「あれ〜、みんなまだ来てないのかなぁ…?」  
駅の改札口で一人佇む女性の姿。その手には旅行鞄を持っている。  
「今年のゴールデンウイークこそは家でごろごろしたかったのに〜。北川さんがまた今年も旅行に行くって言ったから引率として私が行かなきゃいけなくなったし〜」  
ちょっと不満を口にして唇を尖らせる彼女。  
彼女の名は鈴木みか。興津高校の国語教師である。  
「でも今年はどこに行くんだろうな〜♪ちょっと楽しみ〜」  
…どうやら満更でもないようだ。  
「…でもみんな遅いな〜?場所間違えたかな〜?」  
その時、遠くのほうから見覚えのある人影が見える。  
「遅くなってすいません、先生〜」  
到着したのは彼女の受け持つ生徒、北川だった。  
前までは『仲のよい教師と生徒』だったが、いろいろあって今は『恋愛1年生』といった状態である。  
「あ、北川さん、やっと来たね〜」  
笑顔で北川に近づく彼女。  
しかし、彼女の頭の中に少し疑問が湧いた。その疑問を北川に問いかける。  
「ねぇ、他のみんなは?まだ来てないの?」  
その言葉に北川は申し訳なさそうに呟く。  
「ごめんなさい先生、他のみんなは都合が悪くなっちゃって来れないって」  
「え〜、でもしょうがないね。何か作為的なものを感じないわけじゃないけど…」  
「や、嫌だなぁ、偶然ですよ、ぐ・う・ぜ・ん」  
彼女はやや引きつり笑顔のまま、みか先生の手を引っ張っていく。  
「ちょ、ちょっと、引っ張らないでよ〜」  
「早くしないと電車行っちゃいますよ?」  
「え、嘘!あー、待ってよ、北川さ〜ん」  
そして2人は駅の構内に入っていくのであった。  
 
ごとん、ごとん…。  
電車の揺れる音と人々の話し声が車内に響き渡る。  
時期はまさに行楽シーズン、電車の中も満員に近い。  
「ほんと、指定席で良かったですね〜」  
背中を伸ばしながら北川が言う。  
「ね〜。あ、そうそう。今回行くところはどこなの?」  
「おやじの親戚が経営してる旅館なんだけど…。これがその宿泊券です」  
ちなみにおやじとは2年A組のクラスメイト、中村元の事である。  
みか先生はそのチケットを受け取る。すると、みるみるうちに彼女の顔色が変わっていった。  
「え〜っ!ここって限定10名しか泊まれなくて、今は2年先まで予約が一杯な事で有名な旅館じゃない!」  
「みたいですねぇ〜。まぁ、みか先生と一緒ならどこも変わらないですけど?」  
そしておもむろに売店で購入した蜜柑を剥き始める。そして笑顔で、  
「は〜い、先生、あ〜んして?」  
「もう、北川さぁ〜ん。自分で食べれるよ〜」  
「じゃあ、私が食べちゃいますよ?」  
「嫌ぁ〜、食べる〜」  
そう言うとちょっと赤ら顔をしながら蜜柑をぱくつくみか先生。  
「ん〜っ、甘くて美味しい〜」  
幸せそうな顔で口を動かすみか先生。  
「はい、もう一口♪」  
「あ〜ん♪」  
暫くの間、2人のやりとりが続く。  
 
「ずいぶんなかのいい姉妹だねぇ…」  
突然目の前から声が聞こえてきた。見ると途中の駅から乗ってきたのであろう、60代くらいの老夫婦が声をかけてきた。  
「本当に。お2人さんもどこか旅行ですか?」  
北川は満面の笑みを浮かべて  
「はい!今からここに向かうんですよ」  
そしてガイドマップを見せ話しかける。  
「いいわね、仲のいい姉妹で。あなたがお姉ちゃん?」  
「えー…」  
しばし言葉が止まったが、軽く咳払いし、  
「いいえ、こっちがお姉ちゃんです。ねっ、みかお姉ちゃん?」  
「え、っ、あっ、ええっ!?」  
あまりの話の進み具合にわたわたとするみか先生。北川がこっそり耳打ちし、  
「先生、ここは『はい』って言っときましょうよ♪」  
北川の表情はとても楽しそうだ。  
(も〜…北川さんったら何考えているのやら…。でもまぁ、それも面白そうかな?何たって『お姉ちゃん』だもんね〜)  
「…え、ええ。いつもこうやって甘えてくる妹なんですよ〜」  
老夫婦たちは目を細め笑顔を浮かべながら話しかける。  
「おや、そうだったのかい?わしはてっきりこっちの妹さんの方がお姉さんだと思っていたのじゃが?」  
「…やっぱりそういう風に見えますか…」  
その言葉に少し遠い目で窓を見る彼女。  
「お姉ちゃんはこう見えてもう27歳なんですよ〜。私とは10歳違いなんです」  
北川がフォローを入れようとするが、みか先生はさらに遠い目をしながら、  
「そう、どうせ私は童顔幼児体型の27歳ですから〜…ル〜ル〜」  
とうとうアンニュイソング(注:北川命名)を口ずさむ。  
「あ、でもそんなお姉ちゃんだからこそ可愛いんですよ♪」  
「もー、きたが…理央ちゃんったら、そんなこと言わないで〜」  
ぎゅっと抱きついてくる北川に顔を真っ赤にさせながら彼女をぽかぽかと叩くみか先生。  
その光景に老夫婦は顔をさらにほころばせるのであった。  
 
