高校3年もそろそろ終わろうかというある日、僕はえみるに手紙で呼び出された。  
『思い出のラムネびんを一緒に探してほしい……』  
 僕はえみるの待つ仙台に向かった。  
 
 小学校4年生の僕が短い間だけどえみると過ごした思い出の街、仙台。  
 転校でえみると別れたのは今から8年前だった。  
 その後再会し、えみるに逢うため僕は何度となくこの街を再訪していた。  
 街並みは小学生の頃に比べ所々が変わっていたが、二人が過ごした小学校は昔のままだった。  
 えみるの話ではこの旧校舎の取り壊しが決まったという。思い出の旧校舎。そこで僕たちは待ち合わせた。  
 
 夜の旧校舎は不気味な雰囲気の中にたたずんでいた。  
 何もこんな時間にしなくても……。  
 ムードがあっていい。そう言ったえみるも表情がこわばっていた。  
「こ、こんなに怖いなんて思ってなかったりゅん……」  
「えみるがこの時間にしようって言ったんだよ。こういうの好きなんでしょ?」  
「好きなのはお話で、実際に体験するのはイヤだよぉ〜」  
 そう言って涙目で僕にすがりつく。  
「ダーリン……絶対にえみりゅんから離れちゃいやだからね……」  
「う、うん」  
 僕たちは手をつないで夜の旧校舎に足を踏み入れていった。  
 
 記憶を頼りに校舎内を探索する。  
「あ〜ん、怖いよぉ〜」  
 えみるが泣きそうな声で言う。  
ガタンッ  
 暗闇の向こうで何かの音がした。  
「きゃあぁぁぁ〜、怖いよぉぉぉぉ〜〜〜」  
 僕の手を振りほどき、えみるが闇の中に走っていく。  
「えみる!」  
(マズイ、追いかけないと!)  
 僕はえみるの走って行った方向に駆け出していった。  
 
 いた!  
 えみるは暗がりの中に身を縮こませ、ガタガタと震えていた。  
「えみる!」  
「あっ! ダーリン……怖かったよぉぉ〜」  
 半泣きになりながら僕の胸に飛び込んでくる。  
「えみる、もう大丈夫だからね……。ごめん、怖い思いをさせて」  
 髪をなでながら優しく言う。  
 そうしながら僕は、前にもえみるに怖い思いをさせたことがあるのを思い出していた。  
 もう二度とえみるにそんな思いはさせない。……そう誓ったはずなのに、僕は……。  
「ダーリン……ありがとう…優しいね」  
「えみる……」  
 僕は昔を思い出して申し訳ない気持ちになり、思わずえみるを抱きしめていた。  
「……あ」  
 小さく声を上げたえみるは、そのまま  
「ダ、ダーリン……そんなに強く抱きしめたら苦しいよ」  
 嬉しさをにじませて続けた。  
「ご、ごめん……」  
「うふふ。でもぉ、もっと『ぎゅっ!』ってしてほしいなぁ〜」  
「えみる?」  
「だってダーリンのこと大好きなんだもん!」  
 そう言うとえみるは頬を染めて目を閉じた。  
 
 唇を合わせる。  
 そっと触れるだけの口づけが終わると、えみるは  
「ずっと…ずっと好きだったりゅん!」  
 そう言って再び唇を重ねてきた。  
「えみる……」  
「ダーリン……」  
 僕たちはお互いを呼びながら、何度もキスをくり返した。  
 
 あたたかく柔らかいえみるの身体。  
 抱きしめ、キスを続けるうちに僕の心に性の欲望の火が灯った。  
「えみる……」  
 下腹部にこわばりを感じたのだろう。えみるが  
「ダーリン……いいよ。ダーリンの好きにしていいからね。でも……初めてだから優しくしてね」  
 小さな声で恥ずかしそうにそういうと、ゆっくりと服を脱ぎはじめた。  
 
