夜が白々と、山の端が光に照らされる前、安寿と小萩の絡まり眠る姿は穢れの無い姉妹であった。  
早朝、見回りの奴頭が三の木戸の小屋の扉が少し開いているのを見つけた。  
何気なく中を覗くと眠る厨子王の傍ら、絡まりあう女体の塊が見えた。  
近寄り顔を覗くと垣衣と小萩の無邪気な寝顔が見えた。  
しかし乱れた蒲団に凍える寒さの素肌で二人の行為を見て取った。  
 
「これは如何した事か?」  
 
二人を取り引きずり出すと安寿と小萩は外気に当てられ直ぐに目が覚めた。  
慌てて着物の乱れを直す二人の腕を奴頭は捕らえてそのまま奴小屋へと引き摺っていった。  
凍った雪がが裸足に刺さり血が滲んだ、痛みも冷たさで感じなかった  
ただ小萩には不安、安寿に恐怖がこみ上げて声も立てられず二人、目を見交わした。  
未だ暗い空は冬の空気が澄んで吐く息が白く上がった。  
奴頭も黙ったまま、安寿と小萩も一言も発せず抗う事もせず付いていった。  
奴の小屋の中は遊興に耽るもので夜通し火が熾きていて暖かかった。  
安寿と小萩の凍え切った身体に有り難かった。  
燈を灯した囲炉裏端で歌留多をしていた者たちが此方を見る。  
奴頭は皆の前まで項垂れたままの二人を引っ張って行く。  
 
「千鳥の囀りが夜も明けぬうちより響いておった」  
 
2.3人の起きていた物どもはそれを聞くとゲラゲラ嘲った。  
一人の男が小萩の顔を引上げると泣き出しそうな顔をしていた。  
もう一人は安寿の顔を掴むと真直ぐな力強い瞳に見返され手を離した。  
安寿と小萩は柱に縛り付けられ、奴たちの侮蔑の眼に耐えなくてはならなかった。  
 
「鳴いてみい!」  
 
謗る声に続く哄笑。  
安寿の顔は怒りに青褪め唇は震えた。  
柱を挟んで背の小萩がしくしくと泣きだした。  
その掌を縛られたままの不自由な手で少し触れると硬い皮膚は冷たくなっていた。  
安寿は元気付けるように力を込めて握りしめた。  
と、その時、扉が開き山椒大夫の息子三郎が手に弓矢を手にしたまま小屋の中へ入ってきた。  
 
「三郎様、これに捕らえましたのが千鳥にて御座います」  
 
奴頭はそう言うと俯いた小萩と背けた安寿の顔をぐいと三郎へ向けた。  
安寿の乱れた髪の隙間から強い目が爛々と光る。  
三郎は手にした弓矢を置くと顎に手を当てにやりとした。  
 
「奴頭、これは千鳥なぞではあらぬ。よく見ろこの眼を猛禽の眼だ」  
 
そういうと安寿の髪をかきあげた。  
もう片方の手で小萩の顎をあげると涙に濡れた頬を叩いた。  
 
「震えておる。恐ろしいか?」  
「はい、済みません。どうか……」  
「ねえさん、詫びる事なぞありはしません。何が、悪い事などあるものですか!」  
 
安寿の鋭い声がぴしりと響いた。  
三郎は安寿を一睨みすると二人を解くように命じた。  
小萩の腕を取り寄り添うように立つ安寿。  
その腕は優しく柔かく安寿を勇気付けた。  
二人を取り囲むように三郎と起きていた奴が円陣を組む。  
つと後ろから安寿の身体が奴頭に拘束され小萩は三郎に腕を捩じり上げられた。  
 
「目出度い正月じゃ、罰は与えぬ、余興せい」  
 
三郎は小萩にいうと着物の帯をはらりと落とした。  
奴たちは裸踊りだ、やれ、踊れ、と囃し立てた。  
小萩は涙を浮かべて、しかし三郎の思うがまま長襦袢まで脱がされた。  
 
「ねえさん!」  
 
安寿は手脚をばたつかせもがいても奴頭の腕から抜け出す事は出来なかった。  
男たちの野次と好奇心の眼の中、小萩の成熟した肉体が曝け出された。  
肉付きの良い肩と緩やかな曲線で繋がるたわわな乳房。  
それが小突かれ踊るように動くたび揺れ動くさまは男の情欲を刺激した。  
時折安寿へ向けられる目線は切なげに潤んでいた。  
下も脱がせてしまえ、どこからか聞こえる声に応えるように三郎は腰巻に手を掛けると  
小萩は必死にそれだけは、と抵抗をした。  
引っ張られる朱鷺色の布は篭められる力に容易に破けた。  
びりびりと襤褸切れのように引き千切られた腰巻の隙間から見える  
艶めかしい太腿と影が、奴と三郎の興奮を高めた。  
一糸纏わぬ姿で肉体を衆目に晒し啜り泣く小萩は見るに耐えなかった。  
目を伏せじっと終るのを待っていると、突然  
 
