障子を開けて見える四角い空は闇に包まれ、  
星一つさえ瞬く事は無い。  
雲が全てを覆い隠す、不気味な、夜であった。  
例えそれが不気味であろうと特に何も考えずに  
書を閉じ既に準備されている褥へと入る  
 
枕元の灯りを消そうと手を伸ばすと昼間のねねとの  
会話をふと思い出す。  
 
  *  
「三成は、お市様のこと好きでしょう。」  
お市様、この地を離れる事が出来ずに長浜の城に留まっている  
人物の名前だ。何故こんな事を彼女が言い出したのか  
分からないが、とりあえず否定をする。  
それでもねねは退かずに言葉を続けた。  
「市様のこと、励ましてあげるんだよ? あたしは応援してるから。」  
反論する暇も無く三成の前からねねは行ってしまう。  
お市様は戦国一の美女、と謳われている。  
それは嘘ではないと三成も思っていた。男で見惚れる事の無い方が  
可笑しいだろう。しかし、それを恋愛感情と取って良いものか  
首を傾げてねねの後姿を見送った  
  *  
 
何やら意味深なねねの言葉だった。  
 
「三成、居ますか。」  
 
自分の名前を呼ぶ高い声。  
「…市様ですか?」  
「入っても良いでしょうか。」  
心なしか僅かに声調が震え、何かに怯えている様だった。  
「どうぞ。」  
布団から出て障子を開け、部屋へと誘う  
こんな深夜に部屋から出てはねねから怒られるのでは  
と思ったが口には出して言わなかった。  
部屋へと入った市は自らの体をきつく抱き締め此方を  
向きなおした。  
「ねねが、居ないんです。  
 いつもは傍に居て私が眠るまで待っててくれるのに。」  
まるで本当の親子の様だがそれも仕方が無いだろう  
愛していた人を失ってしまったのだ、こんな夜を  
独りで過ごすのは辛い筈。  
しかしいつも厳粛な雰囲気の彼女しか見ていなかった所為か  
何かを恐れる市をいとおしく感じた  
「侍女も誰も居なくて、怖くて…。」  
 
もしや、これはねねの差し金か。  
『応援している』と言っいたがそれはこの事なのではないか  
閨に関してまで応援されては困る。  
 
ねねの策略にはまる事は彼のプライドが許さなかったが  
無力な、きっとこのまま押し倒しても抵抗すら出来ない  
市を見ると自然と情が沸く  
「このままではいけない、ですよね?  
 得体の知れない物を怖がり、亡き人に縋っていては。」  
一言一言、身長に言葉を選び搾り出す様に市は呟く  
「…はあ?」  
「今夜、全て忘れます。抱いて下さい。」  
その顔には冗談めいたものは無く真剣そのものだった。  
 
 
彼女の浴衣の帯に手をかけ一枚の布を布団の外へ投げる  
小さめだが形の良い胸が露になり、花が白い肌の上に咲く。  
余程、大事にされていたと言う事がよく分かる。  
まだ片手で数えても余るほどしか長政と逢瀬を交わした事は  
無かったのだろう。  
 
自分から言っておきながら不安げな表情をする市に  
「卑怯ですよ。」  
と言うと苦笑を浮かべた。  
引きつった様に笑みを見せる唇に軽く口付け、手で彼女の  
胸を揉み解す。感度が良いのか、胸の花に触れる度に僅かに声を洩らした。  
そこを舌でねっとりと舐め上げると体をぴくり、と反応させる。  
もう十分に柔らかくなった胸は触れると柔らかな弾力が指に返ってきた。  
 
彼女の唇から漏れる声を塞ぐようにして再度口付ける。けれど先程  
の様に幼稚なものでは無い。歯列を割り互いの舌を絡ませる。  
自然と呼吸は激しくなった。  
彼女の秘所はすっかり濡れ、褥へ染みを作る。  
手を這わせてその場所に触れると甲高い声をあげた。  
「…出来るだけ声は出さないで頂きたいのですが。」  
「あ、ご、ごめんなさ…い。」  
荒い息の合間に必死で声を出して謝る市が可愛らしい。  
まだ10歳にも成らない幼い少女に見えた。  
 

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