純白の装束の、下端だけが視界の中で揺れている。  
踵の高い長靴がつと動いて、彼の方へと向かってくる。  
黒絹の髪に縁取られた美貌を見ることは許されていないので、  
彼はひれ伏したままその爪先だけを懸命に目で追っていた。  
 
やがてその黒革に包まれた脚が、革に刻まれた微細な傷まで見て取れるほど近くで止まる。  
「秀吉公より、奥州の山犬を庇ったそうですね?」  
涼やかな声が頭上に降ってきて、彼は一層深く頭を垂れた。  
罪を咎めるでもなく、さりとて嘆くでもなく、淡々としたその声色は感情に乏しい。  
それ故にその声は絶対の響きを有しており、  
事実、彼にとってその声の主はこの世にただ二人の絶対的な存在だった。  
 
無言でひれ伏す彼にその声は重ねて問う。  
「上杉を危機にさらしても助けたいと願うほどの、傑物だったのですか?」  
「……申し訳ありませぬ」  
「面を上げなさい、兼続」  
兼続が求められるままに、顔を上げる。  
すぐ側に、主――綾御前の美貌があった。  
黒目がちの瞳を猫のように細め、薄い唇は柔らかく弧を描いて微笑んでいる。  
瞳に己の姿が映っているのが見えるほどに近いその美貌に息を飲み、  
あまりに礼を失した距離だと気付いた兼続が慌てて後ずさろうとすると、ぐいとその顎を掴まれた。  
冷たい指先が、慰撫するかの如く彼の顎から耳元へとなぞっていく。  
「兼続、お前のその才――気概は誰のものですか?」  
「も……勿論、謙信公と御前様、ひいては上杉にございます」  
「では、何故。ただの戯れで山犬を庇ったとは思えませんね?」  
力を込めた指先が喉に食い込む。  
皮膚に食い込んだ爪に、微かに血が絡む。  
しかし兼続は目を逸らすことなく綾御前の目を見つめていた。  
逸らすことを、許されていないからだ。  
「申し開きは、いたしませぬ。これも、義の為でごさいます故に」  
 
その答えは果たして彼女の気に入るものだったかどうか。  
どん、と胸を小突かれて体勢を崩し、  
後ろへ倒れ込む兼続の視界をゆるりと上がった黒革の長靴が掠める。  
「……うろたえ者」  
悲鳴はぎりぎりの所で飲み込まれて、音にはならなかった。  
自らの脚の間を踏みつける長靴を一瞥し、兼続は再び綾御前の顔を見上げる。  
 
彼女の美貌は常の淡々とした表情を崩していない。  
だが白い肌は僅かに朱を帯びて、口元はそれと分からぬほど薄い笑みが浮かんでいる。  
「義を貫きながら上杉を守ろうという気概があると?」  
「も――勿論にございます」  
ぐり、と爪先がねじるように兼続の逸物を踏みつけにする。  
布越しであってもはっきりと感じる堅く冷たい感触に、兼続の男らしい顔が僅かに歪んだ。  
 
今日はまだ、優しい方だ。  
長靴の、鋭い踵でえぐられればこの程度では済まない。  
それが綾御前の慈悲なのだと思うと、いつしかその苦痛は歓喜へと取って代わる。  
「では、兼続」  
その声は甘く優しく、そして冷たい。  
ようやく美貌に浮かんだとろけるような極上の笑みを、  
至上の喜びを以て見つめる兼続に彼女はその声色のまま囁いた。  
「わたくしに示しなさいな。あなたの、気概を」  
「それは、願ってもない事なれど……如何にして……っ」  
更に深く、長靴の先が逸物を踏みにじる。  
しかし兼続の喉から漏れるのは苦痛ではなく歓喜。  
強く踏みにじるほどに、長靴の下で逸物は硬さを増していく。  
「ふふ……もうこんなにして、それで気概が示せるのですか?」  
「む、無論にございます」  
「よいでしょう。では、わたくしが許します。存分に示しなさい」  
 
