「ふぅ、暑いですわね〜。こう暑いと縁側で葛切りでも食べながら、涼みたいものですわ」  
 
 兵士達が担ぐ輿に乗り、パタパタと扇子を仰ぐ武将が一人。  
その艶やかな黒髪をなびかせ、扇子を仰いでいる。よほど暑いのか、その豊満な胸元には汗が少し滲んでいる。  
 
「ヨシモト様、やはり徳川イエヤスは城から出てくる様子はありませんね。  
我らの軍勢を見て、もはや天下を諦めているのではありませんか?」  
「そう、分かりましたわ。ですが、油断は禁物、くれぐれも油断はしないように、兵士の皆さんにおっしゃって下さいな」  
「はは!分かりました!」  
 
 伝令はヨシモトの指示を、彼女が率いる全軍に伝達に走る。  
そう、この輿に乗った武将こそ、戦国乙女が一人、今川ヨシモトである。  
ヨシモトは、前代未聞の軍勢3万人を率い、伝説の勾玉、榛名手に入れた織田ノブナガを打ち滅ぼそうと立ち上がったのだ。   
 
「ふぅ、ホントに暑い……いっそのこと奇襲でもしてこないものかしら?  
この軍勢相手にいくら榛名があろうとも、ノブナガ軍だけでは太刀打ちできないのは分かっているはず……どう出てくるのかしら?」  
 
 パタパタと扇子を仰ぎ、手ぬぐいで胸元の汗を拭う。ふと何かを思いついたのか、扇子を仰ぐその手が止まる。  
 
「ふむ……出てこないのなら、おびき出せばよいのです。  
木陰に隠れた子猫を誘い出すのと同じく、美味しいご飯を用意してあげればいいだけのこと。  
……うん、そうしましょう。みなさ〜ん、少し休憩しますわ〜。どこか休める場所を探してくださいな」  
 
 3万の軍勢を率いるヨシモトは、ノブナガの領土への進軍の途中、休憩のため、進軍を止める。  
そして彼女は、桶狭間という場所にある小さな寺で、しばしの休息をとることにした。  
 
「ふぅ……やはり日陰は涼しいですわね。……皆さんに注意するように伝えてくださいな。  
お行儀の悪い野良猫ちゃんが襲ってくるかもしれないので、準備に怠りなく有事に備えるように、と」  
「え?襲ってくる?どういう意味ですか?」  
 
 首をしげる伝令兵に、ヨシモトはニコリとほほ笑み、口を開く。  
 
「ノブナガという野良猫ちゃんが、ヨシモトという可憐な小鳥を狙ってくるということですわ」  
「え?えええ!ということは……この休憩はノブナガを誘い出すために?」  
「そ、この軍勢を相手に勝つ方法はたった一つ。それは、このヨシモトを倒すことですわ。  
ですが、篭城戦では、わたくしを倒すことは出来ませんわ。  
わたくしを倒すには野戦……しかも数の違いもあり、まともには戦えないノブナガは奇襲を選択するに決まってますわ。  
ならわざと奇襲する隙を作って差し上げて……あとはお分かりになるでしょ?」  
 
 ニコリとほほ笑むヨシモトに、伝令兵は寒気を覚える。  
世間でヨシモトは、世間知らずの苦労知らずなお嬢様。天下など取れる器ではないと噂をされている。  
しかし実際は、育ちがいいためか少し世間に疎いところもあるが、このように策略にも長けており、  
彼女が本気を出したのなら、榛名などに頼らずとも天下を統一できる器があると信じている。  
あの甲斐の虎、武田シンゲンと同盟を結び、3万もの軍勢を集めることに成功したのだ。  
伝令兵は誇らしく思う。世間の無知な者どもよ、戦国を統一するのはこの今川ヨシモト様だ!と。  
ヨシモト様が本気になられたのだ、例え榛名を手に入れたといえ、この軍勢相手にノブナガだけで何が出来るものか!と。  
 
「はは!かしこまりました!奇襲に備え、準備に怠りないように活を入れてまいります!」  
「野良猫退治を終えた暁は、ここ桶狭間で大宴会といきましょう」  
 
 伝令兵はニコリとほほ笑むヨシモトに、このお方の配下でよかったと心から思う。  
ノブナガを討ち果たした後での大宴会を楽しみにし、伝令兵は全軍に指示を出しに走る。  
しかし、彼女は知らなかった。そして、ヨシモトも知ることが出来なかった。  
ノブナガに新たな2人の武将が配下に加わったことを。  
そのことをヨシモトが知っていれば、攻め込もうとは考えはしなかったのかもしれない。  
知ってさえいれば、桶狭間という奇襲にうってつけの場所で、罠を張ろうとは考えなかっただろう。  
その情報を知ることがなかったために、この会話が、ヨシモトと伝令兵との間での、最後の会話となった。  
 
 最初、ヨシモトはその光景を、まるで悪夢を見ているかのような感覚で見ていた。  
次々と吹き飛ばされる自軍の兵士達。次々と無数のクナイが突き刺さり、悲鳴を上げながら倒れこむ兵士達。  
先ほどまで会話を交わしていた伝令兵が、敵将が打ち出したであろう衝撃波に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。  
輿を担いでくれていた兵士達が、次々とクナイに襲われ、うめき声を上げて倒れこむ。  
ヨシモトは混乱をしていた。目の前で起こっている現実が、信じられなかったからだ。  
しかし、次々と伝令が伝える事実が、ヨシモトを現実へと引き寄せる。  
 
「……では、ノブナガの配下に、明智ミツヒデと豊臣ヒデヨシがいるということなのですね?  
で、その2人が軍を率い、我らを急襲してきた、と。……被害はどうなっているのですか?」  
「被害は甚大!ほぼ半数の部隊が壊滅的な被害を被りました!ですが、明智軍はほぼ壊滅!  
残るはわずかな手勢を率いているミツヒデ本人のみです!」  
「豊臣勢も同じくヒデヨシとわずかな手勢のみです!」  
「……そう、分かりましたわ。ノブナガに降った哀れなミツヒデとヒデヨシは、このヨシモトが討ち果たしますわ!」  
 
 フルフルと肩を震わせ怒りに震えるヨシモト。  
自らが率いてきた3万の軍勢が、予想だにしなかった2人の戦国乙女の手によって、半壊状態へと追い込まれた。  
ノブナガの奇襲の備え、万全の体制をとってはいた。  
天下に名高い戦国乙女、織田ノブナガを相手にするのだ、ある程度の損害を受けるとは考えていた。  
しかし、まさかノブナガ以外の戦国乙女が攻めてくるとは予想もしていなかった。  
……2人の戦国乙女が攻めてくるなどと、想像すらしていなかった。  
ヨシモトはこの苦境に、思わず笑みを浮かべてしまう。  
 
(さすがは世に名高い明智ミツヒデと豊臣ヒデヨシ、やりますわね)と。  
 
 怒りに燃える瞳で2人の敵を探すヨシモト。  
その怒りに燃える視線の先に、空中高く舞い上がり、無数のクナイを投げつける敵将の姿が映る。  
 
「……見つけましたわ!明智ミツヒデ……よくもわたくしの可愛い兵隊さん達を!くらいなさい!」  
 
 ヨシモトの左手が光を放ちだす。光りが収まったかと思うと、その手には弓が握られていた。  
そして、視線を憎き敵、明智ミツヒデから逸らすことなく、華麗に宙へと舞い上がる。  
 
