城門が開かれた城の前にひしめき合っている軍勢。城の中には人の気配はなく、静まり返っている。  
しかしひしめき合っている軍勢は、攻め込む様子もなく、ただ、時を無駄に過ごしていた。  
その軍勢の先頭には、小柄な女の子が立っている。  
しかし彼女のその手には、小さな体には不釣合いな少し大きな…否、巨大なハンマーが握れらていた。  
自らの身長以上ある巨大なハンマー。そのハンマーには百貫びょうたんと書かれている。  
そのハンマーを片手に、開けられた城門の先をじっと見つめる小さな少女。  
この百貫びょうたんを持っていなければ、誰がこの少女のことを、8人の戦国乙女の内の1人だと思うであろうか?  
彼女こそ、巨大なハンマーをいともたやすく操り、全てを粉砕する戦国乙女の一人、豊臣ヒデヨシその人である。  
そのヒデヨシはいったい何をしているのかというと……ただ、開けられた城門の先をじっと見ているだけである。  
かれこれ3日間、彼女の軍勢はこの城の前で足止めを食らっている。  
そう、3日も前からこうして開いている城門を見つめているだけなのだ。  
 
(ねぇ、そろそろヒデヨシ様に言ったほうがいいんじゃないの?)  
(う〜ん、でも怒られるのヤだしなぁ)  
(どう考えたって、城の中には誰もいないわよ。この3日間、炊飯の煙も上がってないんだし)  
(こんなところで時間を潰してる暇はないんだけどなぁ)  
 
 背後で囁かれる兵士達のヒソヒソ話。もちろんヒデヨシも気が付いている。  
『言われなくても城の中に誰もいないことくらいは、とっくに気が付いているわよ!』  
と、声を大にしていいたいところだ。  
が、しかし!……開かれた城門を見て、『これはワナだね!突入しちゃダメだよ!』  
と、突入しようとした兵士を止めたヒデヨシには、自らの考えを否定することとなるため、突入命令を下せないでいた。  
素直に過ちを認め、誰もいない城を攻め落とせばいい。  
しかしヒデヨシは、攻め込んだらなんか悔しいという幼稚な考えのため、攻めこめないでいたのだ。  
彼女は幼い容姿そのままに、考え方もまだまだ幼い様だ。  
 
(ああ〜!もう!どうしたらいいのかな?こんなことならさっさと突入しちゃえばよかったよ。  
あのおっぱいお化けめ……こんな手でアタシを足止めするなんて卑怯だよ!おっぱい垂れちゃえばいいんだ!)  
 
 以前に仕えていた主。今は敵である織田ノブナガに八つ当たりするヒデヨシ。  
ノブナガが聞けば、『簡単に騙されるお前が悪い』と言いそうな、八つ当たりである。  
 
「ああ〜!もう!さっさと出てきなさいよ!メッチャメチャにやっつけちゃうんだからね!」  
 
 誰もいないと分かっている城に、大声で出て来いと叫ぶヒデヨシ。……空しいだけである。  
 
「あの〜、ヒデヨシさま?」  
 
 見るに見かねた兵士の一人がヒデヨシに話しかける。  
 
「なに!今アタシ、忙しいんだけど!」  
 
 頬を膨らませ、むくれ顔のヒデヨシ。忙しいも何も、彼女は誰もいない城を見ているだけである。  
 
「いや、あのですね、もしかしたらなぁ〜?って考えなんですけど……この城って誰もいないんじゃないんですか?」  
 
 勇気ある部下が、ヒデヨシに意見を述べる。周りの者たちもウンウンと頷く。  
 
「……もし伏兵がいたらどうするのよ!矢をビャビャー!って射られたらすっごく痛いんだよ?」  
「し、しかしですね、炊飯を炊く煙も上がっておりませんし、人の気配がまったく感じられませ……きゃ!」  
「みんな危ない!敵襲だよ!」  
 
 むくれ顔で部下の意見をはねつけるヒデヨシ。  
そのヒデヨシに食い下がろうとした部下が突然悲鳴を上げた。  
その部下の足元には、クナイが突き刺さっており、どこからともなく飛んできたクナイに驚き悲鳴を上げてしまったのだ。  
しかしヒデヨシは、してやったりといった顔で嬉しそうに手にした百貫びょうたんを構えた。  
彼女にとっては、敵襲はどうでもよく、むしろ自分の意見が正しかったんだと嬉しくさえ思っているようだ。  
 
「……フン!よくもまぁこんな雑魚どもを集め、ノブナガ様にたてつこうと考えたものだな」  
 
 クナイが飛んできた方向から聞こえてきた、聞き覚えのある懐かしい声。  
この声の主はかつては同じ主に仕え、お互いに切磋琢磨し、出世を競い合ってきたかつての同僚。  
今はヒデヨシと同じくその主の下を去り、自らの一軍を率いて戦国の世を戦い抜いている戦国乙女の一人。  
 
「なんでアンタがこんなところにいるの!ここはアタシが攻め落とすの!さっさと帰りなさいよ……明智ミツヒデ!」  
 
 先ほどまでの子供っぽい表情は消え去り、キッとクナイが飛んできた方向を睨みつける。  
 
「攻め落とすも何も……ノブナガ様の策にはまり、足止めを喰っていただけであろう?このバカサルめ」  
 
 ヒデヨシの視線の先には、クナイを両手に持ち、皮肉たっぷりの笑みを浮かべた明智ミツヒデがいた。  
 
「フフッ、久しぶりだな、ヒデヨシ。相変わらずおチビさんでなによりだ」  
 
 中指でメガネを持ち上げ、見下したような笑みを見せるミツヒデ。  
 
「な、ななな!そ、そういうアンタも変わってないじゃないの!その変なメガネ!」  
   
 ヒデヨシはチビと言われ動揺したのか、嫌味を言い返したつもりなのだろう。  
しかし、変なメガネと言われても、ミツヒデはまったくこたえた様子を見せない。  
   
「ふん!相変わらず頭が足りないおサルさんのようだ。……頭だけではなく、胸まで足りぬとは、哀れなサルだな」  
 
 またまたメガネを持ち上げ勝ち誇ったような笑みを見せる。  
ミツヒデの容赦ない口撃に、フルフルと肩を震わせ、怒りに震えるヒデヨシ。  
 
「ウ、ウルサイ!この根暗メガネ!」  
「だまれ貧乳」  
「ひ、ひんにゅう?!い、陰険メガネ!」  
「うるさい貧乳」  
「ひっ、イジワルメガ…」  
「哀れな貧乳」  
「ん〜!んん〜!」  
 
 ミツヒデの見事な連続口撃で、かなりのダメージを負ったヒデヨシ。  
今にも泣き出しそうな顔で、唇をギュッとかみ締めながら部下達を振り返り、  
『ん!んん〜!』と唸りながら、ミツヒデを指差しながら何かを訴えている。  
 