「ああっ」  
 
悲鳴が聞こえ小萩が男から乱暴を働かれているのが察せられて安寿は顔を上げる。  
小萩が一人の奴に抱えられて仰向けに圧し掛かられているのを目にした。  
豊かな乳房に吸い付く汚らわしい顔を見ると安寿は自分の身にその悪寒を感じた。  
昨夜、安寿が母の温もりをそこに感じた清らかな温もりは今、男の口と手で玩ばれる。  
悔しさに初めて涙が溢れて来るのを安寿は堪えた。  
男の愛撫で小萩の身体は次第に色気を増し、悲鳴は淫靡に変わっていった。  
二人の男に脚を広げられ小萩の身体の中心をむき出し安寿の眼の前に突きつける。  
顔を背けると奴頭が頭を押さえつけそこに安寿の顔を押し付けた。  
 
「可愛い千鳥、囀らせて楽しませてやるがいい」  
 
拒否する事も出来ず小萩の蜜壺に舌を這わせるとねっとりと糸を引き熱っぽい喘ぎ声が上がった。  
 
「あっ……ふぁ」  
 
ヒクヒクと求めるように蠢くそこは溢れ出る愛液に熱く濡れそぼっていた。  
泣き出してしまいたかったが、安寿は口を外す事も許されず舐め続けた。  
安寿が舌を動かし続けているときも小萩は全身を責められ続けた。  
小萩の流す愛液が安寿の唾液と交じり合い床に零れ染みをつくる。  
様子を見ながら、奴頭は何度も安寿の髪を引っ張り小萩から離すので、  
絶頂に達する事が出来ぬ苦しみに全身汗ばんだように悶える。  
 
「いや……もう…て……」  
 
息も絶え絶えに小萩がいうと男たちは安寿を引き離し再び柱に縛り付けた。  
安寿は身動きも取れぬままに次々に男に蹂躙されてゆく小萩の肉体を瞬きもせず見詰めた。  
幾度も気を遣り、それでも男を求める貪欲な女の肉体を。  
安寿は眼前の光景に次第に上気してしまう己の身体を呪った。  
それを察してか奴頭が安寿の膝に紐を掛け大きく開くように縛めた。  
そのまま後ろから抱え小萩の突かれる動きにあわせ安寿の小さな突起をこする。  
 
「ひあっあ……」  
 
曝け出され隠す事の出来なくされた身体を恥ずかしく愚弄される。  
他の人たち皆に安寿が奴頭の指にどう弄られているのかがわかる。  
指先が肉に埋まり少し曲げて捏ね繰るよう動かされる。  
咽喉からは呻きのような悲鳴が漏れた。  
膝を閉じる事も出来ず、身体は唯、物質の様に扱われる。  
それなのに、どうして安寿の肉体は刺激を快楽と受け取ってしまうのか。  
受けた快楽に応えるように尻までも愛液にが垂れ、安寿の下半身はしとど濡れそぼる。  
 
衆目に晒されながら安寿の脚は硬直したように突っ張り、  
全身を震わせ己を縛る紐に爪を食い込ませた。  
 
「ああぁっ」  
 
堪えきれない喘ぎ声は小萩に負けず艶っぽさを帯び、手の空いていた男に聞こえた。  
豊満な色気とは対照的に途上の危うい色気を安寿に感じ生唾を呑みこんだ。  
 
「いい女にしてやろうか?垣衣」  
 
男は奴頭に代わり安寿に近付いた。  
安寿が拒否するように見詰めているのに気付いて薄笑いを浮かべていた。  
喋る事もままならぬほどの感覚に見を委ね安寿の肢体は弛緩し始めた。  
痛いほど腫れあがった三つの豆粒を順々に男が摘む。  
貧弱な身体がその度に跳ね上がりそうだった。  
両乳首が他の男の手や舌に委ねられ最初の男は広げられた股へと顔を動かした。  
ぱっくりと口を開いたそこは疎らに生えた産毛に縁取られてだらだら涎を垂らしている。  
男がその汁を啜る音はこの上も無く下品に響いた。  
丹念に舐め上げられ、舌で転がされると止めて下さいと哀願する声も言葉にならない。  
 
