規模は大きくないとはいえ、全国でも名の知られた会社を経営する私には一つの楽しみがあった。
アイドルの卵と呼ばれる若い女性を抱くことだ。
もちろん対価として当社のコマーシャルに出演していただく。
全国ネットで放送されるCMや大手新聞や雑誌への広告など、露出の機会は飛躍的に増えるだろう。
当社の商品の性格上、タレントとしての知名度や好感度も上昇する例は過去にいくらでもあった。
実際に何人もがスターへの階段を上がっていっている。
その結果、芸能界で確固たる地位を築くのは約束されているともいえた。
当社で起用されることはアイドルとして成功することと同義だった。
今日のお相手は星野明日香ちゃん。まだ19歳の美少女だ。
何度かテレビで見かけたことはある。
軽そうな外見や話し方をするものの、芯の強そうな眼差しが印象的な子だった。
どうせ一晩だけの遊びだ。あの子もそれを割り切っているはずだ。
私を少しの間楽しませてくれればそれでいい。そのあとは2クールの契約でCMに出てもらう。
それで彼女はアイドルとして大きくはばたいてゆく。ただそれだけだ……。
代理店が用意したホテルで私はそんなことを考えていた。
約束の時間ぴったりにドアがノックされた。
ガチャッ
ドアを開ける。
「はじめまして。星野明日香です」
そこに、緊張からか少しこわばった表情の明日香ちゃんが立っていた。
「やぁ、待ってたよ。さ、入って」
招じ入れる。
明日香ちゃんは軽く会釈すると私に続いて部屋に入ってきた。
「そんなに緊張しなくていいからね」
長い夜への期待と、明日香ちゃんの若い肉体への欲求で私の心は急にざわめきたった。
「お一人なんですね」
部屋の中を見渡し、幾分和らいだ表情になった明日香ちゃんが言った。
「ほかに誰かいると思ってた?」
「いえ、そういうわけじゃ……」
言葉を濁す。
おそらく『スポンサーの相手をしてもらう』ぐらいしか聞かされていないのだろう。
時としてこういう場合、数人の男を相手することもあるらしい。他社はそうだと聞いたこともある。
私一人しかいないことに安心したのか、明日香ちゃんは少しくつろいだ様子に見えた。
「社長さんっていうから、もっとお年なのかと思ってました」
私だって決して若くはないが、そう言われれば嬉しい。
「ははは、君のお父さんと同じぐらいだろ?」
「そう…ですね」
私の顔をじっと見たあと明日香ちゃんはそう言った。
「社長さんっていつもこんなことしてるんですか?」
続けて物怖じしない態度で聞いてくる。
「う〜ん……いつもって言えばそうだけど、そうたびたびじゃあないよ」
「そうですか……」
「明日香ちゃんは処女なの?」
「……処女じゃないとダメですか?」
少し不安をにじませた声音で、上目づかいに私を見る。
(そうか、この子はもう……)
「いや、全然構わない。というより、処女は扱いが難しくて、ちょっとね」
明日香ちゃんの悩みを払拭させようと、わざと陽気に答える。
「……はい」
「変なこと聞いちゃうけど、明日香ちゃんのはじめてはいつだったの?」
「高校のときです。中学のときに転校してきて、すぐにまた転校していった男の子と再会して……」
明日香ちゃんの初めての相手は交通事故で亡くなったという。
その彼が唯一の相手で、生前に何度も体を重ねたそうだ。
彼の思い出を語るとき、明日香ちゃんは涙を見せた。
(本当に好きだったんだな……)
今は彼が遺してくれた思い出を胸に、強く生きていくことを誓ったという明日香ちゃん。
彼女が垣間見せる強さの秘密はそれだったのだ。
「過去を美しいと思える人は、それだけ立派な生き方をしてきた人なんだよ」
「えへへ……社長さん、いい人ですね」
涙を拭いながら明日香ちゃんが言った。
ほかにもいくつか質問をしてみたが、明日香ちゃんの答えは適確だった。
こちらが聞いた以上のことを、それも要点を外さずに答えるところは頭の回転の速さをうかがわせた。
意外と言っては失礼だろうが、それが私の素直な感想だった。
「ねぇ、その敬語、やめない?」
「そうですね。…あ違った、そうね。うふふ。……でも遣わせてください、そっちの方が落ち着くし」
明日香ちゃんは屈託のない笑顔になった。とても魅力的な笑顔だった。
(これがこの子の素なんだな)
これまで抱いたどの子にも感じたことのない親しみの感情を、そのときの私は覚えた。
「じゃあ明日香ちゃんの好きな言い方でいいよ。私も特に気にしないから」
「はい」
そう言ってにっこりとうなずいた。
「明日香ちゃん、食事は済ませた? まだだったら何か取ろうか?」
「あ、はい、済ませました。……あの…いいんですか?」
「何が?」
「そのぉ……しなくても……」
