「ふー・・・・。」  
 湯船に浸かりながら一日の疲れを吐き出すように伍助はため息を吐き、  
今日も疲れたな、と今日の出来事を思い返した。  
暖かい湯の中にいると嫌な事も忘れられる。しかし、一つだけ気にかかる  
事があった。 志乃のことである。  
松山の一件から以前よりも志乃と伍助の間の距離は縮まったかもしれない。  
だが伍助には未だ志乃と距離を置いているような感覚があった。  
一般的な夫婦とは程遠い・・・伍助がそう考える理由はやはり夫婦の契りを  
交わしていないからだろうか。  
 無理にそんなことを強要すれば志乃は自分を見損なってしまうかもしれな  
い。それだけは嫌だった。かといってこのまま何もしなければ本当の夫婦に  
はなれない・・。そんなことを考えていると、立ち込める湯気の中で伍助は  
フッと寝てしまった。  
「・・・・・・む」  
 伍助はハッと目を醒ました。いかんいかん・・つい湯の温もりの気持ちよ  
さに包まれて寝入ってしまった、と伍助が自らの頬を叩いた時だった。  
 ガラリ。  
 風呂場の戸が開けられた。伍助は思わず湯船の中に頭を引っ込めてしまった。  
志乃が手拭い一つで風呂場に入って来たのだ。  
どうして志乃が風呂に・・・?いやそれよりもこのままでは大変な事に・・・。  
伍助は混乱し、焦った。しかし時既に遅し。伍助はあっけなく志乃に見つかった。  
「ごっちん? 何してるの?」  
 思わず体を手拭いで隠す志乃。驚いているのは志乃の方だった。  
「し、し、志乃こそ・・。俺はさっきから風呂に入っていたのは知っていたであ  
ろう?」 湯船から頭だけ出して伍助が言った。  
「さっきってごっちん・・・。もうずうっとお風呂入ってるよ。てっきりあたし  
もう上がったのかと・・。」 その時伍助は初めて気付いた。とんでもなく長く湯船に浸かり続けていたという  
ことに・・・。自分の不注意で志乃に迷惑をかけた・・。そう思うと急に申し訳な  
い気持ちが志乃に対してこみ上げてきた。 「すまぬ!」  
 脇目もふらず伍助が風呂場から出て行こうとすると、  
「あ・・待ってごっちん!」  
 志乃が伍助の肩を掴んで引きとめようとした。すると、志乃はすのこの上で足が滑り、  
バランスを崩してしまった。  
「わ、わわ・・・」 ざぶーん。志乃はしりもちをつくことは何とか回避したが、そのまま湯船に突っ込ん  
でしまった。 「志乃!」  
 伍助が慌てて駆け寄った。  
「だいじょーぶだよ・・・ごっちん。」  
 志乃が湯船から顔を出した。伍助はホッと胸をなでおろした。しかし伍助はさっき、ま  
での状況を思い出した。  
「あ・・・その・・。」  
 伍助が何か言い出す前にそれを志乃が制した。  
「ごっちんも一緒に入ろうよ。」  
「志乃!・・それは・・。」  
「良いよ。体見られたって。二人で入る方があったかいよ、ね?」  
 ここで出て行けば後々気まずい。伍助はそう判断した。だが・・・二人で湯船に浸かる  
のもかなり気まずい・・・。  
伍助はおそるおそる志乃のいる湯船に身を沈めた。伍助はガチガチどころではなかった。  
そしてさっき志乃の言った事を思い返してみた。良く考えると、志乃は俺を後々気まずく  
ならないよう気遣ってくれたのではないか?だから一緒に風呂に入ろうと・・。  
 ますます自分の無力感と、苦労をかけていることへの責任感で伍助の頭はいっぱいにな  
った。  
「志乃・・・・・すまぬ・・・毎日苦労ばかりかけて・・・。」  
「ごっちん、あたし気にしてないよ。当たり前のこと・・・してるだけ。」  
伍助はふと左にいる志乃を見た。綺麗な肌・・・わずかに見える胸のふくらみ・・・湯に濡  
れた髪・・・伍助は心から志乃を美しいと思った。伍助の一物はそれに正直に反応した。  
むくむくと大きくなっていく一物。伍助はそんなところを見られてはたまらないので必死で  
抑えようとした。だが、抵抗空しく伍助の一物は今や天を仰いでいる。  
 
