深緑の森の中、闇夜に浮かぶ月。
刃物の如く輝くそれが照らし出すのは、真紅の鮮血。
裏の世界で生きる暗殺者、野々村寅介は返り血を浴び、凍りの美貌は事切れたターゲットを見下ろしていた。
――殺しの後は、嫌に興奮するのでござる……。女が、欲しいでござる。
情欲が込み上がり、抑え切れない。
仕事の後は城下街に繰り出し、女を買った。
今日もいつも通りにしようと、野々村寅介は踵を返す。
するとそこには怯えて立ちすくむ、まだ幼い十三、十四歳程の少女の姿があった。
――獲物でござる…!。
寅介の唇が妖しく笑む。
ガラシャは恐怖に身体が硬直しているのか、逃げる様子はなく、ただ震えている。
そんなガラシャに向かい、寅介はゆっくりと歩を出した。
「あ……」
近付く寅介に、ガラシャはか細い反応を見せる。
必死に逃げようと後退した少女の足は力なく崩れ、その場に座り込む。
寅介は、涙を溜めた瞳で自分を見つめるガラシャの前に立った。
「いい時に現れたでござるな」
――せっしゃの欲望を満たすために、で、ござろうな。
「いやあぁ!!」
ガラシャの服が、寅介愛用の脇差で切り裂かれる。
まだ未発達な裸体。しかし艶やかに潤う身体に、寅介はゴクリと喉を鳴らした。
そして叫び抵抗を見せる少女の、頬に脇差を寄せ、顔を近付けた。
「生きていたいなら、黙って足を開くでござる」
逆らうことの出来ない命令。
自身の命を人質に取られては、どうすることも出来ない。
ガラシャはガチガチと歯を鳴らし、小刻みに震えが止まらない足をゆっくりと左右に開く。
秘部が寅介の眼前に晒された時、ガラシャは羞恥に顔を背けきつく目を閉じた。
熟していない桃色の秘部。
純潔の膣は、入口がきつくきつく閉じている。
よく見えるように寅介は少女の腰を浮かし、割れ目に沿って指を這わせた。
「――っ!」
息を詰まらせたガラシャの身体が、ビクンと硬直する。
まだ誰にも汚されたことのないソコに触れられ、入口は更に萎縮した。
「そんなに怖いのか? むむむ……キツそうでござるな」
何の潤滑も微かにさえ生まれない秘部に、寅介は指をねじ込んだ。
「やぁあ! あ……っいっ……た……!」
ぐりぐりと肉壁を解しながら、一本の指は奥へと進む。
渇いたソコは指の侵入を邪魔し、ガラシャは苦痛に顔を歪ませる。
「濡れねぇでござる」
ポツリと呟いた寅介は指を引き抜き、脇差を畳んだ。
その仕草にガラシャは
――これでもう、終わりかもしれない……。
そう思ったのもつかの間、長めの刀身が折り畳まれた状態でも大きなそれが、先程まで指に犯されていた部分に押し当てられた。
「ひっ!?」
「面倒くさいでござるから、こっちで慣れろでござる」
残酷な言葉と共に、力任せにナイフが押し入った。
「きゃああぁ……!!」
刃が隠れていようともゴツゴツとしたそれは内部を傷付け、抜き差しする度に赤い雫がこぼれた。
切り裂かれるような痛みに、ガラシャは泣き叫ぶ。
荒い呼吸は小ぶりな胸を大きく上下させ、苦悶に身体を跳ねさせる。
ボロボロと、とめどなく溢れる大粒の涙。それを見て寅介は冷たく笑んだ。
「これだけ血で濡れりゃ、せっしゃのも入りそうでござるな」
ずるっとナイフを引き抜くと血が溢れ、少女の桃色の秘部は赤く染まる。
寅介はそこに自身の膨張しきった肉棒をあてがった。
熱く硬い塊の感触が、ガラシャの顔面を蒼白にさせる。
「い、やじゃ…お願い……っやめ……」