「兵士の皆さんのカタキ!決して許しませんわ!喰らいなさい!……烈風真空波!」   
 
 宙に舞ったヨシモトの右手が光る。  
その光の中心には光の矢が握られており、その光の矢が明智ミツヒデに目がけ、気合一閃!打ち放たれた!  
ヨシモトから放たれた光の矢は、光の衝撃波となり、ミツヒデを目がけ一直線に飛んでいく。  
しかし、ミツヒデも戦国乙女の一人、気配でその攻撃を感じ取り、かわそうとした。  
だが光の矢は、かわす事すら許さず、直撃を避けたはずのミツヒデを、周りにいた配下の兵もろとも吹き飛ばした!  
砂煙を上げ、地面に突き刺さった光の矢。  
砂煙が収まった時そこに残っていた物は、えぐれた地面と、その中心に突き刺さった一本の矢。  
その矢の周りには、ミツヒデが率いていた一群がうめき声を上げ、倒れこんでいた。  
地形が変わるほどの衝撃。まともに直撃を喰らっていれば、いかに明智ミツヒデといえ、死を逃れることは出来なかったであろう。  
しかし直撃を避けたとはいえ、ミツヒデは甚大なダメージを負っていた。  
かすっただけなのに、そのかすった右腕が使い物にならないほどのダメージを負ったミツヒデ。  
骨折した右手をプラプラとさせながら、まだ戦おうとクナイを手に構える。  
自らを襲った矢を放った人物を探しているようだ。しかしその足元はおぼつかなく、深刻なダメージ受けたことが分かる。  
その様子を見たヨシモトが、ニコリとほほ笑み口を開く。  
 
「手ごたえあり、ですわ。さ、皆さん、明智ミツヒデを捕まえてきてくださいな。  
何故織田ノブナガに組しているのかを、問いただしますわ」  
 
 ヨシモトの周りにいた兵達はゴクリと唾を飲み込んだ。なんて威力の攻撃を放つんだ、ヨシモト様にお仕えしててよかったと。  
ヨシモトの力を見せ付けられた兵達は、士気が上がり、一気に明智ミツヒデに襲い掛かる。  
……士気が上がり過ぎたためか、そのミツヒデの様子がおかしいことに気がつけないでいた。  
もちろん、遠方から攻撃したヨシモトに見えるはずもない。  
ヨシモトの攻撃を受け、瀕死の状態に追い込まれたはずのミツヒデが笑みを浮かべていたのだ。  
 
「ノブナガ様、今川ヨシモトの居場所、このミツヒデが掴みました」と呟きながら。  
 
 ヨシモトが光の矢を放ち、ミツヒデを攻撃した時、少し離れた高台から、その様子を見ていた軍勢があった。  
その軍勢の先頭に立つ、大剣を手に持ち煙管を咥えた人物が、皮肉な笑みを浮かべながら白い煙を吐く。  
 
「ふぅ〜……ようやったわ、ミツヒデ!よう囮としての役目を果たした!」  
 
 手にした大剣を天高く掲げ、背後に従う軍勢に命令を下す。  
 
「駿河のお嬢様はあそこにいる。たかが3万の兵で、このノブナガを倒そうとしたことを後悔させてやるわ!  
皆の者!ヨシモトを……今川ヨシモトを生け捕りにせよ!全軍、突撃じゃ〜!」  
 
 気合一閃、大剣を振り下ろし、突撃命令を下すノブナガ。  
ミツヒデやヒデヨシの戦いぶりを見ていた兵達は、我も我もと士気高く、次々とヨシモト軍に襲い掛かる。  
ミツヒデ隊を壊滅させたヨシモトは、油断をしていた。  
否、油断ではなく、ヒデヨシ隊に意識を集中させていたのだ。  
いくら壊滅状態とはいえ、ヒデヨシが健在であれば、戦況はどう転ぶか分からない。  
だからヨシモトはミツヒデ同様に、遠方からの攻撃でヒデヨシを討とうと隙をうかがっていたのだ。  
そこへ不意を付いてのノブナガ本軍の奇襲攻撃。まさかの奇襲で浮き足立つヨシモト本陣の兵士達。  
それに呼応するかのようなヒデヨシのヨシモト本陣への攻撃。  
もはやヨシモト軍は混乱をし、軍としての機能を失った。  
いくら東海一の弓取りを歌われた今川ヨシモトとはいえ、一度崩れてしまった軍勢を立て直すことは困難であった。  
    
「き、きぃぃぃぃ〜!ふ、不本意ですが、撤退しますわ!一度領内に戻り、軍を建て直しますわ!」  
 
 伝令兵に指示を出し、自らが小刀を持ち、襲い掛かるノブナガ兵を打ち倒す。  
 
「皆さん、撤退ですわ!戦場を離れ、駿河まで撤退ですわ!」  
 
 自ら両軍が入り乱れる戦場へと駆け出し、撤退を叫ぶヨシモト。  
一人でも多くの兵を逃がそうと、自らが敵兵に襲い掛かり、次々と打ち倒す。  
慣れない小刀で襲い掛かるノブナガ兵達を打ち倒し、配下の兵達を逃がすヨシモト。  
何十人と打ち倒し、全身で息をするほどに疲労したヨシモトの前に、2人の敵が姿を見せた。  
その2人を見て絶望し、手にした小刀を落としてしまう。  
 
「ね〜ノブナガさまぁ、アタシが倒してもいい?」  
「いや、このノブナガに弓を引いたのじゃ。ならばこのノブナガ自らが打ち倒してやらんとなぁ」  
   
 ニヤリと笑みを浮かべたノブナガは、手にした大剣を高く掲げ、ヨシモトに話しかける。  
 
「3万の軍勢を集めるとは、さすがは東海一の弓取り、今川ヨシモトじゃな。  
だが、この織田ノブナガを打ち倒すには、3万では少なすぎたようじゃなぁ」  
「お、のれぇ……おのれノブナガぁ!」  
 
 落とした小刀を拾い上げ、ノブナガに襲い掛かるヨシモト。  
ノブナガはそんなヨシモトの姿を見て、愉快そうな笑みを浮かべ、大剣を振り下ろす。  
 
「くっくっく……はぁっはっはっはぁ!負け犬の遠吠えが聞こえよるわ!  
貴様も榛名の力を使い、我の配下としてやろう。しばらくは大人しく寝るがいい!喰らえ!非常ノ大剣!」  
 
 ノブナガが放った炎の衝撃波がヨシモトを襲う。  
衝撃波に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられるヨシモト。  
薄れいく意識の中、高笑いを上げ、歩いてくるノブナガの姿が目に入る。  
 
 こうして、今川ヨシモトの、天下統一の野望は散った。  
そして……ヨシモトにとって、人生で一番長い、夜が始まるのであった。  
 
「ミツヒデ、ヒデヨシ。3万の軍勢相手に、両名ともよう戦った。  
とくにミツヒデ!お主の働きのおかげでこの通り……今川ヨシモトを生け捕りに出来たわ」  
 
 満面の笑みを浮かべるノブナガが煙管で指し示した先には、グッタリとして動かない人物が。  
机の上に、両手両足を広げるようにして縛られているヨシモト。  
ノブナガの技をまともに喰らい、今だ気を失ったままだ。  
 
