純白のカーテンの隙間から、朝日がさんさんと降り注いでいた。  
庭で離し飼いにされている鶏たちが盛大に時を作っている。  
そうしたもろもろの要素をものともせずに  
ベッドの上の少女は惰眠を貪り続けていた。  
くせっ毛の金髪は寝癖に乱れ、だらしなく半開きになった唇から  
時折「むにゅむにゅ」だのと理解不能な寝言がもれる。  
「パシフィカ。…パシフィカ」  
そこに少女の名を呼ぶ声がする。  
…だが、当然ながら彼女は反応しない。  
「パシフィカ。………パシフィカ。」  
さらに呼びかける。  
………しかし、やはり少女は猫のように丸まったまま  
まくらを抱えてグースカ眠っていたりするのだった。  
この時点で、短気な人間であれば少女をたたくなりつねるなり  
なんらかの実力行使に出たことだろう。  
しかし、いま少女を起こそうとしている人物は短気ではなかったし  
なにより人間へ危害を加えることを禁じられてもいた。  
その上で、その人物がとった手段とは──  
こちょこちょこちょこちょ。  
「うぅんん…みゅう。……」  
こちょこちょこちょこちょこちょ。  
「んん…ん………あははははははは…っ!……やめんかいっ!」  
脇の下や足の裏への刺激……ようするに、くすぐったのであるが。  
「起きたか?」  
「ぬぁ〜にが『起きたか』よ………ってアレ?」  
少女は猫のようなつり目がちの瞳を丸くする。  
彼女を起こした人物は、蒼い髪を持った  
パシフィカよりも年下に見える少女だった。  
 
「ゼフィが起こしに来るなんて珍しいね。  
 シャノン兄に頼まれたの?」  
蒼い髪を持つ少女──ゼフィこと<竜機神>アーフィ・ゼフィリスに  
向かって、パシフィカはいった。  
「いや…パシフィカ、貴女に個人的な用件があるのだ」  
「あたしに?」  
意外なことである。  
彼女が必要な事以外で自分から口を開く事はあまりないし、  
それも大抵は彼女の主、<竜騎士>であるシャノン──  
パシフィカの義兄に向けられる事が多い。  
「…なんかあったの?」  
ゼフィリスの真剣な表情も手伝って、パシフィカは尋く。  
「いや、そういう訳では……ただ、貴女に…尋ねたいことがあるだけだ」  
彼女にしては珍しく、歯切れ悪く言った。  
「その……だな。こういう事を尋ねるのは  
 ぶしつけだとわかっているが…」  
「なーに水臭い事いってんの。あたしとゼフィの仲じゃない」  
寝癖でボサボサの金髪を手櫛で整えながら  
パシフィカは朗らかに言った。  
「そう言ってもらえるのは嬉しいが──そうだな。  
 単刀直入に言おう。パシフィカ、貴女は……  
 シャノンの事を、どう思っている?」  
髪を梳く手の動きが凍りついたように途中でぴたりと止んだ。  
そのまましばし沈黙した後──  
「……………は?」  
オウム返しに言った。  
 
「具体的に言えば、……主…シャノンの事を──  
 異性として見ているか、と聞いているのだが……パシフィカ?」  
硬直したパシフィカに向かってそう問いなおした瞬間、  
息を吹き返した彼女はやおらがしっとゼフィリスの肩を掴んで言った。  
「もしかしてゼフィ、シャノン兄が好きとか?」  
問い返されて、ゼフィリスはいつもと同じ冷静な表情を  
ほんの少し赤らめながら言う。  
「聞いているのはこっち──」  
「好きなのね?」  
古の超兵器すらも押し返す気迫。  
ゼフィリスの沈黙を肯定と受け取ったパシフィカは  
肩にかけた手にぐっと力を込めながら言った。  
「ゼフィ。悪いこと言わないからウチの──  
 あの万年夕暮れ若年寄り兄貴だけは、やめときなって。  
 もっと好い人が絶──ッ対見つかるから」  
真剣そのものの表情で言うパシフィカだったが、  
ゼフィリスも負けてはいなかった。  
ベッドの上に身を乗り出し、彼女にしては大きな声で反論する。  
「そんな事はない!シャノンは私を充分に大事にしてくれている。  
 例えば先日も──」  
「先日も…何?」  
言葉につまるゼフィリス。  
「いーのよゼフィ、あんな変態幼女趣味兄貴なんかを  
 かばわなくったってッ!」  
グッと握りこぶしを作って叫ぶパシフィカ。  
だが、目の前で硬く握った腕は、ゼフィリスに掴まれて  
身体ごと彼女の方に引き寄せられる。  
 
