時刻は早朝。
日も昇っていない薄暗い閉め切られた部屋で、もぞもぞ布団が動いた。
「・・・ごっちん、おはよー」
隣の布団に呼びかける。
返事の代わりに小さなイビキが聞こえた。まだ完全に寝入っているようだ。
志乃はそーっと身を起こすと、布団から抜け出した。
ごそごそ・・・。
ぱくっ。
「・・・う? ん・・・んん?? ・・・うおあーーっ!!」
伍助は叫び声をあげて、大慌てで掛け布団を引き剥がした。
そこには、己のペニスにしゃぶりついた愛妻の姿があった。
「ごっちん、おっはよ〜」
口を離してパタパタ手を振る。
「志乃、何をやっている!?」
「んー、とね。おはようのあいさつ、かな? あは」
「・・・食いちぎられる夢を見た」
「えへへ、ゴメンね・・・でも、ホラ。カッチカチになってきたよ」
ペニスの棒部分を手慣れた調子で擦りあげながら、志乃が明るく言った。
伍助はなるべく快感を表さないようにしたが、自然鼻息が荒くなった。
「しかしだな、こんな朝っぱらから、このようなことをするのは・・・」
「えー? ダメなのー?」
志乃は不満げに声を上げた。
そのまま先端にそっと口付けし、肉竿に舌を絡め鈴口から裏筋をゆっくりと舐め上げる。
「や・・・あ・・・ダメじゃない・・・」
たちまちうっとりした表情になった伍助を見て、志乃は嬉しそうに笑った。
「いつイってもいいからねぇ」
そう言って、志乃は愛おしそうに目を細めると夢中でしゃぶりついた。
吸い上げて、舌を這わせ、亀頭部分の敏感な場所を丹念に刺激する。志乃の歯の欠けたところが当たることもあったが、それさえもアクセントとなり快感の度合いを急速に高めていった。
時々「うっ・・・」と小さく声をあげていた伍助だったが、次第に我慢の限界が近づいていた。
「し、志乃! オレはもう・・・!」
志乃は伍助の様子を見て、ますますペースを上げた。
「いいよぉ」口に伍助自身を含んだまま、志乃が短く言った。
その声の振動がトドメになったのか、伍助は思いっきり志乃の口中に精液を放った。
どくん、どくどく・・・。
二度、三度と蠕動して射精を繰り返す伍助のペニスから口を離さず、志乃は全て受け止めた。
「志乃、大丈夫か!?」
「んん・・・んくっ。・・・んぅ」
喉に絡む白濁液を嚥下し、志乃は満足そうな表情を浮かべた。
「ごっちん、ごちそうさまでしたー♪」
「あんなもの、美味くなかろうに」
「知らないの? ごっちんのはオイシイんだよ」
指先に付いた粘液を舐め取りながら、志乃が言った。
「それじゃ、アタシ朝ごはん作ってくるね! ごっちんは寝てていいよ」
バタバタ慌ただしく寝具を片付けると、志乃はそのまま部屋を出て行った。
後にぽつんと残された伍助は、もそもそと掛け布団を直して再び横になった。
天井をじっと見つめる。見知った天井の木目が、志乃の顔に見えてくる。
・・・ああ、オレは世界一の幸せ者だ。
そう思いながら、伍助は再び眠りの中へと落ちていった。