「ふんふふふ〜ん……どうだ?気持ちいいか、ケンシン?」
湯煙漂う露天風呂で、上機嫌に鼻歌を歌いながらケンシンの真っ白な背中をゴシゴシと擦るシンゲン。
ノブナガが湯船につかりながら酒を飲むのが好きなだけあって、かなり立派な露天風呂だ。
そんな豪華な露天風呂に驚きながらも背中を流してもらい、気分がよくなってきたケンシン。
先ほどまではシンゲンの怪しい態度に警戒心を抱いていたのだが、その警戒心も薄れてきたようだ。
「ああ、気持ちいいな。久しぶりの湯だけあって、心まで洗われる気分だ」
シンゲンに背中を流してもらい、本当に気持ちよさそうにうっとりとして表情で目を瞑っている。
ケンシンが気持ちよさそうにしているのが嬉しいのか、ますますやる気になるシンゲン。
「ふんふふふ〜ん……おしっと!これで背中はピッカピカだ!しっかしケンシンの背中は白くて綺麗だな」
ケンシンの綺麗な背中に感心したのか、何気なく人差し指で首筋から腰骨当たりまで、つつつと指を滑らせる。
「うひゃ?こ、こら、シンゲン!悪戯は止めないか!さ、次は私がお前の背中を流してやろう」
背中を撫でられ妙な声を上げてしまったケンシンは、照れ隠しのためかシンゲンの手から手ぬぐいを奪い取り、
次は私が背中を流してやると言い出した。
しかし、シンゲンは背中を向けるとこなくはぁはぁと息を荒くし、獣のような目になる。
「シ、シンゲン?お前、いったいどうしたのだ?急に息が荒くなるなんて……のぼせてしまったのか?」
視線を一箇所に固定し、はぁはぁと荒い息のシンゲン。
ケンシンはのぼせてしまったのかと心配をしていたのだが、その視線がどこを見ているのかに気づいてしまった。
荒い息のシンゲンの視線はケンシンの胸をじっと見つめており、時折唾を飲み込んでもいる。
それに気づいた瞬間、ケンシンの全身を悪寒が走り、思わず手に持つ手ぬぐいをシンゲンの顔面にたたきつけた。
「ど、どこを見ている!この、変態め!」
「いでぇ!ゴ、ゴメン、つい柔らかそうで桃色で綺麗で美味しそうだったから、つい見とれちまって……
け、決していやらしい事なんか考えてないから!揉みたいとか顔を埋めたいとか吸い付きたいとか、考えてねぇから!」
ゾワゾワと全身を走る悪寒。戦場でも感じた得体の知れない恐怖はこのことだったのか!
ケンシンは今さらながら、自分が戦場よりもはるかに危険な場所にいることに気が付いてしまった。
「き、貴様、私に、そ、その、あれだ……よ、欲情しているの、か?」
顔を真っ赤に染めながら、顔に手ぬぐいを貼り付けたままのシンゲンに問いただす。
自分の勘違いであってほしい。そう祈りながら。
「え?……い、いや、その、あれだ……え〜っとな、なんて言えばいいのかわからねぇんだけど……そうだ」
手ぬぐいで顔を隠したまま頷くシンゲン。
きっとその隠された顔は真っ赤に染まっていることだろう。
「そ、そうか。やはりそうなのか……い、いつからだ?お前はいつから私にその、へ、変な感情を抱くようになったのだ?
私の知る武田シンゲンという武将は、がさつで横柄で、知性を感じさせない無礼なヤツだったが、少なくとも変態ではなかった……」
「へ、ヘンな感情じゃねぇよ!わ、私は、武田シンゲンはな!お、お前が、上杉ケンシンのことが……し、死ぬほど好きなんだよ!」
顔に張り付いた手ぬぐいを剥ぎ取り、真剣な眼差しで見つめるシンゲン。
その心のそこから出たようなシンゲンの叫びに、ケンシンは戸惑いながらも先ほどまで感じていた、
恐怖感が消え去っていることに気づいた。
「す、すまない。変な感情と言ったことは謝ろう。しかしだな、私たちは女同士だ。
お前が望む私との関係は、そ、その……れ、恋愛関係、というやつであろう?」
「そ、そうだ。私はケンシンと……こ、ここここ、恋人同士になってだな、その……いろんなことを、したいんだ」
チラチラとケンシンの裸を横目で見ながら話すシンゲン。
そんなシンゲンの話しに少し混乱しながらも、真剣に考えるケンシン。
しかし出てきた答えは、シンゲンの想いを否定するのもであった。
「や、やはり変だぞ?そもそも女同士が恋人となるなど、聞いたことがない。
それに女同士では子供が産めず、生産性が皆無だ。恋人となる意味がないであろう?」
まるで駄々をこねる子供をあやすかのように、優しい口調で話しかけるケンシン。
先ほどまで恐怖に染まっていたその顔は、口調と同じく優しい表情に変わっている。
「ケンシンが生むのがイヤなら、私が生んでやる!ケンシンの子供を何人でもいい、生んでやるから!」
「い、いや、だからな、シンゲン。それは無理な話なんだ」
「なんで無理なんだよ!私は、わたじはぁ……ひっく、ケンシンが大好きなんだよぉ。
愛しているんだ、ケンシンの為だったら死んでもかまわねぇとも思ってるんだ!子供くらい生んでやるさ!」
シンゲンの熱い心からの言葉に、私の子供を生んでもらえるのかと、一瞬考えてしまったケンシン。
しかしすぐに我に返り、慌てて否定の言葉を口に出す。
「いやいやいや、だからな、シンゲン。子供を産むのには男と体を重ねなくてはいけないであろう?