 僕も服を脱ぐ。  
 そうして上着を床に敷くとその上にえみるを横たえた。  
「えみる」  
 名前を呼んで抱きしめ、そのまま横になる。そして唇を重ねると、濃厚に舌を絡ませた。  
(えみるの処女をもらうんだ!)  
 その感激に呼吸が震えた。  
 息が苦しくなった僕は唇を離し、えみるの額に口付ける。  
 そしてえみるの瞳を見る。恥ずかしいのか、えみるは  
「ぃゃ……」  
 小さく言うと目を閉じた。  
 期待と興奮で胸が苦しいほどだ。何もしていないのに達してしまいそうになる。  
 何度か深呼吸して気持ちを落ち着かせると、僕はえみるの秘裂に手を伸ばした。  
 
 女性らしい丸みを帯びたすべらかな曲線に手を這わす。  
 そのまま下に手を進めると、しゃりしゃりした陰毛の手触りがあった。  
 その場所を手のひらで撫でる。弾力に富むこんもりと盛りあがった丘をしばらく堪能する。  
 再びえみるに口付ける。するとえみるから舌を絡ませてきた。  
「んんぅ…んむ……んッ」  
 甘い声で鳴くえみる。小さくあえぐえみる。かすかに身を震わせて僕にしがみつくえみる。  
 
 恥丘から下に指先を進める。ねっとりした熱い空間が僕の指をくるみこむ。  
「んんっ!」  
 えみるの舌の動きが止まった。  
 構わず舌を動かし、唾液を送り込む。  
 音を立てて唾液を吸い、のどを鳴らしてそれを飲み込むえみるはメスの顔をしていた。  
 
 蜜壺に指を少しだけ差し入れる。……熱くトロトロした粘液がさらに強く感じられた。  
 そのぬめりを指先にまとうと、肉のひだの中を静かにかき混ぜる。  
「あぁっ……んっ…っ…ン……んん! あんっ……あッ…んッ! あぁッ……」  
 えみるが首を振った拍子に僕たちの唇が離れた。そのまま声を立てて悶えるえみる。  
「はんっ! あン、ダーリン……んッ……ダーリぃン……」  
 初めて見るえみるの痴態に射精欲が高まる。放出の欲求に胸が苦しくなる。  
(えみるとひとつになるんだ!)  
 だけど経験のない僕には膣の位置がよくわからない。  
 どこに入れればいいのか。それを確かめるため、僕はえみるの股間に顔を寄せた。  
 
 ひくひくとうごめき、粘り気のある液体にまみれたえみるの女の部分。  
 そこからはなんともいえない芳しい香りが漂っていた。  
 オスの本能を刺激する香り。淫らな気持ちを高める香り。射精を引き起こしそうな香り……。  
 ぼってりとした肉のひだの間に膣口を見つける。  
(ここだ。ここに入れるんだ!)  
 僕は身を起こすとひざでえみるの股間に進んだ。  
 えみると結ばれるため、僕はえみるの股間にひざをつく。屈み込んで片手を突き、もう片方の手で肉茎を支える。  
 
「あっ……」  
 怒張の極限にある肉棒を膣口にあてがうと、えみるがあえいでピクンと震えた。  
「いい? 力を抜いて。初めては痛いっていうから僕につかまってて」  
 えみるにささやく。  
 えみるが静かにうなずく。両手で僕の腕をつかむとえみるが力を入れる。  
 ついに僕たちは一つになるんだ。  
 
 陰唇の溝に肉棒をなすりつけ、吐液をまぶす。それから熱い肉茎をほんの少し埋め込む。  
「いくよ」  
 そしてえみるがうなずくのを確認すると僕は腰を押し出した。  
 
「ぁあう!」  
 えみるはのけ反ると、息を呑んで身をこわばらせた。  
 一瞬のためらいがあった。だけど僕はそれに構わず剛棒をねじ込む。  
「あぁぁぁっっ!!」  
 えみるの悲痛な叫びが響く。  
 処女の本能か、腰を必死に引き、僕から逃げようと体をずり上げる。  
 その体を僕は押さえた。  
 
 そのまま腰を進める。  
 強靭な膣の抵抗に逆らい、カリ首がもぐりこむ。  
「うっ! ぐぅっ!」  
 えみるが歯を食いしばる。  
 汚れを知らない陰唇が押しひろげられ、亀頭の半分がくわえ込まれる。  
 たぎる欲望で獣と化した僕はえみるを押さえつけると、そのままえぐるように剛棒を押し入れた。  
「痛いっ! 痛いよぉっ! 裂けちゃうっ!」  
 
