シャワーの音が止んだ。  
 僕はベッドの上に裸で座り、彼女を待つ。  
 少ししてバスルームから、バスタオル1枚の夏穂が出てきた。  
「おまち〜」  
「お前はさんまか!」  
 とりあえず、つっこんどく。  
「うんうん。ええ、つっこみやねぇ〜」  
「…あのね…」  
 つっこまないと後でうるさいだろ…。  
 夏穂がベッドの端に腰かける。  
「えへへ……ねぇ…」  
 僕は夏穂を抱き寄せ、口づける。  
「あ、ちょ…ん…ん……ちょっと待ってって!」  
 強引に引き剥がされた。  
「どうしたの? …嫌だった?」  
「あ、そ、そうじゃなくて…あのね」  
「ん?」  
「今日は誕生日やったでしょ?」  
「うん。…プレゼントありがとう。時計、大切にするね」  
 今日は僕の誕生日だった。で、夏穂からのプレゼントは腕時計。素直に嬉しかった。…ただ、100気圧防水とか高機能ストップウォッチとかは、僕には必要ないとは思うけど…。  
 
「うん、ありがと。…でね。もうひとつプレゼントがあるの…」  
「え?」  
「ワ・タ・シ」  
「はぁ?」  
「な、なによぉ! その気の抜けた声は!」  
「い、いや…だって…ねぇ?」  
「なに?」  
「そんな…マンガじゃないんだからさ…」  
「そーいうマンガ、好きなくせに」  
「へ?」  
「えっちなやつ! 隠してるやろ?」  
「あ、夏穂、お前!」  
「誰が掃除したってると思てんねん」  
「う…」  
「まぁ、それはええやん。でね、プレゼントやねんけど…」  
「?」  
「今日は誕生日やし…いっぱいサービスしたげよかなぁ…って…」  
「サ、サービス?」  
「うん…いっぱいしたげるからね…」  
 夏穂はそう言いつつ、僕の身体にもたれかかるようにして、ゆっくりと押し倒す。  
「じゃ、マグロになってろって?」  
「うん…マグロでもブリでもハマチでもなんでもええよ」  
「夏穂、それ一緒…」  
 【豆知識】ハマチ:ブリの成長過程での呼び名。主に関西でこう呼ばれる。また、養殖のブリをこう呼ぶこともある。  
「う…やかましい!」  
「顔、赤…ん!」  
 夏穂の唇が僕の口をふさぐ。舌が絡み合い、ぴちゃぴちゃといやらしい音をたてる。  
 
「…ん……はぁ……おとなしくしとき」  
「はいはい」  
「『はい』は一回」  
「はい」  
「よろしい」  
 そう言いつつ、僕の上に馬乗りになる。バスタオルはいつの間にか外れていた。形のいい乳房が僕の目の前で揺れる。  
「サ、サービスって、どんなことしてくれるの?」  
「…へへ…いろんなこと…」  
 身体を密着させてきた。そのまま僕の上で前後に動く。  
 …あ…胸が…擦れて…  
「く…くすぐったいよ…」  
「そう? 気持ちよくない?」  
「いや、気持ちいいけど…くすぐったい…」  
「そっか…やっぱり石鹸つけんとあかんか…ほんだら、続けるね」  
 今度は首筋に舌を這わせてきた。…う…これも…くすぐったい…。  
「ん……」  
 夏穂の舌が胸へと移動し、舐めまわす。あ、おい! そこは! うひゃ…く…く…くすぐったい……あ、でも、普段こういうのしてくれないし…結構いいかも…。  
「…ん…いっつも…こんなこと…してへんけど…結構気持ちいいんと違う?」  
 …見透かされてるし…。  
 夏穂の舌が腹へと移動した。ヘソの周りを一周する。  
「…あ……期待してる?」  
 そう言って、既に期待に膨らんだ僕のモノをさする。  
「そ、そりゃ…まぁ…ね」  
 曖昧に答える。  
「…してほしい?」  
 僕は肯いた。…何か、単に主導権を握られてるだけのような気がするが…これって、サービスなんだろうか…。  
 
