『捨て猫王女はエッチがお好き』 
 
ばきんっ!  
 
鋼と鋼がぶつかる激しい音がして、あたりに火花を撒き散らし、夜の闇を一瞬だけ照らし出す。  
この男と剣を交えて、一撃で吹き飛ばされなかっただけ、まだ刺客の腕はマシだったのかもしれない。  
守護者シャノン。  
彼らもそれをわかってこちらに襲撃をかけているはず。  
だが、それも一撃目だけのこと。  
二撃目にはきっちりと剣をあさってのほうへとばされ、死にはしないが戦闘不能になる急所に剣の平を叩きこまれる。  
「ぐおっ!」  
刺客は情けない悲鳴を上げて、ぶっ倒れた。  
むこうでは、おっとりした外見とは裏腹に、まったく容赦のない魔力でラクウェルが攻性魔法を使って残りの刺客を吹き飛ばしていた。  
これで今回襲撃してきた刺客は全滅させたはずである。  
全滅させた、といってもものの一人とて殺していない。  
襲ってきた刺客たちはみな、息の虫でそこらへんにうずくまっている。  
よほどシャノンと刺客の腕の差がないと、こうも手加減してやってはいられまい。  
 
「さて…わが王女様は一体どうなさっているかな」  
シャノンが一見普通の馬車に見えて実はチャリオットにも負けず劣らずの性能を備えている自分の馬車に戻ると…そこにはクークーと実に平和そうに、金髪の少女が寝息を立てて眠っていた。  
「…」  
思わずシャノンは黙り込んでしまう。  
そこに追い討ちをかけてきたのがあのラクウェルだった。  
「まあ、この娘ったら、疲れて寝ちゃったのね。そっとしておいて上げましょう」  
…だがあいにく、そこまでシャノンはのほほんとした性格ではなかった。  
文句のひとつでも言ってやらねば収まらない。  
「こら!バカ妹!起きろっ!」  
ごん、と横っ腹を剣のさやで突いてやると、その少女…『廃棄王女』パシフィカは眠い目をこすりながら体を起こした。  
黙っていれば、金髪碧眼の、思わず抱きしめたくなるような愛らしい容貌をしている。  
だがあいにく、この少女は黙っているのが苦手だった。  
「…むか。なによ、気持ちよく寝てたのに…」  
「お前なあ…人が一生懸命戦っているときに居眠りして…」  
「シャノン兄がもっと早く片付けてくれていたら、あたしだって起きて待ってたわよ。昨日も野宿、今日も野宿。いいかげんあったかい布団の中で眠りたいっ!」  
「…わがままばかり言いやがって…」  
ぐちぐち言いながらも、連日の戦闘でシャノンも疲れきっていた。  
それもここのところ、夜襲がぐっと増えている。  
仕方なく、生活を昼夜逆転しているような状況である。  
廃棄王女様の言い分に、それ以上食い下がることなく、シャノンはごてり、と鎧もつけたまま横になると、睡魔の誘惑のままに寝入ってしまっていた。  
 
シャノンが目を覚ますと、妹…パシフィカがチュパチュパと自分のペニスをしゃぶっていた。  
なんだか不思議というか、信じられないような光景だが、こんなことはいつものことなのでシャノンは特別びっくりしない。  
「…パシフィカ」  
「ん?おはよ、シャノン兄」  
いったん彼女は自分の口からペニスを離すと、にっこり笑って挨拶をよこした。  
「寝てる間にそれはやめろって言ったろ?」  
「起こしても起きなかったから、気持ちよくして起こそうと思ったの」  
妹におしゃぶりされながら、疲れているな、とシャノンは思った。  
こんな調子ではこれからの襲撃でどこかでボロ…ミスが出るかもしれない。  
「ちょっとパシフィカ、ストップ」  
シャノンは妹にフェラチオを止めさせた。  
「どうしたの?」  
「疲れているんだ、勘弁してくれ」  
そう言っても、この愛らしい廃棄王女は聞こうともしない。  
「別にシャノン兄があたしの相手しなくてもいいよ。勝手に一人でエッチしてるから」  
そう言って再びパシフィカはシャノンのペニスを咥えこんだ。  
「いや、射精するだけでもかなり疲れるんだが」  
一回射精するたびに100メートルを全力疾走するほどのエネルギーを消費すると、シャノンはどこかで聞いたのを思い出していた。  
「う〜…寂しかったらいつでもエッチしてやるっていたの、シャノン兄じゃない」  
パシフィカは大きな瞳いっぱいに涙をため始める。  
 