引きちぎるようにして暴かれた装束から勢いよく飛び出した逸物に、綾御前の目が満足そうに細められた。  
はしたなく勃起したそれを見られていることに恥じ入る兼続に、微かに血を絡ませた指を突き出す。  
「お前の血で汚れました。清めなさい」  
「は……失礼致します」  
自らの血に汚れた白い指を口に含み、兼続は音を立てて吸い上げる。  
血の味がしたのはほんの僅かの事で、舌先で綺麗に拭い去っても兼続は指を舐め続けた。  
そうして無心に己の指を吸い立てる兼続に満足したのか、  
綾御前は兼続の頬に空いている手を這わせてもう十分だと告げた。  
唾液にまみれた指を紅い唇がくわえ込んで、ちゅ、と音を立てて吸う。  
 
「綺麗に出来ましたね。けれど、まだまだ足りません」  
綾御前の手にはいつしか黒い布が握られていた。  
緊張と期待の入り交じった表情で待つ兼続の目を、その布で覆う。  
上質の絹で織られた布はすっかり兼続の視界を閉ざし、  
主を捜して首を巡らせる彼の耳元へ綾御前はとろけるように囁いた。  
「さあ、兼続。横になりなさい」  
 
ひどく甘くて優しい声色に促されるまま兼続が畳の上に横たわる。  
――途端、いきり立った逸物に鈍い衝撃が伝わって、彼はくぐもったうめき声を上げた。  
「あ……ぐッ……」  
「ふふ、また硬くなりましたね」  
長靴を脱ぎ捨て、晒した白い足で兼続の逸物を踏みつけにしながら綾御前の声もまた恍惚とした響きを帯びている。  
長靴越しでは感じられない男の器官の生々しい感触を確かめるように足をすりつけ、  
時折先端を指でくじるように動かして兼続の苦悶の顔を見下ろす。  
「女の足一本で、こんなにもはしたなく勃てて……お前は本当に変態ですね」  
「あ……ぅ、ご、御前様故に……このようになるのは、御前様のみでございます……!」  
「嘘をおっしゃい、うろたえ者。誰にでもこのようになるのでしょう?」  
反り返った逸物を折らんばかりに踏みつけると、兼続の腰が堪らず浮いた。  
「け、決してそのようなことはッ……!」  
 
上擦った声に射精が近いと知ると、綾御前はつと足を離した。  
先走りの液に濡れた爪先を、兼続の口元へと差し出す。  
「清めなさい」  
兼続が、恐る恐る舌を伸ばす。  
舌先が爪先にを探り当てると、彼は夢中でそれを口に含んだ。  
己の汁に汚れているそれを、至上の甘露の如くしゃぶり上げる。  
「良い子ですね、兼続。お前の愛、確かに感じますよ」  
「あ、ありがたきお言葉」  
「もう良いでしょう。別なところが汚れてしまいました」  
爪先を動かして兼続の奉仕を退けると、綾御前は着物の帯を解き始めた。  
殊更ゆっくりと、焦らすように聞こえる衣擦れの音に嫌が応にも兼続の想像力がかき立てられる。  
やがて鼻先に湿り気を感じて、兼続は息を呑んだ。  
「さあ、兼続。こちらも清めなさい」  
「は――はっ」  
 
最前よりもより慎重に舌を伸ばす。  
濡れついた肉の感触と同時に、確かに女の味がする。  
鼻先に突きつけられているものが、紛う事なき綾御前の秘唇だと覚った兼続の興奮は、足の比ではなかった。  
半身を起こし、突きつけられた女の園にかぶりつく。  
まるで犬のように浅ましい音を立てて蜜を啜り、  
それだけでは足らず舌を突き入れて内側をも舐め尽くさんばかり。  
「あ……ん、ふふ……いいですよ、兼続」  
忠臣の奉仕に目を細め、僅かに息を荒げて綾御前は目の前にある逸物に手を伸ばした。  
白魚のような手が逸物に触れると、びくりと兼続の腰が震える。  
「お前の気概、わたくしに見せなさい……」  
 
