興津高校の昼休み。2年A組の教室の片隅で富永が1冊の本を読んでいた。  
「あれ〜?富永、何読んでるの?」  
小林が彼女のところに近寄り話しかける。  
「ああ、これ?催眠術の本よ」  
「催眠術?」  
「うん、昨日本屋でね。面白そうだから買っちゃった」  
その会話に次々といつもの面々が集まってくる。  
「へー、催眠術か。でもやばいものもあるんじゃないか?」  
工藤が訝しげな表情を見せる。  
「ここに書いてあるのは俗に言う『あなたはだんだん眠くなる』みたいなものばっかりよ。まあ使い方によっては有害なものにもなるからやばいといったらやばいかもね」  
「ほうほう…富永、後で俺にその本貸してくれないか?」  
「…末武に使うつもりでしょ?あいつこういうのにすぐ掛かりそうだから」  
その言葉に工藤の表情が変わる。  
「いやいや、そんな事は無いぞっ…!確かにあいつに使って俺の思うがままに…」  
妄想モードにスイッチが入る工藤。  
「あー…取りあえずあいつは放っておいて。ちょっと試しにやってみる?」  
「へぇ、面白そうね。でも人によって効きやすい・にくいの差はあるんでしょ?」  
委員長も話に参加し始める。  
「この面子じゃ末武はもちろんの事、小林も掛かりそうねー」  
北川が両手を組みながら言う。  
「こういったものは案外気の持ちようでどうにでもなる場合も多いからなー」  
おやじの言葉に富永が答える。  
「じゃあ実際にやってみるわよ。…小林、そこに座って」  
「何であたしー?」  
「まーまーまー、何か1番面白そうだったし」  
「いいもん、絶対掛からない自信あるし〜」  
ぶーたれる小林を椅子に座らせ、富永がポケットからつり紐に括りつけられた5円玉を取り出し、早速小林の目の前で実践する。  
 
「ほーら、あなたはだんだん瞼が重くなっていく…」  
「ZZZ…」  
あっさりと眠りに落ちる小林。  
「一瞬、だな」  
「こうもあっさりだと拍子抜けしちゃうわね…」  
おやじと委員長が苦笑いをする。  
「もっと手ごたえありかと思ったじゃない。ったく…『はい目を覚まして、1、2,3!』」  
富永はやや悪態をつきながら彼女の肩を叩く。  
「…はっ!あたし、何してたの?」  
ここまで予想できる行動に北川が薄ら笑いを浮かべて、  
「もうあっさり催眠術に引っ掛かってたわよ」  
「えー、嘘ー!絶対に掛からないと思っていたのにーっ!」  
「いや、他の連中はみんなそうは思っていないと思うぞ…」  
妄想モードから復帰した工藤がぽそりと呟くのだった。  
 
 
「こういうのってみか先生も簡単に掛かりそうよねー」  
「確かに、先生単純だから」  
小林の問いに答える委員長。  
「というわけで北川、早速実践してきて」  
あっさりと言い放つ富永。  
「何で私が?…確かに催眠術に掛かったみか先生にあ〜んな事やこ〜んな事を…  
うふふ」  
あらぬ想像をして腰をくねくねさせる北川。  
 
「何か北川の予想通りになりそうで面白くないー」  
小林の言葉にうんうんと頷くおやじ。  
「そうだな、誰か実況をしたほうがいいんじゃないか?そのほうが面白いぞ」  
「あ、それいいな。みか先生の弾けっぷりを他のメンバーに報告する、という形をとってみるのはどうだ?」  
工藤の言葉に北川が激昂する。  
「ちょっ…勝手に決めないでよ!誰にも私とみか先生の愛の営みの邪魔なんかさせないんだから!」  
そこまで言って―、周りの視線にハッとする。  
軽く咳払いをして。  
「…と、とにかく。富永、本貸して。今日は早退するからみか先生にも伝えといてね」  
富永から本を受け取るとそのまま脱兎の如く教室を飛び出す北川。  
残された一同は生暖かい笑みを浮かべる。  
「語るに落ちちゃったわね、北川」  
委員長がゆっくり肩の力を抜く。  
「愛の力って偉大よねー」  
「逆にあそこまで想われてるみか先生がある意味羨ましいわ」  
小林と富永のやり取りに工藤が口を挟む。  
「俺も俺も俺もっ!末武の事をいつも想ってるからなっ!」  
「工藤。五月蝿い」  
氷のような声で彼を黙らせる富永。  
「まー、何だ。北川の行動を逐一チェックしてあいつが実行に移したら実況開始という計画で行くか。実況は富永、頼む」  
「オーケィ、まぁ北川の事だからみか先生を弄りまくると思うけど」  
そう言って席に再び着く彼女。  
こうして『北川×みか先生催眠術実況レポート大作戦』は敢行されたのであった。  
 
