晶の体が小刻みに震えている。緊張がこっちまで伝わってくるようだった。  
「身体、震えてるよ……大丈夫?」  
「だ、大丈夫よ。私が自分で決めたことなんだからね!」  
 ……声も震えている。強がってるようにしか聞こえない。  
「わかったよ。……晶、行くね」  
 もう一度声をかけ、僕は限界まで張りつめた肉棒を晶の膣口に押し当てた。  
 
 淫裂は僕の唾液と晶自身の吐液とですっかりぬるぬるになっている。  
 今度は失敗したくない。手を添えて晶の亀裂にあてがった勃起を何度か上下させる。  
「あっ……」  
 その感触に晶が声を上げる。  
「晶……ちょっとだけ我慢してね」  
「ん…うん……」  
 真剣な眼差しで僕を見上げてうなずく晶。  
 たっぷりと潤った晶の膣は僕を迎え入れる準備が整っているように見えた。  
 晶の粘液を先端になすりつけると、狙いをつけて腰を押し出した。  
 
ぐぐっ……  
 少しずつ晶の中に入っていく。  
 ……僕が思っていた以上の強い抵抗が先端にかかる。  
「あっ! 痛っ……」  
 唇を噛み、眉間にしわを寄せた晶の顔には苦痛の色がありありと浮かんでいた。  
 あまりのきつさと圧力に、意識していないとペニスが押し戻されそうになる。  
 それに負けまいと強く腰を押し出す。  
 だけど処女の膣の抵抗は弱まるどころか強くなる一方だった。  
 
「あっ、ダメ……い、痛い、痛すぎるっ!」  
 晶の声が聞こえた。でも性の衝動が止まらない。僕は構わず剛棒を押し込んでいった。  
「晶……力…抜いて……」  
「いやっ! 痛いっ、お願い、……だめぇ」  
 僕から逃れようともがく晶。あきらめて僕は身体を離すしかなかった。  
 
 晶のそこを見る。真っ赤に充血している。かすかに血もにじんでいるようだ。  
 亀頭の張っている部分が中に入っていけない。これでは晶と一つになるのは無理か……。  
「ごめん……私の身体、ヘンなのかしら」  
 晶の瞳が潤んでいる。……今にも涙がこぼれそうだった。  
 
「そんなことない。僕が強引すぎたんだ。……僕のほうこそごめん」  
「ち、違うわ! ……私が悪いのよきっと……どうして、どうしてなのよ……」  
 晶が大きく頭を振った。  
 その拍子に涙がこぼれる。……初めて見る晶の涙。  
「緊張して体に力が入ってるんだよ」  
 静かに言う。  
「う……ん」  
 納得してない様子の晶。  
「無理しなくていいよ。僕たち、これからだろ?」  
「……やめ…ちゃうの?」  
「僕は一回イケたから……。それに痛がる晶を見るの、イヤだから」  
 本心だった。  
 晶をメチャクチャにしてやりたいと思ったことは事実だ。  
 でも、今は無理をしなくてもいい。無理はしたくない。  
 いつかは自然に結ばれる日が来る。そう思った。  
 
「で、でも……」  
「気を遣うなんて晶らしくないよ」  
「ちょっとぉ、それどういう意味ぃ?」  
 晶の顔に笑顔が戻った。でもすぐに沈んだ顔になり、  
「私だって……その……したいって思ったのよ。ホントよ!」  
 そう続けた。  
「ありがとう。その気持ちだけで僕は充分だよ」  
「……ホントに……やめちゃうの?」  
 上目づかいに僕を見上げて晶が言葉を継ぐ。  
 
「またいつか、自然にそうなればいい。そう思うよ」  
「……いや」  
「晶?」  
 晶が僕の胸に飛び込んできた。  
「ごめんなさい。私は大丈夫だから……もう一回して」  
 そして唇にあたたかいものが触れた。  
 
 唇が離れる。  
「ほんとに……いいの?」  
 晶の目を見ながら聞く。  
こくん  
 静かにうなずく晶。  
「……我慢できないぐらい痛かったらちゃんと言ってね」  
「……うん」  
 僕は晶の肩に手を回すと、そっと唇を重ねた。  
 
