稲姫が真田に嫁ぐと決まり、あと五日で結納の儀がとり行われるという  
夜に服部半蔵の部屋を稲姫の父である、本多忠勝が訪れた。  
「半蔵、居るか?」  
「忠勝…このような夜更けに何用?………入られよ」  
忠勝が何かおかしい事に気付きもう就寝前だったが忠勝を入れた。  
「酒とツマミを用意した、一杯やろうではないか」  
「……忠勝、お主……何かあるな?」  
「流石、半蔵と言ったところか…実はな…その言いにくいのだが」  
忠勝が珍しく歯切れが悪い。忠勝がこう歯切れが悪い時は  
大抵、娘絡みなので半蔵は察して先手をうった。  
「…お主の娘、稲姫の事か?」  
「ぬ!?…まぁ、そうなのだが…」  
半蔵の読みの鋭さにドキリとする忠勝。戦場でもこんなに  
焦った忠勝は滅多にお目にかかれない。  
「実はな…何れ我が殿の障害となりゆる真田に…その…何だ…娘の…」  
「嫁がせたく無いと?」  
「いや、それは良いのだが…その…と、ととと…」  
「と?ハッキリ申せ!」  
半蔵も少々苛苛してきた。  
「殿始めをだな…取られたくないのだ…」  
「………夫婦となるのだ、当然であろう」  
そんな事かと半蔵は器用に面を覆っている布をずらし酒をグイっと飲み干したら  
突然、忠勝が徳利をいっきに飲み干した。  
「そ、そこでお前に頼みがある!…そ、そう!稲の殿始めを取ってはくれんかぁあ!?」  
「ブッ!ゴホッゴホッ!」  
とうとう酒の力で解き放った忠勝。飲んでいた酒を柄にも無く噴出した半蔵。  
「お主…少々飲みすぎたか?」  
「ちがうぞ!これは拙者の本心!」  
叫びながら恥ずかしい気持ちを紛らわすために酒を水の如く飲み干す忠勝。  
 
「下人にも頼めず、他の家臣にも言えぬ…頼む!半蔵!この通りだ!!」  
額を床につけ土下座までする忠勝。その覚悟を受け取った半蔵は…。  
「…顔を上げられよ…しかし嫁いだ時に…その、相手方である真田信幸が疑わぬか?」  
「それは心配あるまい。たまに血が流れぬ女子もおると聞く」  
半蔵は沈黙した…この問いかけで諦めさせる心算だったが上手くきり返されたからだ。  
「…承知」  
「おぉ!承知してくるか!」  
半蔵の重苦しい声とは裏腹に歓喜の声をあげる忠勝。  
「もう嫁ぐまで時間がない、早速頼む!」  
「……承知致した」  
そして忠勝は帰っていった。しかし問題はこれから…戦友の娘を思う頼みならばと引き受けたが  
稲姫は普通の女子ではない。武において徳川の猛将よりは劣るが普通の女子のようには出来ない。  
しかも相手に正体と明かしてはいかず、此方を賊だと思い何時も枕元に置いてある弓と小太刀で反撃してくるであろう。  
「………考えても始まらぬ…行くか」  
半蔵は闇牙黄泉津を持ち屋根裏にある、忍者専用の道を通り屋根裏から  
稲姫の寝室に進入した。しかしそこには誰も居ない…侍女の姿も無く弓も無い。  
こんな夜更けに何事か?と思い城内をくまなく探したが異変が無い。  
 
