安寿=垣衣(しのぶぐさ)14歳  
厨子王12歳  
山椒太夫60歳  
長男の太郎が16歳の時居なくなった19年前の事  
末息子が太郎で30歳  
設定はこの通りです  
 
 
 
夜半過ぎ、安寿が物音にふと目を覚ますと枕元に太夫の次男、二郎が立っていた。  
横では厨子王がすやすやと寝息を立てている。  
昼間の過酷な労働の所為で安寿も目を開けはするが身体は動かぬままであった。  
眩しい明りに顰め面を晒し、ぐったりと粗末な薦に横たわったまま片手で目を覆った。  
 
「相当疲れていると見える。よし、そのまま眠って居ろ。」  
 
そう言うと安寿の身体を軽々と抱えて小屋を出た。  
二郎の腕の中でともすれば再び眠りに落ちそうになりながら  
何故連れ出されたのかも判らず怯えていた。  
空には蒼褪めた月が掛かり、離れ離れになってしまったお母さまも  
あの月を見ていらっしゃるだろうかと思うと思わず目を潤ませた。  
 
「垣衣、お前泣いているのか?」  
 
二郎の言葉に安寿は首を横に振り唇を噛み締めた。  
私が弱気では厨子王を不安にさせてしまう。  
安寿は心細さと淋しさを弟に感じさせまいとずっと気丈に振る舞っていた。  
二郎はそれきり黙ったまま安寿を抱いて太夫の待つ広間へと足を進めた。  
 
広間に這入る前に二郎は安寿を降ろし、髪を撫で付けた。  
不安そうに顔を曇らせる安寿を慰めるように潤んだ目を拭いた。  
 
部屋へ這入ると相変わらず山椒太夫は褥三枚重ねた上に座り濁った目でこちらをじろりと見た。  
燈火に照らされて更に赤味を増した大きな顔を見ると恐ろしさが今更ながらにこみ上げてきた。  
 
「もっと此方へこないか」  
 
太夫が声をかけると、三郎が入り口で固まったように立ち竦む安寿を灯りの側へ引き摺ってきた。  
 
「先程、脱走の計画を話していたのは本当か?」  
 
太夫は穏やかな、それだからより一層深い不気味さを増したような声で安寿に問い掛けた。  
三郎が安寿の真っ青になった顔を見てフンと笑った。  
此処で否定をすれば嘘になる。  
しかし肯定してしまったら、どんなに恐ろしい事になるか。  
灯火の中真っ赤に焼けた鉄がその恐怖を物語っていた。  
震える唇を開き安寿は小さな声でハイとだけ応えた。  
三郎がそれ見たことかと言わんばかりの眼で安寿を見、又太夫を見た。  
脱走するようなものには烙印を押すのが決まりになっている。  
その焼き鏝を手に取った時二郎が太夫を制した。  
 
「お父っさん、垣衣の計画は夢のようなものであります。頑是無い子どもの夢想であります。  
 大体がこんな弱々しい身体でどこへ逃げられると言うのでしょう?」  
 
その言葉を聞き、太夫の手は止まった。  
前にも一度、烙印を押した時、長男が出て行った。  
垣衣程度の働きの為に二郎まで出て行ったら太夫の方が損失が大きい。  
焼き鏝を下ろすとしかし懲罰は如何したら良いものかと思案するように銀色の髭を擦った。  
 
「ふむ、焼き鏝以外にも奴婢どもが逃れられぬような方法があればのう」  
 
「それならば垣衣を辱めては如何でしょう」  
 
三郎はそう言うと安寿の髪を引っ張り上げ灯りでよく見えるようにその顔を上げさせた。  
太夫は改めてその顔を良く見ると、なるほど整った顔つきをしている。  
身体はまだまだ子どもだが将来は中々美人になるだろう。  
 
「好し、ではあちらへ連れて参れ」  
 
安寿は何の話をしているのかも判らず、取り合えず烙印は免れた事に胸を撫で下ろした。  
三郎に乱暴な手で引っ張られていく時、此方を見ている二郎と目が合い思わずこっそりと微笑んだ。  
二郎は泣きそうな目をしていた。  
 