「では、両名に恩賞を与えよう。まずはヒデヨシ!」  
 
 ニコニコと笑みを浮かべノブナガの前に進むヒデヨシ。  
そんなヒデヨシを立たせ、ギュッと抱きしめるノブナガ。  
 
「よう戦ったなヒデヨシ。その激しい戦いでかすり傷一つ負わなんだことは、さすがは豊臣ヒデヨシじゃ」  
「エヘヘヘ、ありがとうございます!ノブナガさま!」  
   
 ナデナデとノブナガに頭を撫でられ、嬉しそうに微笑むヒデヨシ。  
ノブナガもまるで妹を褒めるかのように嬉しそうな顔をしている。  
 
「褒美はそうじゃなぁ……今宵の夜伽の相手をしてもらうとするか」  
「いやったぁ〜!ノブナガ様ありがとうございます!」  
「ま、待ってください!ではこのミツヒデへの褒美はどうなるのですか!」  
 
 ヒデヨシへの褒美を聞いて、慌てるミツヒデ。  
今回の戦では自分が武功一番だと思っていたのだから当たり前だ。  
 
「あぁ?ミツヒデ、貴様……この我に文句を言いたいのか?」  
「い、いえ、そのようなことは決して……」  
 
 怒りに震える表情で、ミツヒデに近づくノブナガ。  
怒りに震えるノブナガを見て、ミツヒデは震え上がっている。  
 
「ミツヒデ貴様、このノブナガの下僕の分際で、いつもいつも文句を言ってきよるな」  
 
 ミツヒデの胸元を掴み顔のすぐ側まで引き寄せる。今にも殴ろうとする勢いだ。  
 
「も、申し訳ありません!出すぎたマネをいたしまして、申し訳ございません!」  
「謝れば許されると思うたか!貴様のような下僕は、こうじゃ!」  
 
 怒りに震える表情で、固めた拳を振り上げる。  
殴られる!そう思ったミツヒデは両目をギュッと瞑り、歯を食いしばった。  
しかし、予想していた衝撃は来ずに、唇に甘い感触が触れた。  
何が起こったのかと目を開くミツヒデ。  
目を開いたそのすぐ先に、ノブナガの顔があり、唇を割ってなにか柔らかいものが口内に入ってきた。  
クチュクチュと口内で蠢く柔らかい物体。  
その物体が蠢く度、ミツヒデの力は抜けていき、ノブナガに抱き支えられる。  
ノブナガは殴ると見せかけて、先の戦いのように奇襲で口付けをしたのだ。  
その攻撃に不意を突かれたミツヒデは、完全に攻め落とされた。  
攻め落とされたミツヒデは、口内をノブナガに蹂躙され、されるがままになっている。  
 
「……ん、ちゅ、んん。はぁっはっはっは!どうじゃ?驚いたか?」  
 
 突然の口付けに訳が分からず唖然とするミツヒデ。  
その様子を見ていたヒデヨシは、羨ましそうにノブナガを見ている。  
 
「では、ミツヒデへの恩賞を授けよう。……では行くぞ、ミツヒデ」  
 
 恩賞を授けると言ったノブナガは、どこかへ向けて歩き出す。  
今だ口付けの衝撃から立ち直れないで居たミツヒデは、その後姿を見て我に返り、慌てて後を追いかける。  
 
「ど、どちらへ行かれるのですか?」  
「湯じゃ。戦で掻いた汗を流すのじゃ。……ミツヒデ、背中を流すがよい。それがお主への恩賞じゃ」  
「わ、私ごときがお流ししてもよろしいので?あ、ありがとうございます!」  
「はっはっは、貴様も手が折れて不自由であろう?お主の背中は我が流してやろう」  
 
 そう言ったノブナガは笑みを浮かべ、榛名をミツヒデに見せ付ける。  
榛名を見て、顔を真っ赤に染めたミツヒデは、コクリと頷きノブナガの背中を守るようにあとに続く。  
 
「おぉ、そうじゃ、忘れるところであったわ。ヒデヨシ、我等が湯から上がるまで、ヨシモトを温めておけ」  
「温める?……あ、そっか!分りました、ノブナガさま!」  
 
 ノブナガの意図することが分らず、首をかしげたヒデヨシであったが、  
すぐに意味を理解して、分りましたと大きく頷く。  
それを見たノブナガは、満足げに頷いた。  
 
「湯から上がればすぐにでも始める。では、頼むぞヒデヨシ」  
 
 ヒデヨシに謎の命令を出し、ミツヒデを連れて風呂場へと向かうノブナガ。  
命令を受けたヒデヨシは、部屋の中を物色し始めた。  
そして、小刀と一本の筆を手に取りヨシモトへと歩み寄る。  
 
「へっへっへ〜、実験実験、大実験〜」  
 
 嬉しそうに無邪気な笑みを浮かべながら、ヨシモトの衣服を切り裂くヒデヨシ。  
甲冑を剥がし、衣服を切り裂き、何も身につけていない状態へとする。  
染み一つない、見事な体に感嘆の溜め息を漏らすヒデヨシ。  
寝た状態でも形を崩すことのない見事な胸を見て、自らの胸を触り、ガックリと肩を落とす。  
 
「……アタシは普通だもん。みんながおっぱいお化けなだけなんだもん」  
 
 ノブナガが聞けば、大爆笑するであろう言い訳をしながら、ヨシモトのその見事な胸に筆を走らす。  
ノブナガにも勝るとも劣らない見事な巨乳。ヒデヨシでなくともその大きく、そして美しい乳房に憧れを抱くであろう。  
しかしその美しい乳房は、ヒデヨシの玩具と化している。  
ヒデヨシが手にする乾いた筆が触れる度、ピクリと反応するヨシモト。  
自分の胸と比較をしてしまい、落ち込みながらもその乳房に筆を走らせていたヒデヨシは、  
その反応が面白いのか機嫌もよくなり、興味津々といった表情で、さらに筆を走らせた。  
先端の桃色の突起を重点的に攻め始めた時、ヨシモトが意識を取り戻した。  
 
「あ、ん……んん?んな?な、何をしているのですか?あん!おやめなさい!こら!ん、やめなさい!」  
 
 ムズムズとした、甘い感覚に目を覚ましたヨシモトは、驚きを隠せない。  
ノブナガにやられて意識を失い、気がついてみれば……縛られており身動きがとれない。  
それだけならまだいい。何故か裸にされ、胸にイタズラをされているではないか。  
筆で胸の先端を刺激され、今まで感じた事のない、妙な感覚が身体を駆け巡る。  
 
「コ、コラ、止めなさ、あん!つ、摘むのはダメですわ!ひゃ!お腹をくすぐらないでぇ〜!」  
「あ、やっと目が覚めたんだ。えへへへへ〜……よかったね、ヨシモト。ノブナガさまがお風呂上りに苛めてくれるんだって!」  
 
 ヒデヨシはニコニコと嬉しそうな顔で、筆で刺激された為に大きくなってきたヨシモトの乳首を引っ張り、  
筆は胸からお腹へとゆっくりと下ろしていく。  
 
「ひゃう!い、苛める?苛めるとはいったい……きゃ!」  
 
 ヒデヨシは筆でおへそをコチョコチョとしながら、乳首を口に含み、軽く歯を当てる。   
時折吸い付き舌で転がし、転がしては歯で軽く噛みつく。  
噛み付きながら筆でおへそ、わき腹太ももへと刺激を与え、ヨシモトの反応を見る。  
   