「わ〜、新緑がまぶしくていい景色〜」  
駅に着くなり開口一番、みか先生は思わず深呼吸をする。  
「う〜ん、空気もきれいで美味しい〜っ」  
都会から離れた場所だけあって、いつもの喧騒とした雰囲気はまったく無い。  
小さいロータリーがあるだけで見渡す限り緑が萌えている。  
「ふふっ。ほんとみか先生って可愛いです♪」  
「もう、北川さんの意地悪〜。電車の中で焦ったよ〜」  
頬っぺたをふくらませる彼女。そんな彼女の腕をぎゅっと抱きしめる北川。  
「じゃあ、今回の旅行は『教師と生徒』じゃなくて『お姉ちゃんと妹』って事にしません?何か新鮮で楽しそうじゃないですか〜」  
いきなりとんでもない事をさらりと言う北川。まぁ彼女はいつでもこの調子なのだが。  
「で、でもこんなスタイルいい妹って…さっきも言われたし…」  
「そこがいいんじゃないですか〜。可愛くて、頼りになるお姉ちゃん、って事で」  
『頼りになる』という言葉に惹かれたのだろうか、顔をにやつかせ、  
「えへへ、そうかなぁ?」  
「ええ、大人の包容力ってやつですよ♪」  
相変わらずおだてに弱いみか先生。  
「分かったよ〜。じゃあ行こっか、理央ちゃん」  
「うん、みか姉ちゃん♪」  
そうして2人は手を繋ぎながらゆっくり歩き始めた。  
 
そしてその後ろをつけていく複数の影…。  
「…見て見て、北川の顔〜。もうにまにましちゃってさ〜」  
「いつもにも増してハジけてるしね〜。ある意味尊敬するわ…」  
「いいないいなー。俺も『譲治お姉ちゃん』って言われてみたいな〜」  
「えっへん!中山、このシーンで漫画が描けそうです、きゃは♪」  
「いいからお前は黙ってろ…っていうか何でお前もついてきてるんだ?」  
建物の影からひょっこり顔を出したのは何といつもの2年A組の面々+中山。  
「俺は末武に『お兄ちゃん』って言われたいぞ!ああ、想像するだけで…」  
思わず鼻を押さえる工藤。  
「工藤、汚いっ!」  
慌てて叫ぶ富永。  
「誰か呼んだか?」  
こちらはまったく気にも留めてない末武がいた。  
「とにかく、先回りして宿に行くぞー」  
まとまりの無くなりつつあった一行をおやじが制し、引き連れる。  
「このメンバーだと何か旅行してる気分じゃないわね…」  
歩きながら委員長が溜息混じりに呟いたのだった。  
 
「うわ〜、バラの花がいっぱい!すごいねーっ!」  
2人は旅館の近くにある公園に来ていた。ここは春になると一面にバラの花が咲く事で有名な公園である。  
「みか姉ちゃん♪こっち向いて〜」  
「ん?」  
ぱしゃっ。  
シャッターの切る音がした。  
「嫌〜、写真取らないで〜。恥ずかしいよ〜!」  
カメラを片手に微笑む北川。  
「帰ったらこの写真みんなに見せようかな〜」  
その言葉にみか先生がすぐに反応する。  
「ちょ、ちょっと〜、嫌だよ、恥ずかしいじゃない〜」  
彼女は言うなりぴょこぴょこと北川に近づく。  
(そうだ、ちょっと悪戯しゃおうかな♪)  
「あ、お姉ちゃんの横に毛虫が!」  
間髪いれず北川が指をさす。  
「ゑ…うゃあっっっっ!」  
一瞬の間が空いて彼女のほうに向かって脱兎の如く駆け出すみか先生。  
そして北川に思いっきり抱きつく。  
「いや、毛虫きらいぃぃぃっ」  
半泣き状態の彼女にある意味起こすべくして策を弄した北川の顔が緩む。  
「ふふふ、嘘ですよ、みか…先生」  
そう言ってみか先生を強く抱きしめ返す北川。  
 