時は流れて木曜日。  
「みか先生、明日先生のご自宅に伺いたいのですが…」  
廊下で北川が歩いてきたみか先生に話しかける。  
「いきなりどうしたの、北川さん?」  
首を少し横に向け疑問の声をあげるみか先生。  
「ええ、実は進路の事で是非先生にご教授伺いたいと思いまして…」  
「そっか〜、北川さんも将来のことしっかり考えているんだね〜。うん、いいよ、明日放課後にでも家においでよ。丁度私も早く帰れるし、お父さんもお母さんも町内会の旅行でいないから」  
その答えに満面の笑みを浮かべ彼女に抱きつく。  
「ありがとうございます、みか先生♪」  
「北川さん〜、苦しいよ〜」  
頬擦りする北川に顔を赤らめて答えるみか先生だった。  
そして廊下の影からメモを取る人影が1人。  
「…明日ね、早速おやじから録音機器借りてこなきゃ」  
そう言ってメモを仕舞う女性―富永。  
「ふふっ、あの北川も乙女なのねー。ばっちり録音しとかなきゃ」  
そして微笑みながら自らもまた教室に戻るのであった。  
 
「先生、お邪魔します〜」  
そして金曜日。放課後に北川は即座にみか先生の自宅に上がりこんでいた。  
「どうぞ〜。今お茶出すね」  
そう言って台所に向かうみか先生。  
(よし…。周りの気配、無しと…)  
北川は部屋を見回し、怪しいところが無いか確認する。  
以前のクラスメイトの発言が多少なりとも気になっていたのだ。  
(思えばあの時は不覚だったわ…。みか先生の事になると暴走しちゃうのは仕方ないけど、気をつけなきゃ…)  
「北川さ〜ん、紅茶でいい?」  
「あっ、は〜い」  
台所のみか先生に返事をする彼女。そして制服のポケットから5円玉を括りつけた紐を取り出す。  
「お待たせ〜。はい、北川さん」  
テーブルの上に暖かい紅茶が出される。  
「ありがとうございます♪」  
そして紅茶を口につけ、軽く飲み込む。  
「で、進路の相談だったね?将来はどこの大学行くのかな〜?」  
さまざまな大学のパンフレットをテーブルの上に乗せ、相談に乗り始めるみか先生。  
「そうですね…」  
暫くの間そういった会話が続く。  
 
(…本当に進路相談だけなのかしら?ったく、突っ込みどころもありゃしない)  
場所は所変わって富永の自宅。あらかじめホームルームの時にみか先生に近寄り、彼女の服に超小型マイクを備え付けたのであった。  
「…しかしほんと感度いいわー、これ。さすがおやじ、分かっているわね」  
彼女は帰るなり着替えもせず、ベッドの上に腰掛けて、ヘッドフォンに耳を当てる。  
「これだけ小型なら北川にもバレないだろうし…」  
しかもちゃっかり録音も始める。  
 
そんな状況とは知らず、みか先生と北川の会話はまだ続く。  
「…ありがとうございます、先生。とても参考になりました」  
「いいの、いいの。北川さんの為だもん♪」  
「先生…」  
思わず目が潤む北川。  
(っと。危ない危ない、危うく本来の目的を忘れるとこだったわ)  
自我を失いかける北川だったが、軽く首を振り再び話しかける。  
「ところでみか先生、催眠術ってご存知ですか?」  
「うん、テレビでよくやってるよね〜。確か『あなたはだんだん眠くなる』だったっけ?」  
もう一口、やや冷めかけた紅茶を口に含むみか先生。  
「催眠術って単純な人が掛かりやすいんですよ〜?」  
「えー、私単純じゃないもん。絶対掛からないもん」  
ほっぺたをぷくっと膨らませる彼女。そんな彼女を北川は笑顔のまま話しかける。  
「じゃあ、今から催眠術をかけてみましょうか?」  
「いいもん、掛からないんだから〜」  
北川は準備した紐を彼女の目の前にぶら下げる。  
「ではいきますよ…」  
ゆっくり紐がみか先生の前で規則正しい振り子運動を始める。  
「ほへ…」  
じょじょにその動きに見とれていく彼女。  
目もだんだん虚ろになっていく。  
(効いてきたみたいね…。じゃあそろそろかしら)  
「今からみか先生は私の言う事を聞くようになる…」  
とんでもない事をさらりと言う北川。  
 