「あ、ん……な、何故このような破廉恥なことを……んん!」  
「ノブナガさまはねぇ、もっと上手なんだよぉ?ミツヒデなんて、毎回お漏らししちゃうくらい感じちゃうんだから!」  
 
 筆で刺激され、ツンと上を向いた乳首を指で挟み、クニクニと押しつぶし、時折舌で舐めあげる。  
これはヒデヨシ自身がノブナガにしてもらったことなのだが、思いのほか効果はあったようだ。  
乳首を摘む度に背中をそらし、押しつぶす度、苦しそうに声をあげる。  
舌で舐めあげると息が荒くなり、甘い声をあげる。  
ノブナガに命令された通りにヨシモトの体は、ヒデヨシの拙い前技でも、徐々にだが、温まってきたようだ。  
 
「あ、はぁん!や、やめて、お願い、もうやめて……」  
「うわ!すっごい濡れてきたよ!ねぇヨシモト、アタシにオッパイ舐められて気持ちいいの?ねぇ気持ちいいの?」  
「お、おやめなさい!ひゃ?こ、こらぁ!そんなところイタズラしてはいけません!」  
 
 指に付いた粘液を見て、満面の笑みを浮かべるヒデヨシ。  
これでノブナガさまの命令は果たした事になるのかな?  
そんなことを考えているのだろうか?ヨシモトを攻める手が止まった。  
その隙を見て、逃げ出そうと暴れ出すヨシモト。  
しかし、体中を縛られていては逃げることなど出来るはずもなく、一段と縄が体を締め付けるだけだった。  
 
「あはははは!逃げれるわけないよ、もう諦めちゃえば?」  
「い、いい子だからこの縄を解いてくださらないかしら?美味しいお菓子を買い与えますわよ?」  
「……いい子?おかし?」  
「そ、とても美味しいお菓子ですわ。京の都のお菓子はとても美味ですわよ?」  
 
 暴れたことで縛りがきつくなり、痛さに顔を歪めながらヒデヨシに話しかけるヨシモト。  
お菓子でヒデヨシを買収しようとしているのだろうか?そんな哀れなヨシモトを鼻で笑うヒデヨシ。  
 
「あはははは!お菓子なんかでアタシを買収しようなんて、バカなこと考えない方がいいよ」  
「いい子だからお姉さんを逃がしてちょうだい。  
貴女の様な子供を戦に巻き込むノブナガに味方をしても、いいことなんてありませんわよ?」  
「子供?お姉さん?ねぇヨシモト、さっきから何を言ってるの?アタシ、意味が分からないんだけど?」  
 
 ヨシモトの言葉の意味が分からずに、頭の上にはてなマークを浮かべるヒデヨシ。  
そんなヒデヨシにヨシモトは優しく語り掛ける。  
 
「きっと食べていく為に、嫌々ノブナガなんぞに仕えているのでしょう。  
お辛いでしょうに……わたくしは貴女のような子供が、笑ってすごせる様な平和な国を作りたいのです」  
「子供?え?ええ?アタシが子供?」  
「そう、貴女のような幼子を健やかに育てることができる、平和な世を作りたいのです。  
お願いしますわ!平穏な世を作る為に、この今川ヨシモトを助けてくださいな!」  
   
 ここに来てやっとヒデヨシはヨシモトが何を言っているのかを理解した。  
理解した瞬間、怒りで頭の中が沸騰しそうになる。  
ヨシモトは、目の前にいるこの少女のことを、自身と並び称される戦国乙女の1人、豊臣ヒデヨシとは思っておらず、  
ノブナガに利用されている哀れな子供と思っていたのだ。  
だからヒデヨシに語りかける口調も、年下に話しかけるようにお姉さん言葉で話していたのだ。  
 
「んっふっふっふ……ヨシモト!アタシ、怒っちゃったもんね!怒ったんだからね!」  
 
 ギュウっと強く乳首を摘みあげ、キッと睨みつけるヒデヨシ。  
いくら幼く見えてしまう体型をしていても、子供と間違えるなんて、許せない!  
そんな怒りの表情でヨシモトを睨みつける。  
 
「イ、イタ!こら!そのようにしてはいけません!いい加減にしないとお姉さん、怒りますわよ!」  
「怒るのはアタシの方だよ!このアタシを……豊臣ヒデヨシを子ども扱いして……もう怒っちゃったもんね!  
後悔しても知らないんだから!泣いても許さないんだからね!」  
 
 頬をぷくっと膨らませ、怒りを表しているヒデヨシ。  
その仕草はとても可愛らしいものであり、ノブナガが彼女を妹のように可愛がる要因となっている。  
 
「え?豊臣……ヒデヨシ?えええ?あ、あなたが?貴女があの豊臣ヒデヨシなのですか?」  
「そうだよ、アタシがヒデヨシだよ」  
「た、確かに噂では幼子のような身体をしていると聞いてはいたのですが……本当だったんだ」  
 
 オドロキの眼差しでヒデヨシを見るその視線は、主に胸に注がれている。  
その視線を感じたヒデヨシは、一段と怒りを露わにした。  
 
「……あったまきた!カチンと頭に来ちゃったんだからね!」  
 
 頬をぷくっと膨らませ、プンプンと怒りを露わにするヒデヨシ。  
そんなヒデヨシを見て、ヨシモトは混乱をしている。  
このような小さな体の少女が、豊臣ヒデヨシとは信じることができないでいた。  
確かに戦場にて遠目で見たときも、小さな身体だとは思っていたが、このような幼い体つきとは思いもしなかったようだ。   
 
「今川ヨシモト!アタシを怒らせたことを後悔しても、もう遅いんだからね!泣いても許さないんだからね!」  
 
 筆を手にしたヒデヨシは、残酷な笑顔を見せる。  
その笑顔に背筋が寒くなるヨシモト。そんなヨシモトに手にした筆を見せつけ、それを下半身へと持っていく。  
 
「あ〜あ、さっきまで濡れてたのにもう乾いちゃってるよ。……また濡らさなきゃノブナガさまに怒られちゃう」  
「んな?ぬ、濡らすとかはもういいのです!それよりも何故あなた達がノブナガなどの配下になっている……ひゃん!」  
 
 自らの下半身からヒデヨシの興味をそらそうと話しかけたヨシモトであったが、  
ヒデヨシはそれを無視して筆を股間に走らせる。  
柔らかい筆先が一番敏感な突起に触れる度、背筋をゾクゾクとした感覚が走り、声が出る。  
先ほどまでの乳首攻めとは比べ物にならない快楽で、徐々に下半身が濡れていくのがヨシモト自身にも分かった。  
 
「あはははは!また濡れてきたね!筆でコチョコチョされるのが気持ちいいんだ?  
敵に捕まって、筆でイタズラされて気持ちよくなっちゃったんだ?」  
「き、気持ちよくなんか、んん!あ、あり、あん!ありません、わ!」  
「あはははは!じゃあさ、なんでこんなにヌルヌルなの?ほら、触ったらグチョグチョ音を出してるよ?」  
 