「…や……ぁ……うぁ…いやあぁ」  
 
複数の男の与える愛撫に悶え苦しみながら、これも苦行を堪え忍ぶ小萩に眼をやると、  
白濁した液にまみれる身体は匂い立つほどの色気を纏い、  
次々に肉棒を咥え込む女陰は不思議に清く感じた。  
男は小萩を抱きかかえ小萩はそれを包みこむように背に廻した爪を立てている。  
そして、小萩は上擦ったような歓声を上げ続けた。  
男の気持ちが判るような自分の心が安寿には憎らしかった。  
 
それまで殆んど見ていた三郎は安寿に近付くと群がっていた奴は離れた。  
縛られたままの安寿の口に己を押し込んだ。  
何度もあれから三郎には犯されていはいたが安寿は未だ三郎の暴力的な愛撫には慣れなかった。  
咽喉の一番奥に手加減なく突っ込まれると吐き戻しそうになる。  
頭を掴まれ咽喉の奥で迎えた三郎がそのまま怒張して行くのを感じた。  
有無を言わさずに口の中を犯され丁寧に舐めるよう指示される。  
早く終って欲しくて安寿は必死に吸い付き三郎の満足を得ようとした。  
小萩の中に出入りしていた男も此方を指差すと小萩も振り返って見た。  
口一杯に三郎を頬張りながら安寿は情けなく恥ずかしく祈るような気持ちで吸った。  
早く、終って。  
唇が陰茎の上を滑り、舌が亀頭を包み、貪るように吸う。  
とうとう熱い精液が安寿の口に溢れると三郎は大きく息をついて腰を引いた。  
そのまま安寿の顔を持ち上げると口の中に溜まった液体を呑み下すよう命令した。  
何時もは影でこっそりと吐き出せるのに今回は身動きも取れず泣きそうになりながら無理に呑みこんだ。  
咽喉に引っかかりながら何とか飲み干すと鼻からも臭いがする。  
思わず咽こんでしまいそうになるのを我慢すると三郎はようやく満足したように笑った。  
 
「随分上手になってきたな、日々の勤めの成果皆にも見せて遣れ」  
 
それを合図にするように男たちは安寿の両手の縛めを解く。  
未熟な果実を隠しもせずすっくと立つ姿は神々しくもあった。  
一瞬怯んだ男たちもその華奢な体躯と滑らかな肌に張り付く光沢のある黒髪に  
劣情沸き立ち、安寿の身体に視線は絡みつかせた。  
一人が手を出すとワラワラと群がり安寿の身体も又、小萩のように暴力から逃れる術も無かった。  
 
殆んど為すがままに抱きかかえられ、大きく開いた小萩の股に安寿の股間をあてがった。  
男たちが安寿と小萩の脚を卍に絡ませて二人の女体を動かすと  
ねちねちと湿った音をたて二つの女陰が擦れる。  
敏感な小萩の肉体は少しの刺激にでも悲鳴を上げた。  
 
「あぁ……垣衣!」  
 
しっとりと湿った瞳で熱っぽく見詰める小萩を安寿は直視できなかった。  
小萩の膣は数人分の精液と溢れ出る愛液で渇く間もなかった。  
その液体に濡れた安寿も次第に上気する肉体を持て余すように息を上げた。  
動かされなくても自分で擦りつけるように下半身を動かす。  
 
「女同士で乳繰り合ってよがり声をあげるか、淫婦め」  
 
嘲笑と侮蔑の中、安寿は小萩にだけは済まないと、心から思った。  
自分は、いい。もう此処に連れて来られた時からそう思っていた。  
しかし本当に大切に思う人が苦しむ姿は胸が張り裂けそうなほど痛かった。  
安寿の脚を持っていた男が我慢しきれず二人を引き離し拒む間も与えず糸を引く裂け目に突入した。  
押し入る男の一物を安寿は諦観と共に受けいれた。  
見た目の弱々しい身体つきから想像つかぬほどの熱で纏わり絡みつく肉襞は男を悦ばせた。  
挿し込むときの軽い抵抗も、初々しさを残して、引き抜く時の吸い付かれような収縮  
その度に男根はもう一度肉の中に入りたく腰を振った。  
何度も抜き挿しされ次第に意思に反し安寿の身体は戦慄き快楽が突き抜ける。  
その快楽はただ肉体のみで精神は惨めに血の涙を流していた。  
何処にも助けを求められる人は居ないとわかると叫びだしたいほどの淋しさに襲われた。  
 
「おかあ様、おかあ様ぁ」  
 
篭ったような声でうわ言のように繰り返しても責めの手は緩まる事が無かった。  
入れ替わりで何人もに嬲られて身体はとうに限界を超えていた。  
膣の中は爛れ、擦り切れた。  
ひりひりと痛むそこを容赦なく切りつけられた。  
 