女同士では子種がなく、子を孕むことなど出来ないのだ。それは分かっているな?」
「あ……う、うぅ、た、確かにそうだった。ぐすっ、じゃあ、私たちには、ひっく、子供が出来ないのか?」
ケンシンの丁寧な説明にやっと理解したシンゲンは、肩を震わせ涙を零し、がっくりとうな垂れる
そんな落ち込むシンゲンの様子に慌てたケンシン。
シンゲンを泣かせてしまったと慌てたケンシンは、どうにか励まそうと考えを巡らせ、思いついた名案を口に出す。
「そ、そうだな、私たちはお互いの子を生むことは出来ぬが、養子を貰い、育てることは出来る。
永きに渡る戦乱の世のために、戦災孤児がたくさんいる時代だ。戦災孤児を養子に貰い、育てるのもいいのではないか?」
「お、おおお!そうだな、その手があったか!やっぱケンシンは頭がいいな!それでこそ私が好きなケンシンだな!
戦災孤児を養子でもらうかぁ……いい案だな!これで私たちにも子供が出来るんだな!」
ケンシンと子供を育てることが出来る!
感動したシンゲンは、ホッと胸をなでおろしているケンシンに、満面の笑みでギュッと抱きついてきた。
「まったく、お前は泣いたり笑ったり忙しいヤツだな。さ、このまま話していたら体が冷えて風邪を引いてしまう。
湯船につかり、体を温めてのんびりと体を癒そ……って待て待て待て待て!おかしくはないか?
いつの間に私たちで子供を育てることになっているのだ?」
「え?ケンシンはやっぱり孤児を育てるのがイヤなのか?」
「え?い、いや、それは嫌ではないが……むしろ前から育てたいと考えていた」
「そっか、ケンシンも子供が欲しかったんだな!たっくさん育てような!ケンシンみたいにまじめに育ってくれたら嬉しいなぁ」
「あ、ああ、そうだな。子供は真面目が一番だ」
「さ、湯船に使ってのんびりとしようぜ!この露天風呂はノブナガ様のお気に入りでいい湯加減なんだぞ〜」
元気になったシンゲンに手を引かれ、湯船に体を沈めるケンシン。
何かとんでもなく間違っている方向に話が進んで、大変な方向に流されてしまっている気がするが、
シンゲンの嬉しそうな顔を見ていると、それがとても些細なことのように思えてくる。
こうしてケンシンは、シンゲンの強い押しに流されるままに湯船に入り、今まで知りえなかった体験をすることとなった。
「ん……こ、こらシンゲン。何故胸を触る……あん!す、吸い付くな!」
湯船につかり、ゆっくりと体を休めるはずが……何故かシンゲンに胸に顔を埋められ、桃色の乳首を吸い付かれている。
しかし、何故か乳首をチュウチュウと吸うシンゲンのその様子が、ケンシンの心を揺さぶり、強く止める事が出来ない。
何故止める事が出来なのだ?どうしてこんないやらしいことをされても腹立たしくないのだ?