「も〜…ってあれ、り…北川さん…?」  
安堵の溜息をつくみか先生が彼女の異変に気づく。  
北川の肩が震えている。  
「北川さん、具合でも悪いの?」  
顔を見上げるみか先生の頬に暖かいものがぽたり、と流れた。  
「夢じゃ…ないんですね。私、先生の大切な人なんですよね?」  
「北川さん…」  
そしてみか先生は爪先立ちになりながら彼女の頬にキスをする。  
「これが私の答え。前も言ったでしょ?想いを受け取ったって」  
「みか先生っ!」  
再びしっかりと彼女を抱きしめる。  
「先生…バラの花言葉って知っていますか?」  
「何?教えてほしいな」  
軽く涙をぬぐう北川。  
「バラの花言葉は無邪気とか爽やかって意味もあるんですけど…」  
そのままみか先生に向き合う。  
「他にも『私はあなたを愛する』って言葉があるんです」  
そして、彼女は軽く口付けをする。  
「先生…愛してます」  
「北川さん…。ありがとう、私も北川さんの事…愛してる」  
風がさぁっと凪いだ瞬間、みか先生は北川の唇を塞いだ。  
お互いの気持ちが繋がった、そんな出来事だった。  
 
 
「や〜、ご飯も食べたし後はお風呂だけね〜」  
浴衣姿のみか先生と北川は旅館で山海の珍味を堪能し、そしてここの名物の露天風呂へと足を運んだのだった。  
「先生、浴衣姿も素敵です。小学生みたいで」  
「はうー、そうですか…」  
もうその言葉にも慣れたとはいえやっぱり言われると悲しい。  
「あ、ほら、着きましたよ」  
北川のフォローもそこそこに2人は早速『女湯』のほうに入っていく。  
この時彼女が何かしたのをみか先生はまったく気づくよしも無かった…。  
 
所変わってこちらは2年A組ご一行の泊まっている部屋。  
彼らも宿でくつろぎ、ただ今宴会の真っ最中であった。  
「ここでビューティー関のスペシャルターイムッ!本日は興津愛の伝道師、関譲治君のお手製色気ムンムン浴衣七変化ショーをお見せしまーすっ!」  
「むっかーっ!なら私は浴衣脱いであんたになんか到底真似できない可憐なスタイル見せてあげるわよっ!」  
恒例の関の一人ファッションショーが始まり、それに張り合う富永。  
「いいぞ〜もっとやれ〜!ヒック」  
小林はすでにビールをしこたま飲みいい具合に出来上がっている。  
「あの2人何だかんだで仲いいなー、俺も参加しようかな?」  
「す、末武!そうだお前も浴衣脱げさあ脱げ、俺はお前のスタイルが見たいぞーっ!」  
こっちも暴走超特急が1人。  
「ったく、誰かこいつらを止めろって何してる、中山?」  
必死に止めようとする渡部が首をかしげる。  
「えっへん、この状況を漫画にしてみました!」  
「だからといって刺身皿の上に醤油で漫画描くな!しかもド下手ーっ!」  
ある意味そういう技術を持つ中山が凄い。  
 
そんなこんなでわいわいがやがや賑わう一室。  
そこにそそくさとバスタオルを持って外に出ようとする1つの影。  
「あれ〜、委員長、どこ行くのぉ〜?」  
かなり酔っ払っている小林が缶ビール片手に問いかける。  
「何か汗かいちゃったし、お風呂にでも入ってくるわ。この騒ぎ暫く続きそうだし」  
「ふぇ〜い、って先生にばれない〜?」  
「大丈夫、隅のほうで浸かるだけだし。またすぐ戻るわ」  
そう言って部屋から出る委員長。そのまま露天風呂の『女湯』の暖簾をくぐっていった。  
 
「北川さん、やっぱスタイルいいね〜。見てて惚れ惚れしちゃうよ〜」  
広々とした湯船に浸かり極楽気分を満喫している2人。みか先生はやっぱり、といっていいのか北川の身体をまじまじと見つめてしまう。  
「でも、胸が大きいのも考え物ですよ?肩も凝っちゃうし」  
彼女の答えにぶんぶんと首を振るみか先生。  
「それでも羨ましいよ〜。私なんか胸小さいし…」  
自分の胸を軽く触って落胆の溜息をもらす彼女。  
「じゃあ、大きくするマッサージをしてみましょうか?」  
「え!そんなマッサージあるの!?」  
北川の言葉に驚きの声を上げるみか先生。  
「ええ、簡単に言うとおなかの脂肪を胸のほうに寄せてあげるマッサージですよ?」  
「それ、ぜひお願いします…!」  
目を輝かせ感嘆の声を上げ、彼女が北川に近づいていく。  
「分かりました〜。じゃあそこに横になってください(ああ、みか先生の胸を触れるなんて…お母さん、産んでくれてありがとう!)」  
「何か言った?」  
ぽそりと呟くみか先生。  
「いえいえ!…じゃあ始めますよ」  
 