「大丈夫大丈夫!ヒデヨシさまはカワイイです!」  
「そうそう!ヒデヨシさまはカワイイから大丈夫なんです!」  
 
 部下達の暖かい声援に勇気をもらい、視線をミツヒデに戻した瞬間、再度涙を堪えながらミツヒデを指差す。  
 
「んん〜!んんん〜!」  
「ひ、卑怯だぞミツヒデ!ジャンプするなんて反則だぞ!」  
「そうだそうだ!ジャンプして揺らすなんて禁じ手だぞ!」  
 
 涙目のヒデヨシの前でピョンピョンとジャンプするミツヒデ。  
ジャンプするたびに連動してタプタプと揺れる乳房。  
ヒデヨシのささやかな胸では決してすることは出来ない胸の動きに、ヒデヨシは涙を堪えることに精一杯だ。  
ジャンプしながらヒデヨシを見下すその顔は、とても悪い顔をしており、まるでいじめっ子のようだ。  
 
「ひ、ひんにゅうじゃないもん」  
「だまれ貧乳」  
「ひ、ひっく、アタシ、ひんにゅうじゃ……」  
「哀れな貧乳。むなしい貧乳。惨めな貧乳」  
 
 容赦のないミツヒデの口撃に、もはや泣き出すのは時間の問題かと思えた。  
しかし、苦し紛れに出た言葉にミツヒデの様子が変わる。  
 
「う、うるさい!アタシは貧乳じゃないやい!このお漏らしメガネ!」  
「お、お、おお、お漏らしだとぉ!」  
 
 苦し紛れに出た言葉、『お漏らし』という言葉に明らかに動揺するミツヒデ。  
その様子を見ていた、ここにいる兵士全員が思った。  
『え?もしかして、明智ミツヒデともあろう武将が……お漏らししたの?』と。  
それはヒデヨシも同じで、先ほどまでの半べそ顔はどこ吹く風、ニヤリと悪戯っぽく笑みを浮かべ、口を開く。  
 
「おっ漏らしお漏らし〜、明智『お漏らし』ミツヒデ〜」  
「だ、誰がお漏らしなどするか!黙れこの貧乳め!貧乳貧乳貧乳貧乳貧乳〜!」  
 
 同じく苦し紛れに貧乳を連呼するミツヒデ。  
貧乳と連呼しているその顔は、真っ赤に染まり、お漏らししたことが事実であると言っているかのようだ。  
 
「んな!うるさいお漏らしメガネ!」  
「黙れ貧乳チビサル!」  
「お漏らし!」  
「貧乳!」  
 
 戦国の世を争う8人の戦国乙女。その8人に名を連ねる2人が、『貧乳』『お漏らし』を連呼して言い争っている。  
傍から見れば、馬鹿馬鹿しく見えるのだろう。しかし当の本人達は必死だ。  
その証拠に鬼気迫る表情でお互いを『貧乳』『お漏らし』と罵りあっている。  
……その様子を傍から見ている人物が一人。  
煙管を咥え、呆れ顔でその様子を見ている。  
 
「確かにヒデヨシの気を引きつけておけと命令はしたが……まぁよい、結果的には準備は出来た」  
 
 ……ヒデヨシは疑うべきだった。何故ミツヒデが軍を率いずに、一人で現れたのかを。  
彼女は疑うべきだった。なぜミツヒデが、憎き敵であったはずの織田ノブナガを、ノブナガ様と呼んだのかを。  
何故あのノブナガが、自国の領土に攻め込まれても、一向に迎撃に現れなかったのかを。  
 
 二人の言い争いを見物していた人物は、手にした大剣を振り上げ、背後に控える大軍に命令を下す。  
 
「これより我らは……ヒデヨシ軍を蹴散らす!狙うはヒデヨシただ一人、必ず生け捕りにせよ!  
皆の者……このノブナガに続けぇ!全軍、突撃じゃあ!」  
 
 織田ノブナガは気合一閃、大剣を振り下ろし、背後に控える大軍を引き連れ、一気にヒデヨシ軍目がけ突撃を開始する。  
その大軍の勢いに、完全に不意を疲れたヒデヨシ軍は、なすすべもなく、壊滅した。  
……主である豊臣ヒデヨシを生け捕りにされて。    
 
「な、なに?なにしてるの?いったい何をしてるのよ!」  
   
 ヒデヨシは目の前で行われている行為が、いったいなんなのかを理解できないでいた。  
ミツヒデと罵り合っているところを急襲され、壊滅させられたヒデヨシ軍。  
その際にミツヒデとの一騎打ちとなり、戦っていたのだが、  
突然襲い掛かってきた炎の衝撃波に、ミツヒデもろとも吹き飛ばされ意識を失った。  
そして、気がついたときには、両足を開脚させられた状態で、机の上に寝転がされたまま縛られていた。  
しかしヒデヨシを一番混乱させているのは、身動きが取れないことではなかった。  
今、目の前で行なわれている、不可思議な行為にであった。  
 
「あ、あ、あ、ノ、ブナ、さまぁ……ミツヒ、デは、もう、もうぅぅぅ〜!」  
「我慢せいミツヒデ!サルの目の前で無様に達するつもりか?達したら、貴様とはもう二度と湯に入らんぞ?」  
「ひ、ひぎぃ……ゆるし、も、ダメで……漏れるぅ、もう、でるぅ」  
   
 ヒデヨシの視線の先には、床に両手を付いて四つんばいになり、辛そうな声をあげているミツヒデがいた。  
その四つんばいになっているミツヒデのお尻辺りに、何か赤い光を放つものを押し当てている人物がいる。  
キセルを咥え、不敵な笑みを浮かべながら時折ミツヒデのお尻を叩き、愉快そうに笑っている。  
 
「なにしてるか答えなさいよ!このおっぱいオバケ!」  
 
 お化け呼ばわりされたノブナガは、面倒くさそうにヒデヨシを見る。  
その手に握られた榛名はミツヒデの股間に当てられたままだ。  
 
「何をしているか、じゃと?……褒美じゃ。  
ミツヒデがキサマの意識を引き付けておったおかげで、我が軍はほとんど損害が出なかったからなぁ」  
「ぐくぅ……ひ、卑怯だぞ!ノブナガ!正々堂々と戦え!」  
「戦え、だと?……はぁ〜っはっはっはぁ!キサマごときが我に戦えと言うか?  
無様に捕えられ、縛り上げられた分際で戦えと?」  
 
 ミツヒデから離れ、ヒデヨシの前に立つ。  
そして、榛名を見せつけニヤリと笑みを浮かべる。  
 
「お主のそういう強気なところを我は買っておった。どうじゃ?再びこのノブナガに仕えんか?」  
「だ、だれがアンタなんかに仕えるもんか!アンタにされた数々の非礼、忘れてないんだからね!」  
「数々の非礼?……覚えておらんなぁ。我はお主に何かしたのか?」  
 
