穴をパックリと開き、  
肛門も使い込まれ少しめくれあがるような形をしていた。  
 誘うようにひくつく2つの穴に、吸い寄せられるように舌を伸ばす。  
「き、桐之進さ、まぁ…あぁ…やぁ…気持ち、気持ちいいです」  
 無理矢理に拡げられ陵辱された秘穴が不憫で、傷口を舐めるような気持ちでオレは舌を当てたはずだった。  
 しかし、舐めるほどに濡れてほどけ始める女陰が、オレを狂わせる。  
「んぅ…桐之、進…様、そのようになされては、先に気を遣ってしまい…ます。どうか、御赦し下さい…」  
 志乃が上擦った声で絶頂を拒む。おそらく、先にイくのを禁じられていたのだろう。  
 だからといって、あの男の事、自分がイッた後に志乃を慰めなどしなかったに違いない。  
 散々に陵辱され、快楽を得るのも許されず、それでは志乃が夜を怖がるのも当然だ。  
「先にイケばイイ」  
 溢れ出してきた蜜を舌にのせ、味わう。妹の味はまだ女が薄いが悪くなかった。  
 その蜜と唾液を混ぜたヌルヌルを陰核にまぶすように舌をまわせば、ピンと硬く勃ち上がる。  
「でも…ひぁ…ダメ…これ以上は、本当にお止め下さい」  
 唾と愛液で濡れるしこった陰核を指でくすぐり、懸命に今も陰唇を割り開く志乃の指を舐めれば、  
甘く切なげな声が耳に響いた。  
「イイから、イケって」  
 陰唇に爪を立てながらも絶頂を堪えようとする志乃を、快楽に引きずり込むため膣穴に舌を押し込む。  
 潤み緩んでいた膣が、舌を挿し入れてほどなく、キュウゥゥッと独特の締め付けをみせた。  
「…桐之進様、ごめんなさい、ごめんなさい…先に…先に気を…」  
 泣きながら先に達した非礼を詫び、それでも志乃は指を離さず女陰を曝しつづける。  
 普通、女ってのはイッてしまうと力が抜けて、さっきまで当り前にしていた事が突然、出来なくなったりするもんだ。  
 それなのに志乃はイッても気を抜かず、こちらに注意を向けたままである。  
 どれだけ手酷く扱われたのか、それを思うと頭はガンガンと、胸は苦しく、はらわたは煮え繰り返った。  
 
「桐之進様、どうぞ、志乃を罰して下さい。主よりも先に気を遣るなど、志乃は罰されて当然です。  
どうぞ、桐之進様の思う通りになさって下さいませ」  
 オレの怒りの矛先が自分に向いていると思ったのか、志乃は震えながら頭を伏せ、  
ずっと離さなかった指を畳につき、罰を願う。  
「志乃、やめろ。もう、十分だ。そんな事はイイから…」  
 志乃の頭を上げさせようと指先を軽く肩に乗せ、言葉を掛けた。  
「申し訳ありませんでした…口の使い方を忘れておりました。桐之進様、失礼いたします」  
 志乃の前で、畳に膝をついたのが間違いだったのかもしれない。  
妹の指がオレの浴衣の合わせの中に入り込み、下穿きを撫でた。すぐに頭まで股間の方へ潜り込み、  
木綿の上から竿の形を確かめるように舌が舐め上げてくる。  
 口は言葉を紡ぐよりも、舐るための舌を使えというのが、桐之進が志乃に教え込んだ事らしい。  
 既に先走りの露で汚れていた晒し木綿が、瞬く間に志乃の唾液でぬめっていった。  
 布地の上から怒張を一通り舐め尽し、志乃のか細い指がオレの雄を外気へと曝すべく褌へとあてられる。  
 逃げるならばこの隙を逃せばもう、次は無いと分かっていたのに、オレの中の欲望が勝り、  
妹にされるがまま、六尺から摩羅を解き放った。  
 股間を覆っていた布が取りされられてもオレの怒張は天を仰ぎ続け、硬度を緩めることは無い。  
 もはや精を放つ以外に、この昂ぶりが収まる方法は無かった。  
「志乃…」  
 自分から浴衣の合わせをまくりあげ、志乃が陽根にしゃぶりつくのを見下ろす。  
 妹の尺八は今までに手合わせしたどの女よりも巧みで、そして、どの女よりも苦渋に満ちた表情をしていた。  
 喉奥に触れるほど深く咥え込み、口腔にある舌が裏筋を刺激する。志乃はえずく事もせず唇をすぼめているが、  
その目は怯えながらこちらを見上げ、静かに涙を流していた。  
 昼間に見せる明るい笑顔からは想像もつかない静かな泣き顔で、嫌がりながらも至妙な舌捌きで男を扱う。  
 この舌の蠢きが妹でなく、茶屋の女郎であればオレはとっくに気を遣っていただろう。  
だが、どうしても妹の泣き姿相手に精を吐けるほど、外道にはなり切れないようだった。  
「だからって萎えもしねぇんだから、既に外道か」  
 オレは一人ごち、志乃の額に手をあてて尺八を止める。  
 舌先と鈴口の間に卑猥な糸が幾筋も伸び、ふっと夜の闇の中へと紛れた。  
 行灯の薄明かりの中で妹を見下ろせば、少したわんだ浴衣の胸元から薄い膨らみが見てとれる。  
少し目線を上にずらせば、志乃が何か粗相でもしたのだろうかと、震えながら不安げな目でオレを見つめていた。  
 男女の情を交わすには、妹はオレには近すぎる。女達に振舞うような安っぽい愛を囁くには、  
余りにも愛しい相手だった。  
 オレは志乃に掛けるべき言葉を見つけられずに、肩を掴んでなるべく優しく後ろに引き倒す。  
 足を掴んで深山での結合をしようとしたが、正座をしたまま後ろに倒れた志乃のふくらはぎは  
尻の下に敷かれていた。  
 後ろに倒れた事で浴衣ははだけ、滑らかなどてと濡れた女陰が突き出されるように見えている。  
 女に千鳥の体位がキツイのは承知しているが、蕩けた秘裂は本当に蠱惑的で目が逸らせず、  
そのまま覆いかぶさった。  
 
