少しだけ寒くなってきた11月。降り立った横浜駅は相変わらずにぎやかで、上着を着て楽しそうに話しながら通り過ぎていく人たちや、温かい食べ物を売っているおじさんの声なんかが、早く来てくれないかな、と思っている僕の気持ちを軽くしてくれる。  
約束の時間まであと1分のところで、通り過ぎる人たちを少し小走りに追い越しながら、明日香がやってきた。  
僕の前で立ち止まると、少し弾む息と明るい笑顔で、  
「ごめんごめ〜ん!でも間に合ってよかった!」  
(間に合ったことには違いないか・・・)  
笑顔につられて僕が苦笑していると、  
「あれ?間に合ったよね?」  
聞いてくる。僕がうなずくと、また笑顔になった。  
「よかったぁ」  
「そうそう、間に合ってるよ。時間ぴったりじゃない?」  
僕がフォローするつもりでそう言うと、明日香は小さく舌を出して、  
「ごめんね、駅には早く着いたんだけど、情報誌見てたらぎりぎりになっちゃって・・・」  
そう言って笑う。それから、  
「じゃあ、今日も明日香にお任せだね」  
「ありがとう!じゃあ、おしゃれしてレストランに行こうよ!」  
僕の答えを聞いて間髪入れずにそう言うと、明日香は嬉しそうに僕の目を見た。僕が、  
「いいけど、おしゃれして、ってなに?」  
聞くと、明日香は少し不機嫌な顔で空を見た。  
「そのレストラン、スーツみたいな服装じゃないと、入れてくれないんだもん」  
店に入ってから断られたら面白くないだろうな。そう思うと、明日香がそういう表情になるのも分かる気がする。  
が、笑顔に戻った明日香は僕の方を向き、  
「だから、お店の人が驚くくらいおしゃれな服で行ってみようと思ったんだぁ」  
そう言った。まだ僕には話がつかめなかった。  
 
「そうすると、僕たちは最初にどこに行くことになるの?」  
明日香がちょっと冗談っぽく笑って、  
「も〜、鈍いなぁ。洋服をレンタルしてるところがあるから、そこに行くの」  
僕の目の前に、真新しい情報誌の記事を指さして見せた。  
ホテルの写真と、「最新ブランドレンタル開始!」なんてあおりが書いてある。  
「な、なるほどね。貸し衣装みたいなものだね」  
「そうそう」  
笑顔で明日香がうなずく。  
「でも、僕って、鈍い?」  
その言葉を聞いた明日香が突然、僕の顔を覗き込むみたいにして明日香の顔を近づける。  
ちょっと赤い顔で、  
「そう。こ〜んなにかわいい子が近くにいるのに、なんとも思ってないんだから」  
僕はあわてて顔を離す。面と向かって言われるほど鈍感なのかと、ちょっと情けなかった。  
心拍数が上がった僕をよそに明日香は、  
「でも、ドレスアップした明日香ちゃんとお食事できるんだから、あなたはしあわせだよ〜」  
そう言って笑った。  
 
それから僕らは駅から少し歩く。明日香がきれいなビルを指して、  
「ここだよ!」  
と言った。どうやらここが衣装を貸してくれるホテルらしい。  
玄関を入ると、明日香はフロントに向かう。僕も後からついていくと、明日香がフロントクラークに、  
「先ほど予約した、星野明日香です」  
と言った。クラークは、  
「星野様ですね。お待ちしておりました。少々お待ち下さい」  
そう言うと手元の端末を操作する。  
僕はその間に、  
「貸し衣装を借りるんじゃなかったの?」  
と聞いてみた。すると明日香は、クラークに聞こえないように小さな声で、  
「1泊しないと貸してくれないから、しょうがないんだってば・・・」  
と言った。つまり宿泊者へのサービスということらしい。  
と、僕はある事に気づいた。  
「どうして貸し衣装の店を使わないの?」  
「他のところじゃ、今シーズンの新作を1000点、なんて絶対無理だもん!」  
と、明日香が力説した。理由は納得できたけど、そのために宿泊料を払うというのが、ファッションにこだわる明日香らしい。思わず  
「はは・・・」  
と笑ってしまったのを聞かれてしまった。明日香は、  
「あー、ひどいなぁ〜!大体、誰のためにこんな事してるか、分かってる?」  
ちょっと怒ったような顔を僕に向けた。僕は、  
「ごめん。・・・でも確か、明日香がレストランに行きたいからだったような・・・」  
明日香は赤くなって口ごもった。  
「そ、そうだけど・・・。たまにはあなたと、いい雰囲気のお店に・・・」  
会話が切れたところでフロントクラークが微笑みながら、  
「大変お待たせいたしました。こちらがルームキーでございます。格式のあるレストランにおいても星野様のかわいらしさを引き立てるお召し物が、きっとございますよ。ごゆっくりご覧ください」  
と言った。  
明日香は会話を聞かれたのが恥ずかしいのか赤くなって、  
「あ、ありがとうございます!」  
そのキーを受け取ると急いでその場を離れた。  
 