 
三郎に曳きたてられて太夫の寝屋へと連れてこられた安寿はそこの暗さと寒さに又不安になった。  
不安から怖い人と思っていた三郎でさえ居てくれる事が心強かった。  
しかし三郎は安寿をそこへ置くと厭な笑いを残して去っていった。  
部屋の隅に置かれた蝋燭は火も付いておらず安寿は暗闇の中膝を抱えて座った。  
のしのしと足音が聞こえガラリと扉が開くと太夫の大きな身体が現れた。  
 
「何だ真暗な中で、灯りも点けんのか」  
 
安寿が黙っていると太夫が蝋燭に火を燈した。  
明るくなった部屋は暖かそうな蒲団がひかれ安寿は今更ながら眠気を思い出した。  
太夫は蒲団に這入ると安寿も入るように命じた。  
温かな蒲団が懐かしい程久しぶりだと思い出した。  
安寿は寒い小屋の中で薦を被って独りで眠っている弟を思い出すと胸が塞がれる様だった。  
クスンと鼻を鳴らして悴んだ手を胸の前で握り締めた。  
太夫は安寿の身体を撫で回した。  
 
「あっ、何をなさいます」  
 
着物に手を差し込み素肌に触れられると安寿は吃驚して飛び起きた。  
太夫はそんな安寿を引き倒し粗末な着物を剥ぎ取った。  
今は安寿には欲望に燃え立つ太夫がただただ恐ろしかった。  
 
太夫は色の薄い皮膚にほんのりとした陰をつくる窪みをよく見えるように燭台を引き寄せた。  
一糸纏わぬ姿になった安寿は身を隠す事も叶わず蝋燭の明かりの中あられも無い姿を晒した。  
 
「お止め下さい、どうか。恥ずかしゅう御座います」  
 
安寿の腿を擦り上げるように撫ぜながら持ち上げて未だ人目に晒した事の無い所をまさぐる。  
太夫の節くれだった指は薄い陰毛を掻き分けて中まで這入って行った。  
奇妙な感触が安寿の臓腑に感ぜられ思わず溜息が漏れた。  
太夫は指先が湿ってくるのを確認すると指を引き抜き安寿に突きつけた。  
 
「恥ずかしいと言うても、ほれ、悪からん心地だろう」  
 
「あっ」  
 
本当のところ、安寿は温かい蒲団に這入り喜び、身体を撫ぜられて快感を感じていたのだ。  
そして、それは生まれ持った誇りと自尊心が認めなかった。  
それに今までは芽生える前の性の意識が安寿を深い無意識へと押しやっていた。  
しかし無理矢理にも蕾を抉じ開けられ開花しようとする身体は自身にも止められなかった。  
 
太夫は体液にぬらぬらと光る指を安寿の口へと差し込んでその嫌がる顔を眺めた。  
指の腹で頬の裏を擦られ上顎を擽られると安寿の顔が淫靡に歪むのを見た。  
 
「随分といやらしい顔をするのう、垣衣」  
 
太夫はからかう様に言うと指を引き抜いた。  
そして徐に蒲団に座ると安寿の頭を自分の股間へと持っていった。  
 
頭を抑えられ目の前にある男性器をまじまじと見詰めるとそれはむくむくと怒張してきた。  
初めて見るそれは歪で醜いものだった。  
顔を背けようとしても太夫は許さず安寿の口の中へと己を挿入した。  
 
「歯を立てるな、そうだ、そうだ」  
 
拝むような形で太夫を咥えると安寿は口の中に収めたそれは見た目ほど恐ろしくも無く  
むしろ滑々で愛らしいとさえ感じた。  
舌で丁寧に嘗め回すと太夫は殊更喜び安寿の脇腹を撫でたり丸い尻を抓ったりした。  
安寿は自身の身体に加えられる愛撫をもって太夫の感じている快楽を知るのだった。  
 
