「ほぉ?供を連れずに一人で乗り込んでくるとは……見上げた度胸よなぁ?」
尾張の国、清洲城。この城の天守閣で、二人の戦国乙女が再開を果たしていた。
一人はこの城の主。尾張の国を統べる戦国乙女。
彼女は天下布武を掲げており、伝説の勾玉榛名を手に入れて、
その力により敵対する戦国乙女達を次々とその毒牙にかけ攻略し、配下に治めていった。
もはや彼女の手によって天下統一されるのは時間の問題だ。……誰もがそう思っているであろう。
その手に握る青く輝く榛名を使い、天下を掴み取る寸前まで上り詰めた彼女の名は……織田ノブナガ。
「お久しぶりです……ノブナガさん、とても綺麗になっています。……興奮、しちゃいます」
そのノブナガを頬を少し赤く染め、潤んだ眼差しで見つめている武将。
今までノブナガからの呼び出しに応じず、此度その重い腰をやっと上げ、ノブナガと再開した戦国乙女。
幼い頃、彼女は人質として尾張に差し出されており、ノブナガとは面識があった。
否、面識があるどころか、何の知識もないノブナガの手により、彼女は……
「はぁ〜っはっはっはぁ!興奮、だと?クックック、相変わらず訳の分からぬ事を言うものじゃなぁ?
我も興奮しておるわ!どうやって貴様を屈服させるかを考えたらなぁ?
……で、貴様はこのノブナガに降るのか?それとも一戦を交えるか?
ん?どうするつもりじゃ?答えるがいい……徳川イエヤスよ!」
ノブナガの殺気のこもった言葉に、首をかしげ、『う〜ん、どうしましょう?』と呟く。
その姿には緊張感のかけらもなく、周りで見ているノブナガの配下に収まった戦国乙女達は拍子抜けをしている。
ただ、唯一彼女との面識があるヨシモトは、『相変わらずですこと』と呆れているようだ。
ノブナガの殺気のこもった言葉にも怯まずに、否、殺気に気づいておらず、
ただニコニコとノブナガを見つめ、頬を赤く染める戦国乙女。
彼女こそ、ノブナガの天下統一への最後の障害であり、無限の魔力を持つと謳われている戦国乙女。
見た目はのほほんとしており、とても武将とは見えない彼女こそが、三河の国を統べる戦国乙女……徳川イエヤスである。
「う〜ん、どうしましょう?オウガイさんや兵隊さん達には、ノブナガさんと戦いましょうと言われているのです。
ですがわたしは昔のようにノブナガさんと仲良くしたいと思っています。……う〜ん、どうすればいいのでしょうか?」
首をかしげ、困りましたと呟くイエヤス。
しかしその視線は決してノブナガから外されることはない。それに気づいたノブナガは、心の中で呟く。
(クックック、警戒しておるな?やはりそう簡単には配下に収まらぬか。ならば榛名を使い、心から屈服させてやるわ!)と。
しかし、ノブナガは勘違いをしていた。
イエヤスはノブナガを警戒し、視線を外さなかったのではない。興奮して、凝視してしまっていたのだ。
「まぁ、よいわ。そう簡単に答えは出せぬよなぁ?……イエヤスよ、幼き頃に別れてからの、久しぶりの再開じゃ。
二人きりで再会を喜び合い、これからの事を語り合おうではないか」
「……二人きりで、ですか?」
「そうじゃ、二人きりで、な。これより我とイエヤスは寝室へと篭る!
