街頭のイルミネーションが華やかに光り、季節はすっかりクリスマスシーズン。
興津の街中も歩く人々も年に1度のお祭りに歩みを弾ませ、その表情も明るい。
そしてここ興津商店街中央にある時計台の前もクリスマスを祝うカップルで溢れかえっている。
その場所でひとり佇む人影があった。
コートとマフラーに包まれたその少女、と呼ぶにはかなり違和感のある女性が寒さで頬を赤らめながら自らの手を擦り合わせ温めている。
「北川さん、遅いなぁ…」
息を白く吐き出しながら待つ彼女は時計をちらり、と見る。
彼女の名は興津高校の国語教師、鈴木みか。
今日は彼女と半年前から付き合い始めたクラスの教え子である少女、北川とデートをする予定である。
北川の期末試験の結果が良かったため、彼女がご褒美として食事に誘うことにしたのだ。
「うう、寒いよ〜」
容赦なく吹き付ける風に思わずコートの中に首をすぼめてしまうみか先生。
そして寒さに小さくなっている彼女に近づいてくる人影がひとつ。
「みか先生、遅くなってごめんなさい」
遠くからでも分かるスタイルの良さと整った顔立ち、背中まで伸びた金に近い栗色の髪の毛。
まさに『美少女』という言葉が相応しいのだろう。
そんな彼女がみか先生の恋人である。
「ううん、私もさっき来たところだから」
明らかに待っていたと分かる彼女の頬の赤さにそっと手を当てる北川。
「ふふ、先生のほっぺた冷たいですよ。待たせちゃって本当にごめんなさい」
謝りながらも差し出された北川の暖かい手のひらに彼女の表情も緩む。
「いいのに〜。とにかく、ご飯食べに行こっか。松本先生のお墨付きのレストランがあるの〜」
「じゃあ、早く行きましょうか。先生もお腹空いてると思いますし…」
「えへへ…。実はお昼ご飯抜いてきちゃったの」
北川の言葉に申し訳なさそうに頭を軽く掻くみか先生。
そして北川はそんな彼女の腕を絡めて、幸せそうな笑顔を浮かべて歩き始めた。
「先生、ここから見える夜景ってすごく素敵ですね…。興津の町並みが一望できるんですね」
北川が下界に見える町並みを眺めながらみか先生に話しかける。
「でしょ?何せ興津で1番人気のあるレストランだからね〜」
ここはザ・ニューオキツインペリアルグランドコンチネンタルステーションホテルの展望レストラン。
その中でも一番景色のいい席が今夜の2人の特等席。
「ここのクリスマスディナーはちょっと値が張るけど味は文句ないわよ」とは松本先生の弁。
みか先生が子どもと間違えられシャンメリーを勧められ、わざわざ教員免許を見せて成人と証明する一幕もあったが無事に目の前にはワイングラスが置かれている。
「それでは…北川さん、メリークリスマス!」
「メリークリスマス!」
言葉が終わらないうちにグラスの響く音、そして喉を潤す音。
中の液体を飲み終えたみか先生が幸せそうな顔をする。
「やっぱたまにはワインもいいわね〜。いつもはビールなんだけどね」
「先生、あんまり飲みすぎちゃうとビール腹になっちゃいますよ?」
そう言って再びシャンメリーを口に含む北川。
痛いところを突かれたのか彼女はいつもの半泣きの表情になって口を尖らせる。
「北川さんの意地悪〜。人が気にしてるところを〜」
「でもそんなみか先生、大好きですよ」
「も〜、恥ずかしいじゃない」
北川のまっすぐな言葉に彼女は顔を赤くしてそっぽを向いてしまう。
そんな他愛のない会話が暫く続き、そして待ちわびてた料理が目の前に置かれる。
「う〜ん、おいひい〜!」
「本当、やっぱりガイドブックに載るだけはありますね」