「それでは先生…服を脱いでくれますか?」  
その言葉にみか先生は虚ろな瞳でゆっくりと頷く。  
(本当に効いてるみたいね…。やっぱり素直な人ほどよく効く…)  
と思いに馳せていた瞬間だった。  
いきなりみか先生の唇が北川の唇を塞いだ。  
「―っ!?」  
そしてそのまま彼女を押し倒す。  
「せ、せんせっ…んぷっ」  
彼女の舌が北川の口内に潜り込む。いつもと違う彼女の様子に慌てる北川。  
そしてどこから取り出したのだろう、黒いリボンで北川の手首を括り始める。  
「先生、一体どうしちゃったんですか!?」  
驚きの表情を浮かべる北川。  
いつもとは違うみか先生の表情。彼女は怪しげな微笑を見せ、一言。  
「北川さん、今日はたーっぷり可愛がってあげるわ…」  
その言葉と全身から醸し出すオーラに彼女の身体がぴくん、と震える。  
(こんなみか先生初めて見たっ…。でも…逆らえないっ…!)  
いつもの北川なら彼女の目を覚まさせようとしただろう。しかし彼女の瞳を見た瞬間、まるで呪文にでも掛かったかのように魅入られてしまう。  
「…お願い…します。私を…苛めて下さい…」  
そこにはすでに策士北川の姿はなかった。ひとりのか弱い美少女がなす術もなくその身体を横たえているだけだった。  
 
(北川の奴、催眠術失敗したわね…)  
ヘッドフォンからやり取りを聞いていた富永。  
「よりによって『相手を思うがままにさせる』催眠術を行うなんて…」  
高度な催眠術ほどかなりの鍛錬を積まなければ成功する確率は少ない。いや、むしろ思わぬ副作用が起こる事も有りうるのだ。  
「まぁ、解除方法は相手の肩を叩けば解けるし…って何で解かないの?」  
思わず立ち上がってしまう富永。よく聞くと絹のすれる音が耳に入ってきた。  
「ひょっとして先生、北川の両手縛りつけた…?」  
再びゆっくりとベッドの上に腰掛ける彼女。  
「…一応1時間くらいで自然と解けると思うんだけど…」  
さらにみか先生の発した言葉に目を見開く。  
「うわっ…先生がこんな言葉言うなんて…ちょっとゾクッとしちゃったじゃない。しかも北川も何か妖しいスイッチ入ってるし」  
さらに耳を澄まして聞きに入る富永だった。  
 
「北川さん、いい格好ね…。可愛いわ」  
そう言ってブレザーのボタンを外し、ゆっくり北川の胸を触り始める。  
「んっ…」  
ぞくっとする感覚に思わず声をあげてしまう北川。  
(いつものたどたどしい手つきじゃない…)  
確実に、北川の性感帯を触ってくるみか先生。  
「んっ、あんっ…」  
身体をよじらせながらせめてもの抵抗を見せようとする北川。  
「いつまで我慢できるのかしら?可愛い子猫ちゃんね…」  
いつものみか先生はこういう言葉を話した事がない。それがかえって北川の心を捕らえてしまう。  
「先生…もっと、触って…」  
常に彼女に対して優位な位置にいた北川が今、自分の愛しい人に屈服させられようとしている。  
この二律背反的な状況を彼女は受け入れようとしていた。  
「北川さんの胸…もっと苛めてあげる」  
ブラウスのボタンとブラのホックを外す。中から見える豊かな胸。その2つの大きな丘陵をみか先生の小さな手が這いずり回る。  
 