衣装のあるホールに入ってから数時間。  
いろいろと明日香が悩んだ結果、衣装持ちをかってでた僕の手には20着近くの服があった。  
受付を済ませて嬉しそうに服を見ている明日香に聞いてみた。  
「借りたのは良いけど、こんなに着られないよ?」  
「こんなにたくさん着られるなんて、めったにないから!」  
明日香の答えはこんな風だった。  
エレベータが来たので、それに乗る。40階まで3分弱。  
乗ってから明日香の洋服チェックが一段落ついたようなので、聞いてみることにした。  
「で、これを・・・」  
と言いかけた僕に、明日香が笑顔で、  
「これで、ファッションショーやろうよ!ね?」  
「じゃあ、レストランは取りやめでいい?」  
と聞くと、明日香がちょっと迷う表情になる。  
「そうだったよね・・・。う〜ん、レストランにも行きたいしぃ・・・」  
真剣に悩み始めた。  
『行きたかったレストランVS.ブランド服でファッションショー』  
明日香には小さくない問題らしく、持ってきた服をじっと見ている。  
かと思うと、どこともつかない方向を見てちょっと考え、また服を見る。  
「うーん・・・」  
お気に入りの洋服について小首をかしげて考えている  
明日香の様子をみると、ミス清華候補というのも納得できる気がした。  
エレベータが明日香の部屋の階についてもまだ悩んでいるので、  
「明日香、とりあえず、今日はファッションショーにしない?こっちは今日限定だからさ」  
そう言うと明日香はまあまあ納得してくれたようで、笑顔に戻る。それから、  
「そうだね。こっちは今日だけだもんね!」  
と言った。エレベータのドアが開いて、部屋の扉がずらりと並んでいるのが見える。  
僕たちは明日香の部屋を探しながら、その廊下を歩いた。  
 
部屋につくと、早速明日香が目を輝かせて、ベッドに洋服を置いていく。  
僕も持っていた分をそこに置いてしまうと、一度リビング風の部屋に戻る。  
それから明日香は  
「じゃあ、ちょっと待っててね」  
そう言いながらベッドの方に歩いていった。僕が  
「ごゆっくり」  
と言ってから数分後、ベッドルームのドアから顔だけ出した明日香が、嬉しそうな笑顔で言う。  
「それでは、これから星野明日香ちゃんのファッションショーを行いまーす!」  
そう言って、一度全身をドアに隠す。  
次に出てきた明日香は、元気な笑顔で、少し手を振りながら、僕がいる方に歩いてきた。  
服装は、カラフルなジャンパーとふくらはぎくらいまでのジーンズ。  
全体的には逆Aのラインで下半身のスマートさを出し、ジャンパーの色使いとデニムという生地が若さを強調している。  
僕の前までくると、くるりと半回転して何秒か止まり、それからまた半回転する。  
「最初はMarkJacobxでぇす!」  
明日香に拍手をすると、  
「えへへっ」  
嬉しそうに笑って、ベッドのある部屋、もとい、バックステージに戻っていく。  
わずか2分くらいで、向こうからちょっと抑え目の、明日香の声がした。  
「次、いきますっ」  
 
