「信長様、お茶入れて下さい」  
「クク…光秀、この信長を使うか」  
「信長様、私は南光坊天海で家康殿の軍師であなたの上司で今回は死亡ありの設定です。下手な事はお口になさいますな。でお茶」  
「はい少々お待ちを」  
 確かに現在、信長は徳川軍の配下である。ただ、少々可哀想かと稲姫は思っていた。  
 話は一週間程前に遡る。  
 
 織田軍は急速に勢力を拡大していた。朝倉を破り、本能寺にて数倍の兵力を持った明智光秀を返り討ちにした。  
 敗れた光秀本人は行方をくらましたが信長は彼を追おうとはしなかった。既に明智軍には領地も力も無い。  
 寧ろ信長は、同盟国でありながら着実に地盤を固める徳川軍を警戒していた。そのため同盟を破棄し、徳川の領地たる甲斐信濃を突如急襲、防衛を委されていた稲姫を捕縛するに至った。  
 
「離しなさい!離して…!」  
 織田の本拠地、尾張伊勢へ連行された稲姫。信長の前へ突き出される。  
「ククク…うぬの弓、この信長のため振るう気は無いか?」  
「魔王の手助けとなる弓など、稲は持ち合わせておりません!」  
 頑なな眼光。既に処断も覚悟しているのか。信長は己の苛烈さを認識している。だから自分がこれ以上言葉を重ねればこの捕虜が舌を噛み切るであろう事も読めていた。  
「クク…お濃。この娘の説得、うぬに委す」  
 言って森蘭丸へ剣を預け、自室へ帰る信長。その背中を見て濃姫が笑う。  
「あなたぁ、疲れてるでしょ?この娘強かったものねぇ」  
 武器に体力+20付けてるのに再臨が発動した。あれは危なかったが妻に弱みを見せたくない。  
「…眠らせよ」  
 部屋の戸が閉まる音、次いで床に横たわる音と大きな溜め息が聞こえた。魔王は疲れているのだ。濃姫は苦笑し、未だ縄目を打たれたままの稲姫へ目を向ける。  
「その縛られた姿、結構可愛いわねぇ」  
「ふ、不埒者!稲は貴殿方に与しません、この場で斬りなさい!」  
 どうにも埒があかない。処断してしまえば話は早いが、本多忠勝を怒らす事は即ち死。しかし放逐して徳川に帰還されるのも気に入らないし。  
「じゃあ…こんなのどうかしら?」  
 濃姫は兵から余った縄を受け取り、稲姫の股座をその縄で締め上げた。  
「ひゃん!な、何を…」  
 微笑を浮かべながら縄を幾度も引く濃姫。その度に縄の摩擦が稲姫の股座、及び臀部を刺激する。  
 
「やあ!痛…」  
「良い事思いついちゃった。私も四六時中あの人の傍にはいられない。だからあなたを将じゃなく、側室として雇ってあげようかしらってね」  
 如何に信長とて乱世に一国を持つ身。肉体的にも精神的にも疲労困憊する事はあろう。しかし正妻である濃姫は一軍を率いる将でもあり、戦況によっては信長の下を離れる可能性もある。  
「そんな時に、いつでもあの人のお相手をしてくれる側室…お願いできないかしらぁ?」  
 稲姫は首を横に振る。この体は信之にしか許していないし、今後も他の男に許す気は無い。  
 しかし濃姫が引く縄が、執拗に稲姫の急所を刺激し、その度に甘い声を漏らしてしまう。  
「や、はああ…駄目!もう…お許し下さい…」  
「感じやすいのねぇ。体つきも中々だし、良い具合の慰安婦になれそう」  
 同盟中、濃姫は稲姫からその半ば脱げた着こなしを怒られた事がある。しかし、稲姫は稲姫で鎧からはっきり見える胸の谷間。  
「あなただって不埒よねぇ?さあ、立ちなさい」  
 兵により稲姫は首に縄を巻かれた上で鎧を剥がされ、丸っきり裸身を晒してから再度後ろ手に縄にくくられる。  
「嫌…このような恥辱、もう耐えられません…」  
 羞恥に身を熱くする稲姫。自分の裸身を凝視する兵士ら。その視線があたかも稲姫の体を焼き焦がす火炎のようであった。  
「いつも鎧で抑えつけていたのねぇ。立派なおっぱいなのに勿体無いわぁ」  
 鎧を剥がされ、その大きめの乳房が露出する。  
「あ、あなたのように、自分の胸など見せつけたくは無いからです!」  
 あくまで気丈に振る舞う稲姫。しかしその実、不安と羞恥に押し潰されそうであった。  
「さあ行きましょう。あの人との相性を試してみないとね」  
 縄を引き、強引に稲姫を信長の寝室へ連れてゆく濃姫。その廊下でも稲姫の裸身は兵士らの注目、および嘲笑の的だった。敗将がこうも無様な運命を辿るとは。  
「父上…稲はもはや…」  
 涙を必死にこらえ、蚊の泣く声で呟く。  
 
