ピンポーン  
 呼び鈴が鳴った。  
 
 今日は日曜日。  
 バイトが休みのために家にいた僕は家族が出払っていることを思い出した。  
 時計を見る。  
 ……午後1時。  
(しょうがない、出るか……でもこんな時間に誰だろう?)  
 僕はゆっくりと玄関に向かった。  
 
「真奈美!」  
 ドアを開けるとそこには真奈美が立っていた。  
「……こんにちは。あ、あの……迷惑でしたか?」  
 おどおどした顔でそう聞く。  
「まさか! 真奈美なら大歓迎だよ。でもどうしたの急に?」  
 
 お父さんが仕事の関係で上京。僕に会いたくなった真奈美は無理を言ってついてきたという。  
 午後は別の用事があったものの、『ちょっと友達に会う』、そう言って抜け出してきたのだそうだ。  
「ご迷惑じゃなかったですか?」  
 また真奈美が尋ねる。  
「ははは、本当に迷惑なんかじゃないって。さ、ここじゃなんだから入ってよ」  
「……はい、お邪魔します」  
 
「わぁ、ここがあなたのお部屋なんですね」  
 物珍しそうに眺める。  
「散らかっててごめんね。いまお茶でも淹れるよ」  
「あ、構わないでください……」  
「そうはいかないよ。真奈美はお客様なんだからね」  
「……はい」  
 真奈美が小さくうなずいた。  
 
 僕が部屋に戻ると、真奈美は部屋の隅に置いてある巣箱を手に取っていた。  
 今度高松に行ったら真奈美に渡そうと思っていた巣箱。  
「あの……これ」  
「うん。真奈美が言ってたろ? だから僕も作ってみたんだ」  
「……うれしいです」  
 真奈美がうれしそうな顔で僕に勢いよく抱きついてくる。  
 とっさのことで僕はバランスを崩し、ベッドに押し倒されるような恰好になってしまった。  
 
「……あ。ごめんなさい……」  
 真奈美が頬を染める。  
 そして僕から離れようと立ち上がろうとするその手を僕はつかんだ。  
「真奈美」  
 名前を呼んで抱きしめる。  
「……はい」  
 小さく答えたまま真奈美は動かなかった。  
 
 見つめあう。  
 そのまま時が流れる。  
 ……真奈美が僕を見てうなずいた。  
 
「無理しなくてもいいんだぞ、真奈美」  
「無理なんかしてません」  
 静かな口調で真奈美が言った。  
「でも……」  
「私、あなたのこと大好きです。だから私をあなたのものにしてください」  
 そう言って僕に微笑みかけてくる真奈美。その瞳には迷いの色は見受けられなかった。  
 
「………真奈美。……わかったよ」  
「はい。でも、あの……私、こういうこと初めてで…わからないから……その…あなたに任せます」  
 赤い顔でそう言う真奈美。  
「うん。でも、僕も初めてなんだ」  
 二人で笑いあう。  
「なんだかすごくドキドキします……」  
「僕もだよ」  
 それを証明するために真奈美の手を心臓の上へと持っていく。  
「……本当。あなたのドキドキが伝わってきます」  
 恥ずかしそうに僕の胸に手を当てている仕草が妙に愛らしく感じる。  
 
「……キス……するね」  
「え……は、はい」  
 真奈美が静かに目を閉じる。僕は真奈美の肩を抱いて、そっと唇を合わせた。  
「……ん…んん」  
 唇を通して伝わってくる真奈美の唇の柔らかさ。その感触に酔いしれるような長い口づけだった。  
 
 ただ重なっただけの唇が離れる。  
「んん……はぁ」  
 唇を離すと同時に真奈美の吐息が頬に当たる。  
「今のが私のファーストキスです」  
 キスの余韻にひたっている僕とは対照的に、ニッコリと笑顔を浮かべる真奈美。  
 
