ねねへ  
わしが本当に愛しとるのはお前じゃ。  
あの娘とはほんの出来心というかなんというか。  
お願いじゃ許してくれ。  
 
お前さまへ  
信長様からあるお手紙をもらったよ。  
女癖の悪いお前さまに対して悩んでいる私への慰めの手紙だった。  
信長様って、ああ見えて優しいんだねえお前さまとは違って。  
なんだか私も浮気しちゃいそうだよ。  
 
ねねへ  
そ、それはいかんぞねね。信長様は主君であって家臣の妻とそういうことは……  
っていうかそれ以前にやめとくれ!  
わしはお前なしでは生きていけん!  
 
お前さまへ  
冗談だよああおっかしい。  
信長様が私みたいな気の強い女を相手にするわけないでしょ。  
あ、でも……最近、佐吉もすっかり大きくなって  
三成なんてかっこつけた名前になっちゃったよ。  
それで佐吉……いや三成か。  
三成は少しひねくれてるけどとっっってもいい子でねえ。  
やっぱりお前さまとは違って。  
もしかしたら間違いが起こるかも……。  
ねねへ  
ね、ねねー!わしが、わしが悪かったあ!  
許してくれ、すまんかった!  
もう浮気はしないと誓うからお願いじゃやめとくれえええ!  
お前さまへ  
でもねえ。  
三成ったら、よく戦に出てなかなか帰ってこないお前さまのせいで  
悲しんでる私を気遣ってくれるんだもん。  
あ、もちろん正則や清正たちもだけどさ。  
それじゃあ間違いが起こっても仕方な  
 
「……何をわけのわからないことを書いていらっしゃるのですかおねね様」  
「んー?お仕置きの趣向を変えてみたってとこかな」  
「…………俺を勝手に巻き込むのはやめてください」  
「あっはっは。いい子なのは間違いじゃないんだけどね」  
「迷惑です」  
 

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