「あなたぁ、ちょっと起きてぇ」  
「え、え何よお前いきなり」  
 爆睡していたのを叩き起こされたのでとてつもなく素が出る信長。側にあるバテレンの水瓶から水を一気飲みして漸く調子を取り戻した。  
「クク…お濃よ。この信長の眠りを妨げるとは見上げただ、度胸よな」  
 今噛んだろ、と稲姫は思ったがそれに関して突っ込む程の余裕は無かった。  
 
「久々にどうかしら、と思ってね」  
 その半ば脱げた着衣を完全に脱ぎ捨てる濃姫。信長は一つ笑う。  
「クク…確かに久々よな。お濃、欲しくなった…か?」  
「新しい側室の試験でもあるの。入ってらっしゃい?」  
 後ろ手に縛られた稲姫。その鍛え上げられた裸身を小刻みに震わせ、信長の顔を見ようとしない。  
「フ、お濃よ、うぬも面白い判断をするものだ」  
 信長は稲姫の顎をつまみ、強引に自分の側を向かせる。  
「クク…良いぞ!その反抗的な眼光。しかし涙を溜めておるな…この信長に刃向かう者は最期に総じて斯様な目をする。フハハハ!」  
 稲姫に燃える怒り。浅井、朝倉。信長に亡ぼされてきた者達が自分に憑いたような。  
「稲を斬ってはいかがです…稲のシャレコウベを盃に酒をお飲みになっては!?」  
 濃姫は少し笑むと稲の股座の縄を引く。  
「や!やめて…感じてしまう…」  
「ふふ。あなた一人が死ぬだけなら楽よねぇ。でも…もし真田信之も此方の手の内にあると言ったら?」  
 愕然とする稲姫。甲斐信濃を奪われた際、自分だけが捕縛されたのではなかったのか。よりによって最愛の夫を…。  
「教えてあげるわ。真田信之は城の地下牢の中。あなたが下手な真似をすれば…信之の命は無いわよぉ?」  
 自分が敗れたせいで夫をも危険な目に。稲姫は最愛の夫を守るため己の意地を捨てた。後ろ手に縛られたまま膝を屈する。  
「の…信長様、これまでの無礼をお許し下さい!稲は何でも致します。ですからどうか、信之様だけは!」  
 可愛い、と呟き、涙に濡れた稲姫の顔を覗き込む濃姫。  
「何でもするって言ったわね。じゃあまず、この人の『アレ』をお掃除しなさい?」  
 言葉の意を理解する前に稲姫の眼前に『アレ』が姿を見せた。思わず仰け反る稲姫とその『アレ』を手に持つ濃姫。  
「ほら、それなりに大きいでしょう?まずその可愛いお口でしゃぶってあげなさぁい」  
 夫以外の男性のものなど、と思った。それに臭いがきつい。  
 真田信之は軍事より政治面に手腕を発揮するタイプであり、その性質故に少々潔癖。だから入浴は欠かさない。しかし信長はそういう訳でも無いようだ。  
 強い抵抗感を抱きながらも、夫の顔が浮かぶ。従う他無い。  
「はい…信長様の仰せのままに…うぶっ」  
 強い臭気を放つそれを口に含む。それだけで吐気をもよおすが、夫の命が懸かっている。必死に耐える稲姫。  
 