例え何が起きても、叫び声が聞こえようとも入っては来るな!よいな?」
ノブナガがその手に持つ榛名を掲げながら笑みを浮かべ、配下の戦国乙女達に命令する。
ノブナガの意図を察した六人の乙女達は、頭を下げ、次々と去っていく。
「さて、これで邪魔者はいなくなった。さ、ついて来るがいい、我の寝室へな。
そこで二人きりでゆっくりと話し合おうではないか。
……いくら騒ごうとも邪魔者は来ぬ。ゆっくりと、朝まで語り合おうぞ」
ノブナガは不敵な笑みを浮かべ、イエヤスを見る。そのイエヤスは、嬉しそうにニッコリとほほ笑み返す。
……ノブナガは勘違いをしていた。イエヤスが凝視していたのはノブナガではない。
正確にはノブナガであるが、ノブナガではないと言った方が正解であろう。
イエヤスが視線を逸らさずに凝視し続けていたものは……戦国乙女達の中でも一番の大きさであろう、その胸である。
供を連れて来なかった訳ではない。供をするはずだった兵士達がついて来れなかったのだ。
その供をするはずだったオウガイやムラサメにコタロウ。それと屈強な百名の三河兵達。
その全員がイエヤスの毒牙にかかり、来れなくなってしまったのだ。
そして、最もしてはいけない勘違いは……榛名を使えば、イエヤスもすぐに堕ちると考えていた事だ。
ノブナガは知らなかった。自身が幼き頃にイエヤスにした行為により、イエヤスが変わってしまっていたこと。
否、バケモノといっても過言ではないほどの、成長を遂げてしまっていた事を。
「ノブナガさんと二人きり、ですか?……とても、嬉しいです」
頬を赤く染め、その手に持つイエヤスの武器である錫杖をギュッと抱きしめる。
ノブナガはその様子を見て心の中で呟く。
(クックック……快楽地獄を見せてやるわ!榛名の力、とくと味わうがいい!)と。
そして、イエヤスを引き連れて寝室へと向かう。
イエヤスは、錫杖を抱きしめノブナガの後を歩く。
……頬を赤く染め上気した顔で、潤んだ瞳でノブナガの、引き締まった尻をジッと凝視し、息を荒げながら。
「は、あ……す、すごい、です。アソコが、ビリビリして、とても気持ちがいい、です」
ノブナガの寝室。布団の上で縛られた体をくねらせ、喘ぐ一人の乙女がいる。
頬を赤く染め、控えめな喘ぎ声を上げ、快楽を貪る。
股間に押し当てられている赤く光る勾玉に、自らの股間を押し当てるかのように腰を浮かせ、快楽を求める。
そして、時折体を軽く痙攣させ、満足げにほほ笑むと、再度求めるかのように腰を浮かせ、股間に押し当てる。
「あ、あ、ああ……ノブナガさん、気持ちいいで、す。イキそう、ああ……ふぅ、イッちゃいました」
何度目か分からない絶頂に達したイエヤスは、自身を縛りつけ、伝説の勾玉榛名で弄んでいるノブナガにほほ笑む。
そして、再度腰を持ち上げて股間を榛名に押し当て、再び快楽を求める。
……ノブナガは戸惑っていた。かれこれ数刻は榛名で攻め続けている。
イエヤスを引き連れて寝室に入ったノブナガは、イエヤスを押し倒し、両手足を縛り、体の自由を奪った。
そして、体の自由が利かないイエヤスを、他の戦国乙女達と同じく、快楽へと堕とす為に榛名で攻め続けている。
しかし、相手のイエヤスは、堕ちるどころか、榛名を求めるかのような動きを見せている。
……それも、何度も何度も、だ。
こんな動きは、今まで堕とした他の戦国乙女達には見られなかった動きだ。
ミツヒデやヒデヨシにヨシモト。シンゲンとケンシン。そして、マサムネ。
いずれの乙女たちも榛名を当てられた瞬間は、その圧倒的な快楽に驚き、抵抗をしようとした。
しかし、抗いようのない圧倒的な快楽に抵抗出来ず、快楽の海へと意識を沈めた。
ノブナガ自身も榛名を経験した事がある。
その圧倒的な、抗うことすら無意味に思える快楽に、ノブナガも狂いそうになった。
自ら榛名を使ってたために堕ちることはなかったが、もし他人の手で使われ、
攻められていたのなら、快楽に堕ち、榛名に狂っていたであろう。……ミツヒデのように。
そんな恐ろしいまでの快楽を与える榛名で攻め続けても、堕ちる様子もなく、それどころか、何度達しても、求めてくる。
ノブナガは、そんなイエヤスに恐怖すら覚えていた。
「……チッ、しばし休憩じゃ」
いっこうにに堕ちる様子のないイエヤスに戸惑い、言いようのない恐怖を感じたノブナガは、
榛名の動きを止めて、酒瓶に手を伸ばす。
そして、酒で喉を潤した後、縛り付けたままのイエヤスを観察する。
瞳を潤ませノブナガを見つめるイエヤス。
その表情は、ミツヒデやヒデヨシ。ヨシモトが榛名を求めてくる時に見せる表情と似ている。
「……どういことじゃ?何故榛名で堕ちん?何故平気な顔をして求めてくる?」
「榛名?それが伝説の勾玉の榛名、ですか?とても、綺麗です。ノブナガさんによく似合っています。
そうですか、榛名とは大人の玩具のことだったのですね?とても……気持ちいいです」
ニッコリと微笑み、榛名が気持ちいいと言い切るイエヤス。ノブナガはその笑みを見てゾッとする。
この榛名が……気持ちいい、じゃと?ヒデヨシが狂い、ヨシモトが泣き叫ぶ榛名が気持ちいいじゃと?
