「何をする・・・ぐぉふっ!」  
 
さらにお市は政宗の顔面目がけて頭突きをくらわす。  
 
「・・・・・・・っつう・・・ふぁかぐぁ、はにほぉふる!(バカが、何をする!)」  
 
鼻を思い切りぶつけてしまった政宗は顔を押さえしまりがない口調で怒った。  
 
 
「これ以上はダメ!」  
 
やはりお市は嫁入り前の娘である。いくら興味があるといっても本来こういった  
行為は結婚した夫婦が行う契りの儀式だ。大事な純潔を自分の夫となる者以  
外に渡してはならないという貞操観念はお市にもある。  
 
(夫婦になることを許されなかった男女が密かに逢瀬を重ね結ばれるって話は  
読んだことあるけど・・・)  
 
しかしお市はこの少年のことを好きでもなんでもない。例えそうだとしても――  
ずっと縛られていたのでお市は身体がジンジンと痺れてきている――この様な  
かたちで無理矢理されるのはどう考えても不本意である。近づこうとした政宗に  
今度は蹴りをいれた。  
 
「くっ、バカが、蹴るではないわ・・・」  
「蹴るわよお、だって市あなたとなんて嫌だもん!」  
 
お市は脚をバタつかせ、政宗を何とか寄せ付けまいとしている。  
 
 
大人しく舌まで入れさせておいて、バカが。これだから女はわからん――政宗  
は舌打ちした。しかしこれくらいの抵抗でやめる政宗ではない。蹴りあげるお市  
の脚と格闘をはじめた。  
 
 
「バカが、往生際の悪い。観念いたせ!!」  
「だからダメだって言ってるのにわからない人ねえもう・・・・・・えいっ」  
「ぐほっ・・・えーい、ジタバタするな!・・・・・・・・・・・・おとなしくしてろ!!・・・・・・・・・  
 ・・・・・うおっとっ」  
「きゃあ!」  
 
 
体勢がくずれ、政宗の頭がお市の脚の間に倒れこんだ。お市は咄嗟に太もも  
でその頭をぎゅー、と思い切り締めつける。  
 
「きゃあーー何すんのよおーー離れてよーー!!!」  
 
太ももに挟まれてしまった政宗は少女の股間を目の前に動けなくなってしまっ  
た。お市はガッチリと政宗の頭を挟んだまま、それこそ必死で振りほどこうとも  
がく。脚を拡きさえすれば外れるのだがをパニックに陥っているお市はそれに  
気づかない。  
 
「フンガー(バカ、離せ!!)」  
「いやあ〜息なんかかけないでぇー」  
「フンガフンガー」  
「あーん、もういやあ・・・・・・何でこんなことするのよお〜・・・・・・・」  
「フンガフンガフンガー」  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、何・・・もしかして匂い嗅いでいるの・・・・・・・・・?」  
「フンガフンガフンガフンガー」  
 
 
ぞぞぞっ――  
 
鳥肌がたったお市は大声で悲鳴をあげた。  
 
「いやーーーーーーーーーーーヘンタイーーーーーーーーーーー!!!!!」  
「ぷはあっ!・・・はあ、はあ・・・バカめ!おまえが押さえ付けるからだろうが!!!  
 窒息するところであったわ!!!」  
 
 
ようやく頭が外れた政宗は必死に抗議するが、むろんお市は政宗の言うことなど  
聞いていない。さっきまで感じていたほのかに甘い気分はどこかに消し飛び、今  
お市の目の前にいるのは息を荒くした変態である。  
 
 
「ばかーー!!!変態ーー!!!・・・お兄さまぁ・・・たすけてぇ・・・・・・誰か・・・」  
「バカはこっちの台詞だバカが!!!に・・・匂いぐらいでガタガタぬかすなあぁ!  
 くそっ!!」  
 
 
政宗は乱暴にお市の下着を剥ぐとまた白い太ももの間に潜り込む。そして少女  
の脚を自分の肩と腕で固定すると、やわらかいい茂みの中に咲く少女の穢れな  
い花に口をつけた。  
 
 
「バカが・・・・・・こうしてくれるわ!」  
「ふわあああっ・・・」  
 
お市は羞恥とそのヒヤリとした感触にまた悲鳴をあげた。  
 
「・・・・・・・・・あんん・・・何、今度はなめてるの・・・?いやぁん〜・・・」  
「おまえはおとなしく感じておれ。小便臭い餓鬼め」  
「そんな所なめて・・・当たり前、じゃないっ・・・・・・いやぁ・・・あなたってホントに変  
 態よぅ〜!」  
「バカがっ!生娘が生意気申すなっ!!」  
「・・・みゅう・・・・・だって汚いのに・・・・・・ぁはぁ・・・・・・あぁん・・・」  
 