もじもじしながら答える。
「あははは、夜は長いよ。それにもう若くないしね、そんなにがっついてるわけじゃない」
苦笑交じりの私の声に、明日香ちゃんは
「でも私、そのために来たんですよぉ」
頬をふくらませてちょっとにらむような顔をする。
いくら怒った顔をして見せても、愛らしい目元が笑っているのは隠し切れない。
「明日香ちゃんはそんなにしたいの?」
わざと意地悪く聞くと、
「知らない!」
そう言ってジャケットを脱ぐとクローゼットに歩いていった。
「優しそうな人で……よかった」
独り言なのだろう、つぶやくように言った明日香ちゃんの声が聞こえた。
ソファに座り、しばらく他愛もない話をして時間を過ごす。
明日香ちゃんはこれまで芸能界で誰に会ったとか、どういう仕事がつらかった、楽しかった等を話した。
中学や高校の時のことも話してくれた。友人との楽しい思い出、先生の癖や授業の話。
それからデビュー前にファミレスでバイトをした話、実家の話、両親の話……。
私は時間の経つのも忘れてそれらを聞き入った。
「もう、私のことばかり! 社長さんのことも聞きたいなぁ」
話が一段落したとき、明日香ちゃんが言った。
「聞いておもしろいような話はないなぁ……。それより明日香ちゃんのことがもっと聞きたいな」
「ねぇねぇ、私のほかに誰とえっちしたの?」
突然そんなことを言い出す。
「おいおい」
さすがにそれを語るのは気が引けた。
それでも明日香ちゃんは執拗にそれを尋ねてくる。
「教えて!」
根負けした私は気がつけば明日香ちゃんに問われるままに過去の経験を語りだしていた。
具体的な名前は伏せたが、当社のイメージガールといえば特定はできるだろう。
それらの話をするうち、淫靡な記憶が甦り、私は少しずつ欲望が高まるのを感じていた。
ふと見ると明日香ちゃんの瞳も潤んだようになり、頬が上気している。
足をもじもじと何度か組み替え、なまめかしい吐息を洩らす。
(感じている?)
胸が苦しくなるような性の欲求に、私は
「明日香ちゃん、いいかな」
手を取って立ち上がった。
こくん
明日香ちゃんがうなずいた。
お互いの姿を見ながら服を脱いでいく。
私は相手を脱がすのも好きだったが、それと同じぐらい脱ぐのを見ているのも好きだった。
恥じらいの表情を見せ、明日香ちゃんは一枚ずつ脱いでいく。
見事なプロポーションに見とれた私は、思わず自分の手を止めて魅入ってしまった。
「あぁ! 社長さんずるぅい! 私だけ脱ぐなんて不公平ぇ!」
明日香ちゃんの声に我に返る。
ショーツとブラだけをまとい、腰に手を当てて下唇を軽く噛んだ健康的な笑顔が私を見ていた。
「あ…ごめん。あんまり綺麗なんで見とれてた……」
素直な思いを口にする。
「……え」
思いもかけない言葉だったのだろう、明日香ちゃんは頬を染めると下を向いた。
「冗談ばっかり……」
はにかんだ表情で困ったように身じろぎする。
「冗談なんかじゃないよ。ほんとに綺麗だ。まるで女神か天使みたいだよ」
今度は明日香ちゃんが動きを止めてしまった。
恥ずかしそうに、しかし満更でもなさそうな表情で下を向いている。
私は先に全裸になると、
「ほら、早く脱がないと明日香ちゃんを脱がしちゃうぞ」
そう言って笑った。
明日香ちゃんは小さくうなずくと深呼吸をした。そしてブラを外し、ショーツを下ろす。
淡いかげりをたたえた恥丘は手入れされているのか、美しい形に整えられている。
ショーツを足から抜く際、クロッチの部分の色が変わっているのもわかった。
(やはり感じていたんだ……)
私の鼓動が早くなった。
手を取り合ってバスルームへ移動する。
シャワーでお互いの体を軽く流し、そのまま抱き合う。
水を弾く若い素肌がまぶしい。少しずつ股間に力がみなぎっていくのを私は感じていた。
お腹を撫でるようにして手を下に進め、明日香ちゃんの股間に手を差し入れる。
するとそこは石鹸を付けてもいないのにヌルヌルがすでに出ていた。
熱くほとびった肉のひだを指先でつまむ。軽く引っ張るように動かしてみる。
左右のひだをはさみながら指を移動させる。
くちゅくちゅと小さな音を立て、粘り気のある液体をあふれさせる溝を私はなでさすった。
「ぁ…んっ! ……もぅ…立ったままなんて初めて……」
「今日は明日香ちゃんと初めてのこといっぱいするんだよ。だから……」
「うん……」
「立ってるのがつらかったら私にしがみつけばいいからね」
私はそう言うと再び明日香ちゃんの股間に小さく突き出た芽の近くへと指を持っていく。
その周辺を丹念に愛撫する。だが肝心な部分はわざとさわらない。
恥丘を指先で軽く叩いたり、恥骨のあたりを押したりする。
太ももの内側を触れるか触れないかの強さで撫でる。
左右のひだを指ではじき、つまみ、指先でこすってみる。
それらの動きを組み合わせて明日香ちゃんに刺激を与えた。
「んっ…ぁ……ッ、う…ぁぁん、ア!」
明日香ちゃんの腰が細かくうごめき、息が上がっていくのが分かる。
と、立っていられないのか、私の首にすがりつくと腰を押し付けてきた。
「あんまりいじめないで……」
明日香ちゃんの甘い声。
「じゃあやめる?」
意地悪く聞く。
「ばかぁ」
目元を染め、甘えきった声で私に身を預ける明日香ちゃん。愛おしさが増した。
「かわいいよ明日香ちゃん。ちゃんとさわってあげるね」
「……うん」
ひだが合わさったところの小さな突起。そこに指が触れたとき
「ひぁ!」
明日香ちゃんがひときわ大きな声を上げた。
初めてクリに指を当てる。指先にコリコリした感触が伝わってきた。
そのまま陰核をくじるように揉む。
「んんっ!」
「興奮しちゃったの? もう大きくなってるよ?」
「いやぁ……」
「明日香ちゃんはマンコさわられてクリ大きくするようなエッチな子なんだね」
言葉責め。
明日香ちゃんの性癖はまだわからない。そのため私はあらゆる手段を使うことにした。
「違うよぉ……」
震える声で力なく返事が返ってくる。
「うそ。じゃあどうしてこんなになってるの?」
「えっちじゃないぃ……」
注意していないと聞こえないぐらいの小さな声。
「一人でするんでしょ? そのときもこんなになっちゃうの?」
「だめ…だめ……」
クリを強めに揉み、押す。さらに指の腹を押し当て細かく振動させる。
軽く指先でつまんだり、指を曲げて爪の硬い部分で叩いたりする。
時には爪を立てて引っかいてみる。
同時に明日香ちゃんの耳元でみだらな言葉をささやく。
「テレビで何度か明日香ちゃんのこと見たけど、こんなにえっちだなんて驚いちゃったよ」
「あっあっ……あっ!」
感じてる!イクのも近そうだ。
「清楚な感じがする子だなぁって思ってたけど、明日香ちゃん、ひとりエッチしてたんだね」
「そんなことないよぉ……」
涙声が私の情欲をあおった。
「どこが感じるの? 言ってごらん?」
耳元に息を吹きかけながらかなりの力でクリを攻める。
明日香ちゃんは目を閉じて快感に耐えているようだ。あと少しでイク!
「気持ちいいの? イキたい?」
私の問いかけに明日香ちゃんはがくがくと首を振り
「イッてもいい? イッてもいいの?」
切迫した声を上げる。
「ダメだよ。まだダメ。……がまんして、ね?」
「くぅぅん……んッ! はっ、んんっ!」
絶頂の一歩手前まで押し上げられ、なおもイクことを許されない明日香ちゃんがうめく。
「そんなに大きな声出して、明日香ちゃんってホントにエッチなんだね」
「っっっ!」
私のその言葉に身を引きつらせ、明日香ちゃんは唇を噛んで声を押し殺す。
「明日香ちゃんのえっちな声、すごくいやらしいね」
クリを攻めていた指を静かに肉穴にもぐりこませ、コリコリするひだをなでながらささやいた。
「あっ、んっ…んふぅ!」
こらえきれなくなったのか、明日香ちゃんの嬌声がバスルームに響く。
「気持ちいいの? イッちゃってもいいよ」
あまりいじめてもかわいそうだと思い、私は明日香ちゃんをイカせることにした。
「あっあっあっ……」
「ここには誰もいないから、大きな声出しても大丈夫だよ」
「いや……あんっ…ぅふっ……あっ」
「明日香ちゃんがイクときのエッチな顔が見たいな」
私の肩に顔を押し付け、ふるふると首を振る。
「明日香ちゃん。明日香ちゃんがイクときのエッチな顔が見たい」
もう一度言った。
私の肩に顔を押し付け、声にならない声を上げた明日香ちゃんの体に力が入った。
腰に力が入り、前に突き出されるようになる。
それを手のひらで押し返すようにすると、力をこめた親指でクリを揉みこむ。
膣に入れた中指で体の内と外から明日香ちゃんの恥ずかしい部分を強く圧迫した。
「んっ…んっ……んんー……あっんんーーー!」
もうすぐだ!
「かわいいよ……えっちな明日香ちゃん、とってもかわいいよ」
そうささやきながら、最後に指の腹でもむようにクリを強く押し込んだ。
「んーーーー……」
悲鳴に近い明日香ちゃんの声。同時に体中がこわばる。
イッた!
糸が切れた人形のように動きを止めた明日香ちゃんは、一瞬ののち私にもたれかかった。
イッたんだ。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
体中の力を抜き、荒い息で、ようやく立っているといった感じの明日香ちゃん。
私の肩から顔を上げると、
「こんなにえっちにしたのは…社長さん……」
そう言ってまた顔を付けた。