「あなたが……一番大好きな人がファーストキスの相手で、私すごくうれしいです」  
 真奈美の言葉に思わずドキッとしてしまう。それで表情がこわばったのか、  
「……どうしました?」  
 少し心配そうに真奈美が聞いた。  
「え、いや……その……なんでもない」  
 僕は照れを隠すために真奈美の頭に手を伸ばすと、優しく撫でた。  
 
「……あっ、ん…」  
 真奈美が身じろぐ。  
「頭なでられるのイヤ?」  
 不安になって聞いた僕に、  
「いいえ、イヤじゃありません。でも、なんだかこうされると小さいときのこと思い出しちゃうなと思って」  
 かすかに微笑を浮かべて真奈美が答えた。  
「そうなんだ」  
「あなたと出会うずっと前、子供のころに私が泣いたり落ち込んだりすると、パパがいつもこうやって慰めてくれたんです」  
 黙って聞いている僕に真奈美が続ける。  
「でも、あるときから急になでてくれなくなっちゃったからすっごく寂しかったんです」  
「……そうか。じゃあ、これからは真奈美が望むときにいつでもなでてあげるね」  
「本当ですか?」  
 目を輝かせて真奈美が聞く。  
「うん」  
「それならもっと泣いたり落ち込んだりしちゃいますよ?」  
 いたずらっぽい笑顔で続ける真奈美。  
「はははは、僕は真奈美を泣かせたりしないよ」  
 そう言いながら真奈美の願いをかなえるために、優しく髪をなでつづける。  
 
 手を通して伝わるサラサラとした感触がとても心地よい。  
「これでいい?」  
「……はい」  
 今度はなでている手で髪をすくうとそれにキスをする。  
「ん……あなたの優しさが伝わってきます」  
 真奈美の髪の手ざわりに心がざわめく。  
 僕は少しずつ性の欲求が高まっていくのを感じていた。  
 
「服……脱がすよ?」  
 僕の問いかけに、ただこくんと小さくうなずく真奈美。  
 上着とスカートを脱がすと、しなやかというよりはあまり肉のついていないやや固い感じの体があらわになった。  
 
「ごめんなさい……」  
 真奈美が謝る。  
「え?」  
「私の体って……色気ないですよね」  
 そう言って申し訳なさそうな顔をする真奈美。どうやら自分の体にあまりいい印象を持っていないようだ。  
 
「私、胸もあんまり大きくないし、身体も筋張ってるから……」  
「バカだなぁ、そんなこと気にしてるの?」  
「でも……」  
 語尾が震える。  
「とっても魅力的だよ真奈美の身体。それに……色気がなかったらこんなに興奮するわけないだろ?」  
 僕は真奈美の手を取ると自分の股間へと持っていった。  
 
「え……これって……」  
 熱く、固く、真奈美を求めてこわばる男性器官。  
 その感触を知り、その硬直の意味を理解した真奈美が黙りこんだ。  
「真奈美の体を見てすごく興奮してるから……ここがこんなになってるんだよ」  
「………」  
 真っ赤になった真奈美は何も言わずに下を向いてしまった。  
 
 うつむいている真奈美のあごに指を当て、顔を上向けさせると再びキスをする。  
「……ん、んん」  
 少し強引なキスに戸惑っている感じの真奈美の唇を舌でこじ開ける。  
 そしてそのまま舌をすべり込ませ、唇の内側や歯を愛撫する。  
「ふ……んん…んふ」  
 続いて真奈美の舌に自分の舌を絡めると、口の中に唾液を流し込む。  
「ん、んふ……んぐ」  
 舌を絡められ、ただされるがままの真奈美。  
 だけども次第に慣れてきたのか、今度は自分からおずおずと舌を絡めてきた。  
 
ぴちゅ、ぴちゃ……くちゃ、くちゅ………  
 部屋に響く舌と舌を絡める音。それはとても淫猥な感じだった。  
「んん……んふ……はぁ」  
 唇を離す。と、お互いの混じりあった唾液で一本の橋ができ、すぐに落下していった。  
 