「ああんっ!」  
声を殺そうともせず、あえぎ声を上げる北川。  
そしてみか先生は立ってきた彼女の乳首をつまむと、軽く抓り上げた。  
「きゃふぅ!」  
微かな痛みとそれを上回る快感に北川の身体は震えあがる。  
(やだっ…すごく気持ちいい…)  
彼女の表情は恍惚としたものになっていた。  
さらにみか先生は彼女の胸をさらに強く揉む。  
手のひら全体を使ってよせるように上げ、上下に動かす。  
北川の腰は無意識のうちにゆっくりと動いていた。  
「北川さん…すごくいやらしい娘ね…ゾクゾクするわ」  
みか先生の妖しい表情に目を潤ませる北川。  
(こんなの…みか先生じゃない…!でもこんなに苛められているのに…とても感じちゃう!)  
もう彼女自身から熱い蜜が下着から染み出していた。  
切なそうに、堪らず懇願する。  
「先生…お願い…もうっ…我慢できないっ…!」  
しかしみか先生は冷たく言い放つ。  
「駄目よー、もっと感じてくれなきゃ。そう、壊れちゃうほどにね」  
そして笑みを浮かべると再び彼女の胸を攻める。  
今度は自分の舌を使って北川の乳首を弧を描くように舐め、その膨らんだ先端を甘噛みをする。  
その度に声をあげる北川。  
「あんっ!きゃんっ!」  
自分自身の下半身をすり合わせ、服が汚れるのもお構い無しに少しでも自分自身に快感を与えようとする。  
 
「もう我慢できないの?仕方がないなぁ…」  
みか先生はそう言うと、部屋の棚を開け、そこから包帯を取り出す。そしてそれを彼女の足に括りつける。  
「嫌っ!先生っ!切なくしないで下さいっ!」  
北川の半泣きの抗議も今のみか先生にはどこ吹く風、各足をテーブルの脚に括りつけた。  
そしてその間に座り込み、北川の蜜が溢れる秘所をじっくりと覗くのであった。  
 
(北川が…こうなっちゃうとはね…)  
その様子をじっくりと聞く富永の息遣いも少し荒くなってきた。  
北川のあえぎ声が彼女の耳に飛び込んでくる。  
「やだ…、私まで変な気分になっちゃうじゃない」  
顔を赤らめ、そっと自らの下着の中のクレヴァスに手を伸ばす。  
(うわ…濡れちゃってる…)  
「…私、こんな趣味無いんだけどなぁ…」  
そう言葉を吐き捨てる富永だが、その右手はゆっくりと彼女の花弁を触り始めた。  
「あっ…」  
丁度みか先生が北川の胸を舐め始める。  
唾液の音が鮮明に聞こえる。  
「んっ…何か屈辱、かも…」  
そういいながらも右手は自分自身を弄くる彼女。  
「んんっ…」  
くちゅくちゅとした音が彼女の下着の中から発されていた。  
 
「北川さん、いい眺めよ…」  
股を広げられ、北川の秘所が下着越しからとはいえ、丸見えになってしまう体勢にされ、北川は顔を背ける。  
「みか先生、見ないで下さい…」  
羞恥のあまり大粒の涙を流す北川。その涙をみか先生が舌で舐め取り、耳元で囁く。  
 
「じゃあ、北川さん、どこを弄って欲しいのか先生によーく聞こえるように言ってごらん?」  
「いやっ、恥ずかしい…」  
北川の声はか細いものとなってしまう。みか先生は少し意地の悪い表情を見せ、  
「じゃあこのまま、何も触らなーい」  
再び妖しい微笑み。  
その表情に北川はまた大粒の涙を流し、赤い顔をして声を震わせる。  
「私の…を」  
「聞こえないよ〜?」  
「私の――――を弄ってください!お願いですっ!」  
その妖艶さを醸し出す北川の声にみか先生は顔を近づけ、  
「よく言えました♪」  
そして激しいキスをしながらみか先生の手が北川の秘所に触れた。  
「んんんーっ!」  
口を塞がれていても声を張り上げる北川。  
すでに彼女の下着はぬるぬるになっていた。  
みか先生はその指を縦方向にこすり始める。  
「ああん!あん!」  
触れられるたび、北川の秘所からとろりとした蜜が溢れてくる。  
淫猥な音がスカートの中から聞こえる。  
「北川さんのここ…熱くて火傷しちゃいそう」  
そして小さい指が彼女の内部に侵入し始める。  
「きゃあん!」  
まるで何かの生き物のように彼女の中を動き回る指。  
「先生…だめ、いっちゃうっ…」  
「もういっちゃうの?じゃあ最高に気持ちよくしてあげる…」  
そう言うと北川の片方の手首のリボンを外し、その手をみか先生の口元まで持ってくる。  
そして、その指をおもむろに舐めだした。  
 