「えみる!」  
 我に返る。  
 僕は一旦えみるを休ませようと動きを止めた。  
「お、終わった?」  
 熱くせわしい息でえみるが尋ねる。  
「まだ。……先の方しか入ってない……」  
「んっ…」  
 苦しそうな息をつくえみる。  
「やめる?」  
「ううん、いい。……続けて。ダーリンにあげたいの……」  
 目の端に涙を浮かべ、それでもえみるは懇願する。  
 ……僕は心を決めた。  
「わかった。……じゃあ行くよ。もっと痛いと思うけど我慢してね」  
「うん」  
 えみるが唇を噛んだ。  
 
 僕は右手でえみるの左足を持ち上げ、腰をわずかに挿し入れた。  
「くぅっ! ぐ……」  
 えみるがうめく。  
 処女の膣はきつく、なかなか奥に入っていけない。  
 僕は一気に貫くのではなく、少しずつ出し入れをくり返してえみるに入っていった。  
 
「ひぐっ! ダー…リン……。ぅあぁ!」  
 えみるの表情がゆがみ、閉じたまぶたからは涙がこぼれ落ちる。  
 叫びながら、無意識にも僕の体を押しのけようと両腕を突っ張る。  
「えみる……えみる……」  
 名前を呼びながら、僕はえみるの中に入っていった。  
 
 ようやく根元までえみるに収まる。  
 だが、ペニス全体を押しつぶそうとする圧力が感じられ僕は少しも動けなかった。  
「えみる、わかる? 全部入ったよ。えみるの処女、僕がもらったんだよ」  
「……うん」  
 涙をいっぱいにためた瞳でえみるが見上げる。  
「えみる、ごめん。痛い?」  
「ううん、嬉しいの。……心配しないで」  
「……うん」  
 
 えみるの頭の後ろに手を添えて少し持ち上げ、二人がつながっている場所を見せる。  
「えみる、見てごらん。僕たち一つになってるよ」  
「恥ずかしい……」  
 そうは言ったが、えみるは二人がひとつになっている部分から目を離さなかった。  
「僕、えみると本当に愛し合えた……うれしい、うれしいよえみる」  
「……うん」  
 苦悶に似た声でえみるが答える。  
「えみる、えみるはもう僕のものだ!」  
 えみるを一生大切にする。僕が守る!  
 
 僕はえみるに苦痛を与えまいと動かずにいた。それでも膣の蠕動が快感として伝わる。  
 このままでも射精してしまうかもしれないほどの甘美な感覚に包まれる。  
 すると  
「動かないの?」  
 えみるが荒い息で聞いた。  
「え?」  
「動かないと……射精……できないんでしょ?」  
「……えみる」  
「えみりゅんだってそれぐらい知ってるよ」  
 目元を染めたえみるが言った。  
「痛いんだろ?」  
「平気」  
 苦しい息でえみるが言う。  
「無理するなよ……えみるの顔見てれば痛いってことはわかる。出来ないよ……」  
「ダーリン……えみりゅんはいいからダーリン気持ちよくなって。ね?」  
「えみる……」  
「お願い……ダーリンが好きなの! だから大丈夫!」  
「えみる……」  
「ダーリンの赤ちゃん産むときはもっと痛いと思う。だから平気……」  
 えみるは僕との将来まで見据えて今日のことを決意したんだ。……胸が熱くなった。  
 自然と涙が出てきた。涙でかすむ瞳でえみるを抱きしめ、そっとキスをした。  
「ダーリン……泣いてるの?」  
「……ありがとう。僕……すごく嬉しいんだ、僕……」  
 僕の頭にえみるの手が添えられたのが分かった。そして優しく撫でられる。  
 えみるの顔を見る。その笑顔は慈愛に満ちた女神のようだった。  
「えみりゅんも……えみりゅんも嬉しいよ。ダーリン、動いて……」  
「わかったよ、動くね。でも本当に我慢できなくなったら言うんだぞ」  
「うん」  
 えみるがうなずいた。  
 