 真奈美の胸に手を持っていく。そうして軽く触れてみる。  
「ん……あ……あん」  
 やや小さめな真奈美の胸。ブラ越しだが十分に柔らかさが伝わってくる。  
「柔らかいよ、真奈美の胸」  
「そ、そんなこと言われても……なんて答えていいかわかりません……」  
 小さな声で僕に抗議する真奈美。……かわいい。  
 
 僕は胸全体を手のひらで覆うと、持ち上げるような感じでこね上げた。  
「あん…んん、ん……やっ」  
「気持ちいい、真奈美?」  
「……は、はい」  
「それじゃあもっとさわってあげるね」  
 今度は胸全体を覆っている手のひらを、胸をつぶすようにして押しつける。  
「くっ、ああ……ん」  
 
 そのまま真奈美の首筋に唇を寄せると、上から下になぞるようにキスしていく。  
「ひゃ……ひゃん!」  
 くすぐったそうな声を上げる真奈美。その様を見て僕のイタズラ心が刺激される。  
 上から下に、そして下から上に、休むことなくひたすらキスしつづける。  
「んん、やっ……あん」  
「こっちも気持ちいいの?」  
「うぅ……よくわかりません。……でも、くすぐったいのとはちょっと違う気がします」  
 真奈美の言葉を聞いて、今度は首筋を下から上へとなぞる。  
「あん…んんっ、ん……やっ」  
 さっきよりも声のトーンがより甘いものへと変化している。  
 
「ん……ん…なんか、体が熱くなってきます」  
 真奈美の首筋に沿って唾液で出来上がった一本の道。それを何度も舌で往復する。  
「あん…んんっ……んんっ! ……やぁっ……」  
 荒い息づかいを上げている真奈美の首を執拗に攻め立てる。  
「ひゃっ……あん…ダメぇ」  
 真奈美は小さくあえぎながら僕の愛撫に身を震わせていた。  
 
「……なんだか、頭がぼーっとします……」  
 熱に浮かされたような真奈美の声。それに続けて  
「それにスッゴク体が熱いし……私、このままじゃ…変になっちゃいそうです」  
 正直、キスと胸への愛撫だけで真奈美がここまで乱れるとは思ってもみなかった。  
「真奈美って感じやすい体質なのかもね」  
 からかうように言ってみる。  
「……それって、ダメですか?」  
 泣きそうな顔で真奈美が聞く。  
「いや、僕はとってもうれしいよ。僕の愛撫で感じてくれてるのがよく分かって」  
「……はい」  
 真奈美の顔に安堵の色が浮かんだ。  
 
 僕は真奈美の体を抱き寄せた。そうして背中に手を回し、ブラのホックをはずそうとする。  
 だけど構造がわからず、なかなかはずすことができなかった。  
「……私が自分ではずします」  
 困っている僕を見かねてか、真奈美がそう言ってくれた。  
「え? ああ……ごめん」  
 ……ブラもはずせない。僕は自分の経験のないことが恥ずかしく、くやしかった。  
 
「……えっと…じゃあ恥ずかしいから、目を閉じててください」  
 そんな僕の葛藤には気付かなかったようで、真奈美がそう言った。  
「わかった」  
 僕はそれに答えて目を閉じた。  
 
 シュルシュルと衣擦れの音がする。  
「いいですよ」  
 真奈美の声に目を開ける。  
 と、そこには恥ずかしそうに胸を両手で隠すような仕草をしている真奈美がいた。  
「手をどけて、よく見せてほしい」  
「……は、はい」  
 言葉に従い両手が胸から離れる。すると、小ぶりでかわいらしい感じの胸があらわになった。  
「……や、やっぱり恥ずかしいです……」  
 離した手で顔を覆い、恥ずかしそうにしている真奈美をよそに、僕はそのかわいらしい胸に手を伸ばした。  
 