次々に出される料理に舌鼓を打ち、会話がさらに弾む。
「そういえばみんなは今日はどんなクリスマスしてるんだろ?」
「うーん…。聞いた話だと富永は今年オーストラリアに行くって言ってましたし、関と小林はクリスマスバーゲンに直行するみたいです。
おやじと委員長は旅行に行くそうで、工藤は末武の家に呼ばれたとかで鼻血噴いてました。そして渡部と中山さんが冬コミの原稿仕上げ、だったはずですよ」
「みんななんだかんだいって楽しく過ごしてるね〜。私なんか去年までは家でケーキ食べてお父さんの手作りの七面鳥食べて、シャンパン飲んで、だったもん」
「食べてばっかりじゃないですか?まあ、そこがみか先生らしいといえばらしいですけど」
さらりと富永ばりの毒舌を吐く北川にみか先生が再び涙する。
「はうっ!北川さんきつい〜」
「もちろん、そういうところも愛くるしいんですけどね」
そして今度は臆面もなく甘い言葉を紡ぎだす北川。
「もう、もう、もう!…でも、そんな北川さんが、好きよ」
みか先生は自らの言葉に羞恥があったのか、顔を真っ赤にして下を向く。
そんな様子を見ながら北川は幸福感を満喫するのであった。
その後も料理を食べながらしばしの時を過ごす。
メインディッシュが終わりデザートが来る間に、北川は待っていたかのように自分のバッグの中からラッピングされた包みを取り出す。
「みか先生、はいっ!クリスマスプレゼントです♪」
「うふふ、ありがとう。私からも、はいっ」
同じようにみか先生もプレゼントを北川の手に渡し、その場で2人が包みを開ける。
北川は最高級のシャープペンシルを。
みか先生はブランドもののマフラーを。
愛する人からの贈り物にお互いの表情がさらに嬉しそうになる。
「北川さんありがとう〜。いいマフラーがなくて困っていたの〜」
「先生こそ、こんな良いペンを頂いていいんですか?」
「いいのよ〜。これで北川さんの成績がますます上がってくれるといいし」
そう言って満面の笑みを浮かべるみか先生に、北川がやや躊躇いながらも笑顔で話しかける。
「あ、先生。後でもうひとつ…渡したいものがあるんです」
その言葉に耳をぴくん、と反応させて返答するみか先生。
「え、まだプレゼントがあるの?何かな〜」
「うふふ、それは秘密です。楽しみにして下さいね」
タイミング良くテーブルの上に置かれたデザートを一口食べて再び笑顔を浮かべる北川。
楽しい食事の時間はこうして過ぎていった。
「北川さんに『この部屋でプレゼント渡しますね』って言われたけど…。どんなプレゼントなんだろう?」
食事が終わった後、みか先生は北川の言葉に従うままホテルの最上階のロイヤルスイートに足を進めていた。
「ひょっとして、特大のケーキを用意してくれたりして…!やっぱり生クリームたっぷりのデコレーションケーキかな?でもチョコレートケーキも捨てがたいな〜。うふふ、ふふ…」
まだプレゼントを貰っていないのに勝手に自分で妄想を膨らませ怪しい笑顔になるみか先生。
「っと、思わずよだれが出ちゃった…。さて、この部屋か〜」
考えている間に目的の場所にたどり着く。
目の前には「VIP」と書かれたボードがあり、普通の人々がおいそれと宿泊できない事が外見から見て取れる。
「北川さん、お金持ちだからね〜。教師より稼ぎが多い生徒って…何か複雑」
アンニュイな表情になりそうになるのを何とか堪えて、彼女は扉の横のインターホンをそっと押す。
「開いてますよ〜、そのまま入ってください」
北川の声が聞こえる。