あのシンゲンでさえ、最後には榛名の快楽に堕ちた。
戦国最強と謳われたあのケンシンも、今や快楽に溺れてしまう。
マサムネなど、ミツヒデと同じく、榛名の奴隷じゃ。
その榛名の快楽を一方的に与えられておきながら、笑みを浮かべ気持ちがいいじゃと?
「榛名も気持ちいいですけど、もっと気持ちいい物があります。ノブナガさん、一緒に気持ちよくなりませんか?」
ニッコリと微笑み、ノブナガを見つめるイエヤス。
ノブナガは、その笑みを見て、体全体に悪寒が走るのを感じた。
こやつと一緒にいてはマズイ!こやつはバケモノじゃ!
ノブナガの本能が、今直面している危機をノブナガに知らせる。しかし、ノブナガには意地があった。
あと少しで乱世を統一できる。残された敵は徳川イエヤスただ一人。
幼き頃は、手下として手足のようにこき使っていたヤツじゃ。何故そのような者にこのノブナガ様が恐れを抱かねばならぬ?
手足を縛られ、されるがままになっているイエヤスを何故恐れる?イエヤスなど、叩き潰してくれるわ!
イエヤスを叩き潰すと決めたノブナガは、恐怖を感じていると悟られるのを嫌い、余裕を見せるかのように笑みを見せた。
「ほぉ?この榛名よりも気持ちがいい物があるとな?ウソを申すな!そのような物、この世にないわ!」
内心抱くイエヤスへの不気味な恐怖感を押さえ込み、笑みを見せる。
そんなノブナガの動揺を知ってか知らずか、イエヤスはニッコリと微笑み首を横に振る。
「榛名の振動も気持ちがいいですけど……足りません。ですから、わたしが持ってきた物で楽しみましょう」
「……なんじゃと?貴様、何か隠し持ってきたのか!」
「錫杖を……わたしの錫杖を取ってください」
床に置いたままになっている、魔法を詠唱する時に使用する錫杖を持ってきてほしいと言い出したイエヤス。
ノブナガは一瞬、警戒をした。魔法を唱え、我を倒すつもりか?と。しかしその考えも、すぐに間違いだと気づく。
錫杖を持ってきたとしても、イエヤスは縛られたまま身動きが取れない。
このような状態で、このノブナガを倒すなど出来るはずもない。
先ほど感じた悪寒のせいで、少し臆病になっておるな、と。
動揺を悟られないように笑みを浮かべ、錫杖を手に取り、イエヤスの目の前に差し出す。
「で、この錫杖をどうするつもりじゃ?縛られたまま、魔法で我を攻撃するか?」
「柄の下の部分を回せば、中から取り出せるようになっています。次はそれでお願いしますね」
「柄の部分を回す、じゃと?このようなところに何を隠しておるのやら……おわぁ!」
ノブナガは言われるがまま、錫杖の下部の太くなっている柄の部分を回してみた。
少し力を入れて回してみると、柄の部分がクルクルと回りだし、二つに分離した。
すると分離した柄の部分から、何かがゴトリと床に落ちる。
その何かに視線を向けた瞬間、ノブナガは驚き叫んでしまった。
「な?んな……なんじゃこれはぁ!」
そこから出てきたものは、どこかで見たことがあるような、不可思議な物であった。
長さが一尺弱、太さが一寸半ほどの、歪な形をしている木製で円柱状の棒で、特筆すべきはその奇妙な形であろう。
円柱状の棒の両端に、奇妙な形をしたものが彫られており、棒自体は少し反り返っている。
先端は亀の頭のような形に彫られていて、色は少し黒く光っており、これがよく使い込まれているのが分かる。
一本の棒のように見えるが、真ん中でつなぎ合わされており、真ん中を中心として、グルグルと回ることも出来るようだ。
例えるのならば、真ん中部分から二匹の亀が両端に向かい、頭を伸ばした時のように少し反り上がっているようなものだ。
初めて見るこの奇妙な棒に、戸惑い、動揺を隠せないノブナガ。
……否、これとよく似た形はどこかで見たことがある。
ノブナガは、この奇妙な形をした棒を、どこで見たのか記憶の糸を手繰る。
「ノブナガさん、その張形……とても気持ちがいいんです。
榛名もいいですけど、入れてもらったほうがとても気持ちいいんです」
「い、入れるじゃと?このような歪な物をどこに入れるというのじゃ?