「あ、ん……あん」  
 胸にふれるたびに発せられる真奈美の甘い声が僕の神経を昂ぶらせていく。  
 真奈美の両方の胸に手をあてがうと、優しく揉みしだきはじめる。  
「ん……ああ…あんっ」  
 胸の先にちょこんと咲く蕾を指と指の間にはさんで愛撫する。  
「ん…あっ、はぁ……うっ!」  
 自分の口から発せられるあえぎ声が気になるのか、手を口元に持っていって封じようとする真奈美。  
 僕は片方の手でその手をどけて押さえつけた。  
 
「ん、あん……やだっ…ダメです……」  
「感じるままに声を出して。それは恥ずかしいことじゃないんだから……」  
 真奈美のえっちな声が聞きたい。そう思った僕は真奈美に告げた。  
「でも……」  
 そんな僕の言葉にかすかな抵抗を見せる真奈美。  
 僕は戸惑う真奈美を落ち着かせるために鼻先にキスをした。  
 
「……あ」  
 小さな声を上げ、真奈美の動きが止まった。  
「それに、僕も真奈美が声を出してくれたほうがうれしいんだ」  
「……はい。わかりました」  
 
 真奈美の了承を得た僕は再び両手を使って胸を愛撫する。  
 僕の手の力加減によっていろんな形に変化する胸。……いやらしいと思った。  
「ん、あっ……はぁっ……やっ」  
 胸を手でこねながら、胸の先の蕾を親指と人差し指を使って回すようにこする。  
「ん……あん、胸の先が…切ないです……」  
 徐々に胸を愛撫する手の力を強くしていくと、真奈美の声のトーンもそれに比例して高くなっていく。  
 
 真奈美の胸の先端に咲く蕾に口を近づけると、そのまま蕾を口に含み、舌で転がして愛撫する。  
「ん……あんっ! ……んん、あっ」  
 今度は蕾の輪郭を舌でなぞるようにする。  
「あん…ん……はぁっ……いやっ……気持ちいいです……」  
 ついに真奈美の口から快楽のうめきが洩れた。僕は  
「じゃあもっと気持ちよくしてあげるね」  
 そう言って再び胸の蕾を口に含むと唇を使って吸うようにした。  
 
「くっ、あんっ……あぁ!」  
 僕の名前を呼ぶと、両手で僕の頭を抱え込んで真奈美が胸に押し付ける。  
「ううっ、いやっ……あっっ……あんっ!」  
 蕾を吸う力を強くしていくと同時に軽く歯を立ててみる。  
「くっ! ひゃっ……うぅ」  
 真奈美は鋭い声を上げるとビクッと体をすくませた。  
 
「ごめん。痛かった、真奈美?」  
 乳首から口を離し、真奈美の顔を見上げながら聞く。  
「ううん、よく分からないけどピリッとしたから……続けて平気です」  
「わかった」  
 愛撫を再開する。蕾を舌で転がすように愛撫し、時たま軽く歯を立てる。  
「ん……ああっ、んん…うっ! ……ひゃっ…あん、ん……」  
 蕾に歯を立てるたびに真奈美の体はビクビクと震えつづけた。  
 
 胸を口と手で愛撫しながら、僕はもう一方の手を使ってお尻に触れてみた。  
 そのすべすべした感触を味わうかのようにお尻のふくらみをなでまわす。  
「んん…やっ……あんっ! ん…あんっ、んん……あっ」  
 真奈美の声に艶が増す。  
「胸とお尻、どっちが気持ちいいの真奈美?」  
 少し意地悪な質問をぶつけてみる。  
「……そんなこと聞かれても……わからないです」  
「じゃあさわらないほうがいいよね」  
 そう言ってお尻をなでまわしていた手を離した。  
「え……そんなの……いやです」  
「だってさわられても気持ちよくないんでしょ?」  
「そんなことないです……だから、両方さわってください……」  
 これ以上ないほど赤くなった真奈美が小さな声で言う。  
「真奈美ってエッチな子だね」  
 僕は真奈美の目を覗きこみながら言った。  
 