わずか数秒。明日香は少し真剣な表情で、速めの歩調になって僕の方に向かってきた。  
着ているのは、抑え目のブラックのタイトなドレス。  
ショルダーストラップはなしで、その代わりに胸からひざまでが少し厚めの生地できっちりと包まれている。  
キャリアウーマンのつかの間の休暇ってイメージかな?  
また僕のところまで来て、今度はスッと足を引いて、姿勢を崩さずに早めに回る。  
低めの静かな声で、  
「CalvinKleixよ・・・」  
「すごいね。明日香って、こんな強い服も似合うんだね」  
そういうと、もとの雰囲気に戻った明日香は、嬉しそうに、  
「あ、ありがとう・・・」  
それに気をよくしたのか、それからいろんな服が出てきた。  
そのたびに明日香の雰囲気も変わる。  
派手なシャツを着ているときには明るい感じで笑いながら歩く。  
スーツの時はしっかりと前を見て、速く確かな足取りで。  
奇抜なジャケットのときはくるくると回りながら。  
白いドレスの時はレディみたいに微笑んでおしとやかに。  
服も目を引くデザインだったけど、明日香の表情や動きがいつでも魅力的で、最初は意識していた拍手も、自然に出るようになっていた。  
そして、全部の出し物が終わり、何分か休憩した明日香が僕のいるところに戻ってきた。  
「ねねね、どうだった?」  
「これほど明日香がかわいいとは、思ってなかったよ。すごく嬉しかった」  
明日香は顔を赤くして、  
「そ、そんなこと言っても、なにも出ないんだからね・・・」  
「いや、本当にそう思ったんだ。どれもとってもかわいいなって」  
僕が言うと、明日香は嬉しそうに僕のところへ歩いてきて、  
「ありがとう・・・。大好き!」  
僕に抱きついた。  
 
「あ、明日香・・・」  
自分がしたことを気づいたんだと思うけど、顔を赤くした明日香が、それでも明るい笑顔で、  
「えへへ・・・。ずっと、私と遊んでくれる?」  
「うん」  
間髪入れずに返事をすると、今度は頬を染めて微笑みながら、  
「大好き・・・」  
そう言ったかと思うと、目を閉じて  
"ちゅっ!"  
一瞬、僕の口と明日香の口が合わさって、すぐに離れた。  
少し恥ずかしそうに、  
「あなたも、私のこと好き、かなぁ・・・?」  
聞いた明日香に僕が微笑んで、明日香のくちびるに人差し指を当て、  
「・・・分かってることをわざわざ言わせようとする口は、この口かな?」  
と言うと、明日香のショートヘアがさらりと揺れて、僕の胸にほおをつけた明日香が、  
「えへへ、ごめんね・・・」  
うれしそうにそう答えた。  
それから少しして僕の目を見た明日香が、  
「じゃあ、次に私が言いたいこと、分かる?」  
「何だろう?」  
「今日は、ここに泊まっていってくれないかな・・・なぁんて・・・」  
次に、"一回言ってみたかったんだぁ〜"なんて言われるかと思ったけど、明日香はずっと、僕の腕の中から恥ずかしそうに僕の目を見つめ続けている。  
「ね・・・。いいでしょ?」  
僕が明日香の目を見てうなづくと、明日香はまたうれしそうに笑って、  
「ありがと・・・」  
僕にくちづけた。  
そうして、僕の目を見て、  
「お風呂に、入ってきて、ね?」  
少し赤い顔でそう言った。  
「うん」  
僕はうなずいてバスルームに向かうことにした。  
 
(清潔な方が、いいよね)  
湯船にお湯がたまったところで体を洗っていると、後ろでドアを開ける音がして、わずかにリビングの空気が流れてきた。  
僕が顔をドアの方に向けるとそこには明日香が立っていた。  
恥ずかしそうに頬を染めて、でも微笑んで、少し斜めに僕の方を見る。  
柔らかい曲線を描く肩から身長のわりに強調される胸、タオルの上からでもウェストのくびれたところがよく分かる。  
それに健康的な脚。  
「あ、明日香・・・」  
びっくりしたけど、僕の表情には気がついていないのか、明日香は少し低くて優しい声で、  
「ね・・・。背中、流してあげるね・・・」  
そう言うと、僕のすぐ近くまで来た。僕の背中のすぐ近くで、明日香が言う。  
「座って・・・」  
「う、うん・・・」  
とりあえず、明日香に背を向けたまま体を下げてひざを折り、ひざをつくようにして、明日香が背中を流しやすいようにする。  
「ありがとう・・・」  
明日香がそう言い、後ろでボディソープをスポンジにつける音がして、それからすぐに、僕の背中をスポンジの感触が何回か降りていく。  
その感覚がなくなったので、  
「ありがとう明日香。さっぱりしたよ」  
そう言ったけど、僕の耳元で明日香の甘い声がした。  
「まだ終ってないよ・・・」  
次の瞬間、背中に柔らかい感触があった。  
 