「ねえ・・・ごっちん。」  
 志乃に見えないよう一物と格闘していた伍助が慌てて答える。  
「な、何だ志乃」  
「あたしごっちん・・の・・」  
「その・・・・何ていうのかな・・・」  
「えっと・・・ね・・・その」  
 
「ほんと・・のっ・・・ほんとのお嫁さんに・・・なりたぃな・・・なんて」  
 
 伍助は呆然としていた。言い切った志乃は顔を赤らめている。伍助はまさか志乃がその事を  
言い出すとは思わなかった。それだけに自分が今まで言い出せなかったことに情けなさを感じた。  
今ここで拒めば志乃に恥をかかせることになる。そう思った伍助は志乃にこういった。  
 
「志乃・・・すのこの上に横になってくれ」  
 志乃は言われた通りに湯船から上がりすのこの上に横になった。  
 
伍助も上がってすのこの上で寝ている志乃に覆いかぶさった。  
「し、志乃・・・本当に良いのか?」  
 声は上ずっていた。  
「うん・・・あたしの体はごっちんのだよ・・。」  
 志乃の顔に恥じらいの色が浮かんだ。伍助はこうなってはもう止まらなかった。  
志乃の胸に手を当て、ゆっくりと触る。少し弾力のある乳首をつまんだり、なめたりする。  
「あっ・・・。」  
伍助のその動きは段々と早くなった。胸だけだが、志乃はため息の様な声を漏らしている。  
「はあっ・・・・・あっ・・。」  
「ごっちん・・気持ちいい・・」  
「志乃・・・四つんばいになってくれぬか・・」  
「うん・・・わかった」  
 志乃は伍助のほうにお尻を向けて四つんばいの格好になった。  
「もうすこし上げて」  
 見事に志乃の秘部を伍助に見えるよう晒す形になった。  
「ごっちん・・これでいい?」  
 志乃が不安そうに後ろを見る。  
「あっ・・ふぁあん・・ごっちん・・・そんな所・・あっ・・やぁ・・。」  
伍助が志乃の晒された秘部に唇を当て、舌で味わう。  
「うっ・・・・あん。あああっ!」  
伍助は舐めると同時、志乃の奥の土手を刺激した。  
「あっあっあっはあん!」  
指を使い志乃の膣を快感で満たした。  
「ごっちん・・・ああっ・・・ああっ・・」  
味わった事の無い快感に身をよじらせる志乃。  
「志乃そろそろ良いか?」  
「・・・?」  
 
「痛いと思うが、我慢してくれ・・・」  
伍助は志乃を仰向けに戻すと自分の一物を志乃の秘部へあてがった。  
起伏の良いお尻を掴み、一気に挿入した。  
「痛いっ!!あ・・・あああッ!!!!」  
志乃は挿入の痛みに涙を流していた。  
「志乃・・・すまぬ・・やはりやめようか・・・。」  
その時、志乃が伍助の腕を掴んだ。  
「やめないで・・・あたし、ガマンする・・。」  
ぐっとこらえるその表情に伍助は申し訳なくなった。しばらくすると、志乃も痛みに  
慣れたようだった。  
「志乃、動くぞ」  
「うん・・・!」  
志乃は微笑んでいた。伍助が腰を使って動く。  
「んっんっんっ・・・・」  
動きにあわせて志乃の喘ぎ声も早くなっていく。  
「志乃!!」  
「ごっちん・・・もっともっと!」  
すのこが揺れる。  
「志乃、いくぞ!」  
伍助は精を放った・・・。  
「ごっちん!ああっああっああああっ!!」  
 
 
 初めての交わりの後、志乃はぐっすりと眠っていた。  
伍助はその寝顔を眺めながら、「夫婦」になった喜びをかみしめていた。  
 
 
終 わ り  
 

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