「ちょ、ちょっとこーへいっ、わぁっ!」  
 妙子が、洗っていた皿を手から落とす。水が溜まったプラスチック製の白い洗い物入れに、ちゃぷんと音を立てて皿が落ちていく。  
「妙子、動かないでくれ…脱がしにくい」  
「脱がしちゃだめだよっ!」  
 ザー…と、全開の水道の蛇口が洗い物入れの水面を激しく叩き続ける中で大きな声が飛び交う。  
「なんでだよ」  
 エプロンの後ろの紐を少しゆるめながら、耕平の指がエプロンの生地の下をずりずりと進んでいく。そして、妙子のスカートの前の方に到達させる。  
「あ、洗い物まだ残っているんだからっ」  
「じゃあ妙子は洗い物していればいいだろ」  
 耕平が見えないところのボタンをぷちっ、と器用に外す。そして両手を使って、ずるずるずるっと淡いブラウンをしたチェックのスカートを下ろしていく。  
「きゃっ!」  
「今更驚くことでもないだろ」  
「下着まで一緒に突然脱がされたら驚くよっ…」  
「昔取った杵柄だ」  
「そんなきねづか、自慢になんないよっ…あっ! だ、だめっ、耕平っ…」  
 相変わらず出しっぱなしの水の音の中に、妙子の高い声が交じる。  
 耕平はいつの間にかフローリングの上に身を屈めて、そこから頭を妙子の脚の間に突っ込んでいた。そして妙子の太股をぺろぺろと舐める。  
「いやぁ…やめて、耕平…」  
 耕平のさらさらした茶髪に内股をくすぐられていると、妙子も段々気分が変になってきた。脚を閉じようともせず、口元に手を当てて時折ぴくんと体を跳ねさせる。  
 そこを見計らって、耕平は身を反転させた。天井を見上げる姿勢。この状態では、妙子の恥ずかしい部分を直接見上げる姿勢だ。  
 
「耕平…?」  
 妙子には、耕平がどうしているのかは見えない。だが耕平の頭が脚の間をするするすると上がってくると、ビクンと体を震わせて反応した。エプロンに前だけ覆われた妙子の性器に、耕平の顔が一瞬で近づく。  
 じゅうっ…  
「あっ…ああーっ…」  
 そのまま、耕平は妙子の性器にむしゃぶりついた。上半分だけ陰に覆われた耕平の顔が、妙子の複雑な部分に押しつけられる。そして、上下左右にぐりぐりぐりぐりと動く。  
「う…んんっ」  
 妙子は自分の手の平の中に息を吐き出す。狭いところに入りたがるネコのような耕平の動きは、繊細さはなかったが妙子を興奮させた。  
 …じゅるっ。じゅるじゅる…  
「や、やだ…そんなに音を立てちゃ、やだよ…」  
 妙子のはしたない液は、直接耕平の舌の上にあふれ出して、その都度綺麗に舐め取られていく。  
 秘核を舐められている時に比べれば直接の快感は少なかったが、無理な姿勢で蜜壷を直接舐められるというのはまた独特の恥ずかしい感情を誘って、妙子の中からますます愛液をあふれさせる。  
「あ…あっ」  
 かくんっ…  
 ついに妙子は切なくなりすぎて、自分の体重を支えきれなくなってしまった。膝が折れて、ふらっと床の上に崩れ落ちてしまう。  
「う…うぷっ」  
 その重みを顔に思い切り受けることになった耕平は、苦しげな息を漏らしながら妙子と一緒に床に倒れ込んだ。  
 
「ご…ごめん、耕平…」  
「何するんだ…圧死するかと思ったぞ」  
「私、そんなに重くないもんっ」  
「それとこれとは別問題だ…何にしても、おわびはしてくれよ」  
 耕平はズボンのジッパーを下ろす。  
「もうっ…」  
 妙子は少し頬を膨らませながら、トランクスまで下ろして剥き出しになった耕平のペニスに顔を近づけていった。四つん這いの姿勢になった妙子のエプロンが床に垂れて、ヒップからのラインはかなりきわどい所まで見えるようになる。  
 …ぺろ。  
 ぺろっ。じゅる…  
 幹の所を試すように舐めて、敏感な雁首に近い辺りを舐めて、それから唾液のたっぷりした音を立てながら亀頭の全体をしゃぶる。  
「はぁっ…」  
 そして、大きく息を吸い込むとぱくっと全体を口の中にくわえこんだ。  
 じゅる…じゅる、じゅる  
 頬の内側を使ってころころとこねくり回しながら、やはり唾液の音を立てて舌をぐにゅぐにゅと動かす。  
 ちゅーっ…きゅぽん。  
 そして、全体を強く吸い上げてからポンッと口を離した。  
 
「ふぅ…耕平、うっとりした顔してる…このまましてたら出しちゃいそうなの?」  
「んなことない」  
 耕平はそう言うと妙子の体を横にごろんと転がして、仰向けにさせた。そして、一見すると下にきちんと服を着ているように見せているエプロンの下からペニスをぐいぐいと押し上げていく。腰をがっしりとつかんで、妙子の体を引き寄せている状態だ。  
「このままするの?」  
「面白くていいだろ」  
「このエプロン、気に入ってるのに…」  
「洗濯しろ」  
「代わりばんこだもん」  
 ちょっと口答えした妙子に構わず、耕平はエプロンの下に隠れた妙子の性器にペニスを押しつける。  
 ぐちゅ、ぐちゅ  
 耕平が入り口を探るためにペニスを動かすと、濡れた音がはっきりとしていた。  
「こんなに濡らしてるんだから、エプロンだって濡れちゃってるだろ」  
「耕平がしたんだよっ」  
「濡れやすいのは妙子の責任だ」  
 ぐちゅ…  
 耕平が先を妙子の中にうずめる。  
「ああーっ…あ…はぁ…」  
 ぐちゅる…にゅぷん  
「はぁ…耕平のがいっぱい…」  
「いつもより濡れてるっぽいな…」  
「おんなじだよ…」  
 妙子はそう言いながら、自ら腰を軽く前後にゆする。  
「いつも濡れてるんだもんな」  
 ぐちゅっ、ぐちゅっ。  
 耕平も腰を動かし始めた。  
 
「その言い方、ちょっと意味が違うよっ」  
 妙子も負けじと、さらに激しく腰を揺すり始める。  
 二人とも、自分と相手の感じるところを知り尽くしていた。  
 耕平のペニスは妙子の蜜壷の前の方の部分をごりごりとこすりながら奥を強く突き、妙子は耕平がペニスを引いた所できゅっきゅっと中を収縮させて締め付ける。そして二人の動きを助ける潤滑の愛液をとめどもなくあふれさせていく。  
「はぁ…今日からこんな所でしていたら、この家全部ですることになっちゃいそうだよ…」  
「いいだろ。俺達の家なんだから」  
「そうだけど…」  
「それに、俺の妙子なんだから」  
「…耕平だって、私のこーへーだもんっ」  
 妙子が腰をさらに速く動かし始める。  
「お互い様か…」  
 耕平もそれに合わせて動き、全身を包み込む恍惚とした感覚を一点に収束させていった。  
「あっ…はぁっ…」  
 妙子は額に手を当てて、惚けた顔をしながら腰を動かす。その目は、耕平しか見ていない。  
 
「妙子…もう、出るからな」  
「あ、今日はダメっ…あ、じゃないね」  
「…何回言えば気が済むんだ、お前は」  
「だ、だって、耕平って高校の時からいっつも中で出そうとするんだもんっ…! ずっと心配だったんだから…」  
「そのぶん、これからやらしてもらうって」  
 耕平がぐいっと腰を突き出す。  
「ああ…」  
 …びゅくっ! びゅっ、びゅ…  
「あっ、あっ…耕平っ…あつい…」  
 ビクンッ、ビクンッとエクスタシーの痙攣で耕平のペニスを搾り取るように締め付けながら、妙子は背中を何度も跳ね上げていた。  
「ふぅ…」  
 エプロンの下での射出を終えた耕平は、気怠そうな声を出しながら妙子の頬を撫でた。  
 ザー…  
「あっ…あっ、お水出しっぱなしっ!」  
「な、なんだ? わざと出していたんじゃないのか?」  
「そんなわけないよっ! ああっ、今日からこんなのじゃ家計簿がどうなっちゃうんだろ…」  
「ま、意識が飛んじゃうくらいに気持ちよかったってことだな」  
「知らないよっ…それより、耕平、抜いてっ! 早くお水止めないと…!」  
「もう少し、中にいてもいいだろ」  
「だ、だめっ…あっ」  
 耕平が後戯にエプロンの上から胸を揉んでみると、妙子はまた喘ぎの声を出し始めた。  
 

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