「だって……あなたが……うっ、ぐすっ」  
 みるみる真奈美の瞳に涙が溜まり、こぼれ落ちた。  
 それを見た途端、僕の心に罪悪感が湧きあがる。  
「ご、ごめん。真奈美を泣かせるつもりはなかった……悪い。お詫びにいっぱいさわってあげるから」  
「え? ……はい……ぐすっ」  
 まだ鼻をすすりながら、それでも真奈美はわずかにうなずいた。  
 
 胸とお尻に手を戻すと愛撫を再開する。  
「はぁ……うう、あん…んっん……ああっ! ひゃん」  
 かわいらしい口から淫らな声を洩らす真奈美を見ながら、僕はお尻の手を前に移した。  
 恥丘の上を指でなぞるようにしてからクロッチに手をすべらせる。  
「んっ! ……いや、そんなところ……ダメです」  
 真奈美の声を聞き流して股間で指をうごめかす。  
 そこは下着の上から軽くなぞっただけでもよく分かるほど愛液があふれ出ていた。  
 
「真奈美のここ……すごく濡れてる」  
「だって……それは……あなたが私の体を、たくさん触るから……」  
 僕の目を見ず、恥ずかしそうに真奈美が答える。  
「僕はうれしいよ。感じてくれてるんでしょ?」  
「……は、はい」  
 髪をなでて真奈美を落ち着かせる。  
 そうしてから真奈美の恥ずかしい部分を覆っている下着に手をかけ、ゆっくりと脱がせていった。  
 
「あっ……」  
 あらわになる真奈美の大切な部分。  
 愛液で濡れてはいるが、縦に一本亀裂が走っているだけで入口を確認することはできない。  
「……そんなに見ないでください……恥ずかしいです」  
 真奈美の声に我に返る。  
 僕は初めて見るオンナの部分に釘付けになっていたようだった。  
 
「キレイだよ、真奈美」  
 素直な感想が口を付いた。  
「でも……」  
 何かを言いかける真奈美を制し、僕はゆっくりと秘所に指で触れた。  
 
 真奈美の大事な部分を手のひらで包み込むようにすると、優しく動かしてみる。  
 それから亀裂の部分に沿って指をあてがうと、下から上へなぞり上げる。  
「あっ……はぁっ! ……あんんっ……あん、ん…あ……」  
 ビクンッと身を反らし真奈美がうめいた。  
 僕は亀裂の中に指をもぐりこませ、入口部分を探りあてると少しだけ指を差し込んでみる。  
「んっ……痛い、です……」  
 その言葉を聞いて僕は指を入れるのをやめると、入口付近を突っつくような愛撫に変えた。  
「ああ……んっ、はぁ…あん」  
 真奈美の膣口のまわりを叩くように動き回る僕の指。  
 その動きにあわせて真奈美がかわいい声で鳴く。  
「うう……あん……はぁ……んくっ」  
「真奈美、気持ちいいの?」  
「……はい。すっごく気持ちいいです。……だから…もっと続けて……」  
 絶え絶えの息で真奈美が言葉を継ぐ。  
(感じてるんだ!)  
 僕の心ははやった。  
 
「もっとさわってあげるね」  
 真奈美の願いを聞き届け、這いまわる指の動きを早くする。  
「ああ…ふっ、んぅっ! ……あんっ」  
 指や手のひらを使って全体を愛撫する。  
 と同時に、僕は真奈美にキスするために体を移動させた。  
 
「んぅっ! ……ん……ふっ…んく」  
 指は股間で動かしたまま、僕は舌で真奈美の口内を丹念になぞりあげた。  
「んん、んふっ……う…ん」  
 僕の舌が自分の口内に戻ると、今度は真奈美のほうから舌を差し込んでくる。  
くちゅ、ぴちゃ…ぬちゅっ……ねちょ、ちゅっ………  
 粘膜がこすれる音と、舌を絡めあう音とが一緒になって聞こえてくる。  
 頭の芯がしびれるような感覚にとらわれる。  
 ……僕も真奈美も興奮しきっていた。  
 