 首をかしげ、思い出そうとするノブナガ。  
しかし、心当たりがないのか、全く思い出せないようだ。  
そんなノブナガの様子を見て、頬を膨らませ、怒り出したヒデヨシ。  
ノブナガにされたことを思い出したのか、少し涙目になっている。  
 
「あれだけヒドイことやっておいて、忘れちゃったの?このオッパイお化け!」  
「オッパイお化けとは酷いことを言う。お主の方が酷いのではないか?」  
「忘れたとは言わせないからね!……恩賞でなんでアンタの胸のサイズの甲冑をよこすのよ!」  
 
 戦で手柄を立てたヒデヨシに与えられたもの……特注で作らせた甲冑であった。  
どこが特注かというと、胸のサイズだけがノブナガと同じもので、ヒデヨシが着込めば、空しさ漂う一品となる。  
そんな甲冑を渡されても困るわけで、むしろバカにされたと思うのも当たり前の話だ。  
 
「あぁ、あれか?あれはじゃな、お主の胸が大きくなればいいとの親心じゃな」  
 
 家臣一堂の前で着させたことを思い出したのか、クククと笑みを浮かべるノブナガ。  
それを見たヒデヨシはますます怒りに頬を膨らませる。  
 
「なにが親心だよ!あれのせいですっごい傷ついたんだからね!……ブカブカにも程があるよ!」  
「はぁ〜っはっはっはぁ!よう似合うておったぞ?クックック、饅頭でも胸に詰めておけば着込めるであろう?」  
「ほらぁ!やっぱりアタシをバカにしてたんじゃないの!」  
 
 悔しさのあまりか、涙が零れそうになるヒデヨシ。  
ノブナガはちょっとしたイタズラ心でしたことが、ここまでヒデヨシを傷つけていたとは思っておらず、少し動揺している。  
 
「い、いや、確かにあれはこのノブナガが悪かった。ちょっとした冗談のつもりでしたこと何じゃがなぁ」  
「他にもいっぱいあるんだからね!例えばね、えっとねぇ……ん〜っとねぇ」  
 
 他にもあると、必死に思い出そうとしているヒデヨシ。  
しかし、思い当たることがないのか、ウンウン唸るだけで、全く出てこない。  
それもそのはず、この甲冑事件があるまでは、2人はまるで姉妹のように仲がよく、常に行動を共にしていたのだ。  
ヒデヨシが謀反を起こし、ノブナガの下を去った時は、さすがのノブナガもしばらくは落ち込んでいたという。  
 
「なんじゃ?いっぱいあるのではないのか?」  
「うるっさい!黙れこのオッパイお化け!」  
「オッパイお化けとは酷いいいようじゃ。どうじゃ?久しぶりに風呂を共にし、我の胸を揉んでみようとは思わぬか?  
お主のその小ぶりな胸を久しぶりに触らせ……なんじゃ?今はヒデヨシとの会話を楽しんでおるところじゃ。  
邪魔をする出ない、ミツヒデ」  
   
 久しぶりのヒデヨシとの会話に、自然と頬が緩むノブナガ。  
ヒデヨシとの会話は、ノブナガにとっては心を癒す一服の清涼剤のようなものなのだ。  
そんな会話を楽しんでいるノブナガのマントを掴み、引っ張る人物が。  
榛名であと少しというところまで攻められたまま、ほったらかしにされているミツヒデであった。  
 
「はぁ〜はぁ〜はぁ〜……ノブナガさまぁ、お情けを、このミツヒデにお情けを下さいませぇ」  
「なんじゃ貴様は?まるで盛りのついたメスネコのようじゃな?」  
「あぁぁぁ、言わないでくださいぃ……ミツヒデはもう、ミツヒデはぁ」  
 
 ハァハァと息荒く、自らを慰めつつ、涙を溜めた瞳でノブナガにすがりつくミツヒデ。  
そんなミツヒデを見て、面倒くさそうに足で蹴り倒すノブナガ。  
 
「ええい!離れんか!……欲情しきったメスネコには、お仕置きが必要じゃなぁ」  
 
 ノブナガの顔は、先ほどまでのヒデヨシとの会話を楽しんでいた表情とは一変する。  
そこには残酷な表情で、舌なめずりをするノブナガがいた。  
そんなノブナガの変わり様を見て、ゴクリとツバを飲み込むヒデヨシ。  
ミツヒデは期待からか、ごくりとツバを飲み込み、自ら四つんばいとなり、ノブナガにお尻を見せる。  
 
「雌猫でございます。ミツヒデはノブナガ様の雌猫でございますぅ」  
「そうか、メスネコか。ならば……ネコらしく泣くがいいわ!」  
 
 その手に握られた榛名が青く光り、振動を開始する。  
激しく振動する榛名をミツヒデの濡れて光っている股間に押し当てる。  
その瞬間、背筋を伸ばし、まるで悲鳴のような声をあげるミツヒデ。  
 
「ひぎぃぃぃ!い、いいい〜!スゴイィィ〜!ノブナガ、さまぁ、ミツヒ、デ、っクゥ!あ、いいぃぃぃ〜!」  
「はぁ〜っはっはっはぁ!もはや何を言っておるのか分からんな。それ!達するがいいわ!」  
 
 背中を反り、快楽の声をあげるミツヒデに、ノブナガは呆れ顔の笑みを浮かべ、さらに榛名を押し付ける。  
その様子を何も言えずに見守るヒデヨシ。  
……ただ、苦しそうに泣き叫んでいるミツヒデの様子を見ていると、下腹が熱く、熱を持ってきているのが分かった。  
何故お腹が熱くなってきちゃったんだろ?そう思うヒデヨシであったが、それが何を意味しているのかは分からない。  
そんなヒデヨシの目の前で行なわれている不可思議な行為も、終わりを迎えようとしていた。  
 
「あ、アアガアアガガガァァァ〜!ノブ、ナガさま、も、で、出るぅ……イグ!も、わた、し……イグゥゥゥ〜!」  
 
 プシュ!プシュ!プシュー!  
 