「ちょ、ちょっとゼフィ…?」  
滑らかな指が、パシフィカの頬を包む。  
ゼフィリスの顔は、いまや息がかかりそうな程、間近にあった。  
「口で言って分かってもらえないのなら、仕方ない…」  
「なにすん……む、むー!……!…………!!」  
優しく顔の向きを変えさせられたかと思うと、  
いきなり唇を奪われた。突然の事態に、パアシフィカは目を白黒させる。  
その隙を逃さず、ゼフィリスの舌は唇に割り込み  
歯の隙間をこじ開け、あっという間に少女の口内へ侵入を果たした。  
頬の裏をねぶり、歯の付け根をなぞり、舌の付け根を絡めとる。  
口の中のありとあらゆる場所を徹底的に舐めまわされて、  
頬はうっすらと桃色に色づき、瞳には恍惚の表情が浮かんできた。  
唇の端から一筋、溢れたよだれが垂れる。  
その頃合を見計らって、ゼフィリスは口内への責めを止め  
右指を頬をなぞるようにゆっくりと下らせ始める。  
ゼフィリスはパシフィカの潤んだ瞳を覗き込みながら、言った。  
「シャノンが、どれほど私を大切にしてくれているか…  
 …貴女のその身体に、教えよう」  
彼女の指は顎をなぞり、首筋を優しく、ことさらゆっくりと撫ぜる。  
突然の事態に、パシフィカは荒く息をつぐばかりで言葉もない。  
襟ぐりをはだけさせ、そのままボタンの  
合わせ目にそって指を降ろされると  
それだけで、ゆったりとしたパジャマは  
ほとんど抵抗も無く前をはだけさせられていく。  
ひとつ、ふたつ、数えるようにゼフィリスの指はゆっくりとくだる。  
鎖骨を過ぎ、胸の谷間をくぐり、腹を撫ぜ、へそをまさぐり…  
なめらかな感触がパシフィカの神経を支配する。  
 
「ゼフィ…こ、んなの……」  
パシフィカの息は上がっていく一方だ。  
ゼフィリスは、そんな彼女をそっと抱き寄せて  
優しく、耳に息を吹きかけるように囁いてやる。  
「大丈夫だ……力を抜いて」  
催眠術のように、それまで極度に緊張していた  
パシフィカの四肢が徐々にではあるが、弛緩する。  
力が抜け切るのを待って、ゼフィリスは  
彼女の乳房を下着の上からそっと手で包み込んだ。  
途端、パシフィカの身体はまたびくりと緊張する。  
だがそれも、ゼフィリスの指が  
優しく乳房を撫ぜ、ほぐすように動くまでだった。  
最初はくすぐったいだけだった感触が、  
何度も何度も繰り返されるうち、乳房の芯に熱い疼きを産んでいく。  
疼きは揉みほぐされ、はじけ、  
甘い痺れとなって乳房全体へと広がっていく。  
鼻にかかった喘ぎ声が、押し殺そうとしても次々と漏れて行く。  
「はぁ、はぁ……やだぁ……ゼフィ………」  
口では嫌といいながら、いつしかパシフィカは  
自分から胸を突き出すように動いていた。  
ゼフィリスはそれを確認すると、下着の隙間から  
するりと中に手のひらを滑り込ませた。  
「ひぁっ……あ…」  
ひんやりとした感触に、乳房の先端は見る間のうちに屹立していく。  
彼女の手は、そのまま下着を押し上げて  
パシフィカの胸を露出させてしまった。  
 
