無限に広がる真水の海。その水面に浮かぶ小さな島に、ハクと千尋は降り立った。  
その髪には、紫の髪留めが光って。  
「疲れただろう?少し、休んでいこう」  
「うん…」  
まだ、少女を向こうの世界に帰らせるまでに、時間はあった。  
「それにしても…大きくなったね。まだ、4年程だろう?」  
「当たり前だよ〜。成長期だもん」  
「でも、その割には細すぎやしないかい?」  
「も〜皆して!!これから大きくなるもん!」  
「そう?いつのことやら…」  
「あ〜〜!!笑ったね!今に見てなさいよっ」  
途切れることのない会話と笑い声。  
2人を包む空気は、幼い兄弟であるかのように、暖かで、優しい。  
それは、2人の間に生まれた情の証でもある。  
ほんの数日、それだけの触れ合いで、お互いに慕う心が芽生えたのだ。  
「千尋…こちらへおいで」  
手招きに吸い寄せられるように、千尋はその腕の中に収まった。  
「何?…ハク…?」  
白い美貌が、小さく笑った。  
「千尋…欲しい物があるんだ…」  
「ハクが欲しいもの?」  
「そう…だから、少し我慢してて…」  
急に、千尋の視界が黒く覆われた。  
 
一瞬何が起こったのかわからなかった。そして唇に触れた感触に気付いて。  
視界が戻っていく。  
まだ、十歳の少女には刺激的過ぎる出来事に、ただただ呆然とするばかりで。  
「千尋…?」  
鈍く光る月に照らされた翡翠の双目。  
宝玉にも勝るとも劣らぬ美しい瞳に覗かれて…千尋ははっと我を取り戻した。  
(今…わたし…ハクと…キス…したよね…え…えええぇぇ??!!)  
照れと恥じらいと、嬉しさで…赤くなった顔をぷいと背けた。  
当然といえば当然。しかしハクは幼く純粋すぎるその反応に顔をしかめた。  
(これでは…無理かもしれないな…)  
「千尋、こちらを向いて…?」  
「………」  
恥ずかしくて顔をまともに見れない。というよりは顔を合わせられない。  
そんな千尋を複雑に見つめて。  
「千尋?」  
ハクは千尋を背から抱きしめ…カリリと耳を噛んだ。  
「うひゃああああ!!!」  
声が無意識のうちに上がり、背が仰け反る。  
そうなると、必然的に千尋がハクを見上げる形となった。  
「うぅぅ〜〜ハクぅ〜〜」  
恨めしげな目を向けて…それでも、ハクにとっては可愛らしさでしかない。  
「そなたが悪い」  
「どうしてよっ!」  
くすくすと笑うハクに、千尋は拗ねて、ぷぅ、とほほを膨らませる。  
「もうっ!ハクなんか知らない!」  
すでに赤かった頬がさらに赤くなり…また、顔を下に向ける。  
 
それでも笑いは止まらない。少女の反応が、あまりにも可愛らしすぎて。  
「それは悲しいね…私のことなど、もう見たくは無い?」  
「………」  
「私のことが、嫌いになった?」  
そこまで言われると、顔を上げるよりほか無い。  
「ずるいよハク…」  
恨み半分、恥ずかしさ半分。そんな少女の素直すぎる反応が、愛しくてならず。  
水を司る高潔な竜神の心を、捉えて放さない。  
…このまま奪ってしまおうか。  
そうすれば、もう返す必要は無い。永久に、自分のものにできるのに。  
強い眼差しが、千尋を捉えた。  
 
明らかに先程とは違う少年の視線。  
切なそうな苦しそうな…そしてどこか艶のある…世にも美しい、少年神の美貌。  
「…ハ…ク?」  
どうしたの?と言う前に、どさり、と背中を押倒されて…口が、ハクに塞がれた。  
「んっ…んん…っ」  
先程の優しいものではない。  
強引に開かれた唇に舌が差し込まれ、ハクの舌と絡んでゆく。  
あまりの息苦しさに必死でハクを放そうとするが、そんなささやかな抵抗は  
ただの煽りでしかない。  
「〜〜〜ぷはっ!」  
やっと開放された口に、空気をめいっぱい吸い込む。  
酸欠で頭が痛かった。なのに、それなのに…ハクは千尋に休む暇さえ与えずに、  
さらに唇を重ねて。  
 
