彼女は、戦場では高く結いている亜麻色の髪を下ろしていて、伸びた髪は腰の辺りまである。
薄い紫色の着物を纏い、頭には藤の花を飾ったかんざしを差していた。
長政が亡くなってからというもの、彼女は殆どの時間をこの屋敷で過ごしている。
普段から口数が少なく、物静かな性格であったが、最近はそれにもまして静かで誰とも会話しようとしなかった。
今回そんな市に蘭丸は呼び出されたのだ。
日頃から市のことを気にかけていた蘭丸だったが、こうして目の前にすると何を話していいかわからない。
「あの、 お市様… 今日は何用で……」
市は縁側に浅く腰掛け、俯いたままである。
「お市様、お身体の方は……」
お市は黙ったまま顔を上げ、一瞬こちらを見たがすぐにまた下を向いてしまった。
蘭丸は困り果てた。
(さて、どうしたものか…)
蘭丸は信長を心から尊敬していたが、小谷城に市を向かわせたのには納得いかなかった。
「お市様!長政様のことは……」
「いいのです!
もう…いいのです…」
「運命だった…
ただそれだけ…
もう私に構わないで!」
蘭丸はもう話しかけるのをやめた。
そして市にそっと歩み寄り、優しく抱き締めた。
「蘭丸……」
「失礼も承知の上です…」
「いいえ、年下に慰められるほど弱くはないのですよ…」
市は蘭丸の首に手を回し、胸元に抱き寄せる。
頬に当たる髪がくすぐったい。
市からは花の匂いがした。散る姿も美しい藤の花。
そんな匂いをもっと嗅ぎたくて、蘭丸は市を強く抱き締めた。
そのまま首筋に口付けし、優しく押し倒す。
「来なさい、蘭丸…」
そんな市の言葉を塞ぐように接吻を交わす。
市は蘭丸を抱き寄せ、激しく求めるように舌を絡ませる。
「ん、んん… んっ…」
蘭丸も市を受け入れるよう深く交わった。
そして片手で着物をはだけさせ、乳房に直接触れる。
頂点を中心に円を描くように指を滑らせ、散々焦らしてから人差し指と中指で転がすと、市は甘い声を漏らした。
「んはぁ あんっ んん…」
右手で弄りながら、もう一方は口で愛撫する。
舌で転がしながら、少し強く吸えば、悲鳴のように声を上げ、顔を紅潮させた。
それから蘭丸は着物をまくし上げ、腹、太ももと口付けを落としていき、蜜壺に辿りつく。
花弁を指で広げれば、中から蜜が溢れだしてくる。
芽を口に含み、指を進入させると、指を拒むようにぎちぎちと中が収縮する。
蘭丸が指を出し入れするとぴちゃぴちゃと卑猥な水音が響いた。
蜜がどんどん溢れだし、着物に染みを作っていく。
その蜜を舐めとるように花弁に舌を這わす。
「んっ! あ、…ひゃぅっ! んん、あんっ!」
蘭丸は己のモノを取り出すと、入口にあてがった。
そして体重をかけるように挿入した。
「うっ、お市様…」
「あんっ、んんっ!」
市は蘭丸をきつく締め付けた。
(これではそう長く持たないな……)
蘭丸はゆっくりと腰を動かし始めた。
くちゅりくちゅりと湿った音を響かせながら、二人に快感の波が押し寄せる。
蘭丸は市の腰に手を置き、打ち付けた。
その度に蜜は溢れだし市の太ももを濡らす。
「あんっ!んっんっんっんっん゛ん゛っ!」
市は足を開き蘭丸を最奥まで導く。そのまま首に手を回し、蘭丸に口付け、押し倒した。
(お市様、そんなにされると… もう…)
市は蘭丸に馬乗りになり、脚を大きく開き、懸命に腰を振る。
「んっ! ああっ!あんっ な、ながまささまぁっ! んああっ!」
(お市様……)
蘭丸は市を抱え上げ、そのまま激しく突き上げた。
市は蘭丸を離さないように締め付け、強く抱き締める。
「んっんっ!ああっ! あんっ んっ んん! ああっ!」
「お市様っ!」
どくっどくっびゅっっびゅくびゅくびゅっっびゅくびゅどくっびゅっっごぽっごぽっ…
ごぽっごぽっ……
………
……
…
「蘭丸、もう一度だけ……」
その日、市は寂しさを紛らわすように何度も求め続けた。
終わり