「明日香!?」  
言いかけて振り向いた僕のすぐ近くに明日香の顔があった。  
そして明日香がくちづけた。  
「ん、ん・・・」  
目を閉じた明日香の柔らかい唇が、僕の唇と合わさる。  
何秒かそのままだった後、明日香は恥ずかしそうにしながら、  
「背中、洗ってあげるね・・・」  
たった今洗ってもらったんだけど、と言おうとしたけど、背中の感覚がその言葉を追いやった。  
弾むようで温かい感覚が僕の背中をゆっくりと降りていく。  
「んっ・・・」  
明日香の声がその感触と一緒に上下する。  
僕が首だけ明日香の方に向けると、明日香は胸にボディソープをつけて、僕の背中を洗っていた。  
「あ・・・ん・・・」  
心なしか、明日香の息が深くて甘い感じがした。  
どうしようかと思っているうちに、だんだんと明日香の息が吐息にかわり、動きが早くなってくる。時折ぼくの耳に明日香の息がかかった。  
「んっ・・・、んっ・・あっ・・」  
そのうちに、弾むようだったその感触に、わずかに点で押される感覚が出てきた。  
明日香は  
「あっ・・・んっ・、ん・・」  
体を動かすたびに吐息をついている。  
「明日香、もういいよ、ありがとう」  
僕がそう言うと、頬をピンクに染めた明日香が、少し潤んだ目で言う。  
「・・・まだ、終ってないよ・・・」  
僕の目の前に回り込んだかと思うと、そのまま僕にキスをして、わずかに僕の肩を押した。  
その力にあらがえずに床に背中をつけると、明日香が僕の体に寄り添うように、ゆっくりと倒れ込んでくる。僕の目を潤んだ目でみつめて、  
「・・・背中だけじゃ、だめだよね・・・」  
そう言うと明日香は手に取ったボディソープを胸とおなかと脚につけて、僕と全身を合わせた。  
そしてゆっくりと、明日香の体が動きだした。  
 
「あっ・・・、んん・・・、あっ・・・」  
明日香のため息がわずかに近くなったり遠くなったりする。  
明日香が僕の脚の方に体を動かすと、明日香の胸のいただきが僕からも見える。  
柔らかくて弾むような胸の感触、なめらかで時折僕のおなかから離れるほど細くてなめらかなウェスト、だんだんと僕の脚の間に降りてくる弾力のある脚。  
何回もそんな風にされて、僕のが明日香のに当たってしまった。  
「ご、ごめん!」  
謝る僕に、明日香は、  
「ううん、嬉しいよ・・・」  
そう言うと、僕のに明日香のをぴたりとつけて動き出す。  
明日香のが僕のを刺激する。柔らかくて、少し熱くて、なめらかな感じがした。  
そのなめらかな感触に、ボディソープはつけていないのにどうして、と思っていると、明日香のから、  
"くちゅ"  
という音がして、明日香の声が低く甘くなっていた。  
「・・・はぁ・・・ん・あふ・・・」  
僕が明日香を呼ぶと、動きを止めた明日香が、普段よりずっと大人びた表情を僕の顔のすぐそばまで近づけて言う。  
「なに?」  
その表情で、僕を見つめる。  
「明日香って、天才?」  
明日香がくすっと笑った。  
「どうして?」  
「だって・・・直接、体を・・・」  
言いかけた僕の唇を明日香が塞いだ。それから明日香は言った。  
「雑誌に載ってたり、友達から聞かされたりするんだ・・・」  
「それを僕にしてくれてるんだ・・・」  
明日香の顔がまた赤くなる。  
「あなた以外にこんなことしたいって思える人なんか、いないんだから」  
また明日香が僕の目を見つめる。  
 