 背中をそらし、大きく開けた口からは涎をダラダラと垂らし、奇声を上げたミツヒデはガクガクと震えた後に倒れこんだ。  
榛名を当てられていたその股間からは、ジョロジョロと小水が流れ、ミツヒデが失禁したことが分かる。  
 
「ふぅ……ミツヒデよ、いい加減に失禁癖は直せ。お主を攻める度に手を汚されてはかなわんわ」  
 
 ノブナガの手は、ミツヒデが漏らした小水で濡れており、榛名も小水で汚れていた。  
   
「は、いぃぃ……漏らさないよう、に、注意を……しますぅぅ」   
 
 倒れこんだまま、肩で息をし、時折ビクビクと痙攣をするミツヒデ。  
股間からはまだジョロジョロと小水が止まらずに溢れている。  
 
「ふぅ、仕方のないヤツじゃな。我は風呂に入り、お主に汚された手を清めてくる。  
ミツヒデ、お主は後片付けをしておけ、よいな?」  
「ノブナガさまぁ、私もご一緒してよろしいでしょうか?お背中をお流しいたしますぅ」  
 
 虚ろな眼差しでノブナガの足にすがりつき、共にお風呂に入る許しを請うミツヒデ。  
体に力が入らないのか、這うようにしてノブナガの足にすがり付いている。  
そんなミツヒデは、頬をほのかに赤く染め、風呂以外の何かを期待しているかのようだ。  
しかし、そんなミツヒデを面倒くさそうに見下ろすノブナガ。  
足元にすがり付いているミツヒデを蹴り飛ばし、冷たい眼差しで口を開く。  
 
「……聞こえなんだか?我は後片付けをしておけと言ったはずじゃがな?」  
「も、申し訳ございません!綺麗に片付けます!」  
 
 ノブナガの冷たい言葉に一瞬青ざめたミツヒデ。  
ノブナガが自らの言動により、機嫌を損ねてしまったと理解したようだ。  
そんなミツヒデの髪を掴み、ミツヒデの眼前まで顔を寄せ、言い聞かせるようにゆっくりと話すノブナガ。  
 
「ミツヒデ、キサマは我の下僕じゃ。下僕は命ぜられたまま動けばいいのじゃ。勘違いをするなよ?」  
「は、はは!申し訳ありませんでした!」  
 
 ゆっくりと話すノブナガのその表情は、怒りに満ちており、その怒りはミツヒデのみに向けられている。  
ノブナガの怒りに当てられたミツヒデは、ガクガクと震るえ、額を床にこすり付けるように土下座をし、謝罪した。  
 
「……ふん!分かればいいよいわ。では、ヒデヨシ。風呂上りにゆっくりと話すといたそう。  
ミツヒデ!綺麗に片付けておけ!よいな!」  
 
 土下座をしたままのミツヒデに怒声を浴びせるかのような命令をし風呂場に向かうノブナガ。  
その顔は、なにかを企んでいるかのように皮肉の笑みを浮かべていた。  
 
 縛られたまま部屋に残されたヒデヨシは、今、目の前で行われた行為がいったい何なのかを理解出来ないでいた。  
なにか、青く光る物体を押し当てられたミツヒデが、狂ったような声を上げ、最後は失禁しながら痙攣して倒れこんだ。  
自身と同じくノブナガを恨んで謀反を起こしたはずのミツヒデが、ノブナガに嫌われることを恐れているような振る舞い。  
いったいなんなんだろ?なんでミツヒデはあんな感じになっちゃったんだろ?  
あの光ってた物って、いったいなんなのかな?  
縛られたまま、頭の中に『?』が次々と浮かんできたヒデヨシ。  
好奇心旺盛な彼女には、考えるなというほうが無理な話だ。  
そんな頭を捻らせウンウンと考えているヒデヨシの側に、冷たい殺気を放つ人物が立つ。  
……この部屋には先ほどまで3人の人物がいた。  
そのうち一人は汚れた手を洗いに風呂場へと向かい、もう一人は縛られたまま頭を捻り考え事をしている。  
最後の一人……明智ミツヒデが特殊クナイを片手にヒデヨシのすぐ側に立つ。  
冷たい殺気を放ち、狂気に満ちた瞳でヒデヨシを見つめながら。   
 
「ねぇミツヒデ、さっきノブナガに何されてたの?  
ああ!もしかしてあんたがお漏らししたのって、ノブナガに何かされたから?」  
 
 狂気に満ちた瞳でヒデヨシを見下ろしているミツヒデ。  
しかしヒデヨシは好奇心からか、そのことに気が付いていない。  
 
「そういえばさっきも漏らしてたよね?やっぱりあんたはお漏らしメガネなんじゃないの」  
「……どうしてこんな馬鹿をノブナガ様は配下にしようとなされるのだ?」  
「な?バ、バカってなにさ!お漏らしメガネのくせ……に?ど、どうしちゃったの、ミツヒデ?」  
 
 ゆっくりとクナイが握られた右手を上げるミツヒデ。  
ヒデヨシを見下ろすその瞳は、狂気と憎悪に満ち溢れていた。  
 
「貴様は昔からそうだ。たいした武功を上げずとも、可愛がられ……そして、今も可愛がられようとしている」  
 
 高く上げた右手に左手を添える。  
両手で高くクナイを持ち、ヒデヨシを見下ろすその瞳には、狂気と憎悪と……激しい殺意に満ちていた。  
その狂気と憎悪と殺意に満ちた瞳は語っている。  
『何故このようなサルにノブナガ様は目をかけるのだ?私ではなく、何故このようなサルなのだ』と。  
その狂気と怒りと憎悪がミツヒデを狂わせた。  
 
「貴様などノブナガ様に必要ない。ノブナガ様にはこのミツヒデさえいればいいのだ。  
貴様など、ノブナガ様の邪魔にしかならぬ。貴様のような貧乳のチビでは役に立たんのは明白だ。  
貴様などおらずとも、このミツヒデがいればいいのだ。そう、貴様は邪魔なのだ。  
貴様はノブナガ様と私との間を邪魔する不届きな奴だ。そのような不届き者は……」  
「さっきから何をブツブツと言ってるのさ!そんなクナイで脅されても、アタシはノブナガなんかに仕えないんだからね!」  
 
 振りかざされたクナイに、ゴクリを唾を飲み込みながら、ミツヒデに言い返すヒデヨシ。  
しかしミツヒデは、ヒデヨシの言葉など耳に入っておらず、ただ小声で己の考えを言うのみだった。  
 
「貴様のような不届き者は……死ね!」  
「だから何をブツブツと言って……きゃあ〜!」  
 
 ミツヒデは狂気と憎悪と殺気に満ちた目で両手で高く掲げていたクナイをヒデヨシの心臓めがけ振り下ろした!  
 