壮絶な恐怖で怯えきったガラシャの表情は寅介を誘う。
にぃっと不敵な笑みを浮かべ、勢いよく腰を叩き付けた。
「あぁあぁ――!! 痛い! いやじゃ! いやじゃぁ!!」
小刀よりも大きさを増した杭の質量。それは傷だらけの内部に更なる激痛をよぶ
容赦ない律動に入口の襞は亀裂を生み、ピリピリと裂けた。
「すげぇ、キッツキツ…最高…でござるぅ!」
寅介はガラシャの膝裏を持ち上げ、その細い身体を折り畳むように足を顔横へ押しやる。
そうすると腰は高々に浮き、結合部が寅介にもガラシャにも丸見えにな る。
太い肉棒が突き刺さり、無残な血まみれの秘部を見たガラシャは、涙を飛び散らせながら泣き叫んだ。
そんなガラシャの慟哭などお構いなしに、寅介は自分の欲望任せに腰を打ち付ける。
上から落とすように挿入する形は、より奥へと届く。
「ひぃ! いっ……あっ」
寅介の乱暴な腰の動きは、次第にガラシャの意識を虚ろにさせた。
律動に合わせ上がる悲鳴は弱々しく、身体からも力が抜けて行く。
「むむっ。そろそろ限界でござるか……?」
反応がつまらなくなった少女に、寅介は小さく舌打ちする。
これ以上、求める反応は見られないだろう。
後はもう、自分の情欲を吐き出すだけ。
寅介は、か細く鳴くガラシャの最奥を突いた。
何度も肉棒を突き刺し、膣内を擦り上げる。
「――く……っ」
寅介の身体が、一瞬震えた。
肉棒はドクドクと脈打ち、入り切らない白濁の液が結合部から溢れ出る。
中へ出し切り引き抜いたそれは、鮮血と自身の液がぐちゃぐちゃに絡まっていた。
寅介はガラシャから離れ、僅かに乱れた衣服を整える。
視線が定まらずぐったりとするガラシャを見やり、フハハハハ、と高らかに笑った。
そして噎せた。
「ガキの割にゃ良かったぜ」
ガラシャに向かいそう言うも、虚ろな意識では何も返ってくるわけがない。
細い呼吸を繰り返し、目は開いているがどこを見ているのか。
自分がボロボロに支配した少女を片膝ついて眺めながら、寅介は満足気な表情を浮かべる。
「ここは初めてか?」
顎を掴み自分へと顔を向けさせ、親指でガラシャの唇をなぞり
「全部奪ってやるよ」
艶やかな唇を噛み付くように塞いだ。
薄く開いていた隙間に舌を滑り込ませ、口内を激しく蹂躙する。
ガラシャは微かに苦しげな吐息を漏らし、涙を流した。
存分に味わい、唇を開放すると透明な糸がひく。
寅介は己の唇をペロリと嘗め、ゆっくりと立ち上がる。
少女を一瞥し
「さらばでござる」
と吐き捨て、姿を消した。
暗く静かな森の中で、月光が少女の裸体を照らす。
幾筋もの涙はきらめき、秘部から滴る赤と白が混じる液体さえもが輝いた。
僅かに開いていた瞼はゆっくりと閉じ、ガラシャは意識を失った。
その残酷な森の夜から数年後。
寅介は裏の世界から忽然と姿を消した。
その理由は誰も知り得ず、仕事人仲間の間で一つの噂だけが風に流れた。
「あの野郎、教師になったとか聞いたぜ」
「は!? いったい何を教えんだよ。暗殺術か? ぎゃはははは!」
有り得ないとばかりに男は笑い出す。
腹を抱える男に、もう一人の男は苦笑を漏らす。
「まぁ、あいつは気まぐれだったからな。教師になろうがおかしくはないだろ」
「元殺し屋の教師はおかしいだろ」
しばしの沈黙後、男二人の笑い声が響いた。
仕事人、コードネーム、寅介。
教師になったという噂の真意は、定かではない――。