ケンシンは自分の中で変わったなにかに戸惑いながらも、乳首を吸い続けるシンゲンの頭を優しく抱きしめてしまう。
「ああ、ケンシン……すっげぇ柔らかいおっぱいしてるなぁ。ずっと顔を埋めていたいよ」
「あ、んん……お、お前の胸こそ柔らかそうではないか。その、さ、触ってもいいかな?」
「お、おう!私はケンシンの物なんだから、好きなだけ触ってもいいぞ」
暴飲暴食を繰り返しているとは思えない見事な体を持つシンゲンは、
顔を真っ赤に染めながらその胸をケンシンに差し出す。
ケンシンはその綺麗な胸に、ゴクリと唾を飲み込みながら手を伸ばした。
「あ、んん……ん、ど、どうだ?わ、私の胸は気持ちいいか?」
「あ、ああ、柔らかいな。物凄く柔からかい……ん、んん!わ、私の胸も柔らかいだろうか?」
シンゲンの胸を揉むのに夢中なケンシンの胸に手を伸ばしたシンゲン。
お互いの胸をまさぐりあい、乳首を摘みあう。
いつしか2人は無言でお互いの胸をまさぐり合い、広い露天風呂には2人の荒い息しか聞こえなくなった。
「は、んぁ、あん!……ケ、ケンシン、ケンシン」
「あ……だ、ダメだ、シンゲン。それはダメ……ん、ちゅ、んちゅ、んむ……あん、シンゲン……んん」
興奮し、頬を上気させたシンゲンがケンシンの唇を奪う。
言葉ではダメだと言いながらも、素直に受け入れるケンシン。
2人はお互いの唇を吸いながら、強く抱きしめあい、いつしか舌でお互いを絡めとり、唾液をすすり合う。
「ちゅ、ちゅ……ん、ケンシンの唇、甘い気がする……すっごく美味しい」
「あ、ん……ん、ちゅ、ちゅば……シンゲンの唇は甘い気がするな。頭まで蕩けてしまいそうだよ」
「ケンシン……嬉しい!ケンシン、好きだ、ケンシン!」
「こ、こら、吸い付くな!……んん!す、吸い付くなと、あん!言っているのに……あ、んぁ、シンゲン、あん!」
興奮したシンゲンが、ケンシンの細い首筋に、耳たぶに、頬に、額にと次々と口付けをし、
肩に、鎖骨に、胸にと赤い印を付けながら、徐々に口付けを下げてくる。
ケンシンはそれに抵抗することなく、むしろ協力するかのように立ち上がり、
シンゲンの頭をそっと抱きしめ、体への口付けを受け入れる。
「ん、ちゅ……ケンシンのおへそ、可愛いなぁ」
「こ、こら!そんな恥ずかしいことを言うな!……ふぁ?え?ちょ、ちょっと今何をして……ひゃん!」
おへそに舌を這わせながら、空いている手はお尻に回し、その引き締まったお尻を撫で回す。
そしてその手を足の間から股間へと進め、ケンシンの中心を軽くタッチする。
自身の一番大事なところを初めて他人に触られたケンシンは、ビクリと反応し、驚きの表情でシンゲンを見つめる。
「い、今のはなんだったんだ?いったい何をしたのだ?」
「わ、悪い、驚かせちまったか?」
「あ、ああ、少し驚いた。その、なんだ……た、他人に触られるのは初めてなんだ。その……や、優しく、だな」
「は、初めて?私がケンシンの初めての相手なのか?……お、おう!優しくだな?優しく舐めてやるさ!」
「え?な、舐め?お、おいシンゲン!舐めるなんてそんな恥ずかしいこと……ひゃあ!な、なんだ、これ、んああ〜!」
ケンシンの初めては私なんだ!
……興奮したシンゲンは、優しくするといった側からケンシンの股間に強く吸い付き、むしゃぶるように舌を這わす。
その強引な愛撫に、ケンシンは抵抗も出来ずにガクガクと膝を揺らし、喘ぎ続ける。
まさか自分がこのような声を上げ、喘ぐことがあるなんて想像すらしなかったケンシンは、
シンゲンの強引な愛撫によって、今まで感じたことのない感覚を、一気に頂点まで上り詰めさせられた。
「あ、や、やぁぁ……シン、ゲン、ダメ、そこダメ、それおかしい、おかしいから!」
「はぁはぁはぁ、ちゅ、じゅちゅ、……ずずず、じゅちゅ、はぁはぁはぁ、すっげぇ濡れてる、美味しいよ、ケンシン」
「あ、はぁぁ〜……や、んん!あん!ひぅ!シ、ゲン……シンゲン、シンゲン、やぁ、ひぃ、いっ……あ、あああああ〜!」
「ここも桃色で綺麗なんだな。まるでケンシンの生きかたの様だ……あぁ、好きだ、ケンシン」
一心不乱にただケンシンを味わうために、股間の小さな突起に吸いつき舌で転がし、
そして濡れている入り口に舌をねじ込み、あふれ出ている愛液を舐め取るシンゲンの強引で不器用な愛撫。
彼女の性格を現したその愛撫で、ケンシンは一気に上り詰め、体全身をガクガクと痙攣させながら、