太夫は安寿の口から引き抜くとふやけた様な顔で笑った。  
 
「初めてではないな、垣衣。それなら遠慮は要らんな」  
 
安寿を抱きかかえる様にして押し倒すといきなりその乳首に吸い付いてきた。  
微かに膨らみはじめた乳房を加減もせずに握るように揉むと安寿は悲鳴を上げた。  
しかし舌に嬲られる乳首の感じる快感は悲鳴を喘ぎ声に代えていった。  
 
太夫の頭は徐々に下へと降り、安寿の下半身へと移った。  
先程より充分湿った場所に指を突きたてて今度は手加減無く掻き回した。  
 
「あぁ、止めて下さい。おかしくなってしまいます」  
 
「止めては懲罰の意味が無かろう?垣衣、わしが満足するまで終らんぞ」  
 
太夫はもがく安寿の身体を玩具にするように乱暴に扱った。  
 
愛液の溢れる所へ先程の口淫により硬くなった性器を当て躊躇無く押し入った。  
裂かれる様な痛みを感じて安寿の身体は反返った。  
歯を食いしばりその痛みに耐えていると太夫は安寿の最奥へと進んだ。  
小さな身体に大きな太夫のものは収まりきれず突き上げられる度に涙が出そうだった。  
 
「ご免なさい、ご免なさい」  
 
堪えきれずに泣き声で言うと安寿は顔を手で覆った。  
太夫はその様子を見て垣衣が生娘だった事を知ったが今更止められるものでもなく  
泣きじゃくる安寿を嬲り続けた。  
狭い安寿の中は太夫の精を搾り取るように収縮して老齢にも拘らず太夫は夢中になった。  
顔を隠す安寿の手を開き太夫はその朱を塗ったような顔を近づけた。  
安寿の顔は恐怖と痛みに引き攣り恐ろしい太夫の顔を見つめた。  
見開いた目は欲望に歪んだ太夫の姿を映し出していた。  
動きが緩むと安寿の下半身の中にとろりとした液が溢れた。  
太夫は放出しきるとどうと横になりそのままぐうぐう眠ってしまった。  
 
安寿は痛みを堪えて散らかった着物を集めて部屋を出た。  
 
歩くたびに鈍い痛みが下腹に響く。  
未だそこに何かが挟まっているような厭な感じがした。  
 
「悪からん心地だろう」  
 
あの太夫の言葉、それは嘘ではない。  
だからこそ余計に口惜しかった。身体だけ、身体が精神を裏切ったのだ。  
外へ出ると遠く聞こえる波の音に船で離れ離れになった母を思った。  
お母さま、私はもうお顔を逢わせる事まかりなりませぬ。  
自分の身体に焼き付けられた恥辱を思った。  
 
「垣衣」  
 
いきなり声を掛けられると安寿はびくりと立ち止まった。  
恐る恐る顔を上げると二郎がそこに居た。  
 
「今日は眠れないだろう、散歩でもしないか」  
 
二郎が誘うが安寿は怯えたように首を振るだけだった。  
慰めたかっただけなのに拒否されて二郎は苛々とした。  
二人は押し黙ったまま月明かりの中佇んだ。  
と、二郎はいきなり安寿の手を引き海辺へと連れて行った。  
安寿はもう如何にでもなれと焼けばちになり黙って付いていった。  
 
岩場に座ると二郎は安寿の艶やかな長い黒髪を撫で肩を抱いた。  
何も言わないけど安寿も二郎の優しさに気付き身を預けた。  
不思議に温かい気持ちが安寿の中に広がっていくのに気付いた。  
二郎の腕の中でならもう一度眠たくなれるような気がした。  
 
月に雲が掛かり一瞬暗くなったとき、二郎は安寿に口づけをした。  
風が吹いてまた明るくなると安寿は二郎を突き放し小屋へと走り去った。  
独り残された二郎は安寿の涙にぬれた頬を拭った。  
 

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