 僕はえみるに痛みを与えないよう、ゆっくりとしたペース注意して腰を前後させる。  
「くぅっ! んんっ!」  
 僕の動きに合わせてえみるがうめく。  
「ぐっ……」  
 えみるの食いしばった歯から苦痛をこらえる響きが漏れる。  
 ……痛いんだ。  
 小柄なえみるの、しかも処女の膣は決して大きくない。痛くないわけはないんだ。  
 だが僕のために、僕だけのために激痛に耐えてくれているえみる。  
 
「くぅぅぅン……」  
 苦悶に満ちた表情から痛みの激しさが感じられる。  
 だけど僕にはえみるを気遣う余裕が少しずつなくなっていった。  
 じわじわ高まる射精感。それに伴って自然と腰が動いてしまう。  
 快感を得ているとは思えないえみるだが、その膣壁は僕の肉棒に絡みつき快感を与える。  
「くっ!」  
 快楽のあまり、僕の口からは思わず声が漏れる。  
「ダーリン……気持ちいい?」  
 涙を流しながらえみるが僕に声をかける。  
 僕はえみるの顔に口を近づけると、その涙をすすった。  
「うん、気持ちいい。ごめんね僕だけ気持ちよくなって……。えみる…好き、大好き!」  
「ダーリン…ダーリン!」  
 熱に浮かされたように互いの名を呼ぶ。  
 
 えみるの処女をもらえた喜び。初めてのセックスの興奮。愛するえみると抱き合う幸せ。  
 それらが渾然となり、あまりにも早く僕は高まっていった。  
 ……えみるがしがみついたとき、耐えていた僕に限界が来た。  
「えみる、出るっ、出るっ!……うっっっ!」  
 
どびゅっ! びゅくっ! どぷっ! ずびゅっ! びゅびゅぅぅ!………  
 えみるの中で登りつめる。  
 熱い塊が尿道を走り抜ける。そのたびに快感で目の前が真っ白になる。  
 射精の瞬間、僕はえみるの首筋に顔を押し付けた。甘い体臭をかぎながら絶頂に達する。  
「うっ! えみるっ! うぅっ!」  
 うめき声を上げながら僕は何度も精液を射出した。  
 ……激しい快感に貫かれ、僕はえみるの中ですべてを放出した。  
 
 夢にまで見たえみるとのセックスは大きな満足とともに終わった。だけどえみるは……。  
 二人の結合部を見る。……血がにじんでいたが、大きな傷はないように見えた。  
「えみる、平気? 痛くない?」  
「ヒリヒリするけど、平気だよ」  
「ほんとに?」  
「最初だから痛いのは当たり前だよ。……ダーリンは痛くない?」  
「うん。僕は……気持ちよかった……ごめん」  
「ダーリンが気持ちいいならえみりゅんは幸せだよ」  
 そう言うとえみるは僕にキスをした。そして  
「えみりゅん、ダーリンのものになったんだね」  
 射精を終え、膣中で硬度を失ったモノを収めたままえみるが言った。  
「うん、もう誰にもえみるは渡さない。……絶対に」  
 本心から誓った。  
「えみりゅんの本当の宝物……ダーリンとの思い出がもうひとつ作れて……うれしかったよ」  
 えみるが幸せそうに目を閉じた。  
 
 初めての証をティッシュで拭うと並んで横になる。抱き合い、キスを交わす。  
 いとおしいえみるを胸に抱き、ぬくもりを感じているうちに股間が熱を帯びていくのが感じられた。  
「えみるごめん……また…勃っちゃった……」  
 下腹部に当たる感触に、えみるも赤い顔でうなずく。  
「えみる、またしてもいい?」  
「そんなこと言っちゃやだりゅん……」  
「ごめん、やっぱり痛かったよね? ……僕、我慢するね」  
「もう!」  
 えみるが僕にしがみついてきた。  
「ダーリンの好きにしていいんだよ……」  
 真っ赤な顔でそう言うえみる。そしてそのまま唇が合わさった。  
 
 
           おわり  
 

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