娘らしい張りを保った形のいい乳房が  
みずみずしく揺れながら、朝日の下にさらけ出された。  
その珊瑚色の先端はつんと立ち上がっていて、小刻みに震えながら  
愛撫されるのを今か今かと待ち焦がれている。  
だが、ゼフィリスはあえてそれを無視し、  
全体を持ち上げるようにしてつつみこむと、  
弾力を確かめるように、ゆっくりとこねまわした。  
「やぁ……ゼフィ、恥ずかしいよぉ……」  
「そんな事は無い。貴女の乳房は…真っ白で本当に綺麗だ。  
 それに、乳首もピンと立っていてとても可愛いぞ」  
そう言うと、唇を先端に近づけていく。  
唇でなぶられる予感に、パシフィカはきゅっと目を瞑るが  
ゼフィリスの口は寸前で止まり、ふぅっと息を吹きかけただけだった。  
「うぁあん……やぁ、こそばゆい…」  
半ば無意識に自ら快感を得られるよう身をくねらせるが、  
ゼフィリスの指は追えば逃げていき、  
あきらめて退がるとまた寄せ、いつまでも距離は縮まらない。  
決定的な刺激を与えてもらえない苦しみに、パシフィカは悶える。  
そのうちに、乳房をもみしだいていた右手が、  
いつのまにか下へ下へと降ろされ、わき腹をくすぐった。  
「やっ……だめ、下は…だ……はぁっ、んっ!」  
その最終目的地を悟ったパシフィカはいやいやと身をよじろうとするが、  
その先を制してゼフィリスの左手が  
焦らしに焦らされていた胸の先端を摘む。  
乳首から乳房全体へ、そして全身へと広がる快感が  
パシフィカの力を根こそぎ奪っていく。  
右手はパジャマのズボンをごそごそと潜っていき、  
ついに下着ごしに秘裂へとたどり着いた。  
 
指先を軽く押し付けると、ほのかな湿り気と共に  
燃えるような熱が伝わってくる。  
「濡れているぞ、パシフィカ……」  
「やぁっ、そんな事、…んっ、いわ、ないで…」  
「恥じらうことは無い。女は皆、こうなるのだから…」  
甘く囁いて、なめらかな指先をそっと下着の中に差し入れた。  
「うにゃあぁ……やぁん……」  
冷たい指の感触。それだけでパシフィカの背筋に  
ゾクゾクとした甘美な感覚がわきあがり、彼女は思わず腰をくねらせた。  
その動きにゼフィリスの指はごく自然に同調し、  
そっと花弁の間にわけ入ると、肉芽のあたりを優しく擦った。  
「んっ、…んっ、…やだ、声、がッ!…出ちゃうよ…!」  
「問題はない」  
口調だけは優しくいいながら、指はさらに奥へ奥へ  
膣の入り口までも進めていく。  
「…!だ、だめぇ、入れちゃだめ!それだけは…っ!」  
「大丈夫だ。処女膜は傷つけない」  
そういう問題じゃ──という反論は、声には出せなかった。  
今まで乳房で遊んでいた左手が、包皮につつまれたままの  
肉芽を強く押したのである。  
「ふぁっ…!ぁ……っ!」  
パシフィカの全身が大きく弓なりにしなり、股間は  
一気に愛液をあふれさせる量を増す。  
それに助けられて、ゼフィリスの指はゆっくりと、  
だが順調に進んでいき、中指の第二間接までが  
パシフィカの体内へと沈んだ。  
「いや…!ゼフィ、…抜いてぇ……」  
未経験の感覚に、パシフィカは泣き声で懇願する。  
 
「すぐ慣れる。落ち着いて、力を抜いて…」  
そういって首筋に口付けすると、左手でふたたび胸の先端を摘んだ。  
違和感に快感がまさり、パシフィカの全身が緩んでいく。  
途端、ゼフィリスは右指を小刻みに震わせる。  
異物感と、快感。リズミカルに、波のように、交互に押し寄せる二つの感覚。  
パシフィカの身体は、徐々に順応を示していく。  
秘所がどんどんと潤いを増し、ゼフィリスの動きを助けていく。  
二つの波が一つになるのにさほどの時間はかからなかった。  
気がつけば、パシフィカは右指の動きにも快楽を見出している。  
責めるゼフィリスはそれを敏感に感じ取り、指の動きを激しくさせた。  
グチュグチュとことさら大きな水音をさせるようにかき回す。  
「んにゃぁあっ!あっ!あっ!やぁあんッ!」  
もはや、声を押し殺そうとする努力すら放棄している。  
どんどんと高まっていく自らの身体に  
パシフィカはあの瞬間が近づいていることを悟った。  
それも、今までひとりでしていては  
絶対にたどり着けなかったはるかな高みである。  
期待と、不安と、それら全てを怒涛のように押し流す快感に身を任せる。  
来る、来る、もうすぐ──  
だがその瞬間に、ゼフィリスの指が急に引き抜かれた。  
「えっ──!?」  
思わず声に出してゼフィリスの方を向くパシフィカ。  
どうして最後までしてくれないのか、と恨みがましい目を向ける。  
「嫌がっていただろう?やはり無理強いはよくない、と思い直した」  
「そんな…」  
しゃあしゃあというゼフィリスに、  
パシフィカの真っ赤な顔が半泣きに変わる。  
 