言うなり北川の手が横に寝そべるみか先生の胸に触れる。  
「ひゃんっ…くすぐったいよ…」  
お腹のほうから上に手を寄せ、胸全体をなでる様に触り、中心に向かって寄せて揉む。  
「くすぐったい〜!」  
「我慢してください、先生。これはマッサージですから」  
と言う北川の息も何か荒い。  
(ああ、もう襲いたくなっちゃう…駄目よ北川、ここは我慢我慢…)  
必死に平静を保ちながらきゅっ、きゅっと何度かその作業を繰り返す。  
みか先生も最初はくすぐたがっていたがその言葉はだんだん無くなっていった。  
その代わり別の声が現れる。  
「んっ…」  
よく見ると彼女の頬が赤くなっている。息も乱れている。  
「きた、がわさん…何かむず痒い感じがする…」  
「大丈夫です♪効いてきた証拠ですよ」  
さらっとうそぶく北川。その手はさらに激しさを増してくる。  
最初は揉んでいただけだが、徐々にぷっくりと立ってきた乳首を触り始める。  
「あっ!ああん…」  
思わず身体が仰け反るみか先生。  
「先生…綺麗ですよ」  
「北川さぁん…んっ」  
そのあまりにも愛しい姿に。  
もう我慢できない。  
北川は心の中で鍵を外し、みか先生の唇に自分の唇を重ねる。  
「んっ…北川さん…」  
「先生…」  
北川はゆっくりと舌を絡めさせる。  
「はぁ…んちゅっ…ちゅぶっ…」  
その動きに反応するかのようにみか先生の舌も絡んでくる。  
 
北川の両手が再び彼女の胸を揉み始める。  
「うぅんっ…ふぅっ…!」  
北川に手を伸ばすみか先生。  
お互いの舌がまるで生き物のように激しく絡み合う。  
その間にも北川の手は胸周りを揉みながら乳首の先端を軽く抓り、乳頭部分を指の腹で円を描くようにやさしく撫で回している。  
「ぷふぅ…気持ちいいですか、先生?」  
ただでさえ赤く染まった顔をさらに真っ赤にさせ、黙ってこくこく頷く彼女。  
北川は笑みを浮かべ、胸の部分に自分の顔を移動させる。  
その舌がみか先生の胸の先端に触れる。  
「ああっ!」  
みか先生のあえぎ声が露天風呂内に響く。  
「きた…がわ…さん、人に聞こえちゃうよッ…」  
「ご心配なく、さっき入り口に『清掃中』の看板立てて隣を女湯にしましたから♪」  
こういう事は策士たる所以か。  
そのまま舌をわき腹に沿って這わせ、軽くキスをする。  
「ひゃうっ!」  
みか先生自身体験した事の無い感覚が彼女を襲い、耐えられずに声を上げてしまう。  
「先生はわき腹が弱いんですね?いつも触ってるおかげかしら?」  
両手は胸を揉みながら北川の舌はそこからへその部分へと移動する。  
「いやっ、何か変な気分だよぅ…」  
「もっと変な気分にさせてあげます♪」  
北川の両手はそのままに、さらにその舌を彼女の茂みの部分に埋め秘所の先端部分に到達する。  
「先生、もう凄いことになってますよ…」  
「いやぁ、見ないでぇ…」  
両手で顔を覆い恥ずかしながら首をふるふるさせるみか先生。  
「うふっ、この前のお返しです」  
そう言うと北川の舌が花弁の先端に触れた。  
「はぁんっ!」  
再び彼女の身体が大きく仰け反る。  
すでに彼女の花弁の先からはとろりとした蜜が垂れていた。  
北川はそれを舐め取る。  
 