「死ね!死ね!しね!しね!シね!シネ!貴様は邪魔なんだ!  
ノブナガ様には私さえいればいいのだ!側には私だけがお仕えすればいいのだ!  
死ね!死ね!しね!しね!シね!シネ!死ねぇぇ〜!」  
 
 ヒデヨシの心臓めがけ、何度も何度もクナイを振り下ろすミツヒデ。  
その表情は狂気に染まっており、ただひたすらにクナイを振り下ろしている。  
 
「あっはっははははははは〜!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」  
 
 ただひたすらに死ねと叫び、クナイを振り下ろすミツヒデ。  
その顔は普段の冷静な表情ではなく、もはや狂人の顔としか思えない。  
 
「はぁ!はぁ!はぁ!何故だ!何故死なぬ!何故死なぬのだ!……そうか、鎖帷子を着込んでいたのか。  
ふ、ふふっ、私としたことが、少し焦っていたようだ」  
 
 しばらくの間、一心不乱にクナイを振り下ろしていたミツヒデ。  
しかし、いくら振り下ろしても、ヒデヨシの心臓に突き刺さることはなかった。  
それもそのはず、ヒデヨシは衣服の下に、鎖帷子を着込んでいたのだ。  
 
「ふふっ、そうか、貴様は心臓を貫かれる死に方は嫌なのか。……喉を切り裂かれたいのだな?」  
 
 恐怖で声の出ないヒデヨシに見せ付けるように、クナイに舌を這わせるミツヒデ。  
狂気に満ちたミツヒデの行動に、全身が震え、ガチガチと歯を鳴らすヒデヨシ。  
ヒデヨシは、『アタシ、ここで死んじゃうんだ』と、覚悟を決めて目を瞑る。  
その様子に満足げに笑みを浮かべたミツヒデは、左手でヒデヨシの髪を掴み首を反らせ、  
右手に持ったクナイでヒデヨシの細い首を掻っ切ろうとした。  
首筋に当てられた冷たい金属。ヒデヨシがその死の温度を感じた瞬間、部屋中に殺気が渦巻いた。  
 
「な、何奴!」  
 
 その殺気に反応したミツヒデが、殺気を放つ人物にクナイを投げつける。  
続けて投げようと両手に特殊クナイを構えた瞬間、先ほどまで狂気に満ちていたその表情は、恐怖に染まる。  
 
「ノ、ノブナガ様!……こ、これは、その……」  
 
 ノブナガは、投げつけられたクナイを大剣で払い落とし、何も言わずにミツヒデを睨みつける。  
 
「……誰が殺せと命令した?」  
「い、いえ、その、これは……」  
 
 怒りに震えるノブナガの声に、ガタガタと震え、視線を会わせる事もできない。  
 
「下僕の分際で、よくもこのノブナガにクナイを投げつけおったなぁ?また謀反でもするつもりであったか?」  
「む、謀反など!も、申し訳ありません!ですが、わざとではありません!」  
「……消えろ」  
 
 土下座で謝るミツヒデに、手のひらをシッシッと振り、消えろと命じるノブナガ。  
 
「え?消え……ろ?」  
「今すぐこのノブナガの目の前から消えろと命じておるのじゃ!貴様のような下僕はもういらん!さっさと出て行け!」  
「も、申し訳ありません!この償いは必ず戦場でいたします!ですからお慈悲を!ミツヒデを側に置いてください!」  
 
 必死の形相でノブナガの足にすがりつくミツヒデ。  
そんなミツヒデを蹴り飛ばし、汚物を見るような眼差しで、シッシと手を振り、言葉なく出て行けと命じる。  
そんなノブナガの様子を見たミツヒデは、フラフラとおぼつかない足取りで部屋を出て行く。  
涙をボロボロと零し、虚ろな目でフラフラと部屋を出て行った。  
その後姿を見て、舌打ちをするノブナガ。  
 
(嫉妬心を煽りすぎたか?嫉妬させてしまえば、ヒデヨシに何かをするとは思うておったが……  
まさか我の命なく殺そうとするとはな。……どうやら部屋の外で弁明の機会を待っておるようじゃな、気配を感じよるわ。  
ヒデヨシを攻め落とした後、ミツヒデも可愛がってやればよかろう)  
 
 ノブナガは首からかけた榛名を片手に、まだ震えているヒデヨシに近づく。  
そして、ヒデヨシの縛りを解き、震える小さな体を優しく抱きしめた。  
 
「もう大丈夫じゃ。ミツヒデめは下がらせた。もう安心するがいい」  
 
 ガタガタと震えるヒデヨシの縛りを解き、優しく抱きしめるノブナガ。  
狂気に満ちたミツヒデに殺されかけたヒデヨシは、ノブナガの胸に顔を埋め、ガタガタと震えている。  
 
「ヒデヨシ……こんなに震えて、よほど恐ろしかったのじゃなぁ。ミツヒデめには、後でお仕置きをしてやらねばいかんな。  
お主も共にしてみるか?この……榛名を使ったお仕置きを」  
 
 カタカタと震えていたヒデヨシは、榛名と言う言葉に反応し、顔を上げる。  
その顔は恐怖に震えていた顔ではなく、興味津々といった、いつものヒデヨシの顔に戻っている。  
 
「ははは、榛名に興味があるのか?よし、榛名の使い方を特別に教えてやろう」  
 
 ヒデヨシの耳元でそう囁き、優しくヒデヨシを机の上に寝かせる。  
縛りも解かれ、逃げようとすれば逃げることが出来るのだが、榛名についての好奇心が勝り、素直に寝転がってしまう。  
その様子を見てニヤリとほほ笑むノブナガ。  
寝転がるヒデヨシの頬を優しく撫で、語りかける。  
 
「我はな……お主が羨ましかったのじゃ。お主の様な、カワイイ女子に生まれたいと思っておったのじゃ。  
だからお主にいろいろなちょっかいをかけてしまった。それがお主を傷つけておったとは、夢にも思わなんだ」  
 
 思いもしないノブナガの言葉に目が丸くなるヒデヨシ。  
意地悪をされていたのは、嫌がらせとばかり思っていたので、驚きを隠せないようだ。  
 
「ヒデヨシよ、今すぐに返事はせずともよい。……我に至らぬ点があったことは認めよう。  
そして、改めよう。だから……戻ってきてはくれぬか?」  
 
 真剣な表情でのノブナガの願いに戸惑うヒデヨシ。  
ヒデヨシは、ノブナガが大好きだった。自分にはないものを全て持っていたノブナガ。だから憧れた。  
まさかその憧れていたノブナガが、ヒデヨシのような女の子に生まれたいと思ってたなんて想像したこともなかった。  
ノブナガの告白に動揺するヒデヨシ。  
ノブナガはその様子を見て、見やりと笑みを浮かべ、榛名に命令をする。  
『榛名よ、その力を解放せよ』と。  
 
「きゅ、急にそんなこと言われても、信じられないよ。今はアタシにも大事な部下がいるんだし、やっぱり無理……きゃ!」  
 
 戻ってきてほしいと言われ、ノブナガから視線をそらし、真剣に考え込んでいたヒデヨシは、断ろうとした。  
それもそのはず、今や彼女は8人の戦国乙女の1人で、ヒデヨシにも彼女を慕う沢山の部下がいるのだ。  
しかし、断りの言葉を口に出そうとした瞬間、今まで感じたことがない衝撃が、ヒデヨシの胸を襲った。  
 