気持ちがいいとはいったいどういうこと……あああ!こ、これによく似たものを見たことがある!そうじゃ、春画じゃ!」
手にした二匹の亀が、頭を伸ばしているような歪な形をした木製棒。
ノブナガはこれとそっくりな物を一度見たことがある。
否、正確には『よく似た物の絵』を見たことがあったのだ。
「そうじゃ!ミツヒデめに榛名を使う前に春画で研究をした時、このような物が男の股間より生えておったわ!」
「そうです。これは男性器を模った張形。これを膣内に出し入れすれば、とても気持ちがいいんです」
ノブナガは初めて見る男性器(正確には模った張形で、偽物である)にゴクリと唾を飲み込み、
このような物を膣へと入れるのかと、未知の知識と経験に少しの興味を抱いた。
「男性器という物は、このような歪な形をしておるのか……両端にある亀の頭のような物は、いったいなんじゃ?
このような物を股間に忍ばせて、男という生き物は動きにくくはないのか?」
初めて見る男性器を模った張形に興味津々といった様子で、手で触り、指で突いて感触を確かめるノブナガ。
その様子はまるで、子供が初めて見る玩具を与えられ、おっかなびっくり触っているかのようだ。
「いいえ、本物は亀頭が一つだけです。実はわたしも本物は見たことがないのです」
「亀頭?あぁ、この亀の頭のような物のことじゃな?はっはっは、確かによう似ておるわ」
張形の亀頭部分を触り、よほど興味を持ったのか、
配下の者達にも滅多に見せない、皮肉のこもっていない、心からの笑顔を見せる。
「……で、これを膣に入れると気持ちがいいというのは本当じゃろうな?」
手にした張形を興味深そうに見つめ、つい尋ねてしまう。
無理のないことであろう。初めて見た張形。
この歪な形をした物を膣内へ入れれば、榛名よりも気持ちがいいと、
榛名と張形の両方を経験しているイエヤスが言っているのだ。
しかしノブナガには、榛名以上の快楽があるとは到底思えなかった。
あの圧倒的な快楽。自らで使用したから止める事が出来た。
もし他人に使われていたら……榛名以上の快楽など考えられない。
だからイエヤスの話に興味が湧いた。もしかすると、この張形も、天下統一の為に利用できるかもしれない、と。
……興味を抱かなければよかった。自らの本能で感じた悪寒を信じ、イエヤスと係わり合いにならなければよかった。
ノブナガは、自らの本能が発した危険信号を無視し、なおかつイエヤスの無意識での誘いに乗ってしまったのだ。
このことが彼女を地獄へと叩き落す事になる。……否、天国だろうか?
「ええ、とても気持ちがいいのです。
初めてノブナガさんに入れてもらった時は、痛くて泣いちゃいましたけど、今はとても気持ちがよくて……最高です」
「あぁん?我が入れたじゃと?貴様にか?このような物を見たのも触ったのも今日が初めてじゃ。嘘を申すな」
幼き頃の記憶をたどり、思い出そうとするも、こんな歪な物を見たこともなければ触った事もない。
知らない物でイエヤスを攻めるなど、到底出来るわけがない。
ノブナガは、イエヤスがまた勝手な勘違いをしていると考えた。
幼い頃、ノブナガはイエヤスののほほんとした緊張感のかけらも感じられない性格に苦労をしていた。
だから、イエヤスを鍛えるためと、色々な無茶な事をやらせもした。
……当のイエヤス本人は、ノブナガに遊んでもらえたと喜んでいたのだが。
「いいえ、ウソではありません。ですが、入れてもらったのは張形ではなく、木刀でした」
「木刀じゃと?木刀を貴様に入れたというのか?」
「覚えていませんか?幼き頃、わたしはノブナガさんの子分でした」
遠い昔を懐かしむような表情で語りだすイエヤス。ノブナガもつられて昔を思い出す。
「そうじゃったなぁ。貴様はいつも我の後ろを着いて来よったわ。ドジで鈍間で役立たずな子分であったわ」
戦に明け暮れて、最近は思い出し、懐かしむことのなかった幼い頃の、つかの間の平穏な日常。
その記憶が蘇ったのか、笑みを零すノブナガ。
ノブナガの言葉に抗議するためか、少し頬を膨らませるイエヤス。
「そういうノブナガさんこそ、我儘で横暴な親分でした。……よく二人で遊んだものですね。
覚えていませんか?武将になった時のためと、遊びを通してわたしを鍛えてくれたのです」
「そうであったかな?昔の事じゃ、もう忘れたわ」
忘れたといいつつも、その表情は誰にも見せたことのないような優しい顔で、