(ど、どうしちゃったの?)  
肩をドンドンとたたいて、やっとハクが離れた。  
文句を言ってやろうと思っていた千尋だったが、そんな気もすぐに失せた。  
ハクの目が、あまりに悲しそうだったから。  
「……ハク?」  
「…すまなかった、ね…」  
千尋にはどうしてハクがそんな顔をしているのか見当もつかなかったが。  
「…どうしたの?」  
「何でもないよ…」  
次の瞬間にはハクの表情は優しいそれに戻っていた。  
それども。千尋は納得できない。  
ハクの様子がおかしいのは、いくら鈍い千尋でもよくわかる。  
あまり感情を表立って見せない彼が、どうしてこうも悲しげな目を自分に向けるのだろうか。  
「何でもないはずないでしょ」  
「本当だよ」  
「嘘」  
「本当」  
「嘘嘘嘘嘘嘘うそ!!!絶対うそ!」  
全くかなわないね、とハクは顔を顰めた。  
優しい微笑みは哀愁を帯び…なおも千尋を包み込む。  
「そんな顔、しないで」  
言ったのは千尋の方。  
千尋には我慢ならないのだ。唯一自分に心を赦してくれている彼が、  
一人で、苦しんでいることに。  
全て自分ひとりで背負い込もうとする彼だからこそ。  
「ハクの欲しいものって、なに?」  
「……聞いてどうするの?」  
「私にあげられるのなら、あげるから」  
 
そう?と言うのと同時にハクは唇を重ね…そっと服の上からその上身を撫でた。  
「んっ…くすぐった…いよ…」  
これがどういう意味なのかわからないのか、無邪気に笑う少女に愛撫をするのも気が引けたが…  
服の中に手を入れ、直に肌に触れた。  
少女の、瑞々しい滑らかな素肌は、その掌にでさえ心地よい。  
唇の柔らかな感覚は離れるのも惜しいが、顔を、体を少し持ち上げて、その肌を覆い隠す服を  
するりと脱がせた。  
「ハ、ハクッ!」  
なすがままだった千尋も、さすがにこれには羞恥の色を見せ、慌ててその細い腕で胸を隠す。  
いくら子どもといっても、異性に胸を晒すのは抵抗があるのだろう。しかし、これでは…  
「千尋…てをのけて?」  
「やだよ…恥ずかしいもん」  
千尋の内の清流の流れ、その鼓動が動揺を物語っている。  
 
「…困ったね。」と優しく髪を撫でて。  
止めてあげたいのは山々だ。何せ、早すぎる。でも、それでも…もう時間は無いから。  
「大丈夫。心を鎮めて…」  
そう耳で囁いて、胸に被さる腕を持ち上げ、そっと口を寄せる。ただ、それだけの動作。  
それだけで千尋の体の力が抜けていくのがわかる。  
急に重くなった手を草の上に乗せて。  
暴かれた裸身、そのまだ膨らみを持たない青い双果の小さな頂に手を添え、擦るように撫でると  
千尋の口から切なげな声が上がった。  
 