「ありがとう・・・」  
僕が口づけると、明日香は嬉しそうに微笑んで、  
「じゃあ、もっとしてあげるね・・・」  
そう言って、さっきよりも早く体を動かした。  
僕の全身に、ボディソープのなめらかさで増幅された明日香の肌のなめらかさが伝わる。  
僕のがすこし震えると、途端に  
「あんっ・・・」  
少し高い声を上げた明日香の体が止まる。  
それからまた、明日香が全身で、僕の体を何回も何回も洗う。  
そのうちに僕たちのふれているところに小さな泡がたってきた。  
でも、僕のと明日香のがふれあっているところは熱くなってきて、明日香の声に大人のため息が混ざるようになってきた。  
「んっ・・・あっ・・・んっ・・・」  
一生懸命動く明日香に、僕も刺激をあげることにした。  
できるだけ明日香と反対方向に動いて、わずかに体を持ち上げる。  
明日香はぴくんと動いて、  
「ああんっ!・・・ふ・・・あっ・・・」  
明日香のから出た液体が音を立てる。  
"ぴちゃ"  
何回もそうして揺れあうと、明日香の体は熱を持って紅潮し、明日香のからは揺れあうたびに  
"ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・"  
という音がするようになった。  
明日香のまぶたが少し下がったようになって、僕に何かを訴える目をした。  
「ねぇ・・・、お願い・・・」  
僕が明日香のに指を触れると、  
"ちゅ・・・"  
「あんっ・・」  
それだけで明日香の中から液体が流れ、明日香が小さく体をくねらせた。  
「・・・いい?」  
僕がキスすると、明日香は動きを止めて僕の目を何秒も頬の赤い顔で見つめて、  
「うん・・・」  
と答えた。  
 
この硬い床に明日香を寝かせるわけにはいかない。  
明日香のウェストを手で持って明日香のと僕のを合わせようとする。  
体を持ち上げたら、明日香が自分から僕のを導いた。  
「んっ・・・、んっ、あっああーーー!!」  
明日香の中が、僕のを一瞬きつくきつく、それから優しく包み、明日香のからは、さっきまで流れていた液体がもっとあふれて落ちた。  
と同時に真っ赤に染まった明日香が、  
「あっ!あああ・・・っ!」  
大き目の声を上げた。ちょっと驚いて明日香の方を見たけど、明日香は、恥ずかしそうに、  
「声が・・・出ちゃうのは、恥ずかしいよね・・・」  
言った。  
「しばらく止めようか?」  
聞いたけど、明日香は、そのままの顔で、  
「・・・大丈夫だから・・・続けて・・・」  
「うん」  
そう言って僕が一度明日香の中を出し入れすると、明日香は  
「あっ!ああーっ・・・」  
僕の耳の近くで声を出した。僕が何回となく出し入れすると、だんだんと明日香の声が大きくなってくる。  
「あっ!・・あふっ!・・・あっ・・・」  
上下の動きと同時に体を使って胸にも刺激を与える。  
「あん・・・んっ・・・ひゃ・・・ん・・・」  
僕が動くたびに、明日香の背中が反ってくる。  
さっきまで僕の胸と合わさっていた明日香の胸が、僕の目に入る。  
かわいらしくて、でも感じてくれている証拠に、いただきがつんととがっている。  
僕がいただきをこするようにさわると、途端に明日香が震えて、  
「あんっ・・!」  
また背中を反った反動で明日香の腰が前に出て、明日香のが僕のを奥まで引き入れた。  
 
「ああぁっ!」  
明日香の声が大きくなる。刺激を避けようとした明日香が腰を引こうとして、僕の引こうとする動きと重なる。明日香の体がびくんと震えて、  
「あ・・・んん!・・・ひゃあん!・・・」  
良くなってくれているようなので、僕は動きを早くすることにした。  
そうでなくても、最初は明日香から僕をよくしてくれたんだから、その分は返したい。  
なるべく早く、明日香の中を出し入れすると、明日香の声が、与えられた感情に震える。  
「あ・あ・あんっ・ふあ・・んっ・・あっ!」  
「明日香、かわいいよ・・・」  
動いたまま僕が言うと、明日香の中がまた僕のを刺激する。  
熱に浮かされたような目で僕を見つめて、  
「嬉しい・・・」  
一瞬置いて、明日香が動いてくれた。僕の動きと正反対に同調すると、いっそう大きな声がバスルームに響く。  
「ひゃあああん・・・あっ・・・あぅん!」  
"くちゅ・・くちゅ"  
明日香の中から出る液体は床に達していた。  
目を閉じた明日香が僕の唇をふさぐ。  
「ん・・・んっ・・・ふ・・・」  
動きながら1分も明日香の舌が僕の口の中をなでる。  
僕は明日香の胸のいただきを少しだけ強くこすって、出し入れを速める。  
途端に明日香の口が僕から離れ、  
「あっ!あんっ!いっ!・・・あっ!」  
エコーがかかるほどの大きな声が、明日香が感じてくれていることを僕に教えた。  
同時に反った明日香の体が支える場所を失い、つながりが支点になった。  
僕のを深く深く、明日香の中が招き入れた。  
 