ノブナガ自身、その遊びを懐かしんでいる事は明白であった。
「敵に捕らわれたとき、拷問に耐えられるようにと、拷問遊びをしてくださいました。
拾った鳥の羽で、両手足を縛ったわたしの体をコチョコチョとくすぐって……クス、ちょうど今のような感じでした」
「昔も今も、貴様は縛られてばかりじゃな?クックック、よほど縛られるのが好きと見える」
「はい、ノブナガさんに縛られちゃうのは大好きです。
ですが、もっと好きなのは、あの時のように、ノブナガさんに入れてもらうことです」
「あの時、じゃと?嘘を申すな、我はくすぐる以外、何もしておらぬわ」
首を捻り、もう一度よく思い出そうと考え込むノブナガ。
しかし、いくら考えても、イエヤスの言うように、何かをイエヤスの膣内へと入れたという記憶はない。
「忘れちゃったんですか?仕方がありませんね。あの時のノブナガさん、隠れて飲んだ初めてのお酒で、酔っていましたから。
クスッ、昔からノブナガさんはお酒が大好きでしたね」
「むむ?酒を初めて飲んだ日じゃと?……次の日は二日酔いで寝込んでいた事は覚えておるのじゃがな」
ノブナガは、初めて酒を飲んだ日のことを思い出していた。
否、思い出そうとするが、初めて酒を飲んだため、自分の限界が分からずに、酔いつぶれるまで飲んでしまった。
おかげで次の日には地獄のような頭痛に悩まされ、一日中布団で唸っていたのだ。
「あの日、相談に行ったのです。拷問遊びをすると、必ず下着が汚れてしまってたんです。
今思えば、あれは気持ちよくなっちゃって、濡れていたんだと思います。
でもあの頃のわたしは、お漏らししたのかと不安になったのです。
ですので、親分であるノブナガさんに、どうすればお漏らししなくなるか教えてもらおうと、相談に行きました」
「……まったく記憶にない、覚えておらんわ」
酔いつぶれているところをイエヤスに見られていたのかと恥ずかしくなり、少し頬を染めるノブナガ。
イエヤスは、そんなノブナガを無視して話し続ける。
「酔っていたノブナガさん、わたしの話を聞くなり、下着を脱げ、確かめてやると言ってくれました」
「そ、そうか、それでどうしたのじゃ?」
記憶にない自身の行動を聞かされるノブナガは、どのような行動をとったのか不安になり、イエヤスの話を真剣に聞く。
「下着を脱いだ後、確かめてやると羽でくすぐられました。すると、すぐに濡れてきちゃったんです」
「ほ、ほぉぉ〜、で、それからどうしたのじゃ?」
「濡れたわたしを見てノブナガさん、『すぐに漏らすようなヤツは子分失格じゃ!』と言って、
わたしを追い出そうとしたのです」
「フン!それは当たり前であろう?武将ともあろうものが、すぐに漏らすなど、言語道断じゃ」
「わたしは子分のままでいたかったので、クビにしないでくださいとお願いをしました。
するとノブナガさん、『では漏れて来ぬように蓋でもしておけ!』と、木刀でわたしに蓋をしようとしました」
その時のことを思い出したのか、頬を赤く染めるイエヤス。
ノブナガは、イエヤスの話を聞き、全てを理解した。
酔った勢いで、イエヤスの膣内に木刀を突っ込んでしまったのだ、と。
「とても痛くて、血も出ちゃいました。でも、子分をクビになりたくないので、我慢して毎日蓋をする練習をしたのです。
三河に帰ってからも毎日。……練習すればするほど、濡れてきちゃいました」
「な、なるほどのぉ。それで貴様は性に目覚め、今に至るという訳じゃな」
「はい。……練習の時、いつもノブナガさんのことを思い出し、練習してました。
ノブナガさん……あの時のように入れてくれませんか?」
イエヤスの様子に少し怯みながらも笑みを見せ頷く。……それが、本当の快楽地獄の始まりとも知らずに。
「で、では入れるぞ?こ、ここでいいんじゃな?」
「はい、そこです。ガンガン入れちゃってください」
双頭の張形をイエヤスの股間に当て、ゴクリとツバを飲み込むノブナガ。
桃色をしたイエヤスの入口は、少し開いており、まるで張形が入ってくるのを今か今かと待ちわびているようだ。
ヒクヒクと動き、張形が入ってくるのを待ちわびているイエヤスを見て、ノブナガはゴクリとツバを飲み込む。
「い、入れるぞ?止めるなら今じゃぞ?本当にいいんじゃな?」
「クスッ、ノブナガさん、緊張しているのですか?緊張しているノブナガさん、可愛いです」
「か、可愛いじゃと?き、貴様ぁ!……喰らうがいいわ!」
ズブ!ズズズズズズ……グチュ!
