「…キミたちは?」  
ボクは鞘に手をあてた。  
「おいおい…。まさか忘れたの?オレたちのこと!」  
「白馬道場だよ!」  
「あ、そうか。で、何のよう?」  
「何のようじゃねーよ」  
男がボクの腕を掴んだ。  
 
「このあいだのかりをかえしにきたんだよっ!」  
そして、ボクの頬を殴った。(パーで。  
「ぁう!!」  
「お前らのせいでオレたち面目丸つぶれなんだよ!ああ!?」  
30人か20人はいる男たちの中の背の高い男が、ボクの頭を持ち上げ、刀を手に取った。  
「……!!!!」  
怖い。  
こんな感情久しぶりだ。  
「おらぁ!!」  
男はボクの羽織を刀で破り、腕をきりつけた。  
「あぁぁっ!」  
ボクは腕のいたみに耐え切れず、叫んだ。  
 
「女みてぇだなぁ、オメェ…」  
「うぐ…ぅ…」  
ボクの腕からは血が流れている。  
「じゃ、やっちまおうか」  
「へ」  
 
そういうとメガネの男(以下、メガネ君)は、ボクの破れた羽織をすごい勢いで脱がせた。  
「!!」  
「じっとしてろよ!」  
「ちょっ…!?ひゃぁ!!」  
背の高い男がボクの頭をパッと話したので、ボクは地面に倒れこんだ。  
それと同時に着物がはだけた。  
 
なぜかいきなりメガネ君がボクのうえにおおいかぶさってきた。  
「うっ!?な…!おも…」  
「黙ってやがれ」  
「あっ…え!?」  
ボクはメガネ君に着物を脱がされた。(袴は無事)  
「はなっ…してよぉ!」  
必死で抵抗した。つもりだ。  
だがメガネ君はボクの言葉をおもいっきりスルーする。  
「じゃ、オレがやっちゃうぜ?文句はねぇな?」  
「ま、お前がこいつを見つけたんだからな…。好きにしろ」  
「ぃよし!」  
ボクは二人の男によって身動きを封じられる。  
 
これはまずい。  
 
「じゃ、いきますか!」  
 
「あんまり酷くすんなよ」  
「わかってるって。大声出されたら困るしな」  
ボクはもう泣きそうだった。  
でもここで泣いても、こいつらの興奮を誘うだけだ。  
「っ…!!!?」  
メガネ君がボクに無理矢理口吸いする。  
「んぅ…!む…」  
今でいうディープキスだ。  
気持ち悪い…!  
ボクは精一杯の抵抗で、メガネ君の舌を噛んだ。  
『ガリッ』という音とともに、血の味が口に広がる。  
「ぐっ!?あ!!」  
メガネ君は口を押さえ、転げまわった。  
「てっ!!てめぇ!!」  
「落ち着け親友!後は俺たちがやっとくからさ!な!?早く医者に行けよ!」  
骨ばった男が、メガネ君をなだめる。  
「わかった!」  
メガネ君は泣きながら走り出した。  
やりすぎちゃったかな…  
 
「うまいこといったぜ」  
背の高い男がニヤリと笑う。  
「ああ。俺たちがあいつのかわりにこいつで遊べるなぁ」  
「覚悟しろよ…名前なんてんだ?」  
「………」  
ボクは押し黙ったままだった。  
そりゃそうだろう。  
こっちは襲われかけたんだから。  
「…仲間がどうなってもいいのか?」  
師範と呼ばれている男が言った。  
なんて奴だ!  
「…!穂波!穂波多助!」  
「ホナミ…。お前…どうやら風間が好きらしいな」  
「!!???」  
ボクはおもわず目を見開いた。  
「このこと風間がしったらどうおもうかなぁ」  
「やっ…やだ!」  
「同性愛者なんて相手にするか?もしかしたら引くかもしれねぇし…」  
ボクは青ざめた。  
「いやっ!いやだ!」  
「なんだその口調は?『お願いします言わないでください』だろぉ?」  
「…!!」  
ボクの瞳から涙がこぼれた。  
「おねが…い…します…いわ……ないで…くださ…い…」  
ボクは泣きながら言う。  
「おーし、いい子だ」  
師範の男がボクの顎をくいっと持ち上げた。  
 
「んっ…ふ…」  
また口吸いだ。  
嫌だ。嫌で嫌でたまらない。  
だけど、こんどは抵抗もできない。  
脅されている。  
「んぁ…ぅ…」  
頭がほわほわしてきた…。  
「ん…ふ」  
口を離された。  
安心したような怖いような不思議な気持ちだ。  
「はぁ…はぁ…」  
「んー…悪くはないけどちょっと未熟か?」  
何を言っているんだ…?  
「こうすれば興奮するだろ」  
師範の男がボクの胸を触った。  
「あっ!ちょっ…!」  
 
 
 

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