 挿入を察して志乃が少しだけ腿を開き、雄を受け入れる。  
 男を咥え込んできた形を見せていた膣口とは思えぬほど、入り口から内の肉襞まで  
柔らかくオレを締め上げてくる。  
 未通女相手かと錯覚しそうなほどキツさを感じる膣を押し進み、肉棒を深くまで挿し入れれば、  
最奥の壁を先端に感じた。  
「桐之進、様…」  
 志乃があまやかな声で元夫を呼ぶ。手をこちらに向かって伸ばしかけたが、  
キュッと拳を握り締めて思いとどまると、畳の目や縁を掴むようにして  
これから始まる揺さぶりにに耐えようとしていた。  
「すぐに済むから、我慢してくれな」  
 妹の身体の筋は柔らかいが、この不自然な体位には負荷が多いだろう。  
オレは志乃の腰のくびれに手を掛けると、自らの腰を動かして快楽を貪った。  
 オレが腰を振り始めると、志乃は膣を犯しながら腿に擦れる男根の為に足を柔らかく閉じ合わせて、  
よりこちらが刺激を受けやすいように調節を加えてくる。  
 たった1年離れていただけなのに、小さな妹の肉体には雄を悦ばせる術が詰め込まれていた。  
 志乃は感じているのか、それとも辛いのか、ガリガリと畳を掻きながら、しとどに女陰を潤ませる。  
 乾いた肉のぶつかり合う音がいつしか互いの汗で湿った肉のぶつかり合いとなり、  
淫液の絡んだ結合が発する下卑た音は寝間の外まで聞こえそうなほど大きくなっていた。  
「…あぁっ…ダメ、です…桐之進様…そのように、なされては、アタシ、また……ひぁっ…」  
 挿し込みの角度を少し変えると、サオに擦れるように志乃の淫核が上下に動く。  
その刺激に志乃が高い声を上げ、主人より二度も先に達する訳にいかないと首を振って絶頂を拒んだ。  
 気を遣るのを拒もうとしていても、女陰全体がヒクつき、膣は快感を求めうねっている。  
 ここに更なる刺激を加えれば、志乃は悦楽を拒みきれずに気を遣るに違いなかった。  
「イケ、志乃。オレも、もう…」  
 最後の前に奥まで摩羅を挿し入れ、精を放つ寸前に引き抜く。  
 流石に妹にオレのややを産ませる訳にはいかないので、子種が畳に零れるのを覚悟で  
志乃の膣から抜き出した。  
「桐之進様…」  
 気を遣りきるためにオレが己の竿に手扱きを加えようとした時、  
今にも絶頂に達しようとしていた志乃が身体を起こし、咥え込む。  
「志乃…っ」  
 強く吸われ、離れる間もなく、妹の口内に全てを出しきってしまった。  
 志乃はゴクリと喉を鳴らしながら、指先で少しだけ自らの女陰を掻き、絶頂の震えを見せる。  
 泣き腫らした目からは枯れる事なく涙が溢れているというのに、それでもオレを悦ばせる為、  
男根を清めようと舌を動かしていた。  
 
 オレを清め終えると、志乃が三つ指をついて深々と頭を下げた。  
「今宵も、ありがとうございました。舐めていただいたのは初めてでしたので、嬉しかったです」  
 小刻みに震えながら志乃が犯してもらった礼を述べ、寝間を出ていく。  
「…志乃」  
 あれだけ閨の技術に長けさせておいて、桐之進自体は志乃に舌を当てる事すらしてなかったようだ。  
 障子を音もなく閉め、自らの寝間へ戻っていく志乃を追おうと、部屋を出て数歩。  
妹はパタリと廊下に倒れていた。  
 何か無理が祟ったのかと様子を窺えば、泣き濡れた顔のまま既に寝息を立てている。  
 小さな身体で男の欲望に応えるのは、余程、大変なのだろう。  
 何より、あのような精神的負荷の中、迫られるものであれば…。  
 