実はウソ泣きなのだが、あの愛らしい顔でそんな表情をされては、そうとわかっていても1歩ひいてしまう。  
「…わかったわかった。相手してやるからこっちこい」  
「♪」  
パシフィカは嬉しそうにうなずくと、服に手をかけながらシャノンのほうへ擦り寄っていく。  
パシフィカがバッと上着をぬいでしまうと、まだまだ発育途上の乳房がシャノンの前にさらけ出される。  
「ねえ、触って♪」  
「ハイハイ」  
シャノンはいつものようにめんどくさそうな返事をしながらも、そっとパシフィカの胸を手のひらでおおう。  
「あ…」  
微妙な力加減で、優しくやわやわと揉まれるのはパシフィカにとって至福のときであった。  
「んっ…あんっ!ああん…」  
「毎日揉んでやってる割には大きくならないなあ」  
そんな意地悪いいながら、シャノンはパシフィカの両乳首をきゅっとつまんだ。  
「ひあんっ♪しゃ…シャノン兄の意地悪ぅ…これから大きくなるもん」  
ちょっとふてくされたような表情で、パシフィカは抗議の声をあげる。  
「まあ、小さいからこれだけ敏感なんだろうな」  
尖りきった乳首を、シャノンは口に含んでやる。  
「ん…あんっ。なんだかんだいいながら、シャノンにいもあたしのおっぱい好きなんでしょ?」  
「…お前がなめろって言うんだろ?」  
「…ぜんぜん素直じゃないなあ…ああんっ!」  
ぐちぐち言いながらも、シャノンの愛撫はとても丁寧で、愛がこもっている。  
 
口ではなんだかんだ言いながらも、結局はこのわがままな妹を愛しているのだろう。  
…そうでもなければ、自分の命を賭けてまで、世間から疎まれる『廃棄女王』を守ろうとはすまい。  
「ねえ、シャノン兄。こっちも触って♪」  
そう言ってパシフィカはすっと脚を広げる。  
「ハイハイ」  
胸への愛撫もそこそこに、シャノンはパシフィカのスカートの中に手を入れると、パシフィカの一番敏感な部分にそっと指を添える。  
「あんっ…」  
「きっちりと濡れてるな。エッチすぎるぞ、お前」  
「…悪かったわね。最初にエッチした人が紳士で優しい人だったら、もっとあたしも淑女になっていたわよ」  
当然、最初にエッチしたのは目の前のシャノンである。  
それもパシフィカから寂しいから抱いて、と迫ったのだ。  
「自分の淫乱さを棚に上げてこれだからな…」  
シャノンはあきれたふりをしながらも、クチュクチュとまだまだ幼さの残る秘部に指を突き立てていく。  
「あんっ…い…淫乱って…あたしって淫乱なの?」  
「うむ、かなりの淫乱だと思うぞ。こんな濡らして」  
「あんっ!」  
シャノンはパシフィカの秘部から指を抜いて、べっとりと自分の指についたパシフィカの愛液を、パシフィカの目の前で糸引いてやる。  
「いやあ…そんなの見せられたら、あたしがすっごくエッチみたいじゃないの」  
「…自覚してないところが素敵だな」  
苦笑いを浮かべてそう言うと、シャノンはパシフィカへの愛撫を再開した.  
指でなぞってやればやるほど、パシフィカの秘部は愛液を分泌する。  
「あんっ…ああんっ!」  
「このまま一回イカせてやる」  
シャノンはそう宣告して、指を激しく動かし始める。  
ぐじゅっ!じゅぼっ!じゅぶっ!じゅぶっ!!  
「ふあんっ!ああんっ!だめ…シャノン兄、だめっ!お願い、そこですとっぷぅっ!」  
「どうした?」  
とりあえず、シャノンは指の動きをとめてやった。  
「シャノン兄のオチンポでイキたいよぉ…お願い、そろそろちょうだい…」  
 
