「ハハハハ!榛名は我のものじゃ!」  
 
 薄暗く、不気味な雰囲気さえ漂う封印の塔の一室。  
ここに封じられていた伝説の勾玉、『榛名』。  
戦国時代を争う8人の乙女たちが、われ先にと競い、争い続けてきた神秘の勾玉。  
その勾玉を手に入れた者は、天下の覇権を握ることが出来る……そんな伝説を持つ奇跡の勾玉。  
戦国の乙女達が争い、奪い合ってきた榛名を手に取り、高笑いをあげる乙女が1人。  
その手には、とてつもなく巨大で、天下布武と書かれた大剣が握られており、  
キセルを銜えたその唇は、榛名を手に入れたためか、何かを見下すかのような笑みを浮かべている。  
 
「この榛名を使い、戦国の世を全て平らげてくれるわ!ハッハハハハ!」  
 
 榛名を手にした彼女は、その手に握られた榛名を頭上に捧げ、自信に満ち溢れた表情で口を開く。  
 
「榛名よ!……このノブナガに力をよこせ!天下の覇権を握る力をよこすのだ!」  
 
 そう、戦国時代の申し子、戦国乙女達が先を争い手に入れようとしていた神秘の勾玉、榛名。  
その榛名を手に入れたのは……織田ノブナガであった。  
伝説の勾玉榛名は、ノブナガを主と認めたのか、ノブナガの手の中で微かに震えだした。  
 
 
 それは日本であって日本ではない、戦国時代の物語。  
この世界では、華麗なる乙女たちが武器を手に取り、戦い続けていた。  
しかしそんな戦国の世も、伝説の勾玉、『榛名』を手にした1人の乙女、  
織田ノブナガの手によって、終わりを迎える……はずだった。  
   
「ノブナガ様!ヒデヨシが国境まで軍を進めてきているとのことです!」  
「シンゲンとケンシンは互いに譲らず、今だ川中島にて対峙しているとのこと」  
「マサムネとイエヤスには動きは見当たりません。  
ただ、ヨシモトが全軍を集結させるように指示を出しているとの情報が。おそらく狙いは、わが国にございます」  
 
 各国に散っていた密偵からの報告に頭を掻き毟り、不機嫌な顔を見せるノブナガ。  
その唇に銜えられたキセルをギュッとかみ締め、イライラを紛らわせているようだ。  
 
「……で、ミツヒデはどうした?あの裏切り者の動きはつかめぬのか!」   
「はっ、申し訳ありません!ミツヒデはお館様が榛名を手に入れてから姿をくらまし、行方知れずとなっております」  
 
 部下からの報告を受け、一瞬何かを悟ったかのような顔を見せたノブナガ。  
しかし、次の瞬間には元の表情に戻り、再びキセルをかみ締める。  
 
「……ちっ、あのクソ女め、いったい何を考えていやがる?まぁいい。とりあえずは目先に迫った敵を討つ!  
出陣の準備だ!我が軍は……恩知らずのサル、ヒデヨシを討つ!」  
 
 ノブナガの号令に沸き立つ兵士達。そのノブナガの首には、榛名がかけられている。  
 
「貴様等は戦の準備をいたせ!我は風呂に入り身を清める。熱い湯に浸かり、前祝の酒でも喰らうとするわ!」  
 
 大剣片手に高笑いを上げ、風呂場へと向かうノブナガ。  
もちろんその首には伝説の勾玉、榛名がかけられたままだった。  
 
「ふぅぅ〜、熱い湯に浸かりながら酒を飲む、いい気分だ。……次はサルの首をあてに飲みたいもんだな」  
 
 美しい裸体を隠そうともせず、酒瓶片手に湯に浸かるノブナガ。  
その首には伝説の勾玉榛名が妖しく光っている。  
 
「どうせサルの狙いはこの榛名だろう。ミツヒデも闇に潜んで狙っておるに相違ない。  
……しかしこの榛名、どう使えばいいんだ?」  
 
 榛名を片手で弄りながら、酒瓶に直接口をつける。  
ゴクゴクと喉を鳴らして酒を流し込み、一気に酒瓶を空にする。  
 
「……ハハハハ!所詮は伝説か?だが我は、伝説の手など借りずとも我が力で戦国の世を平らげてくれるわ!」  
 
 そう、ノブナガは榛名を手に入れた日から毎日、榛名をどう使えばいいのかを試していた。  
しかし、細かく振動する以外特に目立った変化はなく、部下を相手に洗脳が出来るか試してみるも、効果はなかった。  
今、ノブナガは榛名を手に入れたことにより、戦国の世を統一するどころか、  
榛名を狙う他の乙女達に狙われるという苦境に立たされているのだ。  
そのノブナガは、その苦境を楽しむかのようキセルを噛んでいる唇を歪ませながら、湯船から立ち上がる。  
 