 僕の唇が晶の唇に触れた瞬間、晶の体がビクッと波打った。  
 それがわかった僕は唇を離し、優しく晶の髪をなでながら微笑む。  
「……僕を…信じて」  
 その言葉に晶がかすかにうなずく。  
 続けて僕は  
「これからは僕が守る……晶の…すべてを」  
「ずっと…守ってくれる?」  
「誓う、誓うよ……大好きだ、晶……」  
「わ、私……うん!」  
 晶は目にいっぱいの涙をためて僕を見上げた。  
「……あの、ね」  
 何か言いかけた晶の頬がかあっと染まった。  
「ど、どうしたの?」  
 うろたえる僕。  
「な、なんでもない……なんでもないの」  
 
「晶……」  
 僕たちは熱い肌を重ねた。僕の手が、唇が……優しく晶に触れる。  
 そのあたたかさが晶の心を満たすのか、少しずつ晶の肌が熱く火照っていく。  
 その熱が晶の頬を朱に染めたころ、僕は晶の瞳をじっと見つめた。  
「晶……」  
 もう一度名前を呼ぶ。  
「……うん」  
 その意味を理解したのか、晶は目を閉じると静かにうなずいた。  
「来て……」  
 
 僕は体を起こし、晶の足を抱え上げた。そのままゆっくりと腰を近づけていく。  
 限界まで張りつめた僕のモノが晶の大事な場所に触れる。  
 ……無意識なのか、晶の体がこわばる。  
「晶……」  
 僕は晶の頬に手を当て、穏やかに、そして優しく名前を呼ぶ。  
「……ご、ごめんなさい」  
「僕を信じて……そして僕のことを、僕のことだけを考えて……」  
「……うん」  
 こっくりとうなずいた晶の全身から、ふっ、と力が抜ける。  
「……晶」  
 僕はゆっくりと腰を差し出した。  
 
「……んっ! い、痛……」  
「ご、ごめん」  
 あわてて腰を引こうとする僕の背中に晶の腕が回される。そして  
「ん……いいの…続けて……」  
 そう言って強く抱きとめられる。  
 ……ここでやめちゃいけない。晶は結ばれることを望んでいる。  
 そう思った僕はうなずいた。そうして晶に告げた。  
「うん。晶、力を抜いて……」  
 
「ん……はぁ…はぁ……」  
 僕のモノが晶の中へ、ゆっくり、ゆっくり埋没していく。  
 それとともに押し広げられる下半身から伝わる痛みなのだろう、晶が唇を噛んで耐える。  
「晶……もう少し……」  
「……っっ! はぁ、あッ!」  
 苦悶の表情で晶が僕を見る。そして  
「……は、入っ…た?」  
 苦しげな息で聞いた。  
「もう…ちょっと……」  
「はぁ…はぁ……うぅぅ」  
「ごめん、痛い?」  
「……うん…ちょっと痛い……もう…少し……動かないで……」  
 目を閉じてじっと痛みに耐える晶。  
 僕はその痛みから少しでも気が逸れるよう、晶の肌を優しく、静かになでる。  
 僕の手のひらからぬくもりが伝わるのか、晶の表情が和らいでいく。  
 まるで心が満たされるかのように、穏やかな笑みを浮かべる晶。  
 
「……も、もう大丈夫よ。……大丈夫だから……動いてもいいわよ」  
「……晶」  
 晶の意志を確認した僕は、腰を前後にゆっくりと動かした。  
「あっ! ……くっ…はぁっ! っっ! はぁ、はぁ……」  
 できるだけゆっくりと体を前後させる。  
 そのたびに晶は苦しそうに眉を寄せて小さく息をついた。  
「……晶、今日はここまでにしよ? 無理しなくても、僕たちはこれからなんだから……」  
 そう言いながら僕がゆっくりと腰を引き離しかけたとき、僕の背中に晶が手を回した。  
「晶?」  
「う…うぅ……お…願い」  
 力の入らない震える手で、精一杯僕を引きとめようとする。  
「晶……」  
 晶の気持ちが伝わる。  
 僕は晶の目を見てうなずきかけると、腰を押し戻した。  
 再び僕自身がゆっくりと中に沈みこんでいく。  
 