パシフィカはシャノンのペニスに手を伸ばすと、しこしことそれをしごき始める。  
「…仕方ないやつだな、ほら。いつもみたいにしろ」  
パシフィカはそう言われると、いつもみたいに四つん這いになって、お尻を彼のほうに差し出した。  
「ふむ」  
シャノンはなでなでとパシフィカのお尻のなでまわす。  
「ああん…エッチ…」  
「お前のお尻の方がエッチだぞ、パシフィカ」  
ぷりぷりっとした、パシフィカの若々しい肌の弾力が彼の手のひらに伝わる。  
元は活発な女の子だ。  
自然に鍛えられたふとももとお尻の肉付きと弾力は抜群だった。  
「よし、いくぞ」  
シャノンはそう言うと、パシフィカのお尻の肉をぐっと広げて、もうとろとろの秘部をさらけ出させた。  
そして一気にそこを巨根で貫く。  
「う…ああんっ!シャノン兄の…固いっ!」  
「一気にイかせてやるからな…!」  
シャノンはそう言って、ぐいぐいっ!と激しく腰を使い始める。  
そのたびに、小さなパシフィカのからだは激しく揺れた。  
「あんっ!ああんっ!イイ…すっごく、イイッ!シャノン兄、もっと、もっと乱暴にしてっ!激しくしてぇっ!」  
「お望みどおりだぞ、パシフィカッ!」  
シャノンはパシフィカの望んだとおり、激しく腰を使って、壊さんばかりにパシフィカをつきまくる。  
じゅぽっじゅぼっ!と性器が出入りする音がやたらを淫らしかった。  
パシフィカの官能の声が、どんどんと大きくなる。  
「あんっ!ああんっ!イク…イクッ!シャノン兄、いっちゃいそう…!」  
「そうか、それじゃ俺もたっぷりと出してやるかなっ!」  
シャノンも限界が近かったようだ。  
今まで以上に腰を激しくふりだし、仕上げとばかりに何度が思い切りパシフィカのお尻に腰をぶつける。  
 
バチン、バチンと激しい音が馬車の中にこだました。  
「う…ううっ!」  
「!!ああんっ!!」  
パシフィカはシャノンの熱いほとばしりを感じながら、エクスタシーを迎えたようだ。  
くっと思いきりこぶしを握り、愛らしい顔をゆがませて荒い息をついている。  
「よかったよ、シャノン兄…無理言ってごめんね…」  
パシフィカはそう言うと、エクスタシーの余韻に浸ったまま、ぐったりとなってそのまま寝入ってしまうのだった。  
 
シャノンは寝静まった裸のパシフィカに毛布をかぶせてやると、まだ日の出前で真っ暗な馬車の外へと出た。  
そこではラクウェルが焚き火を炊いて、周りを注意深くみまわしていた。  
シャノンとパシフィカがお楽しみのときは、こうしてラクウェルは気を利かして馬車の外に出ている。  
「お疲れ様」  
ラクウェルはそう言いながら、シャノンに温かいお茶を差し出した。  
「ああ…」  
ちょっと甘めのその紅茶は、疲れていたシャノンのからだによく染み渡っていった。  
「普段は明るい態度でも、内心は不安で仕方ないんだろうな…」  
シャノンの言葉に、ラクウェルは無言で首を縦に振った。  
まだ幼いといっていい年齢のパシフィカが、セックスであれだけ乱れられるというのは、間違いなく不安だからなのだろう。  
不安だから、人肌のぬくもりを求める。  
快楽におぼれると、一時だけでもその不安を忘れられる。  
実を言うとシャノンはそれほどパシフィカに対して欲情を覚えるわけでもない。  
まだまだ幼い体つきをしているし、それに血がつながっていないとはいえ、生まれてからずっと一緒にいる妹なのだ。  
ただ、それでも自分に抱かれることでパシフィカがちょっとでも安心するなら…答えられる限りは答えていってやろうと思って抱いているだけだ。  
「少しでもねとけよ。疲れていると、いざというときに力が出せない」  
疲れきっている自分を棚に上げて、シャノンはラクウェルにそう言った。  
一人になりたいんだな、ということを察して、お休みとだけ言うと、ラクウェルは馬車の中へと入っていく。  
夜が明けるまでにはまだ時間はある。  
シャノンは焚き火を見つめながら、これからのことをマイナス思考でボーっと考えてしまうのだった…。  
 
(終  
 

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