「ほらぁ、くわえてるだけじゃダメよ?ちゃんと舌で綺麗にしないとぉ」  
「ふぁい、お濃様…」  
 汚らわしい信長のそれに絡みつく稲姫の舌。臭気のみならず、所々に強い味を感じる事があり、それが一層稲姫に嫌悪感を与えた。  
「クク…この娘も悪くはないが、お濃よ、うぬよりは明らかに劣る…な」  
「ふふ、私の技量、ようやく分かってくれた?」  
 互いに不気味な笑みを浮かべる夫婦に挟まれる形で信長の肉棒を舐め続ける稲姫。その後頭部を濃姫が掴んだ。  
「ふふ、もっと御奉仕しないとね」  
 濃姫の手で無理やり頭を前後に動かされ、信長の肉棒を徹底的にしゃぶりつくす。正しくはしゃぶらされる。  
 激しい抽送を感じている筈の信長だが表情は全く崩さず、ただ冷徹に稲姫を見下ろし、  
「うぬが歯を立てれば夫の命…分かっておろうな?」  
 と警告する。  
 突然濃姫が後頭から手を離した。  
「手が疲れちゃったわ。あとはあなたがやりなさい。この人がイクまで、ね?」  
 逆らえば夫の命は無い。稲姫は涙を流しながら頭を前後に動かし、また舌を肉棒の各所に這わせながら何とか信長を達させようとする。  
「ふふ、信之も良いお嫁さんを持ったものねぇ?」  
「クク…妻のこの姿を見せれば自刃するであろうがな」  
 魔王と蝮の娘の嘲笑。  
(もうやめて!そのような事言わないで…信之様、稲は…不埒です)  
 嘲笑される自分。囚われた夫。今にも切れそうな精神の均衡。その刹那、稲姫の口で肉棒が大きく脈動した。ごく小さな信長の吐息が聞こえ、次の瞬間には強烈な臭気を湛えた白濁液が稲姫の口中に満ちた。  
(ま…不味い!こんなの、もう嫌…)  
 粘性のあるそれを吐き出そうとする稲姫の口を濃姫の手が覆った。  
「ダメよぉ吐いちゃ。飲み込みなさい?」  
 逆らえない。その不浄な液を何とか飲み込む稲姫。前述した臭気と強い粘性が、これ以上無い程不快な喉ごしを生み出す。最早限界だった。  
「うえぇっ!」  
 つい今しがた飲み干した精を畳に嘔吐する稲姫。  
 如何に精神を強く持とうと、体が限界だった。信長の眼前で信長の精を吐き出し、畳を汚した。許しはもらえまい。この房事がうまく行けば信之の助命は叶ったやも知れない。しかし自分は失敗した。  
「信之様…信之様あ!お許しを…稲は…あなた様のお命すら守れぬ…未熟者でした…」  
 自らが吐き出した精に突っ伏して泣き叫ぶ稲姫。信長はそれを見て少し考えた後、枕を持って部屋の戸を開ける。  
 
「お濃よ、明日畳屋を呼べ。今宵は他の部屋にて寝る」  
 そう言って部屋を出ようとする信長を羽交い締めにする濃姫。  
「あぁら、一度でおしまい?」  
 濃姫としては、魔王、自分、精神的に追い詰められた姫将と役者が揃っているのだからもっと楽しみたいのだ。  
「クク…お濃、うぬも欲の深い女よな」  
「業の深さではあなたに負けるわ」  
 寝室に戻り、泣き続ける稲姫の前に再び陣取る信長。  
「クク…うぬが再びこの信長を満足させ得るならば、信之の助命を許そう」  
「あ、有り難き幸せ!」  
 濃姫は稲姫の縄をほどき、彼女の尻を信長へ向けさせる。  
「ふふ、綺麗な色…本当に信之以外の男を許していないのねぇ」  
 稲姫の秘部をそう称賛する濃姫。別に嬉しくはない。自分は信之の妻なのだから当然だ。その綺麗な秘部を濃姫の指がなぞる。  
「ひゃんっ!だ、駄目…後生です、そこだけは…」  
 自分のここは信之だけのものだ。だから一度はそう懇願するものの、直ぐに思い直した。今は信之の命が懸かっている。自分の秘部が信長に蹂躙されようが、堪えねば。  
「ふふ、どうする?あなた。この綺麗なアソコにぶち込んであげる?」  
「クク…お濃の陰も充分に美麗よ。故に稲、うぬの美麗でない部位をこの信長は欲する」  
 美麗でない部位。四つん這いで尻を向けたこの体勢。理解した頃には遅かった。  
「お、お待ちを信長様!そこはお尻の…ああっ!」  
 固くそそり立った肉棒が稲姫の肛門へねじ込まれた。  
「やあ…痛いぃ!そんな、お尻でするなんて不埒ですっ!」  
 確かに女性の最も大切な部位は無事だった。しかし、ある意味最も不浄な部位を犯されている。これはどちらが屈辱なのだろうか?  
 肛門の痛み、直腸に伝わる信長の体温に悶絶する稲姫。その股間に濃姫の息吹を感じた。  
「ねぇ、この人にどこを犯されて感じてるの?」  
「い、言いたくありません!」  
 ふうん、と頷き、直後濃姫の舌が稲姫のがら空きになった女陰に差し込まれた。  
「あああっ!駄目、両方から犯されるなんて…」  
 ひとしきり稲姫の女陰を舐めた後、白魚のような指で尚も刺激を続けながら濃姫は顔を近づける。  
「信之を助けたいなら言いなさい。『あなたは、どこを犯されて、感じている』の?」  
 肛門が信長の肉棒に馴染んできた。同時に痛みが少しずつ、快感に変わっているのが分かる。稲姫は不埒な自分を呪いながら、それでも夫を救う為に口に出した。  
 