「き、北川さん、そこは汚いよぉ…」  
みか先生のか細い抗議の声を無視して北川は舌を中に差し込む。  
「あんっ!」  
北川が彼女の中を温かい舌でかき回すたびに彼女の口からは普段ではとても想像できないような色っぽい声を発していた。  
「気持ちいいですか、先生?」  
そしてちゅるちゅると音を立てながら彼女の小陰唇を軽く甘噛みをする北川。  
「ああんっ!き…気持ちいいよっ!もっと…、な、舐めてぇっ!」  
北川の攻めに我慢が出来なくなった彼女。その言葉とともに北川の動きがもっと激しくなる。  
「ぷぁっ…。すごいです、みか先生のここ…。舐めても舐めても溢れてきます…」  
「う〜…北川さんのばかぁ…」  
「まだそんな口がきけるんでちゅね〜。じゃあ1回イッてもらいましょうか」  
「え?何、何ていっ…ああんっっ!」  
みか先生の抗議の言葉は突如あえぎ声に変わる。北川の右手が彼女の花弁を触り始めたからだ。  
「先生のここ、すごくいやらしい音が聞こえますよ…?」  
すでに彼女の秘所は大量の蜜が溢れ、水音がはっきりと聞き取れた。  
「あん!駄目っ、そんなに激しくしないでっ!私、私っ…!」  
身体をよじらせながらあえぎ叫ぶみか先生。  
「激しくしたら…何ですか〜?」  
いつもの笑みで北川の右手は容赦なく彼女の花弁を攻める。  
「いっ…あああっっ!!」  
そしてみか先生の言葉が止まる。身体を今までより大きく仰け反らせ、何度も波打つ。  
彼女から発した愛液は床にも飛び散り、北川の右手もそれに塗れていた。  
「ふふふ…イッちゃいましたね、先生♪」  
「はぁ…あっ…はふっ…」  
肩で荒く息をする彼女の唇を優しく塞ぐ北川であった。  
 
「うわー…。とうとう北川の奴襲い始めたか…」  
彼女たちのやり取りの数十分前。  
場所は変わって露天風呂『男湯』。  
のんびりと温泉に浸かっていた『おやじ』こと中村元が隣から聞こえる声に気づいたのは今からほんの数分前だった。  
最初は声だけを聞いていたが、好奇心が湧き出してきて何とかして隣を見れないかと辺りを見回す。  
すると前の宿泊客がやったのであろう、隣を仕切る柵の一部分がほんの僅かだけ、何箇所か外れているのに気づき、そこに移動し現在に至るわけである。  
まあ彼のしている事はただの覗きではあるが…。  
「触ってるぞー、揉んでるぞー」  
必死に柵に向かって目を凝らすおやじ。  
「おいおい、先生…なんつー声出すんだ?」  
何か自分もどきどきしてしまう。  
そしてこれから起こる事を見逃すまいとさらに目を凝らそうとしたとき。  
「おやじ!?」  
はっと振り向くと目の前にいたのは委員長だった。  
「い、委員長!?なんでここに!?」  
あまりの状況に驚きの声をあげるおやじ。もちろん目は逸らしている。  
「おやじこそ、ここ女湯よ!?」  
慌てて後ろを向く彼女。しかし声だけはいつもの調子だが。  
「何言ってるんだ委員長、ここは男湯だぞ!?表の暖簾見なかったのか?」  
しかし彼女は瞳にやや怒りを含ませながら、  
「何ふざけたこと言ってるの?隣は『清掃中』の看板が立っていたし、女風呂しか開いてなかったわよ!」  
「清掃中って…あっ!」  
声をあげて隣を見るおやじ。  
「やられた…北川、あいつ誰も入れないようにしたな…!」  
「北川?彼女が一体どうしたの?」  
怪訝そうな表情の委員長。  
おやじは彼女の裸体を直接見ないように手招きし、彼女をのぞき穴のあるところまで誘導させた。  
 
中の状況を見て息を呑む委員長。  
「北川…とうとう実行に移しちゃったのね…」  
軽く溜息をつく彼女。しかし彼女の目線は柵の向こうで営んでいる2人の姿に釘付けとなっている。  
「うわ…キスしゃってるよ…あああ、先生の胸触ってるし」  
「北川、壊れてるなー。そろそろ行くとこ行く感じだぞ、こりゃ」  
そして二人のやり取りを暫くの間じーっと見る2人。  
(まいったなぁ、こんな姿見てたら変な気分になるじゃない…)  
委員長はそういう事を考えながら、ふと彼女の目線の先がおやじに向けられた。  
彼女は思わず息を呑む。  
その目をやった視線の先にあったのは彼の下半身。  
彼の股間の部分は大きく膨れ上がっており先端から赤黒い部分が飛び出していた。  
「お…おやじ?」  
「何だ?」  
「そ…その膨らみは何?」  
しどろもどろになりながら言葉を発する委員長。  
「え、わわわっ!」  
それに気づいたおやじは慌てて湯船の中に浸かりこむ。  
「いや、これは…その…って委員長。お前の姿も…」  
「え?」  
そう言って自分の姿を見る。いつの間にかタオルが肌蹴け、生まれたままの姿になっていたのだ。  
「い…嫌っ!」  
彼女も慌てて湯船に浸かる。  
暫く沈黙が続く。聞こえるのはとなりから聞こえる女性2人の嬌声のみ。  
ふと委員長がゆっくりと振り向くとおやじが近くに寄って来ていた。  
「な、何?」  
いつもと違うシチュエーションに加え、さっきまで覗いていたせいか彼女の心臓の鼓動がだんだん早くなる。  
「す、すまん。恥ずかしいとこ見られちまったな…。取りあえず先に上がるわ」  
彼は苦虫を噛み潰したような顔をしてそそくさと上がろうとする。  
 