 不憫な妹を思えば、オレは応えるべきじゃないのだ。そう、何度思っても、  
快感すら禁じられていた志乃を思うと、少しでも感じて欲しくて、様々な事をオレはその後もやってしまった。  
 そうして、身体を重ねた回数を数えるのもバカらしい状態になった頃の事。尽くしてこようとする志乃の身体を、  
ギュッと抱きしめた。  
 考えてみれば、寝間を訪ねてくる志乃を抱きしめたのは、それが初めての事だった。  
 日常、志乃を背負う事もあれば抱き上げる事もあったのに。交合の最中、抱きしめたのはそれが最初だった。  
「兄、上…?」  
 オレの腕の中で、志乃が戸惑った顔を見せる。  
「志乃…お前」  
 夜の閨の中だけの志乃でなく、いつもの妹の姿がそこにあった。  
「桐之進様が何で兄上に替わっているの…?」  
 混乱した表情で、俺の顔をしげしげと志乃が見つめてくる。  
「それは…えーと、そりゃぁ…」  
 何と説明しようか、それとも言い訳しようかと、未だ繋がったままの態勢で志乃から抜く事も忘れて  
しどろもどろになった。いつもならツラツラと出てくる軽口や嘘も、この時ばかりは何も浮かばない。  
「まあ、いいや。アタシ、眠いから寝るね。おやすみ、兄上」  
 だがオレが焦っている内に、志乃は何事もなかったようにそのまま寝入ってしまった。  
それは、いつものような笑顔を浮かべた安らかな寝顔。  
 オレは未だ熱の冷めない男根を志乃の中から引き抜き、正気に戻ったらしい妹に布団をかけてやった。  
「そういやオレは、志乃を突き放してばかりいたんだなぁ……」  
 寝間で縋ってきた志乃を抱きしめれば、それだけで最初から、こんな事にはならなかったのかもしれない。  
 怯える志乃に怯えて、オレが逃げた結果、事態はややこしくなったのだ。  
 次の朝、目覚めた志乃は昨夜の事など何も覚えていない様子で、何故オレの部屋で寝ていたのかを  
悩んでいた。しばらく考えた末、厠に起きた時に間違えたのだろうと勝手に納得していた。  
 
 
 あれ以来、志乃はオレの寝間を訪ねなくなり、夜泣きも、独り寝の中で静かに涙を流すだけとなった。  
 志乃の悲しみや辛さを癒すには、温もりが必要に違いない。  
 それは夫にはなれない兄のオレが、志乃に与えるにはいかないものだ。だから、せめてイイ奴を捜そうと、  
オレは今度は何度となく相手の素行を調べ、慎重に事を運んだ。  
「まさか、伍助ちゃんが、あそこまで志乃に惚れてくれるとはねぇ…」  
 伍助に縁談を持ち掛けた時は、色事に疎そうなコイツの事、抱いたところで志乃が生娘かどうかなど分かるまい。  
それに、バカ正直で実直なコイツは世情に疎いがゆえに出戻りも知らず、妹を幸せにしようと尽くしてくれるだろう。  
 そんな打算的な思いが少なからずあって志乃を託したのだが、今は本当にアイツを選んで良かったと思う。  
 裕福かどうか、出世しそうかどうかなど関係ない。  
 志乃が終生笑って暮らせるような、心安泰になれるのは、もう多分、今となっては  
あの男の隣でしか、なしえないのだ。  
 だって志乃は、あんなにも毎日楽しそうにしている。ほんの三日、伍助が家を空けただけで、  
あれほど悲しみ落ち込んで、本当に好き合ってくれているのだ。  
 そんなふうに二人の夫婦としての仲は、今後、末永く幸せに違いないと思っていたのに、  
桐之進と伍助が関わったのは本当に運が悪かったと思う。  
 志乃にあれ以上の苦労を味わわせぬよう、伍助に真実を少しだけ話したが、やはり、衝撃は大きかったようだ。  
 周りから伝え聞く今日の伍助の失態は、志乃相手に今頃、何をのたまわっているか分かったもんじゃ無い。  
 少し様子見をしようかと義弟の家に向かう途中、一心不乱に駆け抜けようとする伍助を見つけた。  
 必死の形相の奴のマゲを掴み、行く手を阻む。  
 伍助の言葉とただならぬ様子に、志乃がまた泣かされたのだと察しがついた。  
 オレは妹と義弟の幸せを願って、元義弟相手に剣を振るう覚悟を決める。  
 そう、妹を不幸せにした代償を取り立てるのに、時効はないのだ。  
 例え己の身に何か不都合が生じようとも、妹の不幸せの償いに、丁度イイじゃないか。  
 オレは、そう心の中で考えながら、義弟へ加勢の意を表した。  
 
 

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