すると矢を射る鋭い音が耳に入って来た。  
「…訓練場…か」  
ピンと来た半蔵は訓練場に急行した。  
そしてお供に侍女と月明かりで訓練場にて矢を射る稲姫を発見。  
「……好機」  
これは好機と言わんばかりに気配を消し近づき、後ろの侍女の首元に手刀を当て気絶させる。  
『ヒュ…トス!!!』  
と心地よい音と共に倒れる侍女。  
「ち、ちょっと、だ、大丈夫!?ま、まさか曲者!?」  
そして稲姫の背後へ小石を投げる半蔵。  
『カッ!!』  
反射的に背後へと弓を構えた瞬間後ろから  
蛇の如く飛んできた鎖鎌の鎖で弓を絡め取られる。  
「くぅ…何奴!」  
武器を取られ懐から小刀を出し構える稲姫。相手の姿は見えず月明かりと小さな蝋燭のみが  
自分を照らし、相手の殺気と何とも言いがたい気配が漂うなか小刀のみで構えるのは  
不安と緊張が凄まじかった。三十秒ほどが三日に思えた時、一瞬の糸が緩んだ。  
無論半蔵はその瞬間を狙っていた。そしてソレを逃さない。  
「…甘い」  
と囁くような声が聞こえると両手を後ろで縛られ、不味いと気付き  
舌を噛もうとした時には猿轡をさせられていた。そして足も縛られる。  
「モゴモゴモゴ!」  
背後の半蔵によって襟元をつかまれイゴイゴしながら何とか立っている状態が出来上がった。  
半蔵は声色を変え、背後で喋り始めた。  
「…お主に怨みは無いが…覚悟」  
喋り終えると稲姫の陰部へと指をやる。  
「オフッ!?」  
陰部へと触れられたので体がピクリと反応する。  
その反応を背後で見た半蔵はこれならばいけると思い今度はさすり始める。  
「…ア゙ッ…ア゙ァッ…」  
摩られて内股になり腰を横へ前へ後ろへと動かし逃れようとする稲姫。  
 
股、太股、を満遍なく、敵かとは思えぬぐらい優しく愛撫され  
その快感と恐怖でほぼ腰の抜けた稲姫がいた。  
「アッ…ハァハァハァ…」  
「息が……荒いな、行くぞ」  
半蔵はそう言うとこれまでとは打って変わって激しく指で責め始める。  
衣服の上から攻められただけでこの喘ぎ様、少し戸惑う半蔵。  
「アッアァ!………嗚呼…」  
「達した…か」  
稲姫の腰はとうとう砕けその場にへたりこんみ、そして初めて達したせいか失禁してしまった。  
「嗚呼…ハァハァ…ハァハァ」  
目は虚空を見つめ、まだ余韻を楽しんでいるようだった。  
「………そろそろ呼吸し辛かろう…」  
半蔵は猿轡と手足の枷を外した。外した瞬間、稲姫は正気に戻り半蔵の鎖鎌を奪う。  
「まだ、甘いわね…これで形勢逆転よ」  
「笑止…汝に鎖鎌使えず、そして如何なる武器を持とうとも拙者には勝てぬ…自害も出来ぬ」  
「やけに自信たっぷりね…しかし!本多忠勝の娘として生き恥を晒せぬ!」  
「己の為に主を省みぬか、未熟なり」  
「な!?……しまった…」  
真田との婚約が成立している以上、今自害でもすれば何かしらの亀裂は入る。  
しかも侍女は気絶しており、証拠隠滅でもされればただの自害にしか見えない。  
「影…め…」  
震えながら鎖鎌を首元からおろす。  
「しかし…そちらは丸腰、鎖鎌の扱いに慣れておらずとも、相討ち程度できるわ!」  
「……拙者に勝つ?笑止千万…汝の三文芝居…拙者が見抜けぬとでも思うたか」  
微動だにしない半蔵めがけて鎌で斬りかかるも  
いとも容易く後ろを取られ、首元に手刀を食らい気絶し、その場で倒れる稲姫。  
 
稲姫が目を覚ますと自分の寝室で素っ裸の状態で仰向けに寝かされ  
股を開いた状態で愛用の弓に手足を縛り付けられている。  
その体勢を普段使っている体の一部とも言える弓に見られているようで顔が真赤に燃え上がった。  
「キャ!…私…裸」  
すると暗がりから影の如く半蔵が出てきた。  
「…覚悟」  
と一言、言うと稲姫の陰部へと手を伸ばし、徐々に指を入れていく。  
「ヒッ…嗚呼…くぅぅっ!!はぁん…やめて…嗚呼…」  
上手く第一関節の第二関節を動かしまるで生き物の如く動かす。  
稲姫は半蔵の指使いに酔いしれた。  
「ひゃっ!はぁ…あふ…はぁん!ハァハァ…」  
半蔵の指が触れる度に稲姫は声を漏らしていく。  
普通ならばここで舌でするなり、触り心地の良い胸を触るが忠勝の娘である  
稲姫にそこまでは出来なかった。好きでも無い、誰かかも解らぬ者に純潔を散らす。  
だから最小限にしようと思った。  
「…良い頃か……」  
稲姫が感じている間に呟き、ゆっくりと一物を挿れはじめた。  
「や…あ…挿ってる…あぁぁっ!やぁぁぁぁぁん!」  
「痛みを感じぬか…」  
そのままゆっくりと挿れていく半蔵。すると拒む膜に達した。  
半蔵は稲姫の口を手で塞ぎ腰に力を入れた。  
稲姫の顔が涙目になる。苦痛の色は隠せず、声を出すまいと歯を食いしばる。  
すると稲姫の陰部から鮮血が流れる。それを見た半蔵はゆっくりと一物を抜き始める。  
「や…ここまで…ハァハァ…ハァハァ…して…ださ…ハァハァ…ないの…?」  
「………」  
「……お、お願い…奪ったのなら…最後まで…して」  
沈黙を守る半蔵に顔を真赤にし哀願する、稲姫。  
 
