今日は土曜日。千恵とデート。なんて直接千恵に言うと怒るかな。  
千恵はメジャーデビューを果たして、当面はレコード会社のサテライトオフィスがある地元の博多から、西日本を中心に活動している。  
先週、サウザンブラックのメジャー初のライブが大成功を収めたので、今日はそのお祝いもかねて、千恵の行きたいところに付き合うことにしている。  
 
CDをチェックして、楽器店でギターについての講釈を聞いて。  
天神でラーメンを食べて、今は中洲にあるゲームセンターで遊んでいる。  
千恵が僕をつついて聞いてくる。目の前にある機械に目をやって、  
「おい、これ、知ってるか?」  
「え?ああ。DramManiaね」  
バンドのドラム奏者になって遊ぶゲームだ。  
「そう。ドラムもどき」  
「『もどき』とは厳しいね・・・」  
僕が失笑すると、千恵も笑いながら、  
「だって、他のパートが失敗することは絶対にないし、叩く強さなんて全然考えてないんだぜ。」  
「じゃあ何でやるのさ?」  
聞くと、  
「うちのバンドのレパートリーじゃない曲があるからさ」  
そう言いながらドラムを叩く真似をしてみせた。  
早速DramManiaを始めた千恵は、音楽的なセンスをいかんなく発揮する。  
すべての曲をパーフェクトに近いスコアでクリアしていく。  
「すごいじゃない!」  
感心した僕が言うと、千恵は  
「まあ、一応本物を知ってるからなぁ・・・」  
ちょっと照れたみたいに、人差し指で頬をかいた。  
それから千恵の快進撃はとどまることを知らなかった。  
BeatMania、DDR、Pop'n'Music・・・。  
音ゲーと呼ばれるもののほとんどを、やすやすとクリアしていく。  
 
週末の夜だけあってギャラリーが集まってきた。  
が、当の千恵はそんなことは気にせず、真剣に画面と向き合っている。  
ひととおり遊んで戻ってきた千恵に、  
「すごいじゃない・・・。さすがだね?」  
言うと、千恵はそう快な表情で、  
「まあな、仮にもリズム感はいいほうだろうからな!」  
ちょっと休むと、  
「あれもやってみるかな」  
千恵が向かった先にはGuiterFreakがあった。  
ほとんどやったことのないドラムであれだけの得点を出せるなら、ギターも楽勝だろうと思っていたら、1曲弾き終わる前にゲームオーバーになってしまった。  
戻ってくるなり、あきれたような顔でちらりと機械を見てから、  
「だめだ。感覚が全然違う」  
そう言ってジュースを飲んだ。  
「なんでさ?」  
僕が聞くと、千恵は難しそうな顔で、  
「知ってる曲だとどうしても6弦で弾こうとしちゃうんだよ」  
本物のギターを弾くような指をした。本物のギターを弾くように指が動くのかもしれない。  
僕が少しおどけた調子で、  
「それに歌おうとしちゃうし?」  
と言うと、一瞬、分からない、というような表情になった千恵がまた笑って、  
「あっはっは、それはないよ!」  
それから二人とも壁にもたれて一息つく。ふと上の方を見た僕の目に、壁掛けの時計が目に入った。  
ちらっと千恵を見てみると、他のゲームに適当に目をやっている。  
「そろそろ出ようか?」  
聞くと、笑いの余韻を残した千恵は僕に軽く笑いかけて、  
「ああ、いいよ」  
と言った。  
 