 筆先が濡れてしまい、使い物にならなくなったため、自らの指でヨシモトを攻めるヒデヨシ。  
突起を触る度、入口を弄くる度にクチュクチュと音を出し、溢れ出てきた粘液がお尻を伝い、机を濡らす。  
ヨシモトは歯を食いしばり、感じまいと必死に耐えているが、いつまでも続くヒデヨシの攻めに、音を上げそうになる。  
 
「ん、あん!ま、待って!少し、少しお話をしましょう!ですから、あん!手を止めて!」  
「え〜?お話したいの?う〜ん、ど〜しよっかなぁ?」  
 
 ヨシモトの提案に、指が止まるヒデヨシ。  
股間を蠢いていた指が止まり、ホッと一息つくヨシモト。  
しかし指を止めたヒデヨシの顔は、イタズラを思いついたような、少し悪い顔をしている。  
 
「アタシは話す事なんてないんだけどなぁ……うん、じゃあね、指は止めてあげるね?」  
「は、話すことはいっぱいありますわ!わたくしの国、駿河についてお話しましょ……きゃん!」  
 
 どうにかヒデヨシの意識を違う方向へと持っていこうと話しかけるヨシモトであったが、  
彼女の股間を指ではない、筆でもない何か柔らかく、蠢くものが這い出した。  
 
「んな?な、何をしたのですか!豊臣ヒデヨシ!あなた今、いったい何をしたのです!おやめなさい!  
お願い、やめて……きゃん!いやぁぁ〜!」  
「えへへへへ……ちゅ、ぺろ、ずずず……気持ちいいでしょ?」  
 
 股間に顔を埋めたヒデヨシが、濡れて光っているヨシモトを舐めあげる。  
小さな舌がチロチロと舐めあげる度、背中をそらし、声をあげるヨシモト。  
小さな唇が突起を吸い上げる度、泣きそうな声で許しを請う。  
 
「ごめんなさい!ごめんなさい!もう許して!お願いだからもう止めて!」  
「ちゅ、ずずずず……レロ、なんで?気持ちいいんでしょ?だってスッゴク濡れてるよ?もう机の上まで垂れちゃってるよ?」  
 
 もう許してと懇願するヨシモトを無視して舐め続けるヒデヨシ。  
その小さな舌がペロペロと蠢く度に、顔を左右に振り、もう止めて、もう許してと涙声で懇願をする。  
先ほどまで指で攻めていた時には見せることのなかったヨシモトの行動に、  
興味を覚えたヒデヨシは攻めるのを止め、問い質す。  
 
「ねぇなんで急にそこまで嫌がりだしたの?さっき指や筆でしてた時はそんなにも嫌がってなかったよね?」  
「ひっく、ぐす……もう、許して、こんな恥ずかしいこと……ぐす、嫌ですわぁ」  
 
 涙を浮かべ、恥ずかしいのは嫌だと言うヨシモト。  
ヨシモトの言葉を聞き、ニヤリと笑みを浮かべるヒデヨシ。また何か悪巧みを思いついたようだ。  
 
「えっへっへっへ〜。ヨシモトは恥ずかしいのが嫌なんだ?いいこと聞いちゃったぁ〜」  
「他人に見られるなど嫌ですわ。ましてや舐められるなど……正気の沙汰ではありませんわ」  
「じゃあさ、こんなのはもっと嫌なんじゃないの?」  
 
 ヒデヨシはそう言ったかと思うと再びヨシモトの股間に顔を埋めた。  
否、股間よりも少し下に顔を持っていき、その小さな舌を尖らせて、まるで槍のようにしてそこをつつき出した。  
 
「え?ふわわわわ!んな!あ、あなたおバカじゃありませんの!そんな汚いところを舐めるなんて!」  
 
 尻の穴に舌を這わされて慌てふためくヨシモト。  
そんなヨシモトを無視して、ひたすら舐め続けるヒデヨシ。  
最初は罵詈雑言をヒデヨシにぶつけていたヨシモトであったが、次第に口数が少なくなった。  
 
「ちゅ、ちゅちゅ、ねぇヨシモト、お尻気持ちいい?スッゴク濡れてるんだけど?」  
「んん〜!き、きもぢよくなんかありまぜんわ!」  
「そっか、気持ちよくないんだ?なんかね、お尻の穴がヒクついてて何かを入れてほしがってるみたいに見えるんだよね」  
 
 尻の穴から舌を離し、ヨシモトの反応を見ながら指で揉み解す。  
ヒデヨシの指がそのキツク絞められているお尻の穴を解す度に顔を歪め、必死に耐えるヨシモト。  
キツク歯を食いしばり、お尻にも力を入れて必死に抵抗をしている。  
少しでも緩めれば、指をねじ込んでくるのは目に見えている。  
それだけは阻止しないと……お尻に指を入れられるなんて、死ぬよりも恥ずかしいことですわと、必死に耐えている。  
そんな必死なヨシモトに、これでは埒が明かないと判断したヒデヨシは、少し攻め方を変えることにした。  
 
「お尻で感じちゃったんだぁ。今川ヨシモトともあろう武将がお尻を舐められこんなに濡れちゃったんだ」  
 
 そう囁いたヒデヨシは、お尻から指を離し、先ほどまで使っていた筆を手に取る、  
そして筆を持ったまま股間に顔を埋め、どんどんと粘液が溢れ出てくるヨシモトの入口に舌を這わす。  
 
「ちゅ、ぢゅちゅ、ぺろ、いっぱい濡れてるねぇ。お尻、そんなに気持ちよかったんだ?」  
 
 小さな突起をレロレロと舐めあげ、時折吸い付く。その動きにヨシモトは声を上げ感じてしまう。  
もはやヒデヨシの問いに答える余裕もなく、必死に感じまいと耐えている。  
しかし、キツク吸い上げられ、尚且つ舌で弄ばれた瞬間、ヨシモトの体全体の力が抜けた。  
 
「あ、あああああ〜!おかしい!体がヘンですわ!頭が!おかしくなってしまい……いやぁぁぁ〜!」  
 
 ヒデヨシは待っていた。ヨシモトが達して力が抜ける瞬間を。  
自身の経験で、達した後は全身の力が入らなくなり、何も出来なくなる。  
その瞬間を作り出すためにただひたすらにヨシモトを攻め続けたのだ。  
 
「いっただきぃ〜!」  
「は、はう、う、はぁぁぁ〜……え?えええ?い、いやぁぁぁぁ〜!」  
 
 体中を駆け巡った快楽に、頭が真っ白になり、全身の力が抜けたヨシモト。  
……違和感を感じた。何かが体に入ってくるような違和感。  
白い靄のかかる頭で、気のせいかしらと思った。  
しかしその違和感は、徐々に動き出し、それが違和感ではないことを示した。  
 
「ヤダ!やめて!もういや!いやぁぁぁ〜!」  
 
 その違和感の理由を知った瞬間、再びヨシモトの身体を白い快楽が駆け巡った。  
最初の快楽は、ヒデヨシが舐め続けた小さな突起からもたらされたものだった。  
しかし、2度目の快楽は……お尻に入り込んだ異物によりもたらされた物だった。  
 