「あっ、は、はくぅ…なんか…んっ…ヘン…っ」  
「大丈夫だよ。私に全てを任せて…」  
そう言うが早いか、今度はその頂を口に含み、舌で転がすように捏ねる。  
中の突起が、少しづつ、硬くなっていく。  
口から漏れる吐息もだんだんと熱を帯びたものになっていって…。  
「気持ち、良い…?」  
「はっ…わ、わかんな…っ……あっ…ふ…」  
頭ではわかっていなくても、過ぎるくらいに感じていることが、恍惚とした表情から見て取れる。  
「もっと、良くなりたくない?」  
甘く、毒を含むような囁き。  
そんな問いにも、躊躇うことなく少女はこくり、と頷く。  
素直すぎる少女は、体が求める色の欲に抗ったりしなかった。  
最後の布が取り払われ、生まれたままの姿となった千尋。  
他から見ればただの子供の裸身も、ハクにとっては絶世の美女すら無碍な存在になるほど  
凄艶になる、愛しい物。  
「千尋…足を開いて」  
これでは指を入れられない、と付け足して。  
千尋にとっては恥じらいなどもうどうでもよかった。  
ただ、ハクが与えてくれる快感が欲しい。  
そのすらりとした細い中性的な下肢が、ゆっくりと左右に開かれていく。  
「いい子だね…そのまま閉じてはいけないよ」  
まだ、幼すぎる少女の細腰の間に覗く秘部は、ほんのりと桃色に色付いていた。  
 
陰毛もまだ生えておらず、隠すものが何も無い下肢。  
その中に顔を埋め割れ目に沿ってできるだけ優しく舌を這わせる。  
「あっ、ああ…」  
「ここ、いいの?」  
「〜〜〜っ!ふうっ…んっ」  
なだらかな恥丘のなかで過敏に反応するそれは、小さな肉芽だった。  
指の腹で擦ると、千尋の体がぴくりとはねた。  
「んっ、…っ…ひんっ…」  
喉を締め付けているのか、苦しげなかすかな喘ぎが空に響く。  
「声は我慢しなくていいよ…もっと聞かせて…」  
「〜〜うっ、はくぅ〜あっ、はあん!」  
与えられる快楽に溺れているのか、千尋はどこまでも従順だった。  
指の先で軽くカリカリと掻くと、千尋の嬌声がいっそう大きくなった。  
腰を小さく揺らす仕草や濡れた黒瞳が、千尋が十分に感じていることをハクに伝えて……。  
そんな淫らな姿が何よりも冒しがたい神聖のように思えてならない。  
「ハク…もっと…」  
そんな少女の誘いは、さしずめ聖域への誘いか…と一笑しながら指を舌へ這わせ、花唇の中に  
ある小さな穴を撫で上げる。  
ゆっくりと、ほぐすように。  
「は…あ…っんん…」  
堪らず、千尋は空に上がった行き場の無い腕をハクの首に回し、すがりついた。  
その小さな窪みにも似た穴に人差し指を添え力を込めると、小さな穴が押し広げられ、少年の指を納めた。  
 
「ひああっ!」  
先程までとは違う異物感に逃げ腰になるのを押さえつけられ、千尋はどうしようもなく喘ぎつづける。  
「ハクっ…だしてっだしてぇっ!」  
「だめだよ…気持ちいいだろう?」  
指を軽く折り曲げて、クイと上へあげると、面白いように腰が浮き上がる。  
「体はよく反応しているんだけどね」  
と、千尋の耳に囁きながら、ハクはクスリと笑った。千尋の膣内は潤みも少なく…  
自分の細い指でさえ抵抗を伴い、なおも強く締め上げる。  
それは仕方のないこと。千尋はまだ、初潮も迎えていない十歳の子供なのだから。  
この幼すぎる千尋の細腰に、己を収めることができるだろうかと一瞬思ったが…  
もう自身やめることができない。  
足りない潤いの代わりに唾液を滴らせ、ゆっくりと動かしながら指を増やして  
中の洞を引き伸ばしてゆく。  
千尋の蜜とハクの唾液が膣の中で混ざり合い、ハクが指を出し入れする度、  
ぐちゅり、ぐちゅりと卑猥な水音が響く。  
「千尋…痛い?」  
「…んぅっ…す、こし…ああっ…あん!」  
体の力が抜けていくのを感じ、もういいだろうか、と指をするりと抜いた。  
「…?」  
「これで最後だから…」  
そう言ってハクは戸惑うと千尋の額に優しくキスをして、滾るものを宛がった。そして。  
「…っいったあ…ああっ!」  
それは激しい痛みとともに、千尋の体の中にゆっくりと侵入してきた。  
「ハクっ、やめてっ、ハクっ!」  
未完の胎が、自分の侵入を拒むように強く締め付けてくる。感じるのは強い快感と、微かな痛み。  
そしてほのかに香る甘い血の香り。それは、自分とこの少女が結ばれたという確かな証。  
「いた…いたいよぉっ…」  
弱々しく震える千尋の声。痛みと涙で顔が歪んで。  
それはハクにも伝わっていた。でも…それでも…もう止められない。  
 