「な、なに?今なにをしたの?」  
「答えはそう焦らずともよい。今はお主との再会を……この榛名で祝おうではないか」  
 
 ヒデヨシは思った。青く光る勾玉を手にしたノブナガの表情、前にも見たことがあるなぁ、と。  
どこで見たんだっけ?思い出そうとした瞬間、また衝撃が走る。  
しかも、今度は一瞬ではなく、衝撃が持続してヒデヨシを責めてきた。  
 
「きゃ!な、なに、これ?これ、なんなの?ノブナガ、やめ……ん、やぁぁぁぁ〜ん!」  
 
 胸に押し当てられた青く光る榛名。その榛名からもたらされる衝撃に、下腹が熱くなり、頭の中が真っ白になる。  
体がビクビクと痙攣を起こし、縛られてもいないのに、自由が利かなくなった。  
思考が白く染まる瞬間、ヒデヨシは思い出した。  
『あのノブナガの笑みって……アタシにイタズラをするときに見せてた顔じゃないの』と。  
また、イタズラされちゃうんだ……そう思った瞬間、胸の衝撃とは比べ物にならない衝撃が、下半身から全身を襲った。  
 
「ひぎぃ!や、やあぁぁぁぁ〜!おかしい!頭がおかしくなちゃうよぉ〜!」  
 
 下着の上から押し当てられた榛名。下着の上からでも十分にヒデヨシを狂わせている。  
鎖帷子の上からでも、十分に感じさせることが出来た。  
ノブナガは、ビクビクと反応しているヒデヨシを見下ろし、ニヤリと笑みを浮かべる。  
 
(くっくっく、我を裏切ったのじゃ、そう簡単には許してはやらんぞ?今日はたっぷりと……泣かせてやる!)  
 
 先ほどまで見せていた優しい表情とは一変し、残酷な笑みで榛名をヒデヨシに押し当てる。  
押し当てられた榛名が動くたび、ヒデヨシは背中をそらせ、下着には染みが広がる。  
今、ヒデヨシは、自身の体に何が起きているのか、まったく理解できないでいる。  
理解しようとするも、全身を襲う、白い波に思考が押し流されてしまっている。  
しばらく榛名を股間に押し当てて、ヒデヨシの初心な反応を楽しんだノブナガは、一度榛名の動きを止める。  
 
「な、に?これ、なんなの?体が、おかしいよぉ」  
 
 榛名の動きが止まり、一息つくヒデヨシ。ハァハァと息荒く、グッタリと机の上に寝そべる。  
彼女は自身の体に何が起きたのか、まったく理解できないでいた。  
 
「おかしくなどない。これが正常な反応じゃ。ほれ、その暑苦しい鎖帷子など脱いでしまえ。服など脱いでしまえ」  
 
 榛名を軽く押し当てられただけで、達してしまったヒデヨシ。  
朦朧とする意識の中、ノブナガに言われたとおりに身に着けている物を全て脱いでしまった。  
……それが、本格的な榛名での攻めの開始の合図とも知らずに。   
 
「おお、何度見てもお主の胸は小さいな。……どれ、大きくなるように榛名で鍛えてやろう」  
 
 しばらくの間、ヒデヨシの胸の感触を懐かしむかのように揉みくだしていたノブナガ。  
抵抗することすら出来ず、胸をもまれていたヒデヨシは戸惑っていた。  
昔はいくら揉まれても平気だったのに、今は揉まれるのが辛い。辛いというか……気持ちいいというか。  
アタシの体、いったいどうなっちゃったの?……どうなっちゃうんだろ?  
ノブナガが胸を揉むことに夢中な間に、抵抗すればもしかしたら逃げることが出来たかもしれない。  
しかし、彼女の好奇心がそれをさせなかった。否、彼女の体がそれをさせようとしなかった。  
一度、軽くとはいえ知ってしまった榛名の力。  
その力をもっと知りたいと体が求めてしまっているのだ。  
 
「ヒデヨシよ、仲直りに記念に、気持ちいいことをしてやろう。……いくらでも達するがいい。  
榛名よ……その力を解放せよ!」  
 
虚ろな瞳でノブナガを見つめるヒデヨシの目に、赤く光る不思議な勾玉が映る。  
 
『あ、これが榛名なんだ。榛名って赤く光るんだ』  
 
 朦朧とする意識の中、ぼんやりとそう思った瞬間、体全体を白い衝撃が走る。  
彼女の目には、イタズラをするときに見せる笑みを浮かべたノブナガが、  
赤く光る榛名を嬉しそうにささやかな胸に押し当てているのが見えた。  
それが本日、ヒデヨシが覚えている最後の映像となった。  
 
「やぁぁ〜!胸!おかしいよ!頭が!しろいよぉぉ!」  
 
 激しく振動する榛名を押し当てられ、プルプルと揺れる小さな胸。  
ミツヒデのように激しく揺れることはないが、それでも榛名の振動に合わせるかのように揺れている。  
その様子が面白く、つい長い時間押し当ててしまうノブナガ。  
 
「ひゃん!や、やぁぁん!むねぇ!おっぱいがぁ!おかしい!おかしいよぉ〜!」  
 
 背中をそらし、榛名から逃れようとするヒデヨシ。  
逃れようとする小さな体を抱きしめ、さらに胸を攻め上げる。  
 
「ひぎぃ!くるぅ!なにかがぁ〜!あたまがぁ、からだがぁぁ〜!」  
「そうかそうか、そんなに気持ちいいか?……やはりお主は可愛いな。可愛すぎてつい意地悪をしたくなる」  
 
 涎をたらし、頭を振りまくるヒデヨシ。  
そんなヒデヨシを見て、疼いてきたのか、自信の胸を揉みながらヒデヨシの唇を貪る。  
 
「ん、んん〜!んんんん〜!んっくぅぅぅぅぅぅ〜〜!」  
「ん、ちゅ、ちゅる……ふ、ふふふ、久しぶりに口付けをしてしもうたわ。昔はよう酔った勢いでお主にしたものよな?」  
「ん、っかはぁ……はぁはぁはぁ、はぁぁぁぁ〜」  
 