「あああっ!そこは…駄目ぇ」  
「もふ、ひっちゃってひーのほ(もういっちゃって良いのよ)」  
その言葉が分かったか分からないうちに。  
「先生、もう駄目、いく、いく、あああっ!」  
そして限界が来た。  
「駄目ぇ、いっちゃうっ!あ、あ、あああああっっ!!」  
彼女の身体が何度も仰け反り、秘所からは蜜が洪水となって潮を吹いていた。  
そして断続的なあえぎ声が響き渡りながら、彼女は意識を手放したのであった。  
 
「本当に…北川ったら…私をこんな、んっ…気持ちにさせて」  
富永もまた、この状況で自分自身を激しく慰めていた。  
彼女のスカートの中からも液体の音が聞こえる。  
北川のあえぎ声に富永の身体が反応する。  
「あ…駄目…制服汚れちゃう…」  
しかし手はもう堪らないといった感じで愛撫を止めない。  
「あんっ!」  
すでに彼女の愛液は太ももまで垂れていた。  
彼女の蜜は少し愛撫しただけですぐ溢れ、自慰をした日にはまるで失禁をしたかのように大量にそれを放ってしまうのだ。  
それでも彼女の手は自分自身を止めようとはしない。  
「北川も…もういっちゃうのね…」  
その言葉は富永自身ももう絶頂に達しようとしていた事を意味していた。  
「ああっ!私も…もう…だめ!」  
その言葉に。  
ぷしゅっ!びゅるっ!  
彼女の秘所から液体が噴き出す。制服のスカートの色をさらに青く染め、足元の床も液体で汚す。  
「ああーっ!あっ…あっ…」  
そしてそのまま力なくベッドに倒れこむのであった。  
 
「北川さん、しっかりして!」  
みか先生は彼女の頬を軽く叩いていた。  
気がつくと、北川があられもない姿で横たわっており、さらに意識がないような感じだった為、気付け代わりに彼女の頬を叩いていたのだ。  
「う、う〜ん…」  
「一体何があったの?」  
「せ、先生…?」  
北川がうっすらと目を覚ます。  
「もー、気がついたらこの状況だもん、一体何がなんだか…」  
みか先生の正気に戻った姿に北川の目が再び潤み始める。  
「あはっ、いつものみか先生だぁ…」  
そして彼女を強く抱きしめる北川。  
「ごめんなさい、先生に変な事しちゃって本当にごめんなさい…」  
大粒の涙を止めようともしない北川。  
「???」  
まだ状況が把握していないのかみか先生は困惑しながら、それでも彼女をしっかりと抱きしめるのであった。  
 
「ふぅ…。とんでもない事になっちゃったわね…。まさか先生があんなに変わるなんて…」  
自ら絶頂に達した後、汚れた服を替え、後始末をして再びイヤホンに耳を傾けていた。  
そして北川の嗚咽を聞くとゆっくりと停止ボタンを押し、中身を取り出す。  
「これは…処分したほうがいいわね」  
デッキから取り出したテープの中身を引っ張り出し、ゴミ箱の中に放り込む。  
「おやじには電池切れとでも伝えとこっと。今回は私の心の中に閉まっておきましょうか」  
軽く微笑みながら部屋を出る富永だった。  
 
結局他の面々には『電池がなくなって聞くことが不可能になった』と喋っておいた。  
面白くないと不満を垂れる者もいたがまぁこじれる事も無くこの作戦はそのまま消滅したのだ。  
そしていつもの興津高校の昼休み。  
「北川ー、結局催眠術みか先生に使った?」  
「あ、いや〜…その」  
珍しくしどろもどろになる北川。  
「あの中には結構やばいものもあるし高度な催眠術もあるからあんまり変な事しちゃ駄目よ?」  
「あ、うん。馬鹿ね、そんな事するわけないじゃない。あはは…」  
引きつり笑顔のまま手をぱたぱた振る。  
「ふーん。北川の事だから大丈夫だと思うけど」  
いつもの表情でパック牛乳を飲む富永。  
(まぁ、策士なこの娘のかわいい姿が聞けたから良いかな)  
心の中でそう思いながら北川を見つめる彼女であった。  
 

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