戦場にて・・・
ねね「ありゃ、三成ったら怪我してるじゃない」
三成「攻撃を防いだ時に手の甲をかすめただけです」
そう言って弾かれてしまった篭手を拾い、再び装着しようとした。
ねね「ダメよー!ちゃんと消毒しなきゃ。化膿したら困るでしょう」
三成「大した傷ではありません。そんなに言うなら、薬の一つでも持っているんですか?」
ねね「あ・・・そうだった」
予想通りのねねの反応に、三成は深い溜息をつく。
三成「やはり唐突な物言いでしたか。だいたい、おねね様はいつも口先だけで・・・」
言葉はそこで途切れてしまった。
ねねの柔らかい手が、自分の負傷した手を包み込んでいたのだ。
とくん、と胸が高鳴る。
ねね「痛いの痛いの・・・飛んでいけっ」
祈るように瞳を閉じ、赤く滲む傷口に唇を寄せて、ねねが呟いた。
戦場の片隅に、優しい空気がほんの少しだけ流れる。
ねね「はい、おしまい!何もしないよりはマシじゃないかね?」
そして、いつものように明るい笑顔を見せた。
ねね「元気なのはいい事だけど、あんまり無理しちゃダメよ!」
三成「・・・・・余計なお世話ですよ」
三成の捻くれた様子にふっ、と笑みを浮かべると、ねねは風のように走り出した。
三成「消毒にも何にもなってませんから・・・・」
まだ温かみの残る傷口を見やり、三成が嘯く。
痛みなんて、どこか遠くに飛んでった。
―数分後―
ねね「お前様ったら頬に傷があるじゃないか!痛いの痛いの飛んでけっ」
ちゅっ☆
秀吉「ん〜ありがとうな〜ねね〜♪どんな良薬よりも、ねねの愛情が一番の特効薬じゃ〜v」
ねね「あら!嬉しいよ、お前様っv」
三成『ガーン・・・・!!(しかもチュウかよ!?)』