「稲は…稲はオマンコをお濃様の指になぶられ…お尻の…ウンチの穴を信長様に犯されて感じています!稲は両方犯されて気持ち良くなる不埒者ですぅ!どうか汚いウンチの穴をもっと犯して下さい!」  
 稲姫が思い付く最大限の淫語であり、また正直な気持ちでもあった。  
 夫を救う為魔王に不浄の穴を犯され、そこに快感を覚える。不埒者を嫌う姫将が不埒者に身を落とした瞬間だった。  
「クク…稲よ。信長の精を欲する…か?」  
「はい!出して下さい、信長様の精を稲めの臭くて汚らわしいケツ穴に注いで下さい!」  
 その言葉通り、信長は稲姫の直腸に吐精した。肛門から男根が引き抜かれ、稲姫は昏倒する。  
「あは…稲…ウンチのあなでイッちゃった…信長様、お濃様…ありがとうございます…」  
 倒れた稲姫を見下ろし、信長は二枚目の寝間着を取り出す。風呂に入りたいようだ。そんな彼が最初の寝間着を脱いだ瞬間、濃姫が襲いかかった。  
「フ…どうしたお濃…」  
「もう一発ぐらい、イケるでしょう?」  
 えっ、と思った。しかし抵抗しようにも先刻稲姫に相当吐精したため、力が入らない。横たわるしかない信長の男根を舐める濃姫。  
「ふぉらぁ、あなたもいらっひゃい?」  
 男根を口に含んだ状態で喋るな。振動が伝わって気持ち良いだろう。と反論したい信長。彼のソレに這うもう一つの舌。濃姫に呼ばれた稲姫だ。  
「一緒に舐めてこの人を満足させてあげましょう。そうしたら信之を解放してあげるから」  
「はい、稲は信之様のため、皆様に尽くします…」  
 鍛え抜かれた技巧派の濃姫。全く不慣れな稲姫。二人の舌技が信長に強烈な快感を与える。  
「信長様…大きい…どうぞ稲の顔に存分にかけて下さい…」  
「すぐに満足させてあげるわ」  
 いや、さっきの二発で充分満足しているのだが。  
 
 「信長様!敵襲にございます…ってうわあ!」  
 濃姫と稲姫の乳房が信長の男根を挟み込んでいる光景に仰け反る森蘭丸。信長がちょっと変だ。目の焦点が合わず、肩で息をしている。  
「気に…するなお蘭…で…何…」  
「さすがに五発も絞り取ると疲れるわよねぇ。で敵襲って?」  
 強行軍で突撃してきた徳川軍だ。陣形は雁行、戦場策は説得と牛歩。主将は本多忠勝、服部半蔵。  
「それから南光坊天海と名乗っていますがどう見ても光秀様な武将が!」  
「家康に雇われてたのねぇ。あなた、出番よ」  
 しかし、五回も果てさせられた信長にはいつもの魔王のごとき覇気も采配も期待出来ない。  
 
 「ごめん、今無理…お前が代わりに仕切っといて…」  
 何で信長がひっくり返っているのか首を傾げる濃姫。お前のせいだよと言いたいがその体力も絞り取られた信長。  
 更に、稲姫が立ち上がった。本多忠勝が百人を斬った事で、稲姫は徳川方に再び寝返った。己が今すべき事を思い出したのだ。  
「敵拠点、攻め落として見せます!」  
 本陣を内部から攻撃され、最早織田に勝機は無かった。  
 
 数日後、稲姫は真田信之と共に無事救出され、信長と濃姫は家康の前にいた。捕縛されて。  
「信長様。この家康に力を貸して戴けませぬかな?」  
「クク…よかろ」  
「口の聞き方がよろしくありませんなあ。わしは信長様の君主にございますぞお」  
「…この信長、家康様の為に尽力する所存です」  
「よろしい。がっはっは」  
 若干黒くなった殿に溜め息をつきつつ、稲姫は再び徳川へ戻れた事、信之が共にいる幸福を実感していた。  
 因みに、濃姫はどうするのか聞いてみた。  
「ねえ家康。私って綺麗かしら?」  
「は。奥方様におかれましてはいつもお若くお美しい」  
「良いわ。仕えてあげる」  
 それで良いのか。織田軍での不埒な行いを恥じながらも、濃姫のごとく楽天的な性格になりたいとも思う稲姫だった。  
 
 こうして徳川軍は強敵、織田を粉砕。中部地方を統一し、全国シナリオに移行するのであった。  
 
了  
 

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