 奥まで収まる。  
「入ったよ晶……いちばん奥まで入ったよ」  
「うっ……」  
 低いうめきを上げた晶の性器から、処女の証が太ももを伝って流れ落ちる。  
 今にも気を失ってしまいそうな痛みが襲うのだろう、晶が苦しげにうめく。  
 初めて経験する痛みが晶の体を貫く。僕のために、僕に捧げるために……。  
「痛い…けど……っ! 幸せ…よ」  
 晶がうれしそうに言葉を継ぐ。痛みが幸福な気持ちとなって晶の心と体に染み渡っていくようだ。  
 
 暴発とはいえ、一度射精している僕は絶頂まで間があった。  
 少しでも早く射精してあげることが晶の苦痛を和らげることになる。  
 そう考え、僕はなるべく早く達するように意識を集中した。  
「っ…はぁっ! うぅっ!」  
 きつく僕を締め上げる晶の膣。ペニスから湧き上がる快感に僕の口から快楽のうめきが洩れる。  
「ああっ! はぁ、はっ! ……んっ!」  
 それとは反対に、僕に貫かれている晶は苦悶の声を上げる。  
 
 男性器を摩擦される快感と、愛する晶と一つになった精神的な満足が僕に官能の悦びをもたらす。  
 その甘美な感覚が晶を気遣うことも忘れさせる。  
 思わず僕の動きが少しずつ速く、大きくなりはじめる。  
「はぁ、はぁ……んっ! 気持ち…いいの?」  
 苦しげな息で晶が聞く。  
「晶ぁ……気持ち…いいよ……」  
 快感を得ていることを伝える。  
「んッ! あぁっ……う、うれしい……くっ…あうッ!」  
 晶が本当にうれしそうな笑顔を見せた。  
 
 誰もいない海で、クルーザーの上に僕たちの声だけが響く。  
 火照った肌に浮かんだ汗に小さな光をまとわせ、僕たちはただ一つの行為の没頭していく。  
 すべてを忘れ、お互いの体を、存在を、そして心を確かめあう。  
 
「あなたを……中に感じる」  
「うん、僕も晶に包まれてるのを感じる……」  
 晶の中の温かさが僕に伝わる。奥のほうで何かがうごめく感覚。  
 じわじわと勃起にまとわりつき、根元から先端に向かってしごかれるような気持ちよさ。  
「あぁっ……んっ、ねぇ……」  
「えっ?」  
「気持ち……いい?」  
「すごくいいよ……晶の中、とっても気持ちいい……」  
「……よかった」  
 僕が少し前後させただけで晶の眉間にしわが寄る。……痛いんだ。  
「はぁう……あっ」  
 初めてで痛くないはずがない。僕を収めただけで耐えられない苦痛のはずだ。  
 それでも晶は僕に笑顔を向ける。……激痛をこらえた痛々しい笑顔。  
 
 と、晶のまぶたから涙があふれ、次々とこぼれ落ちる。  
「晶?」  
 急に不安になった僕が聞く。  
「私、本当にあなたのものになったのね……うれしい……」  
 流れる涙を拭おうともせずに晶が答える。  
 そのたびに、僕の今までの届かなかった想いが伝わる気がした。心に幸せが満ちてくる気がした。  
 
 晶の膣中を貫くたびに僕のモノに快楽が押し寄せる。  
 肉体的な快感はもちろん、晶を自分のものにした精神的な満足感。  
 ……晶とつながっていることが、こんなにも気持ちがいいなんて。  
 
 僕のために額に脂汗を浮かべ、苦悶の表情を浮かべる晶が愛しい。  
 美しいものを汚しているという背徳感。しかしその美を自分だけが汚せる優越感。  
 そして、初めて見る晶の「オンナ」の顔。夏の日を浴び、肌から立ちのぼる晶の「メス」の香り。  
 射精感がどんどん高まる。このままでは……イク。  
「晶……出るっ!」  
 
 あわてて身体を離そうとした僕の背中に晶の腕が回された。そのまま強く抱きとめられる。  
(だめだ……膣中で……イク……)  
 そう思った次の瞬間、興奮が限界を超えた。  
「あぁっ! 晶っ! あき……っっっ!」  
 
