「俺なしでもやってける自信ってのをな・・・」
来るべき栄光は目の前にあった。視界がぼやけ、やがて薄れていく。
「酒池肉林・・・ちょっと夢見ちまったぜ」
5人・・・。体力が持たない、そう判断したのは間違いではなかったはずだ。
あの休憩は必然のものだったのだ。戦略的撤退といってもいい。
だが帰ってきてみれば、そこにあったのは酒池肉林などではなく
「修 羅」
地獄が始まった。殴られ、斬られ、蹴られ、踏まれ・・・。
「俺としてはこういうのも・・・」
強がりのセリフが最後まで言えない。痛みの中に虚しさが宿る。
罵声が止まない。そこまで悪い事だったのか、男なら誰だって夢見るはずだろう?
(悪ぃ秀吉・・・。先に逝くわ・・・)
力尽きた。地面に突っ伏して、男は静かに息を引き取った・・・ように見えた。
「孫!孫、起きるのじゃ!」
どうやら天国に着いたようだ。身体の感覚がない。ということはつまりこれが霊体の感覚なのか。
「起きろー!孫ーっ!」
誰だうるさい。ようやく地獄から抜け出せたってのに少しは安堵をよこしてくれ。
「死ぬな孫!こんなところで死んでは、未来永劫世間に顔見世できぬほどカッコ悪いぞ!」
死ぬな?カッコ悪い?何言ってるんだ、俺はもうぽっくり逝っちまった。
それにカッコ悪いだって?ハッ、この天下無双の色男・雑賀孫市に向かってそれはなしだぜ。
「むむ〜、ダチの言う事が聞けぬのかー!?」
ダチ?・・・この声、まさか・・・?
何だ、何か身体に力が戻って・・・。
「傷はまだ痛むか?孫」
山のほとりの山小屋で孫市はガラシャの手当てを受けていた。
孫市は生きていた。目覚めた時にその場にいたのはガラシャのみ。
他の美女たちは孫市が力尽きるなり早々と引き上げていった。天下一の美女決定戦は思わぬ横槍・孫市の存在により次回持ち越しとなったそうだ。
「当たり前だろ・・・。マジで死ぬかと思ったぜ」
「元はといえば孫が悪いのじゃ。皆を閉じ込め一体何を企んで・・・」
「男の夢だ」
「むむ〜、わらわには理解できぬ!皆、ひどく嫌がっておったぞ。その鬱憤を晴らすかのように執拗に執拗に倒れた孫を皆で嬲っておった。
本当に今、孫が生きているのは奇跡としか・・・」
「はは、ざまぁないな。だが俺は諦めねぇ・・・!次こそは必ず・・・!」
孫市の目に再び炎が宿る。熱く、メラメラと燃え上がる。
「こんな傷だらけになってもまだ夢を諦めぬのか・・・」
「夢を失っちまったら、俺達男はおしまいなんだよ」
「ところで・・・」
救急用具を床に置き、ガラシャは孫市のほうに向きかえる。
「その夢とやらは一体何なのじゃ?」
「・・・・」
少し間を置いて、孫市がニヤリと笑う。
「なんだ、お前何もわかってなかったのか・・・」
「天下一との呼び声高い皆を集め・・・一体何をしようとしていたのじゃ?体力が持たぬとか何とか・・・一騎打ちでもする気だったのか?」
「馬鹿言え。俺は女性を傷つけるようなことしないさ」
「では、何を・・・」
ガラシャが真っ直ぐに孫市を見据える。いかにも興味津々といったカオだ。
「教えられないな、お前には」
「何故じゃ?」
「お前だからだ。まだ早い・・・かもな」
「意味が分からぬ。ダチなのに言えぬのか?」
ズイズイとガラシャの顔が孫市に近づく。その表情は真剣そのものだ。
「ダチだから・・・いや、違うな。秀吉には普通に話せる」
「秀吉はよくてわらわはダメなのか?・・・しょんぼりなのじゃ」
「ん〜〜・・・」
孫市が立ち上がり、ニ三歩下がりガラシャの姿をまじまじと見つめる。
「何じゃ孫、もったいぶらず早く話さぬか!話してくれないならもう手当てはせぬぞ!」
(へぇ、意外と女性らしい身体じゃないか。出会った頃から少し成長したか?身体のあちこちが痛ぇが、こいつ一人相手するぐらいなら・・・)
ポン!と突然孫市がガラシャの肩を叩く。
「こっち・・・一緒に来てくれるか?」
「・・・?別に構わぬが?」
ガラシャも見たことがないほどの孫市の真面目な表情だった。あの信長を暗殺しようとした時よりも真剣に見えた。
ただ、包帯グルグル巻きなのであまり決まっていない。孫市が差し出した手を、何の疑いもなく握り返すガラシャ。
孫市が瞬時に寝室の場所を察知し、ガラシャの手を引きながら歩き出す。ガラシャも全く勘付かず、そのまま二人は寝室に消えた。
「ここで何をしようと言うのじゃ?」
ガラシャは寝台に腰を降ろし、自分に背を向け外を見つめる孫市に話しかけた。
孫市は腕組みをしながら、黄昏ている。