紅い唇から、艶めかしく舌が覗く。  
兼続の視界が塞がれていなければ、それだけでなおもいきり勃ちそうな程に淫靡な仕草だ。  
その舌が、ざらりと逸物を舐め上げた。  
彼女の秘唇の下で兼続のうめき声が上がる。  
構わず、白い指と紅い唇を逸物に絡めて綾御前は容赦なくそれを責め立てた。  
先端を舌で嬲り、自らの唾液と先から溢れる汁とで滑りのよくなった手が  
くちくちと嫌らしい音を立てて竿をしごき上げる。  
 
しかし、戦慄く腰に射精が近いと知ると彼女は笑みに目を細めて動きを止めた。  
兼続を押さえつけていた手を、逸物の根本へ伸ばす。  
そうして、未だ素肌に纏ったままの外套を結わえていた紐で根本を縛り上げると  
再び逸物をしごき始めた。  
「ぐ……ぅっ」  
「お前の気概、この程度ですか?」  
「め、滅相もございませ……ッ」  
「ならば、もっと見せなさい……!お前の気概を、わたくしに……」  
初めて、綾御前の声色に艶めいたものが混ざった。  
くつくつと喉の奥で笑うその可憐でありながら淫靡な響きに、余計に煽られて兼続は夢中で奉仕を続ける。  
自らも浮つく腰を宥め、兼続から与えられる快楽に甘い吐息を漏らして綾御前は達せない逸物を口に含んだ。  
これ以上ないくらいに膨れあがった逸物は、彼女の口腔内で更に質量を増す。  
 
兼続の声は最早悲鳴に近かったが、彼女の責めは容赦なかった。  
紐を結わえて自由になった左手がつと伸びて、不浄の穴を探る。  
「さあ、お啼きなさい兼続……!」  
「ご、御前様……綾様、そこ……は……ッ……!」  
ずぶりと沈んだ指の感触に、鍛え上げられた腹筋が激しく波打つ。  
快楽とも苦痛ともつかない悲鳴を上げようにも、奉仕を続ける唇はその暇も与えられない。  
己の秘唇の下で激しく息をつく兼続に、綾御前は陶然と笑みを浮かべた。  
「兼続、手を使うことを許します。  
わたくしにもっと気概を示したくば……分かりますね?」  
 
拘束されていたわけでもないのにそれまで決して動かすことの無かった兼続の手が、  
許しを得るや否や弾かれるように動いた。  
まろやかな曲線を描く尻を撫でまわし、とろけきった秘唇に迫る。  
最前までかぶりついていたそこに、男らしく無骨な指が濡れついた音を立てて沈んだ。  
「は……あ、んんっ……」  
甘い声を上げた綾御前に気をよくして、空いた手はすっかり顔を覗かせた肉芽をこする。  
反射的に逃れようとする腰を片手で引き寄せて、舌と唇とで丹念に膣内をかき混ぜると、  
常の彼女からは考えられないほどにはしたない嬌声が上がった。  
 
勿論、その間も綾御前の手は絶え間なく兼続を責め立て続けている。  
幾度も押し寄せてくる射精感は耐えるしかないが、それも限界に近い。  
ひたすらイきたい一心で、綾御前への奉仕を続ける。  
 
「あ……っは……はふ……ふふ、とても苦しそう……辛いですか、兼続?」  
「い……いえ、そのようなことは」  
「強がること……いいでしょう。  
この紐を解いたら、お前はどうなってしまうのかしらね……?」  
きつく結ばれた紐の一端を、白い指がつまみ上げた。  
その微かな震動すらもどうにかなってしまいそうなほどに逸物を刺激する。  
急かすように更に激しく眼前の花園を掻き回す指と舌に自らも上りつめながら、  
綾御前はするりと結び目を解いた。  
 