「ん、んぐっ!」  
 酸欠気味なのか、苦しそうな表情を浮かべている真奈美を見て一旦キスするのを止める。  
「真奈美、大丈夫?」  
「え……うん、あっ…やぁ……あん」  
 キスのほうはやめたが、真奈美の大事な部分を愛撫するのはやめない。  
「ん…ああっ……はぁっ、あっ」  
 僕に股間をいじくられ、真奈美は卑猥な声を上げつづけた。  
 
 しっとりとした愛液の温かさが手のひら全体に伝わってくる。  
「あくっ、んっ…んん……はんっ! やっ……」  
 もっと真奈美を感じようと、僕は顔を股間に持っていった。  
 真奈美の太ももを手でつかむと、押し広げるようにしてそこに顔を近づける。  
「え? ……んん、あ」  
 僕の息で恥毛がそよぐ。それが感じるのか、真奈美はくすぐったそうな表情を浮かべた。  
 
 そっと秘裂に舌を這わすと、上下にゆっくりと動かしはじめる。  
「ああ…ふっ……んぅっ、あんん」  
 下着を濡らしていた愛液はそのあともとどまることなく分泌されていた。  
(すごい……どんどんあふれてくる……)  
 真奈美の股間はまるで水でもかけたかのようにたっぷりと潤っていた。  
 
 淫裂に指をかけて左右に開く。と、そこに薄桃色の粘膜が顔をのぞかせた。  
「んくっ…あっ、ダメ……あんっ…はぁ……そんな、開いたりなんかしちゃ……いやです」  
 真奈美の声が聞こえたがもう止まらない。  
 僕は目の前でヒクヒクと動く粘膜の部分にも舌を這わせて愛撫した。  
「う、嘘っ! ……ああっ、こ、こんなの……あん……ダメっ、変になっちゃいますっ」  
 声に切迫した感じが混じる。真奈美の絶頂は近いのか?  
「別に変になったって構わないよ」  
 そのまま股間にむしゃぶりつく。そうして舌で全体を舐めまわす。  
「あ、んんっ……やっ…あんっ……うっ…ああっっ!」  
 淫らに鳴く真奈美の声に僕の我慢も限界に近付いていた。  
「真奈美、入れたい……」  
 真奈美は僕の顔を見ると  
こっくり  
 しっかりとうなずいた。  
 
「それじゃあ入れるからね。痛くて我慢できそうになかったらちゃんと言うんだよ」  
「はい……」  
 僕は真奈美の膣口に先端をあてがうと、少しずつ腰に力を入れていった。  
「……っっ……うっ……痛い……」  
 真奈美の体がずり上がる。  
「もっと力を抜いて……」  
「は、はい」  
 潤んだ瞳で真奈美が僕を見る。  
 お互いに見つめあい、再び少しずつ腰に力をこめていく。  
「んくっ……っっう……ぅぅぅぅっ!」  
「大丈夫、真奈美?」  
「平気です……痛くても我慢するから…だから、続けてください」  
「……わかった」  
 真奈美の望みをかなえるため、僕は腰にかける力を一層強くした。  
 
めりめりめりっ………  
 勃起が肉の中に埋まっていく。  
「ひっ……ああああああっっっっああ!」  
 真奈美が絶叫する。  
 ……僕たちは一つになった。  
 
「全部入ったよ真奈美」  
「ほ、本当ですか?」  
 痛むのか、端正な表情をゆがめ、苦しそうな息で答える真奈美。  
「うん」  
「うれしい。これで私、あなたのものになることができたんですね」  
 そう言って涙を流しながら真奈美は本当にうれしそうな顔をした。  
「動いてもいい?」  
「はい」  
 