股間に埋まっているシンゲンの髪の毛を強く掴み、初めての絶頂に酔いしれる。
「あ、あぁぁ……あぅ、うぁぁ、あ、ふぁ、あふぅぅ」
「す、すげぇ……いっぱい溢れてきた……ちゅ、じゅちゅちゅ、れろ、ちゅぢゅ、美味しい、ケンシンの味がするぅ」
絶頂に達したケンシンを離すことなく、舐め続けるシンゲン。
彼女はただ単にケンシンの味を味わいたかっただけなのかもしれない。
しかしその行為は、初めての快楽に酔いしれるケンシンを再び上り詰めさせるのには十分な行為であった。
「あ、またぁ、くるぅ、やぁ、すご……ひぃ!い、あ、あああああ〜!」
こうしてケンシンは、シンゲンが満足するまで味わい続けられた。
こうして上杉ケンシンは武田シンゲンによって、性の扉を開けられて、快楽という名の魔物を知ってしまった。
そして、その魔物に蹂躙されることとなる。……ケンシンが愛してしまったシンゲンと共に。
「……まぁ何じゃ、2人共よかったな。こういう場合はおめでとうと祝福すればいいであろうなぁ?」
イジワルな笑みを浮かべたノブナガは、目の前で正座をしている2人に祝福の言葉をかける。
その言葉に顔を真っ赤に染めながらも、お互いの手をギュッと握り締めるシンゲンとケンシン。
2人が露天風呂を占拠していたおかげで、なかなか風呂に入ることが出来ず、
業を煮やしたノブナガは乱入するかのように、榛名を手に取り風呂場に乗り込んだ。
するとそこには、2人仲良くのぼせているシンゲンとケンシンが倒れていたのだ。
「ふぅ〜、のぼせるまでヤリあうとは……越後の龍もスキ者だったんじゃなぁ」
煙管を咥える口から白い煙を吐き出し、ニヤニヤと2人を交互に見るノブナガ。
からかわれている2人はますます顔を赤く染め、お互いの手をギュッと強く握り締める。
「で、シンゲンよ。前に言っていたように、2人の行為に協力してやらんでもないが、どうするのじゃ?」
「協力?何を協力してくれるんだ?覚えてないなぁ、そんな話、いつしたっけ?」
頭を捻り考え込むシンゲン。考えている間もケンシンの手を握ったままだ。
「はぁっはっはっは!まぁ覚えておらぬのは仕方がないことじゃなぁ。
お主が榛名で狂い、ケンシンの名を叫んでおった時のことじゃからなぁ」
「榛名で狂う?私の名を叫んだ?それはいったいどういうことだ?」
キッとキツイ目つきでノブナガを睨むケンシン。
睨みつけながらもシンゲンから手を離そうとしない。
「んん〜?それはじゃなぁ、この榛名を使い、一種の拷問に近い形で快楽を与え続けたのじゃ。
シンゲンはミツヒデ共とは違い、なかなか音を上げずになぁ、苦労をしたわ」
「ご、拷問だと?榛名とは拷問道具だったのか!……それを、シンゲンに使ったのか?
ノブナガぁ、キサマ……命がいらぬようだな!」
シンゲンが拷問されたと思い込み、今にも殴りかかりそうな勢いで立ち上がるケンシン。
つられて立ち上がってしまう困り顔のシンゲン。
「ケンシン、お主は勘違いをしておる。拷問に近いとは言ったが、与え続けたのは快楽じゃ。
シンゲンは快楽に狂い、お主の名を叫び続け達し続けたのだ。……ケンシン、いっくぅぅ〜!と叫びながらなぁ」
ニヤニヤと笑みを浮かべ、シンゲンの乱れ具合を教えるノブナガ。
それを聞いたケンシンは、殺気を振りまきシンゲンを問い詰める。
「シンゲン、お前……私の事が好きだと言っていたではないか!それなのに、ノブナガなどに……身体を許したのか!」
「い、いや、それはだな、え〜っと、なんだ……そう、不可抗力ってヤツだ!
したくてしたんじゃないんだ、信じてくれ!」
「シンゲン……問答無用〜!」
「へっぷぐぅ〜!」
怒りに燃えるケンシンの拳が、シンゲンのお腹に突き刺さり、崩れ落ちるシンゲン。
それを見て大爆笑のノブナガ。腹を抱え、指を刺して笑い続ける。
シンゲンの浮気?の代償は、かなり痛いものとなった。
「イ、テテテテ……さすがはケンシンだな、いいのを貰っちまったぜ」
「す、すまない。話を聞こうともせず、暴力を振るうなんて……私は最低だな」
自身が殴りつけたシンゲンの細いお腹を擦りながら、唇を噛み締め、落ち込むケンシン。
そんなケンシンの肩に手を乗せ、何事も無かったかのように、明るい笑顔を見せるシンゲン。
「いいっていいって、気にすんなよ!だってさ、ケンシンが嫉妬してくれたってことだろ?