「よしよし。この夏穂サンにまかせなさい」  
 いかにも満足げな表情で肯く夏穂。僕の股間に身体を入れると、僕のモノに手を添える。  
 先端に唇に近づけ、舌先でちろちろと舐める。  
 …じらすなって…。  
 上目づかいにこちらを見ている。…わざとやってるな…。  
「…ちゃんとしたるから…」  
 そう言うと、僕のモノを口に含む。夏穂の口腔の温かい柔らかな感触が伝わってくる。なまめかしく舌を動かしながら、頭をゆっくりと上下させる。彼女の唾液で光る僕のモノが、すぐにじゅるじゅるとイヤラシイ音をたてる。  
「…んふ…ん…ん…んは…んん…」  
 唇で亀頭の部分をちゅうちゅうと吸い上げ、片方の手で竿の部分をしごき、もう片方の手で袋を弄ぶ。…おいおい…どこでそんなことを…。  
「…ひ…ひもひ…ひぃ?」  
 僕のモノを口に含んだまま、夏穂が訊いてきた。…気持ちいいって?  
「う、うん…とっても…」  
 僕の答えに満足したのか、動きを再開する夏穂。さっきよりも激しく首が上下する…。い…いつの間にこんなに巧く…気を抜くとすぐにイッてしまいそうだ…。  
「か…夏穂…どこで…こんな…うっ…」  
 気をそらすために聞いてみる。夏穂が唇を離す。  
「…はぁ……どこって、決まってるやん…」  
「あ…もしかして…」  
「誰が掃除したってると思てんねん?」  
 と、イタズラっぽく微笑む。…そういうことね…。  
「へへ…お次はっと…よいしょ…」  
 夏穂は身体を起こすと、ちょこんと正座をした。膝をぽんぽんと叩き、  
「はい。ここへお尻のっけて」  
 と、言った。  
「な、何?」  
「ええから、はよ!」  
「あ、はい…よっと…」  
 僕は腰を浮かせると、夏穂の両膝の上にお尻を乗せた。  
 
「えへへ…お次は、これ」  
 そう言うと、乳房を両掌でかかえ、僕のモノを挟む。…これは…また…口とは違うなめらかで柔らかい感触に包まれる。夏穂が身体を上下させたり乳房を揺すったりと、僕のモノを擦りあげるたびに快感が湧きあがる。  
「パイズリぃ…どう? …気持ち…いい?」  
「う…うん…気持ち…いいよ…」  
「ん…よかった…」  
「もしかして…これも…」  
「…んしょ…そうやよ…今度から…隠し場所、変えんとな…」  
「あはは……うん…」  
 やっぱりね…。  
「…さーて…こういうのは…どうかな?」  
 そう言うと、首を曲げ僕のモノに唇を近づける。舌を伸ばし、先端を舐める。  
「う…」  
 思わずうめいてしまった。  
 先端を完全に口の中に含むと舌先で舐めまわす。挟みこむ乳房はさっきよりも圧力が増し、上下に強く揺らしながら僕のモノを擦りあげる。  
「んぅ…ん…んぷ…くぅ…ん…」  
 あ…もぅ…限界かも…。  
「か…夏穂…もぅ…」  
 僕の声が聞こえているのかいないのか、さらに刺激を強くする夏穂。  
「んむ…ん…んぁ…んふ…」  
 …もう…ダメ…。  
「うっ…」  
ドクッ…ビクッ…ビクッ…  
 僕は彼女の口へ思いっきり精を吐き出した。  
 
「んふっ! …ん…ん…」  
 一瞬、驚いたようだったが、すぐに口腔で受けとめ、嚥下する。そして、さらに残滓を吸い取るように強く吸い、手でしごく。  
「ぷぁ……はぁ…はぁ…気持ちよかった?」  
「う、うん…とっても…」  
「よかった…いっぱい出たもんな…。そしたら、次な」  
「え? 次?」  
「あったりまえやん。あんたの、まだまだ元気やんか」  
 …たしかに…。僕の股間のモノはまだ萎えていなかった。  
 
「んしょ…」  
 夏穂が僕の腰をまたぐ。僕のモノに手を添え、もう片方の手で自らの秘唇に指を這わせる。  
「挿れるね…」  
 指先で秘唇を開く。くちゃ…と水っぽい音がする。先端を秘唇にあてがうとゆっくりと腰を落とす。  
「…あ…」  
 充分濡れそぼった彼女の膣は僕のモノをすんなりと受け入れる。  
「全部…入った…」  
「うん…気持ちいい…」  
 上体を倒し、口づけてくる。絡み合う舌を互いに吸い合う。  
「はぁ…あんたは動かんでいいからね…じっとしてて」  
「こういうのもダメ?」  
 僕は夏穂の胸へと手を伸ばす。乳房を揉み、すでに固く尖った乳首を転がす。  
「あン…あ、あかん…の」  
 と、僕の腕を掴み胸から引き剥がす。  
 