 僕はなるべく痛がらせないように小さく動きはじめた。  
「んくっ……んん……はぁ」  
「痛い、真奈美?」  
 あまりにも苦しそうな真奈美に思わず動きが止まる。  
「……大丈夫です…痛くなんてないから、続けてください」  
 そうは言うものの苦しそうな真奈美の表情。無理しているのがありありとわかる。  
 いたたまれなくなった僕は真奈美の中から自分自身を引き抜こうとした。  
 
「ダメですっ!」  
 真奈美が僕の腰に足を巻きつけて腰を引かせないようにした。  
「でも……」  
「私、あなたのこと大好きですっ……だから、平気です!」  
「真奈美……」  
 ためらいを感じつつ、真奈美の言葉を受け入れて腰を動かしつづける。  
 
「はぁ……ひあっ……痛っ……んくっ」  
 僕が前後するたびに苦悶の表情を浮かべる真奈美。  
 処女の締めつけに、僕も少しずつ射精感が高まっていくのを感じていた。  
「真奈美、もう少しだから我慢してね」  
「……はい」  
 真奈美とつながっている部分に手を伸ばす。  
 そして小さく頭を覗かせている突起を指でクリクリッといじる。  
「ん……くっ…はぁ……あんっ! んううっ……んっ…はぁ、ああっ」  
 破瓜の痛みと陰核をくじられる快感。その両方が真奈美を襲うのか、より一層、真奈美の締めつけが増す。  
 
 限界が近付く。  
「真奈美……もう……」  
「……我慢しなくていいですよ」  
 真奈美が僕を見て微笑んだ。……そこまでだった。  
「……くっ!」  
 
っびゅっ! びゅびゅっ! びゅるっ! びゅくぅっ!………  
 真奈美の膣中に白濁がほとばしる。  
 あまりの快楽に、僕は真奈美の膣中でガクガクと腰を動かし何度も精液を発射した。  
「んぁっ……あああああぁぁぁぁぁ……!!」  
 僕が動くたびに苦痛が押し寄せるのか、真奈美は白いのどをのけぞらして苦悶した。  
 
 射精が終わる。  
 ……真奈美の膣中に出してしまった。  
「真奈美、ごめん。僕……」  
「え?」  
 なぜ謝られるのかわからない。そういった感じで真奈美が小首をかしげる。  
「中で……」  
「……あ。大丈夫です。今日は……」  
 最後の言葉は濁し、真奈美は僕を見て微笑んだ。  
 
「そろそろ戻らないとパパが……」  
 服を着ると真奈美が言った。  
「真奈美、僕も行くよ」  
「え?」  
「僕、真奈美がいないとダメみたい。だからお父さんにちゃんと挨拶する。『真奈美さんと付き合わせてください』って、ね」  
「……あの」  
「真奈美がいないと、さびしくってどうしようもないんだ……だから、そばにいてほしい、いつまでも」  
 僕の言葉を聞きながら、真奈美の瞳にみるみる涙が溜まっていく。  
「順番逆になっちゃったけどさ、僕、真奈美が大好きなんだ。真奈美ときちんと交際したい。……ダメ、かな?」  
 真奈美はブンブンと首を振ると、  
「う、うれしいです、夢みたいです……私もあなたが好き…他の誰よりも……」  
 そう言って泣きながら僕に抱きついてきた。  
 
 僕は真奈美を強く抱きしめながら  
「ずっと……大切にするからね、真奈美」  
 腕の中のぬくもりを確かめる。これから先、お互い決して離れないと誓うように……。  
「……はい。……大好きです…これからも私を守ってください……できればずっと」  
 そう言うと、真奈美が背伸びして僕に口づけた。  
 
「!」  
「えへへ、私のほうからキスしちゃいました」  
「……真奈美」  
「ふふ」  
 はにかんだように笑う真奈美。  
 僕は真奈美を抱き寄せると、今度は自分から唇を重ねた。  
 
        おわり  
 

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