共に旅をした事もとうに「昔」の事。  
奇襲に失敗し、命からがら逃げ出すも、孫市は姿を隠して体力の回復を待つしかなかった。  
その間にかつてのダチは細川家に嫁ぎ、大層な寵愛を受けていると聞いたが傭兵に一生着いていくよりもその方が幸せだろう、くらいにしか思わなかった。  
 
ガラシャに恋愛感情を持っていたかと聞かれれば、それには否定せざるを得ない。  
しかし、彼女が危機に瀕していると聞いた時……  
 
勝手に体が動いていた。  
 
そして月日と共に変わったダチの姿に、確信した。  
ダチを愛している、と。  
 
 
 
 
 
 
「孫、孫!!」  
どうにか島左近から逃げ切ったが、まだ安心は出来ない。  
もし見つかったら自分の命に変えてでも守ってやると心に誓ったが、出来るなら死にたかない。  
「お嬢ちゃん、無事に三成から逃げたきゃ静かにしてな」  
振り向かずに声だけかけると、今度は服を引っ張られて思わず体制を崩す。  
孫市は思わず苦笑しつつも、仕方なしに振り返ってやった。  
 
「孫は、会えて嬉しくないのか?わらわは…ずっと孫に会いたかったというのに……」  
 
(省略されました。続きを読むには髪のサラサラ具合で天下一になってください)  
 

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