つい先程まで思い切りかきまわされていた股間が  
主を急に失った寂しさに唇を半開きにして  
とろとろと粘度の高い濁った色の涙を流す。  
身体の芯から、ずんずんとした切なさが全身へと広がっていく。  
ゼフィリスは、そのくすぶった炎を消さぬよう、消さぬよう、  
ふいごで風を送るように、着衣越しに優しく愛撫する。  
下半身を覆う二枚の衣服は、いまや呪縛に等しかった。  
パシフィカは、自らが放つ淫熱を解き放つことができずに  
その身をじりじりと焼かれていく。  
そんな彼女の様子を見て、ゼフィリスは甘美な罠を仕掛ける。  
「どうして欲しいか言ってくれれば、私はその通りに行動しよう」  
「……ッ!」  
その間にも、ゼフィリスはパシフィカの身体が冷めぬように、  
さりとて決して達することも無いように、無慈悲な愛撫を続けている。  
手のひらで、ふっくらと膨らんだ股間全体を揉みこむように弄った。  
湿り気が見る間のうちに下着を越えズボンにまで伝わっていく。  
「何も言わないなら、現状維持が最優先と判断するが?」  
ついにパシフィカは蚊の鳴くような声で言った。  
「ぃ……れて……」  
「すまない、聞こえなかった」  
しかしゼフィリスは容赦ない。  
「いれ……っ!…入れて!入れてぇっ!あそこに指、入れてよぉ!  
 かきまわして、お願い!」  
喉のそこから振り絞らんばかりに叫ぶと  
ゼフィリスの身体がするすると下っていく。  
パジャマのズボンに手をかけられて、相手の意図を悟ったパシフィカは  
軽く腰を持ち上げて協力する。  
パジャマのズボンごと、下着を一気に引き降ろされた。  
 
瞬間、むっとするような熱気と共に芳しい芳香が広がる。  
健康的な美しさの脚をむき出しにされたパシフィカは  
もはや身を隠す用を足していない衣服をまとわりつかせただけの  
上半身を、安らかにベッドに横たえた。  
ゼフィリスは彼女の足首をつかむと、中心の割れ目を悪戯しやすいように  
ちょうど“M”の字の形に開いていく。  
本来なら恥辱極まりないその扱いを、  
今のパシフィカはむしろ幸福そうに受け入れていた。  
ゼフィリスの指先がふとももに触れる。  
そのまま内股をたどり、ついにパシフィカが願って止まない場所へと  
たどりついた。  
縁取りを彩るように薄く萌えている陰毛を優しく両手で撫ぜて、  
濡れそぼって半開きになった花弁を優しく広げた。  
「はぁ……ん……」  
期待だけで、パシフィカの中心からこんこんと湧き出る愛液は  
一層その量を増していく。  
ゼフィリスは、洪水状態になったそこにそっと口付ける。  
「んんっ…は、は、…あああぁぁぁっっ!」  
叫び声とともに大きくおとがいを反らして、  
パシフィカは快感を享受する。  
花弁の狭間に舌がさしいれられ、何かを探すように上下に往復する。  
それだけでパシフィカは気が狂うようだというのに、  
ゼフィリスの舌は、ついに目指すべきモノを見つけてしまう。  
興奮に、覆いから半ば顔を出してしまっているそこを  
舌先でつんつんとつつかれる。  
「んっ!ぁぁああ!!」  
途端、電流のような快楽が全身に走り、パシフィカはたまらずに  
両の足と手を使ってゼフィリスの顔を自らの股間に押し付ける。  
 