午後10時になった。中洲から博多駅に戻る大通りを歩きながら、千恵が  
「あぁ、いい気分だ!」  
僕の隣で背伸びをして、笑顔で言う。  
食事をして、ゲームして、遊んで。僕もいい気分だ。夜の風がさっと吹き抜けていった。  
「僕もだなー。涼しいしさ」  
と笑うと、千恵が、  
「踊るゲームやって暖まったし?」  
と聞いてくる。  
「うん」  
「あっはっは!そうだよな!」  
千恵もそうだったらしく、明るく笑った。  
「それに千恵と遊べたし」  
僕が笑いながら言うと、千恵が  
「だから涼しくなったのか?」  
「いや、そうじゃなくて、千恵とデートできたからいい気分なの」  
千恵は途端に赤くなって、少しおこったような顔になる。  
「な、何言ってんだよ・・・」  
僕が笑顔で千恵の方を見ていると、千恵はさらに赤くなって黙ってしまった。  
「・・・」  
まだ顔の赤い千恵が少しだけ微笑んだような笑顔で、静かに言う。  
「なぁ、もう少し、一緒にいられないか?」  
(えっ?)  
いままで、帰りが近くなって、引き止められたことなんかなかった。  
手紙の事を聞かされたあの時でさえ、引き止められなかった。  
僕が驚いて千恵の顔を見ると、千恵は僕の目をじっと見ている。  
千恵の微笑んでいた顔に、だんだんと赤みが差してくる。  
「なあ、いいだろう?」  
断る理由なんかない。幸い、博多駅周辺には、駅から歩ける距離にたくさんの宿がある。  
「・・・いいよ。ライブも成功したことだし、今日は泊まっていくよ。千恵さえよければ、ずっと一緒にいよう」  
 
千恵は、嬉しそうな目で言う。  
「ごめん・・・、ガキだな、私・・・」  
それから、恥ずかしいのか少し目が下を向いてから僕の目を見て、  
「でも、私みたいなのにそんなこと言ってくれるなんてさ・・・」  
嬉しそうな、少し恥ずかしそうな表情になる。  
照れ隠しに頬の一つも叩かれると思っていたのに、ただ喜んでる千恵を見ていると、とてもかわいい女の子なんだと思えて、  
"ちゅっ"  
僕は予告無しで千恵にキスをした。  
「あっ・・・」  
驚いた千恵に、静かに言う。  
「『私みたいなの』なんかじゃないよ・・・。僕には千恵がthe oneなんだから・・・」  
千恵は、嬉しさをにじませたような瞳でまっすぐに僕を見る。そして穏やかな声で  
「・・・言ってくれる・・・じゃないか・・・。the oneか・・・」  
それから僕を見て、恥ずかしいのか赤い顔で笑顔を向ける。  
「でも、本当に嬉しいよ・・・」  
と言った。しばらく僕たちはお互いの目を見ていた。  
それから、  
「じゃあ、行こうか?」  
聞くと、千恵は穏やかに微笑んで、  
「ああ」  
駅の反対側にある大通りに面して、中規模のホテルが並んでいる。  
僕はそのうちの一つでチェックインをする。  
ロビーで待っている千恵に  
「お待たせ。ごめんね」  
千恵は軽く笑って、  
「たったの何分かじゃないか。気にするなよ」  
僕たちはエレベータに乗った。  
 
「でも、本当にすごかったね」  
千恵もライブの盛り上がりを思い出したのか、  
「ああ、すごかったな」  
笑顔になって答える。何万人が総立ちになり、ビートに合わせて体全体でリズムを刻む風景は、ロックを知らなくても『すごい』と思えるものがある。  
「普段はさ、千恵のライブだと、静かな曲はバラードじゃない?今回はどうしてジャズだったの?」  
千恵は思い出したのか、少しあきれた顔で言った。  
「目立ちたかったからさ。もしそれで大受けだったらもうけものだろ?」  
「うん」  
エレベータが僕の部屋の階に着いたので、手を出口の方に向ける。  
千恵は先に降りながら僕の方を向いて、  
「ジャズだと、ドラムが休めないから調整が複雑になるけどな」  
「そっか」  
演奏する側の事を考えてるのは、さすがという感じ。  
部屋に着いたので鍵を開けて、先に入る。  
「どうぞ」  
僕がボーイみたいに大げさに礼をしてそう言うと、千恵は笑いながら、  
「あんたの部屋だろ?私にそんなことしてどうするんだよ・・・」  
軽く笑いながら  
「それもそうだね」  
ちらっと見ると、広めの部屋にテーブルやソファーや調度家具が置かれてリビングのようになっている。宿泊料に対しては破格の待遇と言っていいと思う。  
できるだけさりげなくテーブルの椅子を引いて、冷蔵庫から取り出したジュースを千恵に渡す。  
「はい」  
「・・・おいおい、私はそんな御大層な者じゃないぞ。でも、ありがとう」  
くすぐったいような照れた顔でその椅子に座って、飲み物を一口飲んだ。  
全然さりげなくなかったらしい。僕が、  
「ライブ終わった後結構ジュースを飲んだなぁ・・・。千恵、ジュース何本飲んだ?」  
「ん?たしか2本だと思うけど?」  
僕は、道すがら飲んだジュースの本数を数えてみて、自分で驚いた。  
「僕、5本飲んだ・・・」  
 