びゅるっ! ずぴゅっ! どくっ! ぶしゅっ!……  
 亀頭を子宮に押しつける。晶の一番奥で熱い思いを解き放つ。尿道を欲望が通過していく。  
 そのたびに頭の奥がしびれるような甘美な感覚が後頭部から背すじに走る。  
 僕はビクビクと震え、温かいものを晶の中にあふれさせる。  
 晶に腰を打ち付けるようにして、僕は何度も精液を射ち出した。  
「ひゃうっ! ふぅっ! んんっ……」  
 そのほとばしりを膣奥で受け、晶が僕にしがみつく。  
 晶は唇をわななかせながら、僕の射精を体の奥深くで受け止めた。  
 ありったけの精を晶の中に注ぎ込む。  
 ……若い子宮を精液で満たし、僕は長い射精を終えた。  
 
「あ…はぁ……はぁ……」  
 整わない息で晶が大きくあえぐ。  
 射精したことで冷静になった僕は大事なことに思い当たった。  
「晶……はぁ、はぁ……あ、ごめん……」  
「……え?」  
「その……中で……」  
「あ……」  
 言われて初めて気付いたという感じで、晶が恥ずかしそうにその頬を朱に染める。  
「えっと……晶、その、あー」  
 とっさに言葉が出てこない。  
 黙ってしまった僕に  
「赤ちゃん出来たら責任とってもらうからね」  
 晶がそんなことを言った。  
 
「……え?」  
「なによそのイヤそうな顔!」  
 晶が不満げに言う。  
「ち、違うよ……ものすごく光栄なんだけど、晶は本当に僕なんかでいいの?」  
 そう言った僕に  
「好きでもない相手と私はこんなことしないわ」  
 晶は大げさにため息をついて答えた。続けて  
「わ、私にこんなことできるの……あなただけなんだからねっ!」  
 そう言って頬を染めた。  
 
「あと赤ちゃんなんだけどね……た、たぶん……大丈夫。……ねぇ」  
「なに?」  
「……好き」  
「! ……僕もだよ、晶」  
 このまま時が止まればいい……。そう思いながら僕は晶を抱きしめた。  
 触れ合った肌から互いのぬくもりが伝わる。  
 僕たちはいつまでもそうしていた。  
 
「ねぇ……気持ち…良かった?」  
 僕に抱かれたまま晶が聞く。  
「うん。……すごくよかった。こんなに気持ちよかったの、初めて……」  
「私は痛かったわ……。あなただけ気持ちいいなんてズルイわ! 不公平よ!」  
 僕の腕の中で身をよじらせるようにして晶が口をとがらせる。  
「ごめんね、晶」  
「今度は私も気持ちよくさせてよね」  
 そう言って真っ赤になって下を向く。  
「え?」  
「い、今すぐってことじゃないからねっ!」  
 怒ったような口調で晶が言う。そして  
「私のこと好きなんでしょ? 大切にするんでしょ? だったらこれからは毎週、必ず長崎に来なさいよね」  
 僕をまっすぐに見て続けた。  
「あ、晶……それは……」  
 ちょっとだけ言いよどむ。  
「何? 私が大事じゃないの?」  
 キッとした目で僕を見据える。  
「好きだよ、大好きだよ。晶が誰よりも好き。……でも長崎に毎週は……」  
「……そう…よね」  
 今度は晶が口ごもった。  
「晶だって僕のこと好きって言ったろ? 晶も東京に来てよ……」  
「……うん。なるべく時間作って…東京に行くわ」  
「晶……」  
 
 晶が僕を見つめていた。触れ合うほど近くに僕と晶の鼻があった。  
 鼻の頭をこすり合わせる。と、晶はゆっくりと目を閉じる。  
 そのまま晶に顔を寄せる。唇と唇がかすかに触れ、晶の息が僕の頬をなでた。  
 唇を深く合わせる。晶の息に小さくすすり上げるような声が混ざった。  
 晶を抱く腕に力をこめ、僕もゆっくりと目を閉じた。  
 
           おわり  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル