「なー、まゆ。いつも思ってんだけど、牛乳飲み過ぎじゃねぇか?一日何パック空けるんだよ」
「背を伸ばしたいんだ。火急的速やかに」
「牛乳飲めば伸びるってわけじゃねぇだろ。無理して飲んだら体に良くねぇぞ」
「...番長は優しいな」
「小さいままでもまゆは十分可愛いぜ」
「ま、真顔で言われると照れる...でも、これは努力なんだ。可能性があるなら私は牛乳に賭けたい」
「なんでそんなに必死になるんだ?背が高くても低くてもまゆはまゆだろ」
「私が困る。番長だって困るはずだぞ」
「?」
「キスの度にロリコン疑惑や援助交際疑惑を解くのは面倒だ。...私は番長と釣り合いの取れる恋人になりたい」
「周りがどう言おうが関係ねぇって」
「それに番長、毎回立ち膝になるだろう?...キスするって時に身長差を突き付けられるのはちょっと、な...ズキンと来る」
「それで牛乳飲みまくってたってか?」
「背を伸ばす努力だ」
「...バカだな」
「た、たしかにバカバカしいかも知れないが、私だって必死なんだぞっ」
「あ、いや、違ぇよ。今のは自分に言ったんだ。誤解させたんならすまねぇ」
「...自分に?」
「まゆに気をつかわせちまった。俺のバカ野郎ってな」
「番長...」
「...疑惑を解かなくてもいいし、身長差も関係ない方法がありゃいいんだがなぁ」
「ベッドの上なら二ついっぺんに叶うな」
「な!?バ、バカ!!いきなり何言い出すんだよ!!...そういうのは二人きりん時に話そうぜ」
「...可愛いな、番長は」
「は、はぁ?」
「やはり牛乳を飲む。にぼしもたくさん食べないと」
「またお前は...」
「やっぱり困るんだよ。キスって急にしたくなるものだろ?今みたいに...さ」