千恵は、通る声で笑って、  
「あははは・・・。ステージで動き回ってたあたしが2本で、何で見てるあんたが5本なんだよ・・・」  
「いや、エキサイトして、踊ってたようなものだったから、喉乾いちゃってさ・・・」  
テーブルの近くのソファーに座って苦笑混じりにそう言った僕に、千恵は朗らかに笑って、  
「そっか」  
楽しそうな千恵の顔を見ているとまあいいかと思える。僕は話題を切り替えることにした。  
「今回、どうだった?やっぱり客層が違う?」  
千恵は笑いの余韻を残して、かすかに真剣さを含んだ目になって考える。  
「うーん・・・。基本的なところは変わらないさ。ただ、箱が大きいから、音のテクニックを出さなきゃならないのが違うかな」  
「例えば?」  
「そうだなぁ・・・」  
またジュースを一口飲んでテーブルに置きながら、  
「リフだと、少し複雑で重くして前に出す感じかな。小さい箱なら引くんだけどね」  
「ドラムは?」  
「演奏としては変わらないと思うぜ。ただ、大きくなると箱の構造みなきゃいけないから、イコライズが面倒かな」  
「ボーカルはソウルフルだったね?」  
"ぶぅ"  
ジュースを吹き出した千恵が  
「あ、あのなぁ・・・」  
かろうじてそれだけ言うと、タオルを持ってきてテーブルを拭いた。  
まさか吹き出すほど動揺すると思っていなかった。謝りつつ、  
「ごめん。でも本当に感動したんだ。やっぱり千恵はすごいなって」  
タオルをたたんでテーブルの端に置き、照れて顔が赤くなりながら、  
「なんかさ、あんたに言われると、特別誉められてる気がするよ・・・」  
そんな話しをしていると、すでに夜半を回っていた。  
 
「サウザンブラックは曲をメジャー向きにしたりしないの?」  
「変えないよ。今までやってきた曲を認めてもらったんだから」  
「そうなんだ・・・」  
それまでの音楽を語る真剣な目が消え去る。  
「ところでさ」  
「え、なに?」  
聞いた僕を見る千恵は赤い頬をして微笑みながら、  
「さっき言ってた、『千恵さえよければ、ずっと一緒にいたいな』って、あれ、どういう意味だ?」  
「ど、どういうって・・・」  
答えかたが見つからない僕に、千恵は真っ赤な顔のままで、  
「『一緒にいる』って、夜通ししゃべることか?」  
椅子に座っていた千恵が、僕が座っているソファーの方に歩いてきた。  
「・・・いや、別にそういう・・・」  
言い方が見つからないで口ごもっているうちに、千恵が僕のすぐ隣に座って、  
「・・・じゃあ、もうおしゃべりはいいよな・・・?」  
微笑んだ千恵の頬が赤く染まっているのが分かる。  
千恵は、わずかに切なさを含んだ、柔らかく輝く目で僕をまっすぐ見ながら体を寄せる。僕が  
「・・・そうだね・・・」  
そう言いながら千恵の背中に手を回すと、千恵は目を閉じて、ゆっくりと僕にくちづけた。  
何回かキスをして、それから完全に唇をふさぐ。  
「千恵・・・」  
名前を呼ぶと、千恵は素直に目を閉じた。  
念のために電気を消して、目が慣れるまでは、千恵の唇から頬、首筋、肩、鎖骨と、だんだん下にくちづけしていく。  
「なんだか・・・へんだな・・・」  
少し目が慣れるまでかかりそうなので、  
「何が?」  
聞いてみる。  
「なんだか、さわられたところが、しびれた感じがするんだよ・・・」  
目が慣れてきた。僕は、  
「こういう事じゃないかな」  
と言うと、さっきたどった所を今度はキスではなく、舌でなぞる。  
 