「孫?」
「なぁ、お嬢ちゃん・・・」
「何じゃ?」
「・・・何て言ったらいいのかわかんねぇ」
巻かれた包帯をスルスルと外していく孫市。
「・・・?」
孫市が僅かに俯く。ガラシャの混乱は更に深みを増している様だ。
「やっぱ何て言ったらいいのかわからねぇ。けどよ、何か今はお前を普通のダチとして見れねないんだお嬢ちゃん」
「それはどういう意味じゃ?」
「俺はこのままじゃお前と一緒にいられねぇ」
孫市が振り向く。
「な、突然何を言う孫!わらわが嫌いになったのか?あんな風にみんなを集めてボコボコにしたのを怒っているのか?」
孫市は無言のままガラシャに近づく。ガラシャはたまらず立ち上がる。
「あれは確かにやりすぎじゃった。それは謝る!まさか皆があそこまでやるとは思わず・・・」
「違ぇよ」
「え?」
「ダチのままじゃいられねぇ。俺の中でお前はもうダチじゃねぇ、一人の女だ」
「へっ?」
ガラシャが呆け面を浮かべる。
「何時でも何処でも側にいてくれたお前を俺は愛しちまった。ダチだ、ダチだって思ってきたけどよ。もう無理だぜ」
「・・・・・」
ガラシャはポカンとしたまま動かない。
(やばいな、アホ面浮かべてやがる。ちょっといきなりすぎたか?我ながら無理のある流れだぜ。ったくコイツ相手じゃやりにくいったらないぜ)
「ま、孫・・・わらわは・・・えっと、その・・・」
一歩、二歩。ガラシャは下がって孫市から顔を背ける。
「思えばあの出会いが運命の始まりだったんだ。・・・最初は子どもだの守備範囲外だのなんて思ってたけどよ、そりゃ間違ってたんだ」
「孫・・・」
ガラシャは背けていた顔をゆっくりと孫市に向けなおす。
その頬は微かに紅の色を含み、彼女の心がいかに動揺し、また高揚しているかが感じ取れる。
「だからよお嬢ちゃん・・・いや、ガラシャ、今ここで・・・俺とお前のダチとして一線、超えさせてくれないか?」
孫市はガラシャの双肩を掴み、全く力を有していないその身体をグッと引き寄せる。
「な、いいだろ?」
「孫、わらわは・・・んっ!」
ガラシャが口を僅かに開き、絞り出すような声を出した刹那、孫市はその口を自らの唇で塞いだ。
反射的にガラシャの二の腕が孫市の身体を押し返そうとするが、意味のない抵抗だった。
それどころか逆に孫市に押し込まれ、ストンと寝台に腰を落としてしまう。
「俺に任せてくれりゃいい。はじめてだろ?よくしてやるからな」
「わらわで・・・わらわでよいのか、孫?世間にはもっと魅力的な女性がたくさんおるのでは・・・」
「何言ってんだ、お前だからだよ。お前じゃなきゃダメなんだ、自信持てよ」
孫市にとっても少し不思議だった。いつものようにキザでキメた言葉を考えても、ガラシャ相手では何か違う。
素直に、自然と一つ一つのセリフが流れてくる。とても滑らかにそして綺麗に孫市はガラシャに我流の”愛”を伝えていた。
「お前はまだ経験がない。だから俺に任せときな」
「りょ、了解なのじゃ・・・」
孫市がガラシャの隣に腰を降ろし、再び二人は唇を重ねる。
ガラシャは目を瞑り、その感触に浸る。二人の静かな呼吸に、静寂に包まれた寝室はやがて熱を帯びてくる。
その熱を察知するや否や、孫市は間髪おかずに舌を浸入させる、眉をピクリと震わせてガラシャもそれを受け入れる。
じっくりと全てを確かめ合うように、孫市はガラシャの口唇を味わう。
「・・・ぷはっ、中々積極的だな。吸い付いて離さねえ」
「孫の舌・・・温かかった」
「当然だ、冷たい舌なんて死んでる奴以外持ってないだろ?」
ガラシャの肩に回されていた孫市の右腕が、スルリとガラシャの腋の下を潜り、小振りな胸を撫でる。
「ひゃっ!ま、孫、そこは・・・」
右側を通り越し左側の膨らみを服の上から撫で回す。
「すげぇ、心臓ドクンドクン言ってんな。緊張してるのか?」
「当然なのじゃ・・・こんなことされて緊張せぬ女子などおらぬ」
「だな。相手はしかもこの俺と来た」
指の一本一本でふにふにと小さな丘をほぐす。ガラシャの発展途上の持ち物は衣服の上からでも心地よい触感を孫市に与えていた。
堪らず孫市の右腕は布の隙間をすり抜け、直接ガラシャの肌を這っていく。
「やっ、くすぐったい・・・!」
「それがじきによくなる」
慣れた手つきでガラシャの着物をはだけていく孫市。普段あまり露出していない若さ全開の肌が、次第に露になっていく。
程なくして上半身の衣服は剥がれ、ガラシャは顔を真っ赤に染める。