「おおお〜?スゴイよ!筆が抜けそうにないよ!これ、もしかして中で折れちゃうんじゃないの?」  
「あ、あ゛あ゛ア゛あ゛ア゛がぁぁ〜」  
 
 お尻に入り込んだ筆により、無理やりに達せられたヨシモト。  
そのあまりにも強烈な快楽に、口をパクパクとさせ、声にならない声をあげる。  
お尻に筆を刺したまま、ヨシモトの意識は白い海へと落ちようとしていた。  
……ヨシモトにとってはそのまま落ちたほうが幸せだったのかもしれない。しかし、落ちることは出来なかった。  
何故なら途中からヒデヨシの攻めを面白そうに見守っていた人物がいたからである。  
その人物がヒデヨシに話しかける。  
 
『ヒデヨシ、ようやった!後はこのノブナガが仕上げてやるわ』と。  
 
「あ!ノブナガさま!いつから見てたの?」  
「あぁん?お主が子供と間違われた時くらいからじゃな。はっははは!ヨシモトはお主の胸を見て話しておったな」  
 
 愉快そうに笑うノブナガ。ヒデヨシは頬を膨らませむくれ顔になり拗ねている。  
そんなヒデヨシを引き寄せて抱きしめるノブナガ。  
 
「例え小さくとも感度はいいんじゃがなぁ。それがヨシモトには分からんと見える。のう、ミツヒデ?」  
 
 抱き寄せたヒデヨシの胸を弄びながら背後に控えるミツヒデに話しかける。  
そのミツヒデは目がうつろで、頬も赤く、足元が覚束ない。  
そんな少し様子がおかしいミツヒデに気がついたヒデヨシは、ノブナガに尋ねる。  
 
「あん、ノブナガさまぁ、ミツヒデの、んん!様子、少しヘンだよ?」  
「あぁん?あぁミツヒデはほうっておけ。あんな恥知らずはもういらぬわ」  
 
 なにかヘマをしたのか、ミツヒデに対し、怒り心頭のノブナガ。  
ヒデヨシは何を怒っているのか気になってはいたが、胸をもまれてそれどころではなくなってくる。  
 
「あ、んん……ノブ、ナガさまぁ、榛名、ちょうだい?」  
 
 潤んだ瞳でノブナガを見上げるヒデヨシ。  
片手は自らの股間へと伸びており、くちゅくちゅと音を出し動いている。  
 
「なんじゃ?お主も榛名が欲しいのか?じゃが今日はダメじゃな。今日の榛名はヨシモトに使うと決めておる」  
 
 ヒデヨシにそう囁くと、軽く口付けをしてヒデヨシを離す。  
唇に指をあて、残念そうに俯くヒデヨシ。そんなヒデヨシを燃えるような目で睨みつけるミツヒデ。  
その瞳にはまるで嫉妬の炎が宿っているようだ。  
 
「さて、このお嬢様をどう料理してやろうか。  
……先ほどまでのヒデヨシとのやり取りからして、辱めを与えてやるのがよさそうじゃな。  
どう辱めを与えてやろうか……ふむ、これでいくか」  
 
 煙管を咥え、少しの間考え込んだノブナガは、何かをひらめき、煙管を一息吸い込む。  
そして白い煙を吐き出し、背後に控えるミツヒデに手招きをする。  
 
「ミツヒデ、来るがよい。貴様が我の唇を奪おうとした罪、ことによっては許してやらんこともない」  
「え?ゆ、許していただけるのですか?あ、ありがとうございます!  
罪を許していただけるならこのミツヒデ、どのような命令にも従います!」  
 
 どうやらミツヒデは、風呂場でノブナガに口付けをしようとして、ノブナガの逆鱗に触れたようだ。  
見捨てられると思っていたミツヒデは、慌ててノブナガの足元に駆け寄り跪く。  
そんなミツヒデを見てニヤリと笑みを浮かべ、命令を下す。  
 
「ではミツヒデ。裸になり、ヨシモトの顔を跨ぐ形で膝で立つがいい。ヨシモトにキサマの股間を見られるがいいわ」  
「え?そ、そのようなことするのですか?  
いったいどのような理由があって……も、申し訳ありません!今すぐ命令に従います!」  
 
 よほど恥ずかしいのか、真っ赤な顔で服を脱ぎ、素っ裸になりヨシモトの顔を跨ぐ形で机の上に立つミツヒデ。  
片手は包帯で縛っており、ヨシモトの攻撃で受けた傷が生々しい。  
 
「ふむ、先ほどまで軽く榛名で苛めていただけあって、まだ濡れておるな。  
……今後勝手に我に口付けをしようなど考えるな。キサマは我の下僕じゃ。  
下僕は何も考えず、我の言うままに動けばいいのじゃ。よいな、ミツヒデ」  
「は、はは!かしこまりました!」  
 
 かなりの酷いことを言われているが、許してもらえたのが嬉しいのか、嬉々とした表情で喜ぶミツヒデ。  
そんなミツヒデにさらに命令を下す。  
 
「ふむ、立っておるだけでは芸がないな。……よし、見やすいように自らを指で広げておけ」  
「え?ひ、広げるのですか?」  
「そうじゃ、広げておけ。ヨシモトにお主の子宮が見えてしまうかのように広げておけ」  
「わ、分かりました。ご命令とあらば、従います」  
 
 羞恥のため、真っ赤に顔を染めてノブナガの命令どおりに自らを広げ、その桃色をした入口を見せ付けるミツヒデ。  
かなり恥ずかしいのか、広げる指が震えている。   
その様子を興味津々といった表情で見つめるヒデヨシ。  
命令に従うミツヒデを見て満足したのか、笑みを浮かべるノブナガ。  
そしてミツヒデの股間の下に寝転がり、時折痙攣をしているヨシモトの頬を叩き意識を取り戻させた。  
 
「起きろ、お遊びはこれまでじゃ。ここからが本番じゃ。我はヒデヨシのように甘くはないぞ?」  
「う、うぅぅぅ……う、んん、あぁ、こ、殺しなさい。この首、刎ねるがいいです、わ」  
 
 ヒデヨシによって、強制的に達せられたヨシモトは、意識朦朧としながらも殺せと訴える。  
隙を見て逃げ出そうと考えていたが、逃げることは不可能だと悟ったのであろう。  
しかしそんな覚悟を決めたヨシモトを鼻で笑い飛ばすノブナガ。  
残酷な笑みを浮かべ、手にした青く光る勾玉に命令をする。  
 
「はん!殺せじゃと?ある意味殺してやるわ!榛名よ!その力、駿河のお嬢様に見せ付けてやるのじゃ!」  
 
 ノブナガの命令に従うように振動を開始する榛名。低い振動音を出しながら蠢き出す。  
その蠢く榛名を縛られたまま動けないヨシモトの股間へと近づける。  
お尻にはまだ筆が刺さったままの状態で置かれており、ヨシモトの入口はドロドロに濡れて光っている。  
   
「くっくっく……はぁ〜っはっはっはぁ!そうかそうか、尻に刺さった筆が気持ちいいのか!  
ならばその筆に榛名を当てればどうなるんじゃろうなぁ?……夜は長い。いくらでも達するがいいわ!」  
 
 低い振動音を出しながら震える榛名は、ノブナガの手によって、お尻の穴に突き刺さったままの筆に当てられた。  
その振動は、筆を伝い、ヨシモトのお尻へと伝わる。  
そして、お尻から身体全体へと伝わり……ヨシモトは狂いだした。  
 