弓に手足を縛り付けられているが固定されているわけではなく輪を作りそこに  
手首、足首を通されている。普通ならばこんな回りくどいやり方はせず縛り付けるはず。  
何者か分からない、賊に哀願している自分の舌を噛み千切りたいが  
何故かこの賊には戦場や死地で達人が発す殺意や覇気が感じられない。もしろ、愛情が感じられる。  
半蔵は稲姫の声を聞きしばらく沈黙したが、半蔵は無言で腰を落とす。  
「ぐっ…ハァハァ…」  
苦痛の色に染まる、稲姫の顔。それを察した半蔵の腰はピタリと静止する。  
「良いから、早くして…」  
「ならば………覚悟せよ」  
心を鬼にしてこの苦痛の時をできるだけ早く済まそうと腰の動きを早める半蔵。  
 
 
「は、半蔵は抜かり無くやっておるだろうか…」  
所変わって稲姫の父、忠勝。床についたのは良いが寝られず起きていた。  
目は戦場に居る時以上に目が血走っている。三方ヶ原で甲斐の虎である武田信玄の猛攻を  
殿として残った時より遥かに目が血走っており、顔には目を開きすぎて青スジが走っている。  
忠勝の眠れぬ夜は続く。  
 
 
「んぅあっ!ハァハァ、…あっ…んっ…  
半蔵の腰の動きに反応して苦痛と快感が入り混じった、噛殺した声が出る。  
もう終わりだと言わんばかりに腰の動きを速める半蔵。  
「そろそろ…か」  
「あっぁ…んんんんっんっ!……」  
稲姫がイッた時と同時に使い込まれた一物を抜く半蔵。  
懐より高級和紙を出し、気絶した稲姫の陰部を丁寧に拭く。  
「夜明けが近いな…」  
半蔵が合図すると伊賀衆くノ一が屋根裏より来て稲姫を屋根裏より別室に運び  
着物などを整え、汗や体液を濡れた手拭で拭いていく。別室で薬を嗅がせて  
寝かせていた侍女も、もとに戻し稲姫も寝巻きに着替えさせ万事整った所で半蔵は床についた。  
 
 
「父上!おはよう御座います」  
稲姫の毎朝変わらない挨拶。昨日、何者かに夜這いされたするが  
変な夢だと思い、ただ顔を赤らめて終わった。  
「うむ…」  
「父上、如何なされましたか?寝不足でございますか?」  
目の下にクマができて目が真赤な父を気遣う稲姫。  
「顔を洗ってくる」  
そう言うとヨタヨタと歩きながら井戸へと行く忠勝。  
しかし昨夜の夢が夢では無い気がしてならない。どうも本当にあった気がするが  
衣服は乱れてないし、侍女も居た。何故か、まだ寝ているが…。  
そう思いを巡らせながら、その寝不足の父の後ろ姿を見た稲姫はもしやと思い  
「まぁ…父上ったら…私がお嫁に行くのが嫌だったのかしら…」  
と頬を赤らめて終わるだけだった。  
 
「馬鹿者!薬の量を間違えるとは…里に帰り出直して参れ」  
「そ、そんな!正成様!うぅ……修行して参ります…」  
伊賀衆の詰所で薬の配合を間違った部下を朝からクドクド叱る、半蔵。  
 

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