確かに殴られてイテェけど、ケンシンが嫉妬してくれて、私はすっごく嬉しいんだよ」
「シンゲン……私を許してくれるのか?ありがとうシンゲン!愛している!」
「私も愛している、ケンシン!」
愛し合う2人の熱い抱擁。お互いに唇を求め合い、舌を絡ませ深く求め合う。
美しき愛の形……素晴らしきはお互いを愛する心かな。
ケンシンの誤解はすぐに解け、2人は今、熱烈な仲直りをしている最中である。……ノブナガの目の前で。
まるで茶番劇のような、2人の愛を見せ付けられているノブナガは、
顔を引きつらせ、煙管をギリギリと噛み締め甘い茶番劇を耐えている。
「あぁ、ケンシン……こうしていると、お前と一つになれたようで、すっげぇ幸せだよ」
「私もだ、シンゲン。フフフ、つい先日までいがみ合っていたというのに……お前と引き合わせてくれた神仏に感謝だな」
「ホントだな。ケンシンに合えたことを感謝しなきゃな。愛している、ケンシン……ん」
「ん……私も愛している、シンゲン」
何度目か分からない、見詰め合っての甘い愛の言葉に、愛の口付け。
まるで何かの罰を受けているかのように、2人の愛のささやきを一部始終を見せ付けられているノブナガは、
我慢の限界を向かえ、頭を掻き毟り奇声を上げた。
「うがあああ〜!貴様等いい加減にいたせ!我の目の前でチチクリ合うなどふざけおって……罰を与えてやる!
服を脱げ!榛名で罰を与えてやるわ!」
怒りの炎が宿った目で2人を睨みつけ、榛名を手に持ち、服を脱げと命令するノブナガ。
邪魔をされたことに怒ったのか、シンゲンを守るように自分の背後に回し、ノブナガを睨みつけるケンシン。
「私は愛するシンゲンに降ったのだ。ノブナガ、貴様に降ったのではない!
よって、貴様の命令など聞く義務も無いわ!どうしても私に命令をきかせたいのなら……私を倒すことだな!」
拳を固め、戦闘態勢を取るケンシン。
そんなケンシンを背後から抱きしめ、耳元で囁くシンゲン。
「あぁ、ケンシン……すっげぇカッコイイな。惚れ直しちまったぜ」
「よ、よせシンゲン。あん!こら、こんなところで胸を触るな。んん!う、うなじに口付けは反則だぞ!
ん、そ、そんなにされると……私も我慢できなくなるではないか」
「うっがああああああああ〜〜〜〜!無視するでない!」
ノブナガの存在自体を無視ししているかのように、また2人の世界に入ってしまったシンゲンとケンシン。
しかも今度は口付けだけではなく、お互いの身体を弄りあっている。
(お、のれぇぇ〜……このノブナガをよくもここまでコケにしよったな!)
怒りに震えるノブナガであったが、お互いを求め合うことに夢中な2人には関係のないことであった。
怒りで全身を震わせているノブナガの目の前で、ケンシンを強く抱きしめ、唇を奪うシンゲン。
くちゅくちゅと音を出しながら、互いの舌を絡めとり、唾液を送り合う。
お互いの味が交じり合った唾液を、コクリと飲み込み、見つめあい、嬉しそうに微笑みあう。
今の2人には、他人の存在はどうでもよくなっていた。
そのどうでもいい存在のノブナガは、榛名を使っての、乱入の機会を窺っていた。
2人に存在を無視され、コケにされた仕返しを、榛名でするつもりのようだ。
「あ、んん……シンゲン、舐めて、私の、胸を……舐めてくれ」
「ああ、言われずとも舐めるさ。その、私の胸も、その……」
「うん、私も舐めたい。シンゲンの綺麗な桃色の乳首に吸い付きたい」
「あぁ……嬉しいよ、ケンシン。いっぱい、いっぱい吸ってくれ!私の胸はケンシンの物だ!」
「フフフ、胸だけなのか?……ここは私の物ではないのか?」
くちゅ……ケンシンの細い指が触れたそこは、既に滑っていた。
「んん!そ、そこも、ケンシン、の……はぁ!あ、や、あん!」
「はぁはぁはぁ……感じているシンゲン、すごく可愛い……あぁ、シンゲン、愛している」
「や、んん!そ、そんなに触られたら、立ってられな……ふあああ〜!」
くちゅくちゅくちゅくちゅ……まるで壊れ物を扱うような繊細な指の動きで、しかし激しく蠢くケンシンの指。
先ほどまで風呂場にてシンゲンにされていたことを体で覚え、お返しとばかりにシンゲンを攻める。
小さな突起を撫でるように指で愛撫し、時折シンゲンの入口を指でクチュクチュとかき回す。
激しい攻めで、立っていられなくなったシンゲンは、ケンシンに寄りかかり、ケンシンの耳元で喘ぎ、愛の言葉を口に出し続ける。
「あ、はぁ!んん!ケン、シン、すきぃ……んあ!あいし、て……ひゃん!い、あ、んあああ!」
「はぁはぁはぁ……シンゲン、私も、私も愛してる!シンゲンと一緒に気持ちよくなりたい!