「さて、と。震えるしか脳のない榛名でも、虫けらをおびき寄せることは出来る。  
ミツヒデのヤツ、我が城を空けるのを待っておるに違いない。あやつは抜け目のない女だからな。  
なら、作戦は決まっている。確実にミツヒデを引き寄せる為に、この榛名をエサにしてやる。  
ヒデヨシを討つと見せかけて、榛名をエサにミツヒデをおびき寄せて……ぶった切る!」  
 
 そう力強く宣言した瞬間、榛名がその力を使い、細かく動き出す。  
風呂に入っていたために裸だったノブナガ。その首にかけられていた榛名。  
また意味のない動きをしおって……そんな飽き飽きした顔を見せていたノブナガだったが、  
次の瞬間、今まであげたこともないような、声をあげてしまう。  
 
「ひゃう!な、なんだ、今の感触は?」  
 
 榛名が震えだした時、入浴中であったため、もちろんノブナガは裸であった。  
そして、榛名は首からかけらてたままであり、ノブナガが動くと榛名も揺れてしまう。  
揺れながら振動していた榛名は、ノブナガの、ある部分に当ってしまったのだ。  
 
「さ、さっきの衝撃はなんなのだ?確か、榛名が胸の先に当った時に……」  
 
 初めて感じた感覚に戸惑いながらも、先ほどの感覚がなんなのかを確かめようとするノブナガ。  
振動する榛名を手に取り、恐る恐るそのピンク色をした胸の先端に当てる。  
 
「んっひゃう!な、なんだ?これはいったい、なんな……ん、んああ〜!」  
 
 榛名を胸の先端に当てた瞬間、ガクガクと膝が揺れ、お腹の中心が熱く疼いてくる。  
初めての衝撃に戸惑いながらも、何故か胸から榛名を外す事が出来ないノブナガ。  
 
「ん、な、なんだ、これは?あああ!すご……こんな、こんなことがあるのか?」  
 
 風呂場の床にへたり込み、榛名の振動によって初めて味わう感覚に戸惑うノブナガ。  
あまりの衝撃に慌てて榛名を胸から離す。  
榛名を胸から離しても、まだ鼓動は早まっており、お腹の中心も疼いている。  
 
「お、おかしい!我の身体はおかしくなってしまったのか?  
たかが振動する榛名を胸に当てただけど、こうまでも動揺してしまうとは!ま、まさか、これが榛名に秘められた力?  
……え?ま、まさか、我が……漏らしてしまったのか?」  
   
 その時、ノブナガは自分の身体に起こった不可解な異変に気づく。  
お風呂の湯とは明らかに違う、液体にまみれた自身の股間。  
榛名によって感じてしまい、濡れてしまったのだが、  
戦の知識のみ求め、性的な知識は必要としなかったノブナガには、自身の身体に何が起きたのか分からなかった。  
 
 股間より太ももを伝い垂れている液体を指ですくい、確かめる。  
小水とは違い、粘り気があり、匂いもあまりしない。  
自分の身体から出てきた、初めて見る液体に戸惑い焦るノブナガ。  
 
「い、いや、違う。小水とはちがう。小水と違い、粘り気がありすぎる。これはいったいなんなん……ふあぁぁぁ〜!」  
 
 自身の股間に起こった不可思議な現象。  
股間より分泌されたヌルヌルとした液体に戸惑い、その液体を分泌している股間を手で触る。  
 
「いひゃう!な、なんだ、我の身体はどうなってしまったんだ?」  
 
 すると、偶然そこに触れてしまい、体中に電流が走る。  
普段はそこに触れてもいっさい電流が走るようなことはなかったが、  
榛名によって、高ぶってしまった身体は反応してしまう。  
 
「こ、この感触はいったいなんなんだ?」  
 
 初めての快感に戸惑うノブナガ。  
そんなノブナガを急かすように激しく振動する榛名。  
 
「な、何故激しく揺れだす?……ま、まさか、ここに当てろと言うのか?……ゴクリ。  
少し触っただけでもあの感触なのに、こんな激しく揺れている榛名を当てたらどうなるのか……」  
 
 頭の中ではダメだと分かっていながらも、好奇心が勝る。  
普段の冷静なノブナガなら部下に試させているところだが、快楽を知ってしまったノブナガにはその考えは浮かばなかった。  
 
「あ、当てればいいんだな?……で、では、当ててみるぞ?」  
 
 一段と激しく振動する榛名を股間に持っていき、触れると電流が走る小さな突起に押し当てる。  
その瞬間、今まで感じたこともないような凄まじい快感が全身を貫く。  
 
「ひぎぃ!ん、きゃう!ス、スゴすぎ……や、っくぅ……い、いぃぃ!」  
 
 榛名が起こす振動により、ビクビクと全身を痙攣させ、悶え狂うノブナガ。  
彼女の部下がこの姿を見れば幻滅するかもしれない。  
しかし今のノブナガにはそのようなことを考える余裕もなく、ただ一心不乱に榛名が起こす振動に狂っている。  
 