「…待って」  
彼女の声に立ち止まる。  
「…もうちょっと…浸からない?湯冷めするわよ?」  
自分でも何でこんな言葉を発したかは分からない。だが、自然と口から出てきた。  
「ああ…そうだな」  
彼もなるべく目を合わせないようにして委員長の横に浸かりなおした。  
再び沈黙。聞こえるのはみか先生のあえぎ声だけ。  
「…い、委員長…」  
先に言葉を発したのはおやじだった。いつの間にか彼女の正面に向き合う形になっている。  
「おやじ…」  
隣の2人の所為だろうか。さっきから心臓の鼓動が激しく高鳴りっぱなしだ。それは多分彼も同じだろう。  
どちらが先にでもなく。お互いの身体が触れた。  
そっと口付けを交わす。おやじの手が委員長の背中に回る。  
「んっ…」  
身をよじらせる委員長。彼の手が背中をそっと触り始める。  
「や、優しくして…ね?」  
返事の代わりに彼女の唇が塞がれる。  
彼の手は背中から形のいい尻に伸び、それがゆっくりと動き始める。  
「んん…」  
力が抜けそうになる。幸い身体はおやじの腕に抱えられるような形になっており、浴槽の中に沈む心配はない。  
もう片方の手は尻から太ももを伝い、そのまま上半身に向かって優しく揉み始める。  
塞いでいた唇は首筋に向かって進んでいた。  
委員長の目はとろんとして、すでに全身の力が抜けている。  
「あ…そこ…気持ちいい…」  
首筋に顔を這わせているおやじが耳元でささやく。  
「ここが気持ちいいのか?」  
ゆっくり頷く委員長。  
その言葉を聞くや否や再び顔を首筋に埋め、ちろちろと舐め始める。  
 
「あ…ああん…」  
彼女のいつもと違う声におやじのスイッチが入ったのか、舌だけで舐めていたのが口全体を使って吸い付くように舐り始める。  
「ひゃんっ!ああっ!」  
委員長の声がさらに上ずる。その声にもかまわず彼は彼女の首筋、耳たぶ、肩甲骨の間とぴちゃぴちゃ音をわざと立てさせながら攻め、片方の手は胸とわき腹を交互に触っていた。  
「やん、やんっ!何か来ちゃう、来ちゃうっっ…!」  
刹那、彼女はおやじを抱きしめて全身を震わせる。  
声にならない声を上げ、そして力なく崩れ落ちた。  
絶頂を迎えた彼女の姿に見とれながらおやじの口が開く。  
「…委員長?」  
「…馬鹿」  
目を潤ませ、目の前にいる姿に自ら唇を重ねあわせる委員長。  
「…あのさ、もし良かったら俺のも…してくれないか?」  
この言葉に一瞬恥ずかしそうに下を向いたが、やや間が開いてゆっくり頷く。  
浴槽の端に腰掛け、直立不動の姿になったおやじの腰のものをゆっくりと剥ぎ取る。  
「―っ!」  
そこにある姿に驚愕の声をあげる委員長。  
「お、男の人のってこんなに大きいの!?」  
おやじが頭を掻きながら答える。  
「まあ、大体の男はこんなものかな?」  
目の前にあるのは20センチを越そうかという男性自身。  
彼女ももちろん性に対する知識も女友達と話しているうちにある程度は身に着けていたし、男性自身も小さい頃父親とお風呂に入ってた時に見たくらいだがその時はこんなに大きくなかった。  
ふと学校の身体測定で小林が言っていたことを思い出す。  
(男子の中で一番大きいのはおやじって言ってたけど…あながち冗談でもないかも…)  
そう思いながら、そっと小さな手を彼の自身にあてがう。  
(確か…こうするんだっけ?)  
ゆっくりとその手を前後に動かす。すでに彼の亀頭からは液体が出ていたため、引っかかる事もなくスムーズに動き始める。  
 