一緒に……一緒に気持ちよくなろう、シンゲン」
ケンシンはそう囁き、一段と激しく指を動かしシンゲンを攻め始めた。
その激しい攻めに、シンゲンは耐え切れなくなり、ガクガクと膝を揺らし、崩れ落ちた。
その崩れ落ちるシンゲンを優しく抱きしめ、そっと床に寝転がすケンシン。
そして、シンゲンの愛液で濡れている自身の指をペロリと舐めあげる。
「美味しい……シンゲンの味がする。こんなに濡れて……もっと気持ちよくなろう。一緒に気持ちよくなろう」
はぁはぁと息荒く、言葉が出せないシンゲンの足を手に取り広げるケンシン。
そして、その綺麗な太ももを抱きしめるようにして、自身の股間をシンゲンの股間に当てるように持っていき、
その引き締まった太ももに舌を這わしながら、お互いに濡れた股間を重ね、擦りあう。
ケンシンが動く度にお互いの愛液が混じりあい、クチュクチュと淫靡な音を奏で、お互いの性感を高めあう。
「あ、は、は、あはぁぁ〜……き、気持ちいい!いい!か、感じる!すごく感じるぅ〜!」
「あ、ん、んん!んんん〜!ケ、シン……わ、たし、わた、しぃ〜!」
「あ、あ、んん!シンゲン、イきそうなのか?シンゲン、もう少し、もう少し待って!一緒に、一緒にイきたい!」
グチュグチュと愛液の混じりあい、体がぶつかり合う音を出しながら、2人で絶頂を目指し、高まりあう。
しかし、2人同時にというケンシンの願いは叶わず、攻め続けられていたシンゲンに限界が来る。
「む、りぃ……も、きもちよすぎ、て……あ、ケンシ、ひぃ!い、あああああああ〜!」
ビクン!ビクビクビク!
まるで海岸に打ち上げられた魚の様に、全身を痙攣させ、口からは涎を垂らし、絶頂に達したシンゲン。
あと少し……あと少しで共にイけたのに。
残念そうな顔のケンシンは、ビクビクと痙攣を続けるシンゲンに口付けをするために、
覆いかぶさるように抱きつき、身体を重ねる。
ケンシンが抱きついた瞬間、この情事を一部始終見ていた人物が呟いた。
『榛名よ、その力を解放せよ』、と。
ケンシンとシンゲンはお互いの事だけに夢中になり、とある人物を蔑ろにしていた。
本来なら、2人の主君にあたる人物を無視し続けていたのだ。
その人物は、無視されたことにかなり怒っており、仕返しを考えていた。
シンゲンが先に達してしまったことで、終わったかに見えた2人の情事。
情事の終わりに口付けをしようと身体を重ねたことにより、2人の下半身が無防備となった。
そのシンゲンに覆いかぶさるように抱きついたケンシンの体勢は、
その人物にとって、またとない仕返しのチャンスとなった。
「シンゲン、感じているお前は凄く綺麗だった。次は、共に達したいな」
「はぁはぁはぁ……ケンシン、すげぇ気持ちよかった。死ぬかと思っ……ひぎぃ!あ、いがあああ〜!」
「シ、シンゲン?いったいどうしたの……え?ひぃ!な、何これ……ひぎゃ!んあああああ〜!」
『ブ、ブブブブブブブブブ』
2人の下半身から聞こえる何かの振動音。
その音を出す勾玉を、シンゲンの股間に当てて、シンゲンが泣き叫んだかと思うと、
ケンシンの股間へ移動させ、守るかのように皮に包まれている小さな突起に当てる。
その突起に振動が伝わり、ケンシンは今まで感じたことがない快楽に身体を震わせた。
シンゲンとの情事では感じえない、暴力的な快楽。
求めていないのに、無理やりに与え続けられる、一方的な快楽。
シンゲンとの心から感じる快楽ではなく、無理やりに押し付けられ、しかし抵抗することが出来ない、
否、そんな考えが浮かぶ暇もないほどの圧倒的な快楽。
シンゲンと共に達したい……そんな考えを無視するかのような、力ずくの快楽に、ケンシンはあっという間に達してしまう。
「や、いやぁぁ〜!シン、ゲ、たすけ、あ、いやぁぁぁ〜!」
「ケ、ンシ……あ、あああ〜!いくいくイくイクいぐいぐイぐいぐぅぅぅ〜!」
2人の股間を交互に攻める、激しく震え、赤く光る勾玉。
その振赤く光る勾玉を手に持つ人物は、不敵な笑みを浮かべ、パシンとケンシンの引き締まった白いお尻を叩く。
「よくもこの我をコケにしてくれたなぁ?シンゲンと共に達したいのか?ならこのノブナガが達しさせてやるわ!
