身体中に走る鈍痛で彼女は目を覚ました。
ひやりとした感覚が脚を伝い、朦朧としていた意識も徐々に回復していく。
鼻につく黴の臭いと伴に彼女の記憶が舞い戻る。
猛将、本多忠勝の娘である稲姫は幼い頃から父の背中を見て育った。
故に彼女の心には常に強い武士への憧れがあり、またそれが父への尊敬の念の表れでもあった。
私も父のようになりたい、そんな気持が彼女を強くしていく。
戦場での功績は数知れず。
言うまでもなく主君からの信頼も厚く、課される任務も重要な物になっていった。
稲は竹藪を駆け抜ける。
今回の任務は敵本陣への奇襲。
成功すれば劣勢を跳返すことが出来る。
失敗する訳にはいかない、その重圧が稲を押し潰し、焦らせた。
(急がなければ……)
その時だった。
(何故っ!)
光の向う側から一人の武士が走ってくる。
奇襲が悟られるような行動を取った覚えはない。
動揺した稲は慌てて弓を放ったが、簡単に弾かれた。
(くっ………)
一瞬にして間合を詰められ、大剣が稲の身体を掠める。稲は飛上がり弓を放つも、男の髪の毛を一、二本切落とすだけに終わった。
そのまま身体を反転させた男の拳が、稲の腹を捕らえ、身体が地に落ちた所を蹴り飛ばされた。
「ぐはぁっ!!」
髪を掴まれ、男に耳元で何か囁かれたが、激しい痛みで聞き取ることが出来なかった。
稲の記憶は此処で途切れていた。
燈された蝋燭が身体を照らし、稲を絶望させる。
衣は全て剥取られ、一糸纏わぬ裸体が露になっていた。
手は影で見えぬ天井から吊され、脚は安坐の姿勢で縛られている。
冷たい壁が背中に当り稲は身体を震わせた。
逃げなければ……
稲が身体を捩り、立上がろうとすれば縄が手首に食込み、痒みにも似た痛みが走る。
それがもどかしくて身体を跳ねたり、腕を交差させたり、必死に縄を解こうとしたがまるで意味を成さなかった。
戦はどうなったのだ、殿は、父は、無事だろうか。まさか……
そんな稲の思考を遮るように扉が開く。
「おはよう、お姫さま…」
「ぁあ……ぁ…」
稲の心は一瞬にして恐怖に支配された
そこに居たのは先程自身の命を掠めた男、島左近であった。
稲の記憶は此処で途切れていた。
燈された蝋燭が身体を照らし、稲を絶望させる。
衣は全て剥取られ、一糸纏わぬ裸体が露になっていた。
手は影で見えぬ天井から吊され、脚は安坐の姿勢で縛られている。
冷たい壁が背中に当り、稲は身体を震わせた。
(逃げなければ……)
稲が身体を捩り、立上がろうとすれば縄が手首に食込み、痒みにも似た痛みが走る。
それがもどかしくて身体を跳ねたり、腕を交差させたり、必死に縄を解こうとしたがまるで意味を成さなかった。
戦はどうなったのだ、殿は、父は、無事だろうか。まさか……
そんな稲の思考を遮るように扉が開く。
「おはよう、お姫さま…」
「ぁあ……ぁ…」
稲の心は一瞬にして恐怖に支配された
そこに居たのは先程自身の命を掠めた男、島左近であった。
左近は稲の裸体を舐めるように見回し、嗚呼、と歓楽の声を上げた。
「徳川の嬢ちゃんがこんなに愛いとはね…」
敗者が辿る運命など決まっている
稲は悲鳴を上げた。
「悪く思わないで下さいよ…」
左近は下品な笑みを浮かべ、稲に歩み寄る。
「ゃ……やめ…て」
左近は小刀で稲の脚を縛る縄を荒々しく掻き切ると、脚を解放し、蛙の形に開いた。
恐怖と羞恥が稲の精神を蝕み、身体を震わせた。
左近の太い指が稲の柔肌を擦り、露になった花弁を左右に広げる。
「い…やぁ……」
紅い果肉が冷たい外気に触れ、稲の身体が微かに揺いだ。
「それじゃあ、いきますよ…」
「ひゃぅっ!」
左近は芽を弾くと己の物を稲にあてがった。