千恵は少し高い声で、  
「あっ・・・あっ・・・、なんで・・・」  
そう言った。  
「さわると分かるじゃない、大体どのへんとかさ」  
そう返すと、  
「そうじゃなくて・・・しびれるのが・・・」  
僕は服の上から千恵の胸をちょっとだけなでてみた。  
「あっ・・また・・・」  
ぴくっとした千恵がそう言った。僕がなでるとまたぴくっとする。  
「これが正体だと思うよ」  
僕が胸をなで続けるうちに、だんだん千恵の高い声にため息がまざってくる。  
「あっ・・・はぁ・・・ぁん・・・」  
なで続けていると、千恵が手をさまよわせた。  
僕の肩に触ったかと思うと下に降りてくる。  
千恵の手を邪魔しないようにして、シャツを持ち上げる。  
僕のに千恵の手が届いて、その辺を手がさまよっているので、僕はちょっと意地悪をして、千恵の胸に小刻みな振動を与える。  
途端に千恵が  
「あっ・・・、な、なにして・・・ふぁ、あん・・・」  
甘い声を上げる。僕は千恵の手が動きださないように、その小刻みな振動をだんだんと大きくして、胸のいただきに近づけていく。  
「・・・ん、あっ・・・あぁ・・・は、あ・・・ふぁ・・」  
いつのまにか千恵の顔はほんのりと赤くなり、目を閉じていた。  
僕は左手をその下になぞらせる。千恵が  
「ずるいぞ・・・。あんたばっかり・・・」  
そう言いながら手を動かしたけど、とりあえず  
「そうかな?」  
と答えて、みぞおち、ウェスト、それからその下へと指をなぞる。  
僕が千恵のに手を乗せると千恵の手は戻って、わずかに肩が震えた。  
 
目を閉じている千恵に  
「怖い?」  
聞いてみると、  
「・・・怖いんじゃないよ・・・」  
と答えが返ってきた。  
でもなんとなく、その答えを頼ろうとは思えなかった。  
僕は千恵に深い深いくちづけをする。  
「ん・・・んっ・・ん・・・」  
千恵が舌を引こうとするときに、僕は千恵のにふれた指を少しつづ動かす。  
案の定、千恵は絡めた舌を離そうとはしなくなった。  
それでもそうしているうちに、千恵の息遣いが深くなってくるのが分かった。  
「あ・・・ふ・・・あっ、はぁ・・・」  
深いくちづけを続けながら少しだけ指を動かしてみたけど、千恵は動じなくなった。  
大丈夫かな、と思った僕がだんだんと指の動きを大きくしていくと、指先を湿った感触が覆った。唇を解放して指を少し大きく動かすと、  
「あ・・・んん・・・っ・・・」  
指の動きに追従して千恵のため息がもれるようになった。  
適当な間隔で唇をふさぎながら、下着をずらして、指を千恵の中へと滑らせていくと、そのたびに吐息が甘くなっていく。  
「はあぁ・・・、ん・・・あぁん・・・」  
"くちゅ・・・"  
しばらくすると、千恵のから出てくる液体が僕の指を湿らせて、千恵の肌を伝わろうというほどになった。  
一応目で十分潤ったことを確認してから、  
「いくよ・・・」  
千恵の上に体を重ねようとする。すると、  
「それじゃ・・・不公平・・・だよ・・・」  
そう言って赤く染まった頬のまま上半身を起こす。  
そしてちょっと動きを止めてから、ゆっくり僕の方を見て、  
「半分くらい、体を倒しなよ・・・」  
言われた通りに体を倒すと、千恵は僕の右ひざを少し折り曲げて、その下に千恵の左脚を滑り込ませる。  
 
