先日、オウランにシャノンに大事にして貰っているか聞かれた。もちろん大事にしてもらっている。その程度の気遣いも出来ない主を選んだ記憶は無い。
例えば先日も・・・
わが主のシャノンや、その姉であるラクウェル、その妹であり廃棄王女と呼ばれていたパシフィカが自らの故郷であるマヌーリンに帰郷した日、我も当然マヌーリンにいた。
到着したころには日も暮れ、旅の疲れもあるから家の片付けは後にして寝室で休むということになった。
しかし何故かそれぞれの自室以外の一室まで片付けている主たちがいた。何をしているのかと問うと、
「何って、ゼフィが寝るための部屋の準備だけど。」
と、パシフィカから返事が返ってきた。私は人間ではないから必要ない(というか睡眠自体が殆ど必要ない)というと、
「いいの、こういうのは気分なんだから。」
とのこと。
こういうときは何を言っても無駄だし、せっかくの好意を無碍にするのもなんので、その日は対人インターフェイスをベッドに横たわらせて休眠モードに入った、のだが・・・
休眠モードでも念のために感知器群をOnにしていたのがまずかった。なにやら部屋の片隅で蠢くモノを感知したので起きたのだが、それがアレだったとは・・・そのときの私は露とも思わなかった。そしてそのモノを視認したとき我は声にならない叫びを上げた。
その後、シャノンの部屋に転移し、事情を話してシャノンの部屋で寝かしてもらうことになった。今度は感知器群をOffにして。・・・対人インターフェイスの触覚はそのままにしておいたが。