 
っぴちゃ、ぴちゃっ、ピチャ――  
 
花の芳香が、布越しよりもはっきりと政宗の鼻腔をくすぐっていた。その甘酸っ  
ぱい香りのもとを味わいつくすかのようにさらになめ回す。舌が秘丘の間に隠  
された小さな尖りを探し当てると、ビクリ、と少女の腰が浮き上がった。  
 
「ひぃゃあっ・・・・・・!」  
「・・・動くなっ!」  
「何そこ、変に・・・変に・・・なっちゃう・・・・・・!」  
 
政宗はその手応えを確かめると、重点的にそこを責め立てる。お市がまるで快感  
から逃げるかのように腰を浮き上がらせるので、政宗は必死でそれを押さえ付け  
ねばならなかった。愛らしく歪む顔を少女の茂み越しに政宗は見ながら、今度は  
そこに軽く歯をたてる。  
 
「ひやっ!・・・・・・・・・だめぇ!・・・・・何、いや・・・あああ・・・はんっ・・・・・・!」  
 
 
自分の身体の奥から何かが溢れ出てくるのをお市は感じた。とめどなく流れるそ  
の蜜を、政宗は全部吸いつくすように音をたてて飲み干す。  
 
 
ぢゅぅぷっ、ぢゅうぶっ、じゅぷっ――  
 
「・・・・・・っひい・・・・・・ぃっ・・・やあ・・・・・・あはぁ・・・・・・んゃ・・・・・・・」  
「・・・ふう・・・・・・・・・生娘の分際でこんなに濡らしおって。」  
 
 
ようやく自分の調子を取り戻した政宗は唾液と蜜まみれになった口元を手で拭うと、  
とろんとした表情のお市を満足げに眺めた。テラテラとした蜜を指ですくい取ってお  
市に見せる。  
 
「ほれ、見ろ。いやらしい女が。」  
「・・・市・・・いやらしくなんかないよぉ・・・」  
「嘘をつけ。自分のをなめてみろ。」  
 
嫌だったが強引に唇に入れられ、舌に塗りたぐられた。甘くはない。なんでこんな  
の美味しそうになめられるんだろ、やっぱりこの子は変態なんだ、とお市は一人で  
納得していた。  
 
 
そうとも知らない政宗は今度は蜜壷に指を入れる。  
 
「きゃっ・・・・・・また・・・・・そんなとこ入れちゃう・・・の」  
 
きつかったが、濡れそぼっているそこは何とか政宗の指を受け入れた。行きつ戻り  
つしながら道を押し広げてやる。  
 
「・・・んはあっ、・・・ひいっ・・・やあぁ・・・かきまわさないで・・・・・ぁぁ・・・」  
 
 
クチュ、クチュ、クチュ、クチュ――  
 
そこから音が鳴る度にまた潤ってきた。政宗が指を抜いてみるとふやけている。さら  
に指をもう一本ふやけさせることにした。  
 
 
「もう一本いれてやろう。」  
「・・・いれないで、いれないでったらぁ・・・・・・・ふぎゅっ!・・・・ぁぅ、痛い・・・・・・痛いよぉ・・・・・・」  
「きついか?抜いてほしいか?」  
 
 
痛みをこらえているお市は必死に頷いた。しかし政宗は意地の悪い笑みを浮か  
べるとお市の中をかき回す音をさらに大きくした。  
 
 
「ではなおのことよく拡げておかねばな。わしのはもっと太いぞ」  
「もう、やめてよぉ・・・いゃっ、痛いってばぁ・・・・んんぅ・・・はぁっ・・・・・・むゅ・・・・・」  
「痛いばかりでもあるまい。気持ちいいぐらい言えんのか?」  
「・・・はあっ・・・ああ・・・んん・・・これが気持ちいいことなの・・・?・・・・・わ、わかんな  
 いよお・・・・」  
「馬鹿。わからんとはなんだ。」  
「・・・・・・・だってぇ・・・・・・あぐっ・・・ん・・・皆、こんなことするの?・・・それともあなた  
 が変態だから・・・・・?」  
「ワシは変態ではないっ!!バカが!」  
「怒らないでよう・・・・・・・・・」  
 
 
本当にわからないの――今されている事はお市の中をかき回し、乱して、壊されて  
しまいそうになる。未経験なお市はこの感覚を持て余し、どうにか逃げようと必死で  
あった。  
 
お互いの口を吸いあったりするのは甘いときめきが、身体の外側を撫でられるのは  
まるで自分が兎か子猫にでもなっているかのような心地よさが確かにあった。男女  
が一つになるということは、そんな羽毛のような優しさに包まれながら、身も心も溶  
け合っていくようなものだとお市は想像していた。  
 