目の前が真っ白に染まるような絶頂感に、兼続の身体が跳ねる。  
強張った指が肉芽を弾き、綾御前もほぼ同時に達した。  
「んんっ……あ、あっ……すご……い」  
豊かな乳房を押しつけるように兼続の身体へもたれ掛かり、  
絶頂に身を委ねる綾御前の美貌に白濁が降り注いだ。  
見る間に顔を汚していくそれを彼女は指先でぬぐい取り、口に運んで舐め上げる。  
そうして暫く余韻に浸ったあと、彼女は身を起こして兼続の腹の上へ馬乗りになった。  
視界を閉ざす布をむしり取り、婉然と笑う。  
「よく頑張りましたね、兼続」  
「は……至極恐悦に、ございます」  
「お前の気概に、わたくしも応えましょう。さあ……許します、兼続」  
僅かに腰を浮かせて、散々奉仕させた秘唇へ未だ硬いままの逸物を導く。  
未だ乙女らしさすら残すそこへ先端が沈んだだけで、兼続の肩が感極まったように震える。  
「あ、く……っ、綾様……綾様っ……!」  
「ふふ、焦ってはなりませんよ。そら……来なさい、兼続」  
綾御前が自ら腰を落とし、兼続の逸物をすっかり飲み込んでしまうと  
さすがに我慢がきかなくなって兼続が腰を揺すり始めた。  
「あ……ああ、いい……もっと、激しく……ああっ」  
 
下から突き上げられる度に、悩ましく揺れる乳房が外套から見え隠れする。  
なまじ裸体を晒すよりも一層扇情的な姿に、兼続の逸物は更に質量を増した。  
「ああ、お美しゅうございます、綾様……!」  
「あ、ん……恥ずかしい……はしたないわたくしを見ないで、兼続……」  
恥じらう綾御前を前に、目を離せるはずがない。  
熱っぽく見上げる視線に耐えかねて、彼女は外套の袖口で顔を隠す。  
はしたなく上がる嬌声すらも隠すように袖口を噛む姿がまたいじらしくて、余計に兼続をあおり立てる。  
手を伸ばし、揺れる乳房を乱暴に掴み上げると切なげに眉が寄せられた。  
同時に膣壁がきゅうきゅうと強く逸物を締め付ける。  
しばし突き上げながらその柔らかな感触を楽しんだ後、  
結合部の上で赤く充血した肉芽にも手を伸ばす。  
こちらもやや乱暴に摘み、捻ると白い顎を仰け反らせて綾御前が高く啼いた。  
「は……っ、く……ひぁ、んッ……!」  
「綾様、そのように乱れては……兼続は、もう……っ」  
「い、いいでしょう……兼続、わたくしが、許します……  
私の胎内に……ああ、なかにきてぇっ!」  
「くっ……綾様……っ!」  
一際深く腰を打ち込んだ瞬間、胎内で兼続の逸物がどくんと脈打って白濁をぶちまけた。  
「はぁ……ああぁぁんっ……」  
ほぼ同時に、綾御前も艶やかな悲鳴を上げて果てる。  
獣めいた荒い呼吸をつきながら、己の中に広がる熱い感触にうっとりと目を細め、  
やがてくたりとその身体が兼続の胸元へと倒れ込んだ。  
 
「ああ……こんなに、たくさん……わたくしのなかに……」  
「も……申し訳ございませぬ!御前様の御腹に……!」  
「いいえ、よいのですよ」  
気怠げに半身を起こした綾御前の美貌には、慈母もかくやという笑みが浮かんでいた。  
そっと兼続の頬へ手を伸ばし、まるで母のように優しく撫でる。  
「お前の気概も忠誠心も、確かにわたくしのなかに注がれました。嬉しく思います」  
「ご、御前様……」  
 
起き上がり、脱ぎ捨てた装束を纏う彼女を前に兼続は感極まってひれ伏した。  
その様を横目で一瞥し、綾御前は最前と同じく兼続の側へ歩み寄る。  
「……もう一度問いましょう、兼続。お前の義、気概……捧げる相手は誰ですか?」  
「無論、上杉にございます!」  
「ふふ……良い子ですね」  
瞬間浮かんだ笑みは清廉であり――同時に淫靡な何かを含んでいた。  
そうして彼女は、優しく優しく兼続へ告げる。  
「お前の気概……存分に示せたなら、またご褒美をあげましょう……」  
 

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