「いやぁ!…ぃや、…やめてぇ!」
稲の必死の抵抗も虚しく、左近は腰を落とす。
熟れた果実が潰れる音がした。
「んっ!…あぁっ!」
破瓜の痛みこそ無かったものの、身体の内側から抉られるような感覚に稲は悶絶した。
溜っていた涙が零れ出し頬を伝う。
左近は稲を持ち上げ、抽送を始めた。
「んんっ……あぁっ…あっ…いやぁ!」
縄が緩み、跳ねた身体が半ば落ちた所で深く突上げられる。
そして子宮口に亀頭が到達した所で腰がゆっくりと引いていく。
その繰り返しだった。
稲の蜜壺からは遅れて愛液が分泌され、湿った音が部屋中に響いた。
それに比例し悲鳴のようだった稲の声も艶を帯びていく。
「あぁっ!……んっ、んっ、んん゛…っあぁ」
左近は稲のふっくらとした唇を吸い上げ、抽送を激しくさせていく。
今度は単純な出入で稲の肉壁を抉り、ひたすらに腰を打ち付けた。
稲は己が快感に呑まれるのを懸命に拒み、歯を食いしばった。
しかし、我慢すればするほど辛くなり、涙が溢れ出す。
果てて終いたい気持を僅かに残った理性が押し殺し、永遠に続く陵辱に耐える。
左近はそんな稲を嘲笑うかのように抽送に緩急をつけ始め、稲の腫上がった芽を摘んだ。
激しさはそのままに小刻みに腰を動かしてやる。
「ひぁっ!…らめぇ…」
稲の意思とは裏腹に身体は更に熱を帯び、左近を締上げていく。
左近が深く突上げた時は吐気に似た苦しさが込上げ、腰を引く時にはそれを掻消すように快感の波が押寄せる。
左近もまた同じだった。
突上げれば稲の愛液がねっとりと絡み付き、引く時には離すまいと締付ける。
互いの限界は近い。
「あぁっ…あっ…んっ、ん、ん…んん゛っ」
稲の意識は完全に浸蝕され、与えられる快感に喘ぐだけの淫らな人形と化していた。
頭が真っ白になり、身体がほどけていく。
結合部は溶ける程に熱を帯び、左近の全てを受入れようとしていた。
「ああっ、出しますよ!」
「んっ、んっ、あぁっ…んんっ、あ、あ、あ…ああっ!」
容赦なく膣内で爆ぜられた精は、音もなく稲の身体へと消えていった。
肉の凶器が内臓を抉る淫摩な響きで稲は再び目を覚ました。
口内に広がる苦い味わいと男たちの下品な笑い声。
身体中に走る異様なまでの熱が稲の意識をぼんやりとさせてゆく。
「んぶ、…んく、ぶぶ…んん」
口の中に無理矢理突込まれた剛直が引抜かれ、顔に熱い液体が降りかかるとほぼ同時にまた口内を犯される。
息をしているのかも分らないまま白濁液でぐしゃぐしゃの顔を下に向れば、二人の男が自らに力任せに打ち付けていた。
周りには数十人の男。
ほぼ感覚が無かったが、視覚的に後ろも使用されていることがわかった。
不意に男の動きが止ると、また次の男が稲に覆い被さる。
と同時に喉奥に熱い液が注がれる。
男たちは決して稲に休みを与えなかった。
(私、犯されてる…)
稲の中で音も無く何かが弾けた。
身体中の痛みが快感に変わり、頭が真っ白になる。
「稲に、稲に、もっとくださいましぃ!」
稲は男に馬乗りになり、狂った様に激しく腰を振った。
求められれば胸も使い、男たちの甘い汁を懸命に啜る。
手や口を駆使して、男たちを導き、自らも与えられる快感に喘いだ。
「あぁ!おっきいのいいよぅ!もっと突いてぇ…」
止む事の無い白濁液を身体中で受け止め、果てる。
獣の体位で穴という穴を塞がれ、何度目からわからない絶頂を迎えるのは容易だった。
その度に稲の身体は蕩け、更なる深みへと誘っていった。
「もっと、もっと、稲に注いで下さいませぇ!」
数週間後、稲は徳川側へと帰された。
信玄曰く、これは戒めだということらしい。
忠勝の独行を防ぐ為、この事実は家康によって隠蔽された。
終