 口付けをしながらの榛名の攻めで、一気に達してしまったヒデヨシ。  
もはやノブナガの言葉は届いていないようだ。  
 
「……やはりお主は可愛いな。もっと見せてくれ。お主が乱れ、喘ぐ姿を」  
 
 グッタリと力なく息をしているヒデヨシの両足を開け、その中心にある彼女自身を見る。  
 
「はっははは!やはりまだ生えてはおらぬか?……こんなところまで可愛いとは、さすがは豊臣ヒデヨシじゃな」  
 
 何も生えていないヒデヨシ自身に手を這わせ、ヌルリとした粘液を指で掬う。  
 
「生えておらずとも感じることは出来るか……さぁ、見せるがいい、お主が狂う姿を!」  
 
 ノブナガの手にした榛名が再度赤く光りだす。  
 
「ミツヒデ!お主も来るがいい!共にヒデヨシを攻め落とそうぞ!」  
 
 部屋の外で聞き耳を立てているミツヒデを呼び寄せるノブナガ。  
目を真っ赤に腫らしたミツヒデが、急いで駆けつける。  
 
「ノブナガさまぁ……ひっく、ミツヒデはぁ、ミツヒデはぁ〜」  
「泣くのは後でよい!この、榛名でいくらでも泣かせてやろう。今は……ヒデヨシを攻め落とすのが大事じゃ」  
「ノブナガさまぁ……ぐすっ、はは、かしこまりました!」  
「では服を脱ぎ、ヒデヨシに覆いかぶさり口付けをするがいい。ヒデヨシの唇は柔らかく、なかなかの美味じゃぞ」  
 
 いそいそと服を脱ぐミツヒデ。しかしその表情は冴えない。冴えない表情のミツヒデをいぶかしむノブナガ。  
せっかく独断でヒデヨシを殺そうとした罪を許してやったというのに、まだ不満に思っているのかと、沸々と怒りが湧いてくる。  
   
「ミツヒデ、お主なにやら不満げな顔をしておるなぁ?我が命に従うのがそこまで不満か?」  
「い、いえ!そのようなことはありません!ただ、その……ミ、ミツヒデは、まだ口付けというものをしたことがござません」  
 
 真っ赤な顔で俯きながら話すミツヒデ。ミツヒデが何を言いたいのかがよく分からずに首をかしげるノブナガ。  
 
「わ、私は、は、初めての口付けは、その、ヒデヨシなどではなく、その……」  
 
 一段と真っ赤に染まったミツヒデの顔を見て、彼女が何を言いたいのかを悟ったノブナガ。  
赤い顔でモジモジとしているミツヒデを強引に引き寄せ、耳元で囁く。  
 
「そうかそうか、貴様はこのノブナガに初めての口付けをささげたいと言うのじゃな?  
よい心がけじゃ、褒めてやろう。では、褒美じゃ……ん」  
 
 潤んだ瞳でまっすぐにノブナガを見つめるミツヒデの唇を強引に奪うノブナガ。  
一瞬目を見開いたミツヒデはうっとりと瞳を閉じ、ノブナガの背中に両手を回し、ギュッと抱きついてくる。  
しばらくの間、唇と舌でミツヒデを犯したノブナガは、唾液の橋を架けながら唇を離す。  
激しい口付けを終えたノブナガは、榛名を片手に再度命令を下す。  
 
「満足したか?ではこれよりヒデヨシを攻め落とす!早く裸になり、ヒデヨシに覆いかぶされ!」  
 
 うっとりとした虚ろな眼差しでノブナガを見つめるミツヒデ。  
よほど嬉しかったのか、その目からは涙がポロリと零れてくる。  
 
「か、かしこまりました。ノブナガ様の仰せの通りにいたしますぅ」  
 
 ふら付きながらも服を脱ぎ、全裸になるミツヒデ。  
そんなミツヒデを見てノブナガは、思う。もはや完全に我の操り人形だな、と。  
 
「覆いかぶさり口付けで攻めればいいのですね?」  
 
 まだグッタリとして動けないヒデヨシに覆いかぶさったミツヒデ。  
その大きな胸が、秀吉の胸の上で押しつぶされ、お互いの乳首を刺激しあっている。  
 
「そうじゃなぁ……榛名を使いやすいようにヒデヨシの両足を貴様の足で広げるようにいたせ」  
「はは!かしこまりました!」  
 
 ノブナガに言われるがまま、覆いかぶさった状態で両足を使い、ヒデヨシの両足を広げる。  
自身の股間も丸見えになっているのだが、気が付いていないのか、まったく気にする様子もない。  
 
「では、我が貴様にしたように、口付けで攻めるがよい。我は頃合を見て榛名で攻めるとする」  
「はは!では、この明智ミツヒデ、豊臣ヒデヨシを攻撃開始いたします!……ん、んちゅ、ちゅちゅ」  
 
 ミツヒデの口付けを逃れようと身をよじるヒデヨシ。  
しかし上から覆いかぶされており、先ほど強烈に達したため、力がまったく入らない。  
最初は抵抗していたヒデヨシだったが、いつしか彼女も舌を使い出し、ミツヒデの胸に手を伸ばしてその感触を楽しみだした。  
ノブナガは、今目の前で行われているみだらな行為を皮肉な笑みを浮かべ、眺めている。  
かつては両名共に謀反を企て、ノブナガの命を狙った裏切り者だ。  
その2人が、今、目の前でお互いの胸を揉みながら口付けをかわし、お互いの唾液を飲み込んでいる。  
丸見えになっている下半身は、2人共にドロドロに濡れており、2人が性的に興奮しているのが分かる。  
ノブナガは改めて思う。榛名の力の凄さを。  
散々榛名の力を試すために使ったミツヒデはともかく、少しの時間しか使用していないヒデヨシでさえ、  
股間をドロドロに濡らし、ミツヒデと一心不乱に口付けを交わしているのだから。  
 
「さて、そろそろ頃合か?」  
 
 楽しそうに2人の行為を見ていたノブナガは、榛名を片手に立ち上がり、2人の丸見えになっている股間に榛名を近づける。  
 
「ではそろそろ本気を出せ、榛名よ!ヒデヨシを落としてしまえい!」  
 
 赤く光を放ちだした榛名は、低い音と共に細かく、そして激しく振動を開始した。  
その榛名を、濡れて光っている何も生えていないヒデヨシの股間に近づける。  
 
「ヒデヨシよ、我に忠誠を誓え。我の配下となり、一生を尽くせ!」  
 
 激しく振動する榛名を股間に当てた習慣、まるで雷に打たれたかのように全身を痙攣させるヒデヨシ。  
上に乗っているミツヒデを振り落とそうかという勢いだ。  
 
「んん〜!んんん〜!んっんん〜!ふぐぅぅぅぅ〜!!」  
 
 しかしミツヒデがその体を抑え、口付け続けている。  
ヒデヨシは榛名の衝撃から逃れることが出来ず、叫び声を上げることすら出来ず、全身を痙攣させ、全身を快楽の海へと沈めた。  
 
「はぁっはっはっはぁ〜!派手に達しおったわ!ほれ!もっといけ!どんどんいけ!」  
 
 榛名からもたらされる強烈な快楽に沈んだヒデヨシ。しかしノブナガはそのまま沈んでいくことを許さなかった。  
ヒデヨシが涙を零し、全身を痙攣させて意識を失っても、榛名を当てることを止めなかった。  
何度も意識を失っては起こされて、また意識を失わされる。  
何度も何度も繰り返され、快楽に支配された思考で、ヒデヨシは自分がノブナガのペットなんだと悟った。  
アタシはノブナガ様のペットなんだ、ノブナガ様のために働かなきゃいけないんだと悟ってしまったのだ。  
 