「ひ、ひぎぃ!す、スゴイ!これ、いい!すごいぃぃ〜!」  
 
 片手で股間の突起に榛名を押し当て、もう片方の手は、自然とその豊満な乳房を揉みくだしている。  
自らの乳房を押しつぶすかのように激しく揉み、股間に当てた榛名をさらに強く押し付ける。  
もはや快楽に狂い、今自分が何をしているのかさえも分かっていないようだ。  
 
「た、足りぬ……もっと、もっと激しく動け、動くのだ!」  
 
 初めての快楽にも徐々に慣れてしまったのか、股間の榛名の動きに不満を感じ出す。  
もっと激しく動いて欲しい……ノブナガがそう考えた瞬間、榛名は赤い光を発しだす。  
赤く光る榛名は、ノブナガの命令を理解したのか、一段と激しく動き出し、ノブナガを快楽の泥濘に引きずり込んだ。  
 
「ヒィ!こ、これぇ!これ凄いぃぃ〜!い、いい!激し……ひぎぃぃぃ〜!」  
 
 股間に埋められた榛名は、そこにある小さな突起に押し当てられている。  
その突起は、今の今まで弄られることなく、刺激らしい刺激を受けることがなかった。  
そこに、人の手では起こすことのできない、激しくそして細かい振動を起こす榛名が押し当てられているのだ。  
 
「死ぬ!しぬ!シぬ!しヌ!ひ、ひっ!ヒィ!ひぎぃ!」  
 
 ビクンビクンと体中が痙攣し、普段はキセルを咥えているその唇は、だらしなく開き、ダラダラと涎を垂れ流している。  
榛名が押し当てられた股間からは、ブシュブシュと小水とは違う液体を噴出させ、風呂場の床を濡らしている。  
もはや快楽しか考えられなくなったノブナガの意識が真っ白に染まろうとした瞬間、榛名はさらに激しく動き出した。  
その動きがトドメとなった。  
自らの意思で股間に押し当てた榛名によって、人生で初の、  
そして、今後の人生でもそうは味わえないであろう快楽に沈むノブナガ。  
 
「ひぎぃい〜!ぐるぅ!なにかがぐるぅ〜!い、ひぃ!……ひぃあああああ〜!」  
 
 生まれて初めての絶頂。榛名によっての常人では耐えれないほどの快楽を与えられたノブナガは絶叫し、意識を失った。  
 
 屋敷中に響いたであろうノブナガの悲鳴を聞き、慌てて駆けつけた部下達が見たものは、  
体中をほのかに赤く染めながら痙攣し、しかし手にした榛名は決して離そうとしない意識を失ったノブナガであった。  
 
「あぁ〜……ヒドイ目にあったな。……今日は疲れた、出陣は取り止めじゃ」  
 
 意識を取り戻したノブナガは、出陣準備をしていた部下達に指示を出す。  
あまりにも激しく感じてしまった為に、腰が抜け、まともに立っていられなくなってしまったからだ。  
 
「ええ?と、取り止めですか?しかし、ヒデヨシ軍は国境を越え、我が領内に侵略してきています!」  
「……そうじゃな、ならサルめが攻め込んでくるルート上の城や砦に詰めておる者共を全員引き上げさせよ。  
城に砦を無人にして、開門させておくのじゃ」  
 
 部下の当然の言葉にめんどくさそうに答えるノブナガ。  
ノブナガの発した言葉の意味が分からずに首を傾げる部下達。  
 
「……なんだ?我の意見に文句でもあるのか!」  
 
 大剣片手に立ち上がり、意見を言った部下の首に目にもとまらぬ速さで大剣を振り下ろし、首を切り落とす寸前で止める。  
 
「ひぃ!あ、ありません!申し訳ございませんでした!」  
「ならさっさと伝令を走らせ、城から兵を引き上げさせろ!」  
 
 イラつく表情を見せたノブナガは、榛名を片手に立ち上がる。  
 
「我は寝室に篭り、榛名についてもう少し研究をいたす。何人たりとも我が寝室へ来るでない。  
例え、我の悲鳴を聞いても、じゃ。もし寝室へ来る者があれば……その首叩き落す!分かったな!」  
 
 部下達に脅しをかけ、寝室へと向かうノブナガ。  
その表情は期待に満ちており、足取りも何故か軽い。  
そして、寝室に入り、扉を閉めた時、ボソッと呟いた。  
 
「ふ、はははは!そうか!これだったのか!伝説の榛名の力とは、これだったのか!  
いける!この不可思議な力を使えば、我は全てを手に入れることが出来る!  
……まずは榛名を狙い、身を隠しているミツヒデめをおびき寄せるか」  
 
 そう呟き、布団に寝転がる。  
 
「ミツヒデに使う前に、もっと榛名の使い方を熟知しておかなくてはならんな」  
 
 そして下着を下ろし、股間に榛名を当てる。  
 
「さぁ榛名よ。秘められた力、解放するがいい!そして、我に快楽を……んん!ひぃ!い、ああああ〜!」  
 
 その夜、屋敷には一晩中ノブナガの喘ぎ声が響いたという。  
 

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