みか先生はゆっくりとドアノブに手を掛け、おそるおそる中に入る。
「おじゃましま〜す…」
部屋の中は真っ暗で人の姿が見えない。
「北川さ〜ん、どこにいるの〜?」
何故か小声で呼びかける彼女。
突然部屋の中が薄明るくなり、ベッドに人の存在があるのが分かる。
「先生、今日はご馳走して下さってありがとうございます。とても嬉しかったです…」
そして顔を彼女の方向に向けて、
「ちょっとありがちなプレゼントですけど…受け取ってください」
さらに部屋が明るくなり、周りの様子がはっきりと分かる。
「北川さん…!」
みか先生が驚きの声を上げる。
ベッドの上にちょこんと座っている一糸纏わぬ少女の姿が目の前に飛び込んできたのだ。
髪の毛に白いリボンを結い、身体にも同じようにリボンが絡まっている。
その姿はまるで聖女を彷彿とさせ、また相反するかのようにエロティックな様子も醸し出していた。
少女は笑顔をみか先生に向けて、慈愛に満ちた声で話しかける。
「私がプレゼント…って1回してみたかったんです。受け取ってくれますか?」
あまりにも愛しいその声に、その表情に、その姿に。
みか先生は何も言わずに彼女を押し倒す。
そしてその唇を激しく塞ぐ。
「んっ…!んちゅ、あむっ…」
舌と舌が絡み合う音、唾液がお互いの喉を潤し、唇から零れ落ちる。
「ぷあっ…」
目を潤ませ、欲情に満ちた顔をする北川。
「北川さん、最高のプレゼントだよ…。先生も一緒に愛し合いたい…いいかな?」
その言葉に北川の瞳から一筋の涙が落ち、彼女はゆっくりと頷いた。
「みか先生、おっぱい気持ちいいです…」
同じように生まれたままの姿になったみか先生の舌が北川の豊かな胸を焦らすように舐める。
両手で柔らかく、それでいて弾力に富んだその乳房をこねるように揉み、乳頭の部分をわざと音を立てて吸う。
「んんっ!…先生、まるで赤ちゃんみたいです…ああうっ…」
「赤ちゃんだなんてひどいな〜。そんな悪い子はもっといじめちゃおうかな?」
そう言うなり今度はその先端を彼女自身の歯で軽く挟み、それを使って乳首を揉むように愛撫する。
「んきゃうっ!せん、せいっ…!」
電流が走る感覚が北川を襲い、思わず身体を仰け反らせてしまう。
「ごめん、痛かった?」
「違うんです…!じんじんして、気持ちい…ああん!」
北川は言葉を吐き出そうとするが出てくるのは嬌声のみ。
それを聞いてみか先生はますますその手を活発にさせる。
「ここはどうかな〜?」
両手の指先で乳首をつまみながらその舌が腋の下から腰に向かって這い出す。
その度に喘ぎ声を上げ、身体を何度も仰け反らせる北川。
「せんせ…!私、おかしくなっちゃいますっ!」
息も絶え絶えに、瞳に涙を湛え切なそうな表情を浮かべる北川にみか先生は容赦なく自分自身の舌と手を使った愛撫をし続ける。
「いつも北川さんが私を苛めてるんだもんね、今日は先生が北川さんをむちゃくちゃにしてあげる」
そして今度はおもむろに彼女の右手を持ち、その指を自らの口に含ませぴちゃぴちゃ音を立てて舐め始める。
「―ああっ!」
身体を何度もひくつかせ、甘く喘ぐ北川。
「北川さんはここを攻められるとすぐにいっちゃうんだよね?」
「お願いです、そんなに苛めないで…!」
いつもよりかなり激しいみか先生の愛撫に北川は限界に近づいてしまう。
「ごめんなさい先生、いっちゃいます…!」
「いいよ、北川さん。思いっきりいってね」
みか先生の口の愛撫がさらに激しくなる。
そして、彼女に絶頂が訪れた。
「だ、だめっ!いく、いっちゃうっ!」