"ぐちゅっ!"  
「あああん!・・・はあっ・・・は・んっ・・・」  
僕も危うく理性を失うほどだった。明日香に、  
「明日香・・・。キスして、いい?」  
熱い頬と潤んだ瞳で微笑んで、  
「いいよ・・・」  
少し出し入れをゆっくりにして、お互いに息継ぎをしながら、お互いの唇の暖かさと柔らかさを味わう。  
「・・・んっ・・あっ・・・」  
明日香の唇は僕の動きにしたがって小さく動くけど、僕がその動きを唇で封じると、  
「あ・・・ああぁ・・・ん・・・」  
嬉しそうな顔になった明日香が、だんだんと出し入れのペースをあげる。  
たまに明日香の胸のいただきが僕に触れると、ピンクのいただきが一段とかわいらしく小さくなる。  
僕が上半身を動かして一緒に刺激すると、明日香の胸がしっとりとして、いただきはもっときゅっとなった。  
しっとりとして柔らかい明日香の胸を通して、明日香に感情を与える。  
「あんっ!・・ああっ・・・はぁっ!」  
明日香の声がまた少し高くなる。そして気がついた。  
(最初から、明日香が僕をリードしてくれてるじゃないか・・・。なにをしているんだ、僕は)  
「明日香、ありがとう。今度は、僕が良くしてあげるね」  
「・・うん・・・」  
明日香が小さくうなずいたのを確認して、明日香を強く抱きしめる。  
その一瞬後、さっきの数倍の速さで明日香の中のいろんな方向に刺激を与える。  
"ぐちゅっぐちゅぐちゅ"  
「ああああ!んっ!ひゃぁん!・・・あっあっ!」  
感情の大きさに大きな声をだし、また胸を反らそうとした明日香に、今度は体全体で、感情を与える。  
唇に優しい刺激を、胸は上半身で刺激し、明日香のには強烈な動きで出し入れする。  
 
「ああんっ!あっ!・・・あふ」  
与えられた感情が大きかったのか、明日香が唇を離して高い声を上げた。明日香の耳元に、  
「もっとよくしてあげるよ」  
そうささやくと、明日香は高い声の下から、  
「・・・お願い・・・あっ!んっ!あんっ!」  
そう言って、僕のをもっときつくしめつける。  
その刺激に負けそうになった僕がまた出し入れのスピードを上げると、明日香の声が大きくなる。  
「ああっ!ああーん!あっ!ひ、ひゃぁあん!」  
何回も何回も、明日香の中を動き回る。  
「あんっ!あっん、・・・ん、あっ!あっ、いっ!」  
肩をなでて、胸を少し大きめに刺激し、それから明日香の敏感な部分を指先でこすると、明日香がびくびくと震える。  
明日香の瞳が僕をじっとみながら、感情を押さえようとしている明日香が、僕を強く抱きしめて、  
「もう・・・もう、いっ・・・ああああんっ・・!」  
言いかけて、僕の動きに大きな声を上げた。  
「明日香の好きなときで、いいよ・・・」  
僕は出し入れの間隔を同じにして、明日香のずっと奥まで出し入れをする。  
明日香の奥の方もわずかに震えて、つながりから出る液体の音が明日香の声に同調する。  
「あっ!あっ!んっ!ふぁあん!あっ!」  
"ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ"  
明日香が懇願するような目で僕の目を見て、  
「もう、本当に・・・あっ・・・あっ!あああんっ!」  
僕の動きに明日香の声がそのまま重なる。  
手を下にずらすと腰はいっぱいまで反って、また、はねかえる。  
 