「まだまだちっちゃいな、ここは」
人差し指で胸の柔肌をぷにぷにと突付く。
「まだまだこれから成長するのじゃ・・・ん!」
キュッとその先端を摘むと、ガラシャが小さく嬌声をあげる。
指で挟み、力を加えながら細かく擦るように撫でまわす。するとその先端は素直に固く尖り始める。
「知ってるか?気持ちよくなると、ここは固くなるんだ」
「知らぬわそんなこと・・・くぅっ」
「いい感じだ」
胸は小さいが決して幼児体系という訳ではない。鍛えているのこともあってか、腰のくびれはなかなかどうして見事である。
その腰回りを軽く愛撫した後、いよいよ孫市のゴッドハンドはガラシャの秘部へと狙いを定める。
「孫、そこは・・・」
「じっとしてな」
妙な形をした下着の紐を解き、いよいよ神秘への扉が開く・・・かに思えた。
「・・・ん?なんだ下にもう一枚履いてんのか」
「と、当然じゃ。それ一枚じゃスースーして気持ち悪いぞ」
「そうか。ま、今日は全部脱いじまうんだけどな?」
「うぅ・・・わらわは恥ずかしくて死にそうじゃ」
もう一枚の下着の見た目は至極普通のものだった。光秀の娘だけあって、質は中々にいいものを履いてるらしい。
だが既にその表面には、薄っすらと愛液のしみが浮かび始めている。
「お、嬉しいねぇ。感じてくれてんだな」
「・・・?」
「もっとよくしてやるからな」
ガラシャの脚を開かせ、布の上から、二本の指で恥丘を優しくなでる。
まだ誰の指も受け入れた事がないであろうそこは、反応に困るかのように何の動きも起こさない。
だがしかしガラシャの吐息が次第に熱くなるように、ピタリと閉じた割れ目よりやがて蜜が滲み始める。
その滲みは程なくしてしみとして白い布を染めていく。その様子にガラシャは益々顔を紅くする。
「孫・・・んっ、孫、聞いておるか?」
「何だ?何も聞かれてないような気がするんだが」
「このしみは・・・ぅんっ、一体何・・・って人が話してる時くらい指を止めぬか?んっ!」
「これは愛の印さ。そして指は止めらんねぇ」
脚を閉じようとするガラシャだが、孫市はそれを許さない。
それどころか、二本の指はついにガラシャの秘部に直接触れようとしていた。
「いくぜ、ガラシャ」
もはや止める物などなにもなかった。下着に隙間を作り、そこから孫市の指が侵蝕していく。
ねとりと濡れたガラシャの秘部、その中心となる割れ目からはまだまだ甘い蜜が漏れてくる。
「ん、んぅっ!・・・ま、孫ちょっと休憩を・・・」
「何言ってんだ」
蜜は溢れるように零れてくるが、まだまだそこは不慣れな蝕みを受け入れられず、膣内への入り口は指を受け入れない。
「もっとほぐしてやらなきゃな」
まるで何かの職人のように固く閉じた花弁たちを丁寧に解していく孫市。
秘裂から漏れ出した透明の粘液が指を覆い、やがてその指の動きは滑らかになっていく。
「ぁっ・・孫・・・何か妙な気分になってきたのじゃ」
「感じるっていうんだ、それは」
ガラシャの状態を表したのか、秘部からはくちゅっと小さな滴の音が放たれる。
「ちょっと痛いかもしれないが、我慢してろよ?」
「うむ・・・」
愛液を目一杯に浴びた指が、火照ったガラシャの膣内への埋まっていく。
意外にもすんなりとガラシャの割れ目は孫市の指を受け入れた。
次第に指は膣内でスライドを開始する。それに連れくちゅくちゅと粘液が混ざり合う淫靡な音が、段々と大きくなっていく。
「んっ、はぅ!ぁ、あぁ・・・」
ガラシャの喘ぎは激しさを持ち、目は半分虚ろになってきている。時が近づいているのかもしれない。
「ま、孫・・わらわ、わらわもう・・・っ!」
「お、マジかよ?よ〜しよし、我慢しちゃダメだぜ、素直にイッちゃいな?」
ガラシャの哀愁と悦びの双方を映し出す表情に、孫市はより一層の勢いで指を動かす。
「あっ・・!ま、孫・・・あ、あぁ・・・!んんんっッ!」
ガラシャの身体が強張り、何かを噛み締めるように大きく震える。
「はぁっ・・・あっ」
口元からは唾液が垂れ、目を閉じ、秘部ははしたない程の愛液を垂れ流していた。
ガラシャ、始めての絶頂だった。
瞬間が終わると、ガラシャはくてんと身体を孫市に預ける。
未だ荒い息と高い体温が、ガラシャの心を孫市に伝えていた。
「孫・・・」
「よかったろ?お嬢ちゃん、だがまだまだこれからだぜ?」
「少し休憩を・・・」
「ダ〜メだって」
すっかり力の抜けたガラシャの身体を布団の上へと寝かせる孫市。
ガラシャ、大人への階段はまだまだ続く────。