「千尋…力を抜いて…」  
少しだけ動きを止めて囁いた。それは張り裂けんばかりの痛みを、ほんの少し、気休め程度にだけ和らげて…。  
中の強張りが少し解け、千尋の最奥まで自身を迎え入れた。  
「っは…はあ…ふ…」  
動きが止まり、やっと休む暇を与えられ、必死で肩で呼吸をしている。  
「…辛かった?」  
「…あたり…まえでしょぉっ…」  
それでも決して拒まないのは、彼女の優しさからか。  
どんなに辛くても、終わったわけではない。まだこれからなのだ。夜は長い。まだ、月は真上にある。  
「悪いけれど、動くよ」  
「え?…あっ…ハクッ…やあ!」  
最初の痛みよりはましなものの、無理にこじ開けられた痛みと痺れが突かれる度に襲ってくる。  
逃げようとする腰を優しく捕らえ、もう片方の手で草を握る千尋の手を取って。  
繋がれた手と手は、離れまいと指を絡め、強く握り締められる。  
「ハクっ…ハ…ク…」  
「…ち…ひろっ…」  
2人が互いを呼び合う声は、芯から響く卑猥な音とは対照的に純粋で、場違いなほどに清らかで。  
華奢な腰が悲鳴をあげる。一つひとつの動きに体を震わせては背を仰け反らせ、そんな少女を  
貪るように少しづつ動きを早めていく。  
「あん…ああっ…はっ…ハクっ…ハク…」  
「千尋…」  
彼女の声は甘く花のように可愛らしいのに、自分はどうしてこうも悲しげなのか…理由がわかっているからこそ  
彼は激しく突き立てる。彼女が感じているだろう痛みも全て無視して…。  
「千尋…千尋…」  
「ハク…ああ…ん!あ…ああああ!」  
一際高い嬌声の後、秘肉が引き絞るように自身を締め上げ、ハクは千尋の中に精液を流し込んだ。  
 
一面に広がる草原。そしてその先にある赤い時計台。  
彼女は帰れる。両親とともに、元の世界へ。  
「またどこかで会える?」  
「ああ…きっと」  
「きっとよ…」  
そんなことあるわけないのに。自分が帰るところは…琥珀川はもう無いのだから。  
「さあ行きな…振り向かないで」  
繋がれた手をそっと放すと、彼女は両親のもとへ駆けて行った。  
千尋は知らない。ハクの切なすぎる想いに。  
 
…それでも千尋、そなたが苦しむことはない。この世界から出れば、全ての記憶は失われるから。  
そうして向こうの世界で生きて…いつか現れるであろう、そなたの伴侶とともに…  
 
「幸せに、おなり…」  
 
「え…?」  
今…何か  
 
 
 
「千尋ー行くわよー」  
 
私何か置いてきた?  
私を呼んでくれた声…とか…  
 
「ちひろー?」  
どうしてこんなに悲しいんだろう  
どうして涙が出てくるんだろう  
…思い出せない…  
 
「千尋…あなた泣いて…」  
「お母さん、私…何か忘れてきちゃったみたい…」  
「泣くほど大切だったの?…まあ、すぐに忘れるから…いきましょ?」  
「…うん」  
 
なんだっけ…忘れちゃいけなかったはずなのに…  
ごめんね…私忘れてしまった…  
 
…ごめんね…  
 
        おわり  
 

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