今度は千恵は自分の右ひざを少し折り曲げて、僕の左足の上で浮かせると、だんだんと僕の方に近づいてくる。  
そのうちに僕のと千恵のが当たって、湿った音がする。  
"くちゅ"  
「んっ・・・」  
また千恵が甘い声を上げる。  
「・・・あんたも、こっちに動いて・・・」  
お互いが動くたびに、液体の音がする。  
"くちゅ・・・くちゅっ・・・"  
「あっ・・・ん・・・」  
少し肌色に戻っていた千恵の顔が桜色に染まっていく。  
上気した表情で僕を見て、  
「これなら・・・あっ・・・対等・だろ・・・」  
「そうだね・・・」  
千恵が望むようになったらしいので、僕は少しずつ動き出す。  
僕の動きに応えるように、千恵の声がだんだんと熱を帯びてくる。  
「あっ・・は・・・あ・んっ、いっ・・・・・ふぁ・・」  
ほんの少し体をひねって右手を自由にして、出しいれは続けながら千恵の胸のいただきを刺激する。  
「・・・ん・・ひっ、・あふ・・・んん・・・」  
少し空いていた千恵の目が完全に閉じ、顔から首筋にかけて、赤みが増していく。  
次第に強く動いて、千恵を高みに導いていく。  
「ふぁ・・・あっ・あっ・・・、い、ん・・・くぅ・・・」  
千恵の肌に汗が浮かぶ。ウェストからヒップに流れた汗を指でなぞると、  
「・・ああ・・」  
ウェストがぴくんと動く。違うところからの刺激に僕が声を上げてしまうと、さっきまで動かなかった千恵が動き出した。  
二人とも少し腰を浮かして、つながった状態で動くと、柔らかくて強烈な刺激が僕のを、もちろん千恵の中を僕のが倍の幅で動く。  
目をきつく閉じた千恵は手を後ろについた状態でえびぞりになり、頭が向こう側に下がる。  
 
「・・・あっ・・あっ!だっ・・・はぁっ、んっ・・・」  
千恵の中からあふれた液体が僕たちの運動で音を立てる。  
"ぐちゅ、ぐちゅっ"  
その音を恥ずかしいと思ったのか、僕のをきつく締め付けた。  
するとまた千恵の中から液体があふれて、音を立てる。  
僕も締め付けられては苦しいので速く動く。  
ソプラノに変わった千恵の声が部屋に響く。  
「あっ!・・・ふぁぅ・・・あっ、・・・ああん・・・」  
僕はより強烈なドライブをかけながら、右手をつながりの少し上に置いて、こすってみた。  
「・・・ひゃぁん、だ、だめ・・・だ・・あうっ・・・はぁぁ・・んっ!」  
千恵のとても敏感なところを直接刺激してしまったようで、千恵は体を小刻みに震わせながら、  
「・・・ああ・・あっ、だめ・・・そ・・こは・・だめ・・・あふっ!」  
大きくなってしまった声で言った。でも言葉と裏腹に、つながりから出る液体はシーツにまで伝わっているし、千恵の中は僕のをずっと刺激し続けている。  
「ふぁ・ん・・・あっ・・い・・・はあっ・んんっ・・・」  
千恵のからだ全体がしっとりとして汗が流れている。  
僕のリズムに合わせて、  
「あっ・・はぁっ・・・んっ・・は・・・あんっ・・」  
跳ねるように体を震わせ、僕の理性を麻痺させる甘美な歌を歌い続けている。  
僕がもう一段運動の速さを上げると、  
「あっ・・あっ・・んんっ・・ふぁぁ・・」  
千恵の運動も僕の速さと同期して、僕のを強烈に刺激する。  
"ぐちゅぐちゅっぐちゅ・・"  
「あっ・・ひゃぁああん、あっ・・・ああっくふぅっ!・・ふぁ・」  
部屋中に千恵の声と、液体の音が響く。  
もう一度千恵のとても敏感なところを、動きに合わせるように大きく震わせると、千恵の中が細かく震えだした。  
「あっ・・・あっ、んっ!・・、あっ・・・あっ、あっ!」  
(いいよ。いってね・・・)  
僕は心の中でつぶやいて、だんだんと運動を大きく速くしていく。  
 