「最初は、全部したげるから…ね?」  
「さ、最初は?」  
「うん……あ、一回で終わらせる気?」  
「え? い…いや…その…」  
「そんなこと言うヤツは、こうや!」  
きゅきゅきゅっ  
 う…締めてきた。  
「あ、ちょ、か、夏穂?」  
「へへ…いっぱいしよな…」  
「う…うん…」  
 夏穂がゆっくりと腰を動かしだした。結合部から、くちゃくちゃと粘着質の音が漏れる。  
「あ…あん…あ…あっ…」  
 膣で締めつけながら上下動したり、グラインドさせたりと、僕のモノを巧みに刺激する。  
「…ど…どう? 気持ち…いい?」  
 夏穂が訊いてきた。  
「うん…とっても…」  
「よかった…ウチも…気持ちいい…」  
 そう言いながらも、ゆっくりと腰を動かすことはやめない。  
 上体をこちらに倒してくる。夏穂の上気した顔が近づいてくる。  
 口づける。互いの舌を吸いあう濃厚なキス。  
「んふぅ…ん…ん…はぁ……なぁ…」  
「え?」  
「なぁ……もっと、動かしていい? もぅ…我慢できへん…」  
「いいよ。夏穂の好きにして」  
 僕の答えを聞くまでもなく、彼女の腰の動きが速まる。  
 
「…あ…あん…あっ…あ…あ…」  
「もっと感じさせてあげるね…」  
 そう言うと、僕は指先を結合部に這わせた。充分に固くなった突起を刺激する。  
「え? あ…ひぁ!」  
 彼女の身体がビクンっと跳ね、一瞬動きを止める。そこへ腰を強く突き上げた。先端がざらりとしたものに当たる感覚があった。そのまま何度も突き上げる。  
「あはぁ!…あっ…あン!…あん!…そ…そこ…いい…も、もっと…」  
 彼女も僕の動きに合わせて、動きを再開する。  
「こ…ここ?」  
「…うん…そこぉ…うぁ…あ…あぁん!」  
 さらに強く突き上げる。夏穂の腰の動きもさらに速さを増した。  
「あん!…あは…あん!……イ…イク……イキそう…」  
 彼女が上体を後ろにそらす。  
 僕も限界に近い。さらに速く、強く、彼女を突き上げた。  
「あ!…あん!…あン!…あっ!…ふぁぁ…あぁぁぁん!」  
 夏穂は甲高い声をあげ、絶頂に達した。彼女の身体が痙攣し膣が収縮する。   
ビクンドクッドクッ…  
 僕も彼女の膣内で果てた。  
 脱力した夏穂が僕の身体に倒れ込んできた。  
「はぁ…はぁ…はぁ…」  
 少し息が荒い。僕は彼女を抱きしめ髪をなでた。  
「気持ちよかったよ…」  
 そうささやくと、彼女は満足げに目を閉じる。  
「うん…熱いの…いっぱい…ウチもよかったよ…」  
「まだ元気なんだけど…続けていい?」  
「え、あ…ちょ、ちょっと、待ちって…続けては…あ、あぁん…」  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…なんてのはどうかな?」  
「ぐぅ……」  
「夏穂!!」  
「…あ? あぁ…あんまりつまらんから5秒ほど寝てもうたわ…」  
「かぁ〜ほぉ〜」  
「はいはい、また今度な」  
「今度って?」  
「さぁな〜…今日やないことは確かやな。ウチ明日から合宿やから」  
「うそぉ〜」  
「ホンマ」  
「せっかくの誕生日なのに…」  
「せやから、ウチの手料理でお祝いしたったやんか…ご不満?」  
「い、いや…そんなことないけど…」  
「なら、ええやん…はい、ごちそうさま…」  
「あ、じゃあさ…今から…」  
「……」  
「夏穂?」  
「はぁ…あんたっちゅう男は…それしかないんかいな…もぅ…ウチ帰るわ」  
「え…そんな!」  
「明日、早いしな。そんじゃ、後片付けヨロシクぅ〜」  
「あ…」  
 
 
             おわり  
 

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