その言葉とともに彼女の身体が大きく反り、下半身からぴゅっ、ぴゅっと蜜が噴き出す。
「あああっ!あーっ!ああ…あああ…」
言葉にならない言葉とともに彼女は力なくベッドの上に横たわる。
乱れている呼吸を整え、そしてじっと彼女を見つめているみか先生を抱きしめながらその唇を塞ぐ。
「先生のばかぁ…。すごく厭らしい声出しちゃったじゃないですか…」
顔を赤らめ、それでも再度彼女の唇をついばむ北川。
「えへへ、北川さんの可愛い姿が見れて良かったよ〜。でね…」
そこまで言うと恥ずかしそうに下を向きもじもじし始める。
「先生?」
「…私も、気持ちよくなりたいな〜、と思って…。」
その言葉に北川の表情が妖しくなる。
「ひょっとして、私の声を聞いて感じちゃったんですか?」
彼女の一言にみか先生は小さくこくり、と頷く。
そんな彼女をそっと抱きしめる北川。
「じゃあ今度は私がいっぱい先生を苛めてあげますね♪」
みか先生をそっと寝かせ、耳元で囁く北川に彼女は身体が反応してしまう。
「いやっ、くすぐったいよぉ…」
軽い拒絶の声を無視して北川の舌が彼女の耳を愛撫し始める。
唾液の音が直接聞こえ、それだけでみか先生は悶えてしまう。
「きゃふんっ!身体がぴくぴくしちゃうよっ…!」
北川は笑みを浮かべたままで彼女の耳から首筋にかけて舌を這わせ、さらにわざと唾液の絡む音を立ててもっとみか先生を感じさせようとする。
「ああん!北川さん、もっと…もっと苛めてっ!」
瞳に大粒の涙を湛えながら哀願する彼女に北川の情欲はますます駆り立てられる。
今度は北川の両手が先ほどみか先生がしたように、彼女の小ぶりだが形の良い乳房を優しく揉みだす。
「んっ…!んふぅ…」
熱い吐息を吐き出すみか先生。
北川は一度彼女の唇を奪うと、その口で肩の辺りを同じように接吻する。
もちろん両手は回しながら揉み、すでにぷっくりと立っている乳頭の部分を指でつねる。
「ふぁん…!おっぱいが気持ちいいの…」
「さっき先生がした事をお返ししてみました。気持ちよくなってくれて嬉しいですよ♪」
再びお互いの唇が塞がる。
2人の口内はお互いの舌で絡み合い、熱い吐息が漏れる度にみか先生の身体が反応する。
北川の手はすでに彼女の茂みに差しかかり、その滴り落ちる蜜に塗れた秘所をそっと触り始める。
「きゃう、ん…っ!」
「うふふ。みか先生、ちょっと触っただけなのにもうこんなに溢れてますよ…」
彼女はその濡れた手をみか先生の前に持ってくる。
「やだっ…恥ずかしいよっ…」
その自らの痴態に思わず顔を隠してしまうみか先生。
「もっと、もーっと愛してあげますね…」
再度彼女の口唇を塞ぎ、自分の右手を秘所の中でも特に敏感な部分に当てゆっくりと撫でる。
「やん、あんっ…!」
甘い嬌声を上げて身体をくねらせ、襲い掛かる情欲をたっぷり味わうみか先生。
秘所からは自らの愛蜜がどんどん溢れ、下のシーツを濡らしていく。
「ここが先生の弱いところだったかしら〜?」
敏感な部分を自らの爪できゅっ、とつまみ上げる。
「んあぁぁっ!」
あまりの快感に身体が跳ね上がる。
「先生、気持ち良いですか?」
優しい瞳で見つめる北川。
「うん…!北川さん、もう我慢できないの…一緒に、いこ?」
北川の愛撫に切なそうな表情を浮かべるみか先生に、彼女はゆっくり頷き自分の濡れた秘所をくっつけ合わせる。
「んんっ…。みか先生のここ、熱くて吸い付いてくるみたいです…!」
淫靡な音がお互いの擦り合わせた秘所同士から聞こえてくる。
「北川、さぁん、気持ちいい、の…っ」