「あっ!ああ・・、んっ!ああぁ・・ふぁぁ・・はっ、あん!・・・」  
最大限に近くなったとき、千恵が言った。  
「あっ・・・もう・・・、も・・わたし・んんっ・だ、だめっ!・・」  
その声の色っぽさに焼き切れてしまった僕は、最大の力で千恵に感情を与える。  
千恵の声はすぐに僕の動きをフィードする。  
「あっ・ひゃ・んっ・・あ、あっ・・ぃ、んん!・あっ・あっ、あっ!」  
"ぐちゅぐちゅっぐちゅっ、ぐちゅ・・"  
僕の動きに登り始めてくれたのか、だんだんと千恵の中の震えが大きくなってくる。  
「あっ、もう、・ひゃ・・ほんとうに、だめ!」  
全身をこわばらせるみたいにして僕の動きを懸命に受け止める姿を見ていると、もっと、感情を与えてあげたくなる。僕は持つか持たないか分からないけど、体が壊れてもいいつもりで千恵の中を出し入れする。  
「だめ、あっ!だめ・・あっ!あっ!ああっ!ひゃぁあ!ああっ!あっ!あっ!あっ!」  
一度千恵のからだがびくんと大きく跳ねたかと思うと、  
「あああああーーーーー!!!!」  
何度もびくびくと体が震え、千恵の中は僕のを引き込むように何度も小刻みに収縮する。その動きに僕も上りつめそうになって、  
「くっ・・・」  
僕も達した。  
千恵は大きく息をつきながら、ゆっくりベッドに仰向けになった。  
「はあぁぁ・・・・はぁぁ・・・んっ・・・はぁ・・・」  
長い髪の毛がわずかな光を反射して、千恵の上気した顔を柔らかく飾る。  
しばらくして、息が落ち着いてきたらしいので、  
「千恵・・・」  
僕が小さく呼びかけると、目を開いた千恵は半分くらい開けた目で僕を見て頬に触り、息をつきながら微笑んで、  
「やっぱり、あんたには勝てないか・・・」  
勝ちの意味する具体的なところは分からなかったけど、僕は語りかけるようにゆっくりと言う。  
 
「最後、千恵が良くなってくれれば、僕は体がバラバラになってもいいと思ったよ。  
それぐらい思わせたら、千恵の勝ちじゃない?」  
千恵は僕の頬を軽くなでると、  
「・・・ははっ・・・ありがとう・・・。でも、やっぱり、あんたの勝ちだよ・・・。私には、そこまで気を使う余裕なんか、なかったからね・・・」  
僕は千恵のとなりに寝転んで、千恵の顔を見ながら  
「どっちでもいいじゃない。二人とも、今日は最後まで楽しかったんだからさ」  
言うと、千恵は  
「そうだね・・・」  
微笑んだ。僕が軽くキスをして、千恵のまぶたに目を当てて、  
「おやすみ・・・」  
静かな声で言うと、目を閉じた千恵は、  
「おやすみ・・・」  
そう言って眠りに就いた。  
千恵の小さな寝息が聞こえた辺りで、僕も寝ることにした。  
 
翌朝。  
目が覚めると、もう千恵は着替えてコーヒーなんか沸かしていた。  
僕も急いで服を着て、リビングにいく。  
「おはよう・・・」  
やっぱり恥ずかしい。それは千恵も同じらしくて、  
「お、おはよう・・・」  
なんだかまた顔を赤くして、一生懸命言葉を紡いでいるのが分かる。  
そうすると不思議に僕は落ち着いてしまって、笑顔で、  
「ありがとう。うれしかったよ」  
なんて言いながら、軽く千恵を抱きしめてしまう。千恵は真っ赤になって、  
「ば、ばか・・・」  
小さい声で言いながら、形だけは僕を押し戻そうとする振りをした。  
 
なんだか千恵がいかにも女の子らしいことをしてるような気がして、僕はつい笑顔になってしまう。それでも、僕が手を離すと、千恵は僕の目を見ながら微笑んで、  
「またすぐ・・・来てくれるよな・・・」  
と言ってくれた。僕も、  
「うん。そうだね・・・」  
と答えると、千恵は飛びきり嬉しそうに微笑む。僕がその表情に目を奪われた瞬間、その笑いが微笑みから、何かを言いたそうな、いや、何か企んでいそうな笑いになる。  
「なに?」  
僕が聞くと、  
「来週、私の誕生日なんだ・・・覚えてるよな?」  
「え、も、もちろん・・・」  
一瞬ひるんだ僕の表情を見逃さず、  
「もちろん、また"デート"してくれるよな?」  
にやりとした笑顔で言う。千恵は、僕にとって1ヶ月で3回の福岡行きがきついものであることを分かっている上でそう言っているに違いない。  
昨夜意地悪したことを後悔しつつ、心の中で冷や汗をかきながら、顔は笑って、  
「あ、ああ、もちろん。喜んで・・・」  
そう言うのが精いっぱいだった。  
 
Fin.  
 

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