「ひぎぃ!やぁぁぁ〜!いやぁぁぁぁ〜!た、助けて!誰か!誰か助け……ウソ、こんなのウソですわ!  
こんな!お尻なんかでこのヨシモトが!お尻なんかで!そんな!イヤ!ウソ!ひぃ!あ、ひぃっきゃぁっぁぁぁぁ〜!」  
 
 筆を伝いもたらされた榛名の振動。その振動がヒデヨシによって温められていたヨシモトの快楽に火をつけた。  
ビクンビクンと何度も痙攣し、叫び続けるヨシモト。  
叫ぶ度、痙攣をする度に揺れるその綺麗な巨乳。  
ノブナガの攻めに狂うヨシモトを面白そうに見ていたヒデヨシは、その揺れる胸に口付けをする。  
そして、チュウチュウと吸いだし、さらにヨシモトを狂わせる。   
 
「お、しり!熱い!むねぇ!とけるぅ〜!ひぃやぁぁぁ〜!」  
 
 ビクビクと痙攣し、叫び声を下げるヨシモト。  
お尻を筆で犯され、胸を吸われて狂い続ける。  
そんなヨシモトの顔に水滴のようなものが、一滴二滴と落ちる。  
 
「はぁ〜っはっはっはぁ!狂いよる!こやつも榛名に狂いよるわ!のう、ミツヒデ!  
……見ているだけではイヤか?見ているだけで濡れてしまい、ヨシモトの顔を汚すか?キサマは恥知らずな下僕じゃなぁ」  
 
 榛名に狂うヨシモトを見て、自身が狂わされたことを思い出し、濡れてしまったミツヒデ。  
そのあふれ出した愛液がポタポタと、よがり狂っているヨシモトの顔に落ち、ヨシモトを汚す。  
 
「ひ、ひっく、申し訳、ありません。ミツヒデは、恥知らずな下僕でございます」  
 
 涙もポロポロと溢れ、愛液と共にヨシモトを汚す。  
その様子に満足げな笑みを浮かべたノブナガは、榛名を筆から離し、ミツヒデの股間へと近づける。  
 
「ではもっと恥知らずなところを見せてやるがいいわ!」  
 
 青く光る榛名を涙を零すミツヒデの股間に押し当てる。  
押し当てられるとは想像していなかったミツヒデは、突然の衝撃に叫び声を上げ、へたり込んでしまう。  
 
「ひぎぃ!お、おおぅ……お、ノブ、ナ……あ、あはぁ」  
「はぁ〜っはっはっは!もう達したのか?この恥知らずな下僕め!」  
 
 ヨシモトの顔の上で、ガクガクと振るえ、快楽に酔うミツヒデ。  
風呂場では、口付けをしようとしたためにノブナガを激怒させ、榛名で快楽を与えられなかった。  
中途半端なままに終わっていたために、体中が榛名を待ちわびていたのだ。  
そして、その強烈な榛名の快楽は、ミツヒデの理性を崩壊させた。  
 
「あ、あはぁ……でるぅ、ノブナガさまぁ、ミツヒデは漏らしちゃいますぅ」  
「はぁ〜っはっはっは!やはり漏らしよるか!漏らせ漏らせ!漏らすがいいわ!ヨシモトの顔に漏らしてしまえ!」  
 
 快楽に蕩けた顔をしたミツヒデは、一瞬、ブルルと震え、ジョロジョロと小水を漏らしだした。  
顔の上に乗られたヨシモトは、その漏らした小水をまともに顔に浴びてしまう。  
そのことが、最後に残っていた、わずかな理性を壊してしまった。  
敵に捕まり辱めを受け、お尻で感じてしまい、真っ白になるまで好き勝手に犯された。  
挙句の果てに顔の上で小水を漏らされてしまう。  
このわたくしが……今川ヨシモトが汚された。汚されてしまった。  
汚された……わたくしは汚れてしまった。そう自覚した瞬間、ヨシモトの理性が崩れ去った。  
 
「……っと。もっと!もっともっと!汚して!わたくしをメチャクチャに汚してぇ〜!」  
 
 お尻に筆が刺さったまま顔に小水を浴びながら、もっと汚して欲しいと暴れだしたヨシモト。  
その瞳は、快楽に狂った光を宿しており、それを見たヒデヨシは怯んでしまう。  
 
「はぁ〜っはっはっはぁ!堕ちたわ!堕ちよったわ!今川ヨシモト!堕としたり!」  
 
 ジョロジョロと小水を漏らし続けるミツヒデの股間から榛名を離し、ヨシモトの股間へと当てる。  
 
「ひぎぃ!い、いい!いいですわ!ノブナガ様!きもちいいぃぃぃ〜!」  
「はぁ〜っはっはっはぁ!どうじゃ!気持ちいであろう!」  
「お尻!お尻も攻めて!お尻も気持ちよくしてぇ〜!」  
「はぁ〜っはっはっはぁ!尻も攻めてやる!キサマが失神しようとも叩き起こし、攻め続けてやるわ」  
「あがあああ!のぶながざまぁ!ありがどうございまずぅぅ〜!ひぎぃ!いっぐぅぅ〜!」  
 
 言葉通りにお尻に刺さったままの筆に榛名を当て、その振動でお尻を攻めるノブナガ。  
その様子を羨ましそうに指を咥えて見るミツヒデとヒデヨシ。  
 
「いい〜!すごいぃぃ〜!イグ!お尻で!お尻なんかで!わたくしは!わたくしはぁぁ〜!あああああ〜!」  
 
 ビクビクと痙攣し、絶頂を迎えたヨシモト。しかしノブナガは攻める手を休めはしない。  
お尻で達した次は、股間の突起に榛名を押し当てる。突起で達すると、再度お尻の筆に教えててお尻に快楽を与える。  
お尻と股間の突起で交互に達せられたヨシモトは、最後は奇声を上げ、全身を痙攣させて動かなくなった。  
そんなヨシモトを満面の笑みで見下ろし、失神しているヨシモトの手足の縛りを解くノブナガ。  
 
「さて、ヨシモトが目覚めるまで、榛名が空いておるな。……両名とも四つんばいになれ。  
今日はすこぶる機嫌がよいわ。……特別じゃ。お主達にも榛名を使ってやろう」  
 
 一度達して漏らしたはずのミツヒデは、嬉々として四つんばいとなった。  
それを見たヒデヨシも慌てて服を脱ぎ去り、四つんばいとなる。  
その様子を満足げに眺めるノブナガ。  
四つんばいの2人と、グッタリとして動かないヨシモトを見比べて呟いた。  
 
『今川ヨシモト、堕としたり』と。  
 
 ……戦国の世を争う8人の乙女、戦国乙女の1人今川ヨシモト。  
彼女は同じく戦国乙女の1人、織田ノブナガの手に落ち、  
そのノブナガの目の前で四つんばいになり、尻を振っている2人の乙女、  
明智ミツヒデ、豊臣ヒデヨシと同じく快楽の底へと沈んでいった。  
 
「あ、おはようございます、ノブナガ様。今日はとてもよい天気ですわぁ」  
 
 祝い酒をあおり、二日酔いのノブナガを迎えたのは、配下に加えたばかりの今川ヨシモトであった。  
そのノブナガの布団では、ヒデヨシとミツヒデが、裸のまま眠っている。  
否、失神しているといった方が正解かもしれない。  
 