いくらでも達し続けるがいいわ!達し続け、泣き叫ぶがいい!はぁ〜っはっはっはぁ!」
「くっ、この、ノブナガ貴様……ひゃあ!や、ああああああ〜!」
「ケ、ンシ、ン……ノブナ、ガ、止め……ひぎぃぃぃ〜!」
ケンシンが達すれば、シンゲンを攻め、シンゲンが達すればケンシンを攻める。
ノブナガの気が済むまでこの榛名での攻めは続けられ、
榛名が動きを止めた時には、2人ともグッタリと動かなくなっており、ただ痙攣をするのみであった。
「ふふふ、はぁ〜っはっはっは!堕としたり!上杉ケンシン堕としたり!」
虚ろな目で涎を垂らし、痙攣を続けるケンシンとシンゲン。
そんな2人を見て、ノブナガは大声で笑い、『上杉ケンシン堕としたり』と叫んだ。
……戦国の世を争う8人の乙女、戦国乙女の1人上杉ケンシン。
彼女は同じく戦国乙女の1人、武田シンゲンとの愛に堕ちていき、
明智ミツヒデ、豊臣ヒデヨシ、今川ヨシモト、武田シンゲンと共に、織田ノブナガに仕える事となった。
シンゲンと共に戦えることを毘沙門天に感謝し、2人で暮らせることに幸せを感じながら……
「……我の負けじゃ。負けじゃ負けじゃぁ〜!」
「ノ、ノブナガ様、落ち着きになってくださいませ!」
「これが落ち着いていられるかぁ〜!」
ケンシンが配下に加わってはや一ヶ月。
ヨシモトは、いつノブナガが爆発するかとハラハラしていた。
それもそのはず、ケンシンとシンゲンは、榛名の力を使い、堕ちたはずだった。
心が折れて、堕ちたはずたったのだが……
「やはり子供は女の子だろう?私としては女を貰いうけ、立派な武将に育て上げたいと考えているのだが……シンゲンがな。
ヒデヨシ殿からも一言言ってくれぬか?」
「おいおいおいおい、子供はやっぱり元気な男がいいだろうが!
元気でヤンチャで暴れん坊な子がいいんだよ!な、ヒデヨシもそう思うよな?」
ヒデヨシは、今日もシンゲンとケンシンに捕まり、貰い受ける養子は女の子がいいのか、
男の子がいいのかと、言い争う2人に巻き込まれる。
2人に挟まれ困った顔のヒデヨシは、助けを求めるようにノブナガとヨシモトを見る。
そんな助けを求める視線から目を逸らし、そ知らぬふりをするノブナガとヨシモト。
冷たい主君と同僚に、世間の厳しさを感じながら、涙目になるヒデヨシ。
「そ、そだね。やっぱりさ、2人の子供なんだから、立派な武将にしなきゃいけないんじゃないかな?」
「んだとぉ!じゃ、何か!私達の子供は男じゃダメだってのか!」
「お、男がいいよね!やっぱり子供は元気よくなくちゃいけないよね!」
「……では何か?ヒデヨシ殿は私達の技を引き継ぐ武将など要らぬと?我等の跡取りは要らぬと言うのか!」
「や、やっぱさぁ、子供は武将にしなきゃいけないよね!」
「なんだとぉぉ〜!」
「やっぱ男!」
「なにぃ〜!」
「女!」
「「どっちなんだ!」」
戦国最強と謳われた武田シンゲンと上杉ケンシンの痴話げんかに巻き込まれ、涙目になるヒデヨシ。
唇をギュッと噛み締めながら、ノブナガに助けてと視線で訴えかけている。
しかし、やはり視線を合わそうともしない主君と同僚に、世の中の無常を感じるヒデヨシであった。
「あの、助けなくてよろしいんですの?」
「……我の手にも負えぬわ!ヒデヨシに任せ、放っておけ!
……榛名を使っても思い通りにならぬとは、さすがは甲斐の虎、武田シンゲンと、軍神上杉ケンシンじゃな。
我の負けじゃ。負けじゃ負けじゃ!」
2人が思い通りにならないのがよほど悔しいのか、昼間だというのに酒をあおるノブナガ。
ヨシモトは2人の言い争いを見て、平和でいいですわね〜、と、他人事のように思っている。
何故か常に巻き込まれるヒデヨシにとっては、たまったものじゃない。
「それよりもノブナガ様。マサムネより書状が届きましたわ。『後日お伺いに参ります』と。
……顔を見せに来ないと敵とみなし、全軍を率いて攻め滅ぼすと脅したのが効きましたわね」
「はん!……マサムネめ、いったい何を考えておるのやら。
戦の準備に1ヶ月も要したケンシンとの戦振りといい……まるで時間稼ぎをしておるようじゃな」
「まさか!時間をかければかけるほど、ノブナガ様の天下統一は確実になりますわ」
煙管を加え、ふぅ〜と煙を吐き出し考えるノブナガ。
確かにヨシモトの言うように、時間を稼いでも無意味である。
逆に時間が経てば、ノブナガの領地支配も磐石となり、マサムネの勝ち目はなくなっていく。
ノブナガにはマサムネの行動の意味が分からず、やはり何の意味も無い行動だと結論付けた。
「ま、奥州の独眼竜はもうよいわ。……もう1人の方はどうじゃ?何か反応はあったのか?」
「は、それなんですけど……必ず返事を出すとの連絡はあったのですが、それ以降の連絡はありませんわ」
チッ、と舌打ちをし、再び考え込むノブナガ。
(今、この状況で、このノブナガに戦いを挑んでも勝ち目が無いのは分かりきっている。
きっとあやつも分かっているはずなのに……いったい何を考えているのだ、イエヤス?)