「はっははははは〜!もはや抵抗する力も無い様じゃなぁ?」  
 
 視線の定まらない瞳で、宙を見つめるヒデヨシ。  
その耳にはノブナガの言葉は入ってこず、ただ、快楽に支配された思考がアタシはノブナガ様のペットなんだと繰り返していた。  
 
「これにてヒデヨシは陥落したようじゃな。ようやったミツヒデ!褒美をとらすぞ!」  
 
 ヒデヨシの愛液でドロドロになった榛名を手にミツヒデにほほ笑みかけるノブナガ。  
ミツヒデはその笑みの意味を理解し、自ら四つんばいとなり、尻を振る。  
 
「お願いでございます……早く、早くミツヒデにお慈悲を!」  
「はっははははぁ〜!お主は本当に手のかかる下僕じゃな。では、褒美を取らせて……なんじゃ?」  
 
 ミツヒデに榛名を使おうとしたノブナガの手が止まる。  
尻を振り、榛名を求めるミツヒデの横に、虚ろな目をしたままのヒデヨシが座り、ミツヒデと同じく四つんばいになったからだ。  
 
「くっ、くくっ……よかろう、貴様ら2人に褒美をくれてやるわ!」  
 
 視線の定まらない瞳でミツヒデに向かい、ニッコリとほほ笑み、ミツヒデの手をギュッと握るヒデヨシ。  
ミツヒデも握り返し、ほほ笑み返す。  
その様子を満足げに眺めていたノブナガは、赤く光る榛名をミツヒデの股間に押し当てる。  
 
「ひぎぃ!い、いいい!ノ、ブナガ、ざま!ミ、ミツヒデは!ミツヒデはぁぁ〜!」  
「はぁ〜っはっはっはぁ!次はサルじゃ!」  
「んあああ〜!ノブナガさまぁ!い、いい!気持ちいい〜!ヒデヨシはぁ〜!ヒデヨシはぁ〜!」  
 
 交互に代わる代わる2人を攻めるノブナガ。  
ミツヒデがイクとヒデヨシに移り、ヒデヨシが達すると、ミツヒデを犯す。  
ミツヒデが失禁をし、意識を失い、ヒデヨシが泣きながら全身を痙攣させ意識を失った時、ノブナガは榛名を止めた。  
お互いの手をギュッと握り締めたまま榛名で攻められ、ほぼ同時に意識を失ったミツヒデとヒデヨシ。  
こうして、豊臣ヒデヨシの長い一日が終わった。  
 
 ……戦国の世を争う8人の乙女、戦国乙女の1人豊臣ヒデヨシ。  
彼女は同じく戦国乙女の1人、織田ノブナガの手に落ち、明智ミツヒデと同じく快楽の底へと沈んでいった。  
 
「ねぇノブナガさま〜?一緒にお風呂はいってもいい?」  
 
 ノブナガの寝室で、ノブナガに寄り添うように布団に入っていたヒデヨシ。ノブナガに腕枕をしてもらい、ご機嫌のようだ。  
 
「わ、私もご一緒させていただきたいです!」  
 
 同じく寄り添うように布団で寝ていたミツヒデが言葉を挟む。  
ノブナガに腕枕をしてもらい、うれし泣きをしていたのか、目には涙の後が残っている。  
 
「そうじゃなぁ……では共に入り、一汗流すとするか?」  
「やったぁ〜!アタシ、お背中流しま〜す!」  
「抜け駆けとは卑怯だぞ!ノブナガ様の背中は私が流すと決まっているんだ!」  
「あああ〜!うるさい!耳元で騒ぐでないわ!」  
 
 あの後、意識を取り戻した2人を連れて、寝室で仮眠を取ったノブナガ。  
ヒデヨシが配下に加わったため、機嫌がよかったのか、2人に腕枕をしてあげるというサービスまでしたようだ。  
 
「ゴ、ゴメンなさい……」  
「申し訳ありません……」  
 
 ノブナガに一喝されたことにより、シュンとする2人。  
そんな2人を見てノブナガは思う。さすがは榛名だ、ヒデヨシもミツヒデ同様に我の虜だな、と。  
 
「交代で流せばいいだけの話であろう。ではさっさと湯につかり、汗を流すとする……」  
 
 布団から起き上がり、湯船に向かおうとしたノブナガ。その時、大慌ての伝令が寝室に駆け込んできた。  
 
「も、申し上げます!駿河の今川ヨシモト、軍勢3万を率い、進軍しているとのことです!  
狙いは……おそらく榛名とのこと!我らを攻めるつもりです!」  
「ば、馬鹿な!3万だと?そんな桁外れな軍勢を、率いて攻めてくるだと?」  
 
 ミツヒデが信じられないといった表情で声を上げる。  
 
「イエヤスは?徳川イエヤスはどうしたのよ!まさかもう滅ぼされちゃったの?」  
 
 ヒデヨシも驚きの声を上げる。  
駿河から攻め込んでくるには、途中にある三河を通れなければいけない。  
三河には、戦国乙女の一人、徳川イエヤスがいる。そのイエヤスはどうしたのか、と。  
 
「そ、それが……イエヤスは城から出てこず、ヨシモト軍の進軍を許した模様です」  
「……くっくっく、それはそうであろう。3万の大軍、普通なら相手になど出来ぬわなぁ。  
しかしあのヨシモトに、そこまで力があるとはなぁ」  
 
 煙管を咥え、一息吸い込み白い煙を吐き出すノブナガ。  
その表情はまるで、3万の軍勢が迫っていることを楽しんでいるかのようだ。   
 
「ヒデヨシ、ミツヒデ。風呂は後じゃ。まずは……ヨシモト軍を打ち倒し、今川ヨシモトを生け捕りにいたす!  
……この戦で武功を立てた者に、我が背中を流す権利をくれてやろう。2人とも、我が背中を流したいのであれば、励むがいい」  
 
 大剣を手に取り、寝室を出て行くノブナガ。  
ノブナガの背後では、ミツヒデとヒデヨシがお互いを睨みつけ、ライバル心をむき出しにしている。  
その様子を背中で感じ、ノブナガは思った。  
ヨシモトよ、3万でも5万でも引き連れてくるがいい。雑魚をいくら率いてこようとも、我らを倒すことは出来ん!と。  
 
 ノブナガは、今川ヨシモトを迎え撃つために軍議を開き、決戦場所を定めた。  
そして、すぐに出陣をし、今川軍との決戦の地……桶狭間へと向かった。  
 
 

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