「秀秋ももう大人なんだから…あんまり迷惑かけちゃ駄目だよ?」  
 
それが彼女の最後の言葉だった。  
男は黙ったまま立ち上がると、徐に彼女に近付き、そして力任せにその身体をかき抱いた。  
きゃっ、と小さい悲鳴が耳元を掠めたが、構わずそのまま押し倒す。  
困惑と動揺の中彼女は必死に抵抗するが、無理矢理に両手を押さえ付けた。  
男が淡い黄の着物を強引に開かせると、真っ白い乳房が露になった。  
掌に収まりきらないそれを揉みしだき、薄桃色の頂に貪りつく。  
彼女は痛みを訴えたが、その声は届かない。  
やがて抵抗していた手も力無く落ち、暫くの間、部屋にはその豊満な肉体が凌辱される音のみが響いた。  
 
「ひで、あき…」  
 
そう彼女が呟いたのは男が着物を捲った時だった。  
しかし、男はその唇をなぶるのを思い出したように無理矢理に口を重ねただけで、凌辱を止めることはなかった。  
そして丸見えになった女陰に誇張を突き立てると、躊躇なく体重を掛けた。  
 
「んっ…」  
 
彼女の秘め所は濡れていなかったが、剛直は全て飲み込まれた。  
始めから男は狂った様に腰を打ち付けた。  
乳房はちぎれんばかりに揺れ、吸い付かれた舌の狭間からは悲鳴に似た声が漏れる。  
 
男は譫言の様に彼女の名前を呼び続けた。  
接吻をし、匂いを嗅ぎ、身体中に舌を這わせる。  
やがてその力任せの摩擦に桃色の粘膜から蜜が滲み出し、彼女の吐息も艶を帯びていく。  
 
「んっ、…っあ、あ…ぃや、んああ!」  
 
「っ……!」  
 
そして男は一度目の絶頂迎えた。  
彼女の膣内での射精は異常な快楽と全身の疲れの抜ける様な脱力感があった。  
赤黒い陰茎を引き抜くと、白濁が蜜壷から零れ落ち、衣を濡らした。  
 
男はそれから彼女を犯し続けた。  
欲望のままに変態の限りを尽くし、最後にはその端正な顔までも精で汚した。  
どす黒い征服感が男を満たしていた。  
剛直が萎えた後も彼女の身体を抱き寄せ、接吻をし、ずっとそのままにしていた。  
 
こうして男の彼女への想いはもっとも歪んだ形で伝わった。  
襖の間からは橙色の朝日が差し込み、二人の影を照らす。  
そして夜は明け、古満姫、毛利家との面会の時が近付いていたが、男が彼女の身体を離すことはなかった。  
やがて腕の中で彼女が震えていることに気付く。  
 
「もう戻れないね」  
 
それは初めて見る、母の涙だった。  
 

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