明日香の胸のいただきをきゅっとつまみ、敏感なところを指ではさむように押し、あらゆる方向に限界まで強く刺激を与える。  
明日香がびくびくと震えて、  
「あっ、あっ!ああっ!い、あっ!ひゃぁん!ああああーー!」  
次の瞬間、  
「あっ!ああっ!!ああああああーーーーーー!!!!!」  
大きくびくんと震えた明日香の体から力が抜ける。  
明日香の中は何回も僕のを引き込むようにしめつける。  
その動きに、僕も達した。  
「くっ・・・」  
ゆっくりと僕の上に体を重ねた明日香は、しばらくは息をついていた。  
「あっ・はぁっ・・はあっ・・・んっ・・・はあっ・・・」  
しっとりとした明日香の肌が僕に伝わる。  
肩をなでたら、ぴくっとして、  
「あんっ・・・」  
色っぽい声を出した。  
息が落ち着いてきた明日香が、体を重ねたまま僕の顔のすぐ側で、微笑みながら聞いてきた。  
「かわいい明日香ちゃんと愛しあえて・・・」  
僕は唇をふさいで、次に言った。  
「・・・分かってることをまた言わせようとする口は、この口かな?」  
「えへへ、ごめんね・・・」  
僕の胸に嬉しそうにほおずりをした。  
「ねぇ、明日香・・・」  
僕が呼びかけると、明日香は僕の胸の中から顔を上げた。  
「なに?」  
「さっき、友達から話しを聞かされたって言ってたよね?」  
明日香はうなずいた。  
「うん」  
「すごく嬉しかったけど、聞いただけであんなに上手にできるの?」  
聞いてから、しまった、と思ったけど、明日香は少し恥ずかしそうにゆっくりと微笑んで、  
「ありがと・・・。どうしても、私をもっと好きになってほしかったから、その気持ちかなぁ・・・。なんてね・・・」  
 
僕も微笑んで、  
「ありがとう・・・」  
言うと、明日香は僕にキスをして、  
「私だって、今日、本当に嬉しいんだよ・・・」  
と言った。  
 
部屋に戻って、明日香はベッドで、僕はソファーで寝ることにした。  
「おやすみ・・・」  
確かに明日香の声は、ベッドから聞こえてきた。  
ところが、頬がくすぐったい感覚で僕の目が覚めると、小さく寝息を立てる明日香の寝顔が飛び込んできた。  
ソファーに寝ていた僕を抱きしめて、明日香は寝ている。  
どうやら明日香の寝息が、僕の頬にかかっていたらしい。  
「すぅ〜・・・、すぅ〜・・・」  
見てると、驚いた表情になったり笑った表情になったり、ほんのたまに、変な物を見る顔になったりする。  
それからまた微笑んだ顔に戻る。  
かわいらしさに元気さをプラスしたようなその寝顔を、時間が来るまで眺め続けた。  
 
10時のぎりぎりまで部屋にいて、明日香を家の近くまで送る。  
最初はお互い恥ずかしくて顔を見られなかったけど、しばらくして明日香に嬉しそうな笑顔とおしゃべりが戻って、  
僕たちは普段どおりに話しをできるようになった。  
関内駅を出て伊勢佐木モールの少し外れた所で立ち止まり、僕が  
「じゃあ、またね。今度はよかったら、僕のおすすめの店にも行こうね」  
そう言うと、少し恥ずかしそうに、でも元気に、  
「うんっ。行こうねっ、絶対だからね!」  
と返事をして、次の瞬間、明日香の顔が僕の頬に近づき、軽く軽く  
"ちゅっ"  
僕の頬に明日香の唇が触れた。そして、明日香は恥ずかしそうに笑う。  
「ロマンス映画でやるでしょ?親しい人達のあいさつだよ・・・。」  
それからちょっと早口に、  
「また、遊ぼうね?じゃあね!」  
そう言うと、家の方に戻っていった。  
(星野の『星』は・・・、星っていうよりは、太陽かな・・・)  
頬の温かさと、明日香の笑顔を忘れないようにしながら、ぼくも駅への道を歩き出した。  
 
Fin.  
 

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