可愛いと言われ逆上したノブナガは、手にした張形を一気に濡れて光っているイエヤスに突き刺した!
「あ、ああ!……入って、きました」
「はぁ!はぁ!はぁ!ど、どうじゃ?どうなのじゃ!我を可愛いとぬかしおった罰じゃ!突きまくってやるわ!
泣くがいい!狂うがいい!泣き叫び、達し狂い、我に跪け!はぁ〜っはっはっはぁ!」
怒りに任せて張形を突き入れたノブナガ。
入れた瞬間、背筋を逸らし、榛名の攻めでは上げなかった大きな喘ぎ声を上げたイエヤス。
その声を聞き、ノブナガは勝ち誇った表情でイエヤスを見て、大声で笑う。
榛名でも堕ちなかったイエヤスだが、この双頭の張形があれば堕とすことが出来る。
イエヤスめ、このような道具を持ち出して、わざわざ我に堕とされるとはとんだうつけよな、と。
グチュグチュと、イエヤスの中をまるで子宮を壊すかのような勢いで突き上げ、
膣壁を擦るように引き抜く。
「あ、ん、ああ……ノブナガさん、気持ち、いいで、す。気持ちいい……あ、ああ」
「はぁっはっはっはぁ!喘げ!達するがいい!達し続けるがいい!」
「あ、あ、ああ!イ、イキそうです……ノブナガさんに攻められながら、イッちゃいそうです」
グチュグチュと張形でイエヤスを攻めるノブナガ。
その激しい攻めで、イエヤスの声にも余裕が消えていく。
余裕のなくなったイエヤスの表情を見て、逆に余裕が出てきたノブナガ。
小さく喘ぐイエヤスの顔を見ながら、ノブナガは思う。
榛名でも堕ちなかったイエヤスが、このような奇怪な物で攻めると堕ちよるのか。
……これを入れるとそんなにも気持ちがいいのか?と。
しかし、そのイエヤスは、張形で犯されながら、潤んだ瞳でノブナガを見つめ、信じられない言葉を口に出した。
「ノブナガさん……イケそうでイケません。もっと激しく突いちゃって下さい。ガンガン突いちゃって下さい」
「はぁ〜っはっは……はぁ?は、激しく、じゃと?もっと激しく、じゃとぉ?」
予想外の言葉にノブナガの手が止まる。
イエヤスはどうしたのですかと言いたげな表情で首を傾げる。
「ノブナガさん、手が止まっちゃってます。どうしたのですか?」
「こ、これ以上、どう激しく突けというのじゃ……貴様は化け物か?」
イエヤスの底なしの性欲に恐れを抱いたのか、あれほど嬉々として激しく突いていた手を止める。
そんなノブナガを見て首を傾げていたイエヤスは、ある事を思い出し、声を上げた。
「ノブナガさん、大変です。わたし、忘れちゃってました」
「ば、化け物じゃ……コヤツは化け物じゃ……」
「いつもこれを使ってるときは、動かしていたのです。止まっている張形ではイケません。
ノブナガさん、縄を解いてもらえますか?」
イエヤスのあまりにも規格外の性欲に呆然とするノブナガに、縄を解いてほしいと申し出るイエヤス。
呆然としていたノブナガは、よく考えもせずにそれに応じた。
イエヤスを自由にする……その意味を深く考えもせずに。