言葉も途切れ途切れに、快感に身を委ねたみか先生の腰の動きがだんだんと速くなっていく。
「みか先生、もう私も、おかしくなっちゃうっ…!」
彼女の動きにだんだん自ら達しようとする北川。
「いいよっ…!私も、もう、駄目になりそうなの…!」
お互いの身体を抱きしめながら全身を使って快感に浸る2人。
シーツは彼女達の汗と愛液で濡れ、お互いの身体もそれによって塗れていた。
秘所からは愛液が噴き出すように溢れかえり、ぐちゃぐちゃという欲情をさらに高ぶらせる音がお互いの耳の中に入ってくる。
「北川さん、もう…もうっ…!」
「私もっ!いくっ、いっちゃうっ…!」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに。
「―っ!!」
声にならない絶頂。
お互いの身体がさらに強く抱きしめられ何度も身体を震わせて、その状態でベッドに倒れこむ2人。
荒い息をそのままにお互いの唇がもう一度、重なった。
「見て、北川さん!雪が降ってるよ〜!」
窓の外は空から舞い落ちる雪で白く染まる。
それを見て子どものようにはしゃぐみか先生に北川はいつもの優しい笑顔を浮かべる。
「あともう少しで年が明けるんですね…」
「そうだね〜。あ、そうしたら北川さん達も3年生か…みんな一緒にいれるのもあと1年ちょっとか〜…」
「…」
ふと、数ヶ月前に富永が言っていた言葉を思い出す。
『でも、卒業したらどうするの?』
『そしたらみんな離れ離れ…。毎日のように会えないわよ。環境も変わるしね』
そうなったらみんなと離れ離れに…。みか先生とも…。
そんな事を思った瞬間、不意に目の前の視野がぼやけていく。
「ううっ…。ぐすっ…」
何故かとても悲しくなって。
何故かとても寂しくなって。
北川の瞳から涙が次から次へと流れていく。
「北川さん、どうしたの!?」
驚きの声を上げて彼女のそばに近寄っていくみか先生。
「みか先生、みかせんせいっ…うわぁぁぁんっ!」
その胸に顔を埋め、激しく泣きじゃくる北川。
「ど、どうしたの?お腹でも痛いの?」
彼女の身体を気遣う言葉を掛けるみか先生に小さく首を振って、
「違うんです…。卒業したら、もう離れ離れになって…もうこんな風に会えないんじゃないかと思うとすごく悲しくなって…」
みか先生の胸の中で彼女は嗚咽交じりの声を呟く。
「やだっ…!そんなの嫌だよぉ…。みか先生とずーっと一緒にいたい、ずーっとこのまま幸せに過ごしたい…!」
そこまで言って再び涙を流す北川。
そんな彼女にみか先生は優しく、赤子をあやすようにそっと抱きしめる。
「北川さん、私はたとえ北川さんが卒業してもずっと一緒にいるし、いつでもこんな風に会うよ?」
自分の言葉に少し恥ずかしそうな表情を浮かべるみか先生。
「だって、私は北川さんがこの世の中で一番最愛の人だもの…。私も北川さんとは離れたくないし、そんな事考えたくもない。このままずっと一緒に歩いていきたいな…」
顔を赤らめながら、それでも優しさに溢れた言葉に北川は何も言わずに強くその身体を抱きしめる。
「わわ、苦しいよ〜北川さ〜ん…」
みか先生の抗議の声もどこ吹く風、北川は黙って彼女の身体を強く、強く抱きしめるのであった。
時計は12時を回り、外の雪はますます強く降り注ぐ。
自分の横には最愛の人が安らかに寝息を立てている。
「ありがとうございます、先生…。私も、心の底から愛しています…」
その額に軽く口をつけ、何かを決心した表情を見せるとゆっくり頷き、そして自分もまたベッドの中に潜るのであった。
そして、季節はまた巡る。