「おお、お主は朝が早いな。他の2人はまだ寝ておるぞ」  
「ええ、小鳥さんに御飯をあげようと、頑張って早起きをしたんですわ」  
「小鳥?ふん、物好きなものじゃな」  
「うふふふふ、とってもカワイイ小鳥さん〜。お歌が上手な小鳥さん〜。  
ピピピピピ、チチチチチ、ピチクリチ〜」  
 
 何故かご機嫌なヨシモトは、自作の歌を歌い、ノブナガに擦り寄る。  
 
「うふふふふふ……」  
「なんじゃ?何か用でもあるのか?」  
「……次に攻め落とすは、イエヤスと考えておいででしょ?」  
「まぁな。国力を考えれば、伊達マサムネか、徳川イエヤスじゃ。しかしマサムネの領地は遠い。  
ならば近くの弱き敵、イエヤスを滅ぼすが得策であろう」  
「……次は上杉になさいませ。上杉ケンシンがお薦めですわ」  
 
 ノブナガの腕に抱きつき、甘えるような声で話すヨシモト。  
そんなヨシモトを怪訝な顔で見るノブナガ。  
上杉ケンシンといえば、軍神と言われ、戦国乙女の中でも一番強いと噂される強敵だ。  
そのケンシンと戦えと言うとは……コヤツ、実は堕ちていなかったのか?  
このノブナガをケンシンと戦わせ、隙を見て我を倒すつもりか?  
ならばこの場でその首、刎ねてくれるわ!  
そう思い、行動に移そうとした瞬間、ヨシモトが嬉しそうに話しかけてくる。  
 
「実はですね、ケンシン軍は今、消耗しているんですわ。ケンシンは軍を立て直すのに精一杯なはずですわ」  
「……なんだと?ケンシンが消耗しているだと?」  
 
 驚くノブナガを嬉しそうに見つめるヨシモト。  
 
「ええ、ケンシンはとあるお方と戦っていましたの」  
「……武田か!武田シンゲンか!」  
 
 嬉しそうに笑みを浮かべ、コクリと頷くヨシモト。  
ヨシモトの言葉にノブナガは、そういえばケンシンは川中島でシンゲンと対していたなと考えを巡らせる。  
 
「わたくしが3万の軍勢を率い、出陣できたのはシンゲンと同盟できたからですわ。  
その武田シンゲンと同盟が出来た理由……それはシンゲン、ケンシンが川中島で戦い、痛み分けに終わったからですの」  
「……なるほど。それで国力の弱ったシンゲンと同盟が結べたという訳じゃな?」  
「その通りですわ。でなければシンゲンがわたくしと同盟など結ぼうとは考えませんわ。  
彼女は海が欲しいんですの。海を手に入れ、海の幸をたらふく食べたいんですの」  
「海の幸?……よくは分からんが、ケンシン軍が弱っておるということは分かった。  
ならこの隙を見逃す手はないな。……ヒデヨシ!至急軍を整え戦に備えよ!」  
 
 いつの間にか起きており、ノブナガの背後で2人の会話を聞いていたヒデヨシに命令を下す。   
 
「軍が整い次第、出陣する!」  
「お待ちになってくださいませ。もう1人もこの際落としてしまいましょう」  
「もう1人?……シンゲンか?」  
「はい、武田シンゲンでございますわ。彼女とはとても仲良しになりましたの。  
わたくしが卵から孵した可愛い小鳥、氏真をさし上げて仲良くなりましたの。  
彼女はとても嬉しそうに貰ってくださいましたわ。時折書状でまた小鳥が欲しいと言ってくるほどですわ。  
氏真のおかげでとても仲良くなれましたの。  
ですからわたくしがノブナガ様へ下るように説得すれば、きっと分かってくださると思いますの」  
 
 両手の手の平を胸の前で合わせ、シンゲンとの会話を思い出したのか嬉しそうに話すヨシモト。  
その様子を怪訝な顔で見るノブナガ。  
 
「……ふん、そう上手くいくとは思えんな。が、いいであろう。  
ではヨシモトはシンゲンへの使者として、すぐにでも甲斐へと向かえ。  
お主が戻り次第、ケンシンを攻める!ヒデヨシ!準備を怠るでないぞ!」  
「はは!かしこまりました!」  
「ではわたくしはすぐにでも甲斐へと発ちますわ」  
 
 ヨシモトがもたらした情報で、慌しく動き始めたノブナガ達。  
しかし、そんな彼女達の中にもすることがなく、行動を起こせない者がいた。  
 
「ノブナガ様!私は、ミツヒデは何をすればよいのでしょうか」  
「お主は怪我を治すことに専念せよ。片手では雑兵にも不覚を取るやもしれんからなぁ」  
「し、しかし私は働きたいのです!ノブナガ様のため、例えこの身が朽ちようともお役に立ちたいのです!」  
「お主の忠心、見事なり。しかしだなぁ、その腕ではろくな働きは出来まい?」  
「いいえ!このミツヒデ、必ずやお役に立ちます!」  
「う〜む、しかしじゃなぁ……ふむ、ではお主にしか出来ぬ仕事を与えよう」  
 
 必死に食い下がるミツヒデに根負けしたのか、とあることを思いつき、命令するノブナガ。  
 
「明智ミツヒデ……お主のその智略と策略に長けた頭脳を使い……伊達マサムネを探って来るのだ」  
「……え?だ、伊達マサムネを探る、ですか?」  
「そうじゃ。噂によるとマサムネもお主と同じく切れる頭脳の持ち主らしいのじゃ。  
……あやつの情報のみ、なにも入ってこぬ。いったい何を考えておるか、探りを入れてくるのじゃ」  
 
 ノブナガの命令に、少し不満げな表情を見せるミツヒデ。  
 
「……不満か?お主の事じゃ、一時的にとはいえ、我の元を離れるのが嫌なのであろう?」  
「……は、はい。ミツヒデはノブナガ様のお側で働きたいのでございます」  
 
 叱られるのを覚悟でノブナガの命令に背こうとするミツヒデ。  
そんなミツヒデをグッと抱き寄せ耳元で囁く。  
 
「……お主だけじゃ。このノブナガの下僕はお主1人だけなのじゃ」  
「ノ、ノブナガ様?」  
「お主だけがノブナガの下僕じゃ。お主以外の下僕はいらん。だから、安心するがいい。  
お主以外の者を下僕とはせん。……下僕にとって、主の命令はどうじゃったかなぁ?」  
「ノ、ノブナガさまぁ……ひっく、絶対でございます。下僕であるミツヒデにはノブナガ様の命令は絶対でございます!」  
 
 ノブナガにとって下僕はミツヒデ1人でいい。  
他人が聞けば、酷いことを言っているとしか思えないノブナガの言葉も、ミツヒデにとっては愛の囁きにも聞こえるようだ。  
感動のあまり、涙を零し抱きついてきたミツヒデ。  
そんなミツヒデの頭を撫でながら、優しく口付けをするノブナガ。  
その様子を歯軋りをして見守るヒデヨシ。  
そんなノブナガ達を仲がよくてよろしい事と、少しズレた考えで眺めるヨシモト。  
 
 
 こうして、ノブナガの命により、ミツヒデは伊達マサムネの動向を探るために、奥州へと旅立ち、  
ヨシモトは同盟者である武田シンゲンを味方に引き入れる為に甲斐へと向かった。  
 
 織田ノブナガの次なる敵は、越後の龍、軍神上杉ケンシンとなるはずだった。  
 

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