幼き日、互いに天下統一を誓い合った間柄。
人質として尾張に来ていたイエヤスを、子分にしていろいろと連れまわった仲だ。
だからこそ、あえて最後まで攻め込まず、イエヤスから降伏してくることを待っていたのだ。
しかし、それももう時間切れ。ケンシンとマサムネが降った今、残る敵は三河を治める戦国乙女。徳川イエヤスのみとなった。
「ふぅ〜、仕方あるまい。これ以上は待てぬ、三河を攻める準備をいたせ。イエヤスを滅ぼし天下統一じゃ!」
ついにこの時が来たかと目を輝かせるヨシモト。
子供の教育方法にまで話を広げだしたシンゲンとケンシン。
その2人に挟まれ、青い顔をしているヒデヨシ。
ノブナガは、この戦国乙女と呼ばれる屈強な武将達が揃って戦えば、勝てぬ戦などこの世にはないと確信をしている。
それはつまり、織田ノブナガの天下統一は確実な物だということを意味していた。
そんな天下統一に向け、最後の戦いの準備をしているノブナガの元に、
とある密書を奪い取ることに成功した乙女が、馬を走らせていた。
密書を運ぶ船に潜入し、密書を奪いその船を沈める。
そんな大仕事をたった1人で成し遂げた彼女は、久しぶりに会える自身の主人に褒めてもらえる事を励みにし、
一睡もせずに馬を走らせ続けた。
そんな彼女がノブナガの元にたどり着いたのは、奥州の覇者、独眼竜と呼ばれる戦国乙女。
伊達マサムネが初めてノブナガと謁見する前日であった。
「イエヤス様はどこにおられるか!」
大柄で屈強な武将が、ノブナガから届けられた書状を握りつぶすように持ち、主君であるイエヤスを探している。
あのノブナガよりも、頭一つは大きいであろうその鍛え抜かれた巨体を揺らし、イエヤス様はどこだと城中を探し回っている。
「は、少し前にムラサメさまの寝室へと入られました」
「ふぅ〜、またか。いい加減、イエヤス様自らが率先して戦の準備をしてもらわねば、我等も戦えぬというものだ」
「あ、あの、オウガイさま……やはり、ノブナガと戦うのでしょうか?」
「戦わずしてどうするのだ?心配せずともよい!貴様等雑兵はイエヤス様をお守りしておればいいのだ。
ノブナガの首など、このオウガイがもぎ取ってくれようぞ!はぁ〜っはっはっはぁ!」
豪快に笑い、兵士に教えられたムラサメという名の武将の部屋に向かう。
最近イエヤスの配下に加わった3人。
その実力は、戦国乙女と呼ばれる8人の武将に引けを取らず、
とくにこのオウガイという巨体の武将は、何故イエヤスの配下になったのか、兵士達が不思議に思うほどの強さだ。
「まったく……確かに今日はムラサメの日だが、いくらなんでも昼間からはないだろう?
……私のときは夜だけだったのに。不公平だ、次は朝からしてもらうぞ。
ムラサメ、入るぞ。イエヤス様、失礼します」
ムラサメの部屋に着いたオウガイは、軽く扉を叩き、返事を待たずして開けた。
「イエヤス様、いい加減ノブナガめに返事の書状を送らねば、兵達も安心して戦いに……ん?イエヤス様がいない?」
部屋に入り、イエヤスに話しかけたオウガイだったが、イエヤスはいなかった。
そこにいたのは、全裸で倒れており、ビクビクと痙攣しながら虚ろな目で宙を見つめ、
股間からは愛液を垂れ流している1人の女性。
オウガイと共にイエヤスに降った武将で、この部屋の主、ムラサメだった。
「おい、ムラサメ!イエヤス様はどこにいった?……ダメだ、イキすぎて話ができんな」
オウガイの問い掛けにも、意味の分からない笑みを浮かべる。
口からは涎を垂れ流し、股間からは愛液が止まらずに痙攣し続ける。
何をどうすればこうなるのか?初めて見た人は、皆がそう思うであろう。
しかしオウガイは身をもって知っている。だからこうなってしまっては、しばらくは会話も出来ないと分かっている。
「さて、イエヤス様はどこに行かれたのか……コタロウの部屋だな」
共に降ってきたもう1人の武将、コタロウの部屋へと向かうオウガイ。
そのコタロウの部屋からは、か細い女の喘ぎ声が聞こえてくる。
「まったく……1日1人と決めていたのに、2人も相手するとは!……ついでだから3人目も相手をしてもらうか」
そう呟き、身を包んでいる鎧を脱ぎ去り、裸になるオウガイ。
その彼女も3時間後には、ムラサメと同じく虚ろな目で痙攣し続けていた。