 
もしも政宗が自分の妻――愛姫に初めて触れた時のようにお市に対して接して  
いたなら、この話はまだ違っていたかもしれない。  
 
 
何も知らない少女が欲しているのは女を悦ばすどんな技よりも、ただ不安や恐  
れを取り除いてくれる優しさだった。だが少年は少女の望むママゴトのような触  
れ合いで満足をする子供でなければ、優しい気遣いができる大人でもなかった。  
 
 
「ひぃっく・・・はぁ・・・ぐすん・・・・・・・」  
「泣くな、バカが。」  
 
 
政宗がやっきになってますます刺激を強くしたので、お市は泣き出してしまった。  
 
 
 
「・・・・・・なんで・・・ヒィック、・・・なんのために・・・こんなことするの・・・?・・・・・・・ぐす  
 ん・・・」  
「・・・・・・バカか、お前そんなことも知らんかったのか?子を作るためだ、餓鬼が。」  
 
政宗は呆れていたが、それくらいはお市だって知っている。聞きたい事はそれでは  
なかった。  
 
「・・・・・・あたし、あなたの子供を生むの・・・?側室にさせられちゃうの・・・?」  
「バカが。それはそれ、これはこれだ。ワシだってお前との子なぞ欲しくないわ。  
 第一、いつ寝首をかかれるかわからんのに敵の女なんぞ側におけるか。」  
 
政宗は冷たく吐き捨てた。  
 
「ひどい・・・」  
 
 
もちろんお市とてこの変態小僧の側室になるのも、ましてや似た子を生むなんて  
事は真っ平御免である。しかし政宗の言葉はお市を深く傷つけた。さっきとは違う  
理由でお市の両眼から涙が溢れてきた。  
 
接吻の時、甘い気分で相手に心を開きかけていた自分は一体なんだったんだろう――  
 
お市は"何か"を期待していた。"何か"が何なのかはお市自身はよくわかってない。  
 
 
(あたし、バカ・・・)  
 
でもそれは裏切られた。お市はただ悲しかった。  
 
 
 
「肝心なことはこれからだぞ。」  
 
政宗はお市の気持ちなど構わず服を脱いで裸になる。また、あの、見たくもないも  
のが目に飛び込んだきたのでお市は顔をそむけた。  
 
 
「お前には男女の交わりの快楽というものをよぉく教え込んでやらんといかん  
 ようだな。」  
「市は・・・あなたなんかに教わりたくない!!!」  
「バカが。女は男の言う通り黙って脚を拡げておればよいのだ。」  
 
 
嫌、嫌とお市は首を振り、自分の身を縛っている糸をなんとか切ろうともがき  
にもがいた。だが武器に使われていた糸なのでそう簡単には切れるの代物で  
ない。政宗はしばらくその様子を残酷な笑みを浮かべながら眺めていた。  
 
 
「無駄な抵抗はやめろ、バカが。」  
 
お市が疲れ果ててぐったりした頃合を見計らって、政宗は大きく少女の脚を拡  
げる。  
 
 
「あなたって・・・本当に、本当に・・・・・・最っ低・・・!!」  
「どうとでもぬかせ、世話のやける生娘が。一気に貫いてやるからな。」  
 
少年の怒張したものが入り口に添えられる。お市の悲鳴が響き渡った。  
 
「いやあああああ・・・・・・」  
 
 
「そこまでよ」  
 
突然声がして、鉄球が投げ付けられた。色事の最中とはいえ政宗も武士である。  
反射的に身をかわし、武器を掴んで身構えた。  
 
「なんだお前は!?」  
「織田信長が妻、帰蝶。皆は私を濃姫と呼ぶわね。」  
「………その声は………お義姉さま…?…お義姉さまあ〜、助けにきてくれたのね……!」  
 
政宗が離れたその隙に濃姫はお市に近寄り、糸を切った。  
 
「可哀相にこんなに縛られて…でも、もう大丈夫よ。」  
「市、嬉しいよー…………もう…もう本当にだめかと思った…ひっく…」  
「さあお市。ここは私に任せて早くお逃げなさい。」  
「うん…お義姉様、気をつけてね。こんな変態、コテンパンにやっつけちゃってね!!」  
 
お市はきっと政宗を睨みつけると、さっさと逃げていってしまった。  
 
「あ、こら、バカめ。変態とはなんだ!待て…」  
「あなたの相手は私よ。」  
「やろうってのか?女だからといって容赦はせんぞ」  
「ええ…やりましょう。」  
 
濃姫はいきなりするすると着物を脱ぎ始めた。政宗の目が、その裸体にくぎづけになる。  
 
「あなたがあの子にしようとしていたことを、ね……ふふふ。」  
 
濃姫は嗤った。  
 
 
 
次回へ続く――。  

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