「おっ…」  
おやじが僅かにうめいた。  
「い、痛かったら言ってよね?」  
上目遣いで話しかける委員長。  
「いや、大丈夫だ…そのまま続けてくれ」  
根元のほうから先端まで手を使って動かし続ける。にちゃにちゃと音を立てるその姿がさらに彼の男性自身をいきり立たせる。  
(おやじ、すごい気持ちよさそう…。えっと、次はこうするんだったかな?)  
もうかなり反り返っているものに彼女の柔らかい唇が接近する。  
「い、委員長!?」  
その舌が彼の先端を舐め始めた。  
「おうっ」  
おやじが思わず声をあげる。  
さらにその部分に彼女の口がゆっくり入り、唾液のじゅるじゅるという音が響く。  
彼女の舌が亀頭の部分を舐め、それが裏の部分も触れる。  
「んんっ、はふっ」  
右手は根元を絶えず前後に動かし、先端は温かい口内によってぬるぬるになっていた。  
「委員長…もう、やばい」  
「ふ?」  
口に咥えながら疑問の声をあげる彼女。  
「すまん、委員長!」  
慌ててそれを引き抜くおやじ。  
その瞬間先のほうから白い液体が噴き出した。  
「きゃっ!」  
その液体は委員長の顔にかかり、眼鏡を白濁に染める。  
大量にかかった精液は顔だけではなく、彼女の胸も白く染めた。  
「わ…すごい…」  
「すまん…。つい、我慢できなくて」  
彼女は彼の言葉を聞きながら身体についた精液を手で掬い取る。そしてそれを口元に持っていく。  
 
(これが…おやじの…)  
軽く舐める。  
「ちょっと苦いけど…なんかドキドキする味ね?」  
そのエロティックな姿に再び大きくなる男性自身。  
「委員長…。その、なんだ、今度は違うところでしても、いいか?」  
いつもの彼とはまったく違う一面を見て委員長は笑顔で微笑んだ。  
不思議と嫌な気分じゃない。彼女の中もそれを受け入れたくて溢れていた。  
「いいよ…来て」  
そしてゆっくりと四つんばいの姿になる彼女の姿があった。  
 
 
「今度は一緒に気持ちよくなりましょうね?」  
そう言うなり北川はみか先生起こし上げ、丁度お互いの部分が当たるように体制を整える。  
「北川さぁん…」  
ぎゅっ、と彼女に抱きつくみか先生。  
すでにぬるぬるになっている秘所をあわせるとお互い軽いあえぎ声をたてる。  
「先生…動かしますよ…」  
言うなり腰をゆっくりと動かす。くちゅくちゅと音を立て動き合わせる2人。  
「あんっ!ああんっ!」  
北川も我慢が出来なかったのだろう、あまりの気持ちよさに声を押さえることもしない。  
 
「北川さん?」  
「あんっ、腰が止まらないっ!」  
激しく秘所をすり合わせる北川。  
「私もっ…気持ちいいっ!」  
みか先生も耐えられない、といった表情になり身体を揺り動かす。  
「きゃふっ!先生、好きっ、大好きっっ!」  
すでにお互いの愛液は太ももを伝い下半身を濡らしていた。  
貪るようにお互いの唇を奪い合う、痛いほどに身体を抱きしめる。  
「北川さん、私も大好き、愛してるよっ!」  
「先生、みか先生…!」  
涙を流しながら愛しい人の名前を叫ぶ北川。  
みか先生もまた大切な人の唇を奪いながらこの抑えられない欲情を身体全体で感じ取っていた。  
「だめ、いっちゃう、私いっちゃいます!」  
「北川さん、私も、私もぉっ!」  
そして終焉は訪れた。  
『あああああっっっ!!!』  
2人が同時に声を上げ、秘所からさらに愛液を噴き出し、それだけに留まらず緩んだ尿道から黄色い液体も流れる。  
絶頂に達した後でも2人は激しいキスを貪る。  
「先生…私、この世に生まれてきて良かったです…」  
小さい身体を抱きしめながら北川が話しかける。  
「どうして?」  
「だって、世界で一番大好きな人とこうやって一緒に身も心も一つになれたんですもの…」  
「北川さん…。私もよ」  
そして今度は優しいキスをお互いに交わしたのであった。  
 
「おやじ…。私、初めてだから…」  
「ああ、分かってる…」  
委員長の言葉にゆっくり近寄るおやじ。  
四つんばいになった彼女の部分はすでに受け入れできるように蜜が溢れていた。  
その姿に彼の鼓動が早くなる。  
「委員長、入れるぞ…」  
そういうなり彼の男性自身が彼女の中にゆっくりと入っていく。  
「い、痛いっ…」  
かなり濡れていた秘所だが、それでも大きい異物が入ってきているのだ、かなりの痛さがあるのだろう。  
「抜こうか?」  
心配の表情を浮かべるおやじ。  
「いいの…そのまま入れて…」  
自らその男根を中に埋めていく。  
「んんっ…!」  
そして8割がた委員長の中に入ったところで再び話しかける。  
「いいよ…ゆっくり、動いて?」  
痛さはあったが、想像していたほどではなかった。  
むしろそれも痺れるような感じで不思議な感覚であった。  
「ああ、分かった。痛かったら言ってくれ」  
ゆっくりとグラインドする腰。少し痛さにこらえるような声をあげそうになったがぐっと堪える委員長。  
 