うつ伏せに押さえつけられて腰を高く上げられ膣の中にある男根をより深く沈没させた。  
顔を伏せた床に汗と涙と涎の水溜りができた。  
ついっと別の手が安寿の尻に伸びて小さく窄まった菊門に触れた。  
びくんと身体を強張らせた安寿にその指はゆっくりと蕾をほぐした。  
前に比べ慣らされておらず広がる大きさの小ささから爪の先が入るだけで身を捩るほど苦しかった。  
指がゆっくりと入ってくると逆流するような悪寒が走る。  
 
「厭ぁ!」  
 
じたばたと手脚をもがいても、しっかり掴まれた腰と押さえつけられる背中を動かす事叶わなかった。  
なんとか固い蕾を開き指がすっぽり入ると腸の中を掻き混ぜるように動かされる。  
腹の中で大きな虫が暴れ回るような不快感。  
そのまま膣を突かれ続けている為、安寿が力を入れると中の男を締め付ける。  
指が抜かれそうになると便意に似た様な感触がして寒気がした。  
しかしその指は抜かれる事無く執拗に安寿の腹の中を捏ね続けた。  
膣と腸とその間の薄い壁ごしに指と男性器が擦れ合う。  
 
「出して、お願い。出して下さい」  
 
指を引かれるたび安寿の叫びは悲痛に響いた。  
膣を突いていた男が精を放つと指もずるりと引き抜かれた。  
便通のような気持ち悪い触覚とそれを何人もの人々に観察されている自分に歯軋りをした。  
膝が震えて床に崩れると水溜りに髪が濡れた。  
 
空虚な穴に未だ何か挟まっているように肢を投げ出して横たわる。  
荒い息の唇に先程の指が近付いた。  
肛門を穿り返した指は微かに血と臭うものがこびり付いていた。  
 
「舐めろ」  
 
声の主を見ると三郎だった。  
安寿は顔を顰めたが三郎の命令に逆らう事なぞ出来なかった。  
恐る恐る口を開くと舌先でそれに触れる。  
三郎はじっと冷たい目で安寿を見下ろしていた。  
 
その時不意に暖かい手が安寿を励ますように触れた。  
靄のかかったような視界の中小萩の顔が浮かぶ。  
こっそり指を絡めると安寿はすこしだけ楽になったような気がした。  
三郎の指を綺麗に舐め取るとぐったり肩を落とした。  
しかし興奮した男は劣悪な欲望を奮わせた。  
終る事なぞ無いような饗宴の中、時折安寿と小萩は無言で慰めあった。  
 
それは未だ年端の行かぬ安寿には想像を絶するほどの行為だった。  
小萩にとっても心の通わぬ行為は苦しみと辛さばかりだった。  
そして男たちも色の味を覚え始めた安寿の身体を蹂躙する加虐の悦びを感じていた。  
軽い身体を挟むようにして文字通り嬲り廻した。  
唾液と血と精液に塗れた二人の女の身体は休むことなく苛まれ続けた。  
閉じる事の許されない脚の間を凄惨に痛めつけられて身体は壊れてしまいそうだった。  
何度も絶頂を迎えさせられ敏感になりすぎた身体は触れられただけでも悲鳴が上がる。  
このまま死んでしまう?不安と同時に期待のような淡い希望も見えてきた。  
 
「どうだ、え?お前らの犯した過、詫びる気持ちになったか?」  
 
三郎が息も絶え絶えな二人にそう言うと小萩は手をつき謝ったが、  
それでも、自分が悪い事をしたなぞ欠片さえも思えない安寿は、  
虚ろな瞳で弱々しく首を横に振る。  
小萩はそんな安寿の分も許しを乞う様に額を床に擦りつけて三郎の懐柔を図っている。  
そして安寿はそんな小萩を見るのが辛かった。  
目を瞑って、しかし決して首を立てに振ろうとはしなかった。  
 
「ふん、相変わらず……しぶとい子どもじゃ!」  
 
三郎が出てゆくと小萩は安寿を担ぎ汚れた身を清めに行った。  
陽は高く小春日和だった。  
すこし融けだした雪の合間に土が泥濘となって覗く。  
汚濁を隠す白い雪が美しかった。  
私と垣衣だわ。  
小萩はそんな事を思った。  
 
身体を清め少し人心地ついたところで二人は別れた。  
今日の事は無かったこと、なにもありはしなかった。  
小萩は安寿にそう言って寂しく笑っていた。  
 

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