ゼフィリスの動きはそれに妨げられるどころか、  
さらに活発になっていくようだった。  
舌先で器用に包皮を剥いて、ころころと転がすように舐める。  
「ぁあああっ!ふぁあああぁっ!」  
半狂乱になって首をふるパシフィカ。  
手足に込められる力は、今度こそは快感を逃すまいとでも  
するかのようにさらに強く強くなっていく。  
にもかかわらず、ゼフィリスの小さな頭はそこからするりと  
抜け出し、めくるめく瞬間はまたも遠ざかっていってしまった。  
無念そうにけいれんする身体を横たえるパシフィカを見下ろしながら、  
ゼフィリスは自らの装いを解いていく。  
見る間のうちに、衣服は何も無い宙に霧散するように溶け  
透き通るような裸身が現われた。  
一糸まとわぬ姿になったゼフィリスは、下ごしらえの具合を確かめる。  
とめどなく涙を流すパシフィカの陰唇に優しく、熱い吐息を吹きかけた。  
たったそれだけで、彼女の腰はぴくんっと大きく跳ね上がる。  
すっかり敏感に出来上がった獲物に少し目を細めながら  
ゼフィリスは左足を丹念に愛撫しながら持ち上げる。  
優しく抱きかかえるようにして足首を肩に乗せ、  
そうして開かれた足の間に、そっと右手を逆手に添えると、  
そこに自らの性器を重ねるようにしてのしかかっていく。  
お互いの土手が触れ合う感触に、パシフィカは思わず腰を突き出す。  
「……っ!ん…っ!」  
自らの手の甲が押し付けられて、ゼフィリスは声を漏らした。  
パシフィカの乱れぶりを目の当たりにして、責め手である彼女もまた  
自らを大いに昂ぶらせていた。  
その疼きに急かされるように、ゼフィリスは性急に  
中指をパシフィカの内に沈めていく。  
 
「ふぁ…っ!あぁああぁあぁぁぁっ!」  
パシフィカの乳房が興奮にひとまわりサイズを増し、  
主人が快楽にのたうつたびにぷるぷると妖艶に揺れた。  
「貴女はどの辺りが一番いい…?」  
ゼフィリスは指の先をかぎ爪のように折り曲げ、  
のしかかる腰全体を使って出し入れを繰り返す。  
女性の快楽のツボがしつように刺激される。  
「いいっ!いいっ!ゼフィのゆびぃ、いいよぉっ!」  
高まっていくパシフィカにあわせるように  
ゼフィリスは指と腰の動きを速めていく。  
ふたつの性器が、部屋中に淫らな水音のハーモニーを響かせる。  
そこからこんこんと湧く甘露が、狭間にあるゼフィリスの指をつたって  
交じり合いながら流れ、シーツに盛大なしみを作った。  
「そろそろ、限界、の、ようだな…?」  
普段は雪のように白い頬を紅潮させ、  
心なしか笑みを浮かべたようにも見えるゼフィリスが囁いた。  
あふれる愛液をさらに掻き出そうとするかのように動く。  
どんどんとエスカレートしていく彼女の動きが  
見る間のうちにパシフィカを高みへと押し上げていった。  
足の指は何かに耐えるようにきゅっと閉じられ、  
両手はシーツを引き裂かんばかりにつかむ。  
「ひあああぁっ!あああぁっ!ゼフィ、ゼフィっ!!  
 もうダメ、もう、ダメ、ダメ、ダメぇっ!」  
断末魔の叫びをあげると、激しく身体を震わせながら  
パシフィカは絶頂に達した。  
ゼフィリスもまた、左手を通して伝わってくる彼女の動きに  
おとがいを反らせると、うっとりとまぶたを閉じながら  
ほぅ…っと熱い吐息を漏らした。  
 
ぐったりと快楽の余韻に浸るパシフィカを優しく抱き起こすと、  
乱れた彼女の髪を梳きながら、ゼフィリスは頬にそっとキスした。  
その瞳は熱く潤いを帯びていて、  
普段の彼女をよく知っている者が注意して見れば  
パシフィカを愛おしんでいるように見えなくも無かった。  
彼女が人事不省に陥っている間に  
ゼフィリスは、未だパシフィカにまとわりついていた  
無粋な衣服の残骸を剥ぎ取って、  
びしょ濡れの内股と股間を、丁寧に丁寧にぬぐってやる。  
「ん……ゼフィ?」  
「起きたか?」  
ゼフィリスの腕に抱かれ、生まれたままの姿のパシフィカが瞳を開ける。  
眠そうに何度か瞳をしばたかせると、嬉しげに身をくねらせながら  
ゼフィリスの首筋に唇を寄せていった。  
その様子は、さながら親猫に甘える子猫、とでもいおうか。  
「……パシフィカ?」  
「んふふー。ゼ〜フィ」  
全身をゼフィリスにすり寄せ、彼女の腕をとり  
自らの身体に導いていく。  
「…その……パシフィカ?……わたしは、シャノンと…」  
「だーめ。シャノン兄に渡すくらいなら、  
 わたしがゼフィのお婿さんになるわ」  
「な、なに…ッ!?」  
ゼフィリスは目を丸くする。  
「ね、ゼフィ。さっきの……もう一回、しよ」  
じゃれつく勢いが余ってベッドに押し倒されながら、  
ゼフィリスは──作戦の失敗を悟るのだった。  
 

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