しかし何回か動かしているうちにだんだん状況が変わっていく。  
「んっ…、もっと動いてもいいよ…」  
痛さに慣れてきた委員長が切なそうな声をあげ、彼に話しかける。  
おやじの両手は彼女の胸に到達し、腰を動かしながら乳房を揉み始める。  
「あっ、あっ、あっ!」  
おやじが動くたび結合してる部分からぢゅっぢゅっ、と淫靡な音を立てていくのが分かる。  
それにつれて委員長の声もだんだんトーンが上がっていく。  
「胸…もっと触って…お願い…」  
息も絶え絶えになりながら懇願する彼女。その言葉におやじの動きはもっと早くなる。  
乳房を揉みしだき、乳頭を指先でつまみあげる。  
「あんっ!」  
そのたび委員長の口から淫猥な声が上がっていく。  
ぱんぱんとリズミカルに動くおやじ。委員長もかろうじて仕切りのところに手をかけて感じる快感に身を委ねていた。  
「いいん、ちょう…もう、出ちまう」  
「いいよっ、今日は大丈夫な日だからっ…中にっ…出してっ」  
彼女の言葉にさらに動きが早くなり、一突きごとに彼女があえぐ。  
「気持ちいい、激しくて…感じちゃうっ!」  
「もう、でっ、るっ!」  
「私も、だ、駄目っ!」  
そして2人の動きが止まる。  
「あーっ!あ、あ…」  
かすかな痙攣が起こり、彼女の中に精液が流れ込む。  
そのまま力なく崩れ落ちる2人。  
「もう…なし崩しにしちゃって…。北川と一緒じゃない…」  
委員長は悪態をつきながらもその顔には微笑みが浮かんでいた。  
そしてもう一度、お互いを抱きしめる。  
そんなやり取りを星空は黙って見ているのであった。  
 
「今回の旅行、とても楽しかったですよ♪」  
北川とみか先生は仲良く手を繋ぎながら駅への帰路についていた。  
「ね〜。また暇があったらどこか行きたいね」  
「今度は皆と行きます?それとも2人きりでまた…?」  
みか先生はその言葉に顔をほんのり赤らめながら  
「う〜、…また2人きりで、行きたいな」  
言葉の後半は呟くように答える。  
「もー、可愛いんだから、みか先生!」  
そしてぎゅっと抱きしめる北川。  
「わっ、抱きしめないで〜。恥ずかしいよ〜」  
「…あ、そうだ。ちょっとさっき通ったコンビニで帰りの電車の中で食べるお菓子買ってきますから入り口で待ってもらえませんか?」  
「うん、いいよー」  
そう言うと北川は少し戻り、コンビニの前まで来る。  
そこに入っていくかと思いきや、その奥の曲がり角を曲がって―  
「何こそこそ後ろを付いてきているのな〜?」  
『あ…』  
そこにいたのはいつもの2年A組の面々。  
 
「突然用事があって来れないって言ったのもこのためだったのね?」  
「どこで気づいたの〜?」  
小林がしれっと答える。  
「行きしなの電車の中よ。妙な気配がすると思ったら案の定、あんたたちがいたからね」  
「すごい、まさに野生のカンだな!」  
工藤が感嘆の声をあげる。  
「あんたも似たよーなもんでしょーが…」  
富永の溜息。  
「まあ、今回は2人きりにしてくれてありがとう、今度お礼するね♪」  
そしておやじの耳元に近寄り、呟きかける。  
「今回の出来事はお互い、内緒にしときましょうね♪」  
「…!」  
驚きの表情のおやじ。  
「気づいて…いたのか?」  
「もちろん♪まあお互い惚れたもの同士、頑張ろーねー」  
そう言ってきびすを返し立ち去る北川。  
「参った…頭が上がらないぞ、こりゃ…」  
そう言ってその姿をただ呆然と見送るおやじであった。  
そしてもう1人、耳元で囁く影がひとつ。  
「昨日は楽しかったよ。でも、責任はとってよね?」  
今度は全身が硬直する。  
「あれ〜、おやじ、何固まってんだ?」  
末武の言葉にもまったく反応しない。  
 
委員長にも頭が上がらないかも…。  
冷汗をかきながら彼は深い、深い溜息をつくのであった。  
 
 
 

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