「お爺ちゃん元気? オシッコ出た? おなか空かない? 暇だから居てあげるわ」  
 若菜は、個室でぼんやり窓の外を眺めていた老人に話しかけた。彼が振り向き、嬉しそうに歯のない口を開けて笑ってみせた。  
 若菜は今週から、老人相手の部所に換えられてしまったのだ。新米看護婦のうちは、様々な病棟を経験させられることになっているのだ。  
 しかし若菜は、老人たちがそれほど嫌ではなかった。実家では祖父に可愛がられていたからだ。それに老人たちは症状を訴えるよりも、単に話相手を欲しがっている場合が多いので、若菜も仕事がサボれて、雑談も苦にならないのである。  
 他の老人たちはみな自分で立てるので、休憩室でそれぞれ話し相手を見つけているが、この老人、多部田俊雄は寝たきりで、脳軟化症のため半身不随で口もきけないのだ。しかし意識障害は全く無い。  
 他の老人たちの中には、動けない俊雄の部屋を訪ねて色々話しかけてくれた人もいたようだが、何しろ俊雄の偏屈さ、気難しさといったら並大抵でなかった。  
 口がきけないのは仕方がないとしても、顔をそむけたまま、差し出した菓子にも手をつけないといった有様で、今では誰からも相手にされなくなっていた。  
 多部田俊雄、七十八歳、元陸軍少佐、多部田商事を夫婦養子に任せて引退、今は見舞いさえ来なくなって久しい孤独な余生を送っていた。  
 ところがこの偏屈爺さんが、若菜にだけは相好を崩して接し、それは孫娘に対するというよりも、自分の方が幼児になってしまったような甘えぶりであった。  
食事も、若菜が運んでやってそばに居ないと食べなかったし、半身不随とはいえ今まではベッドについたトイレの操作ぐらい自分でできたのに、今では全部若菜に任せきりであった。  
 個室はさすがに最高級で、ベッドも全自動で真ん中に排泄用の口が開くようになっているのだ。またスイッチひとつで上半分がせり上がって背もたれにもなる。  
 それが今では、操作さえ全部若菜がしてやらなければならなくなってしまった。  
 
 「一体どうやってあのお爺ちゃん手馴づけちゃったの?」  
 同僚看護婦が目を丸くして訊いてきた。長く老人を相手にしてきたのに俊雄だけは手におえず、多少の嫉妬もあったのだろう。  
 「別に、ただ相性が良かっただけじゃないかしら」  
 若菜は、あなたがブスだからよとも言えず、そう答えておいた。  
 「ひょっとして、アソコをモミモミしてやったんじゃないの?」  
 オールドミスがイヤらしい笑みを浮かべて訊いてくる。  
 「まさか、もう歳だし、興奮させるのはあの病気にいけないんでしょ?」  
 「ううん、そんなことないんだって、とくにあの患者の場合は、長いこと仕事一筋で人にも自分にも厳しくしてきたから、その反動がきてるって先生言ってたわ。今からでも楽しさを知ったら簡単に治っちゃうかもしれないわよ」  
 そんな話をした後だった。若菜は、俊雄がやり手の実業家だったと聞いているが、そんな印象はなく、むしろ田舎で猫と一緒に日なたぼっこでもしている可愛いお爺ちゃんに思えた。  
 中肉中背で、今は多少太り気味になっていて白髪もだいぶ後退していた。  
 しかしそういえば、俊雄は若菜を熱っぽい目で見つめたり、排泄の世話の時もうっとりとしていることが多かった。見た目にははっきりわからなかったけど、もしかしたらその時ちょっぴりペニスを硬勃起していたのかもしれない。  
 「さあ、オシッコは出たかな………」  
 若菜は幼児に唄いかけるような口調で言いながら俊雄の毛布をはいで、最近ではすっかり馴れてしまったオシメを外してやった。  
 「あら、まだ出てないの? いいわ、したくなったら中でしちゃいなさいね」  
 若菜は言いつつ俊雄のしなびたペニスを軽くつまみ、キュッキュッと挨拶程度に揉んでから、オシメをまた元通り着けてやろうとした。すると、ペニスがみるみる容積を増して、ムクムクと鎌首をもたげはじめてきたのである。  
 「まあ! お爺ちゃんのくせにイケナイこと考えてるの?」  
 
 若菜が子供の悪戯を咎めるように言うと、俊雄は照れ笑いするように口元を歪めていた。  
 そして彼はことさら、勃起したペニスを若菜に見せつけるように腰を突き上げた。不完全ながら、赤黒い亀頭に血液が集まって光沢を放ち、動きに合わせてヒクヒクと震えた。  
 「自慢してるの? あたしに見てほしいのね?」  
 若菜が笑みを含んで訊くと、俊雄はウンウンと頷いた。さらに俊雄は小刻みに震える手を伸ばしてきて、若菜の手のひらを掴み、指で字を書いてきた。  
 以前にも、こうして筆談をしたことがあった。紙と鉛筆よりも、俊雄はこうして若菜の手のひらに書くのが好きなのだ。  
 イヤデナカツタラ、モンデホシイ………  
 「イヤじゃないわ。してほしいなら、もっと早く言えば良かったのに」  
 若菜はクスッと笑い、右手で老人の陰茎をつまんで、やわやわと動かしてやった。  
 左手は俊雄の手元に、筆談用に伸ばしておいてやった。  
 キミハシヨジヨダラウニ、ヘイキナノカ………  
 俊雄は悪戯心で要求したものの、若菜があっけらかんとしてくれるので戸惑ってきたようだ。しかし若菜も俊雄のカタカナと旧かなづかいに戸惑いながら、彼の前では処女でいようと思った。  
 「あたしは平気よ。でも他の人には絶対しないわ。お爺ちゃんが好きだから。だから誰にも秘密よ。それから、遠慮しないで、してほしいことは何でも言うのよ。どんなにヘンなことだってちゃんとしたげるからね」  
 モツトツヨクモンデ………  
 「ふふ、気持ちいい?」  
 若菜は三本の指で亀頭をつまんで、軽くひねるように動かしたり、陰茎全体を手のひらに包んで優しくニギニギしてやった。たまに、若菜の手のひらの中で、陰茎がヒクヒクと息づいた。  
 俊雄はとくに息を弾ませるでもないが、じっと恥ずかしくなるほど若菜の顔を見つめていた。  
 「お爺ちゃんのコレ、もう何人の女の人を知っているの?」  
 ヒトリ………  
 
 「まあ! 奥さんだけ? 信じられない、昔の人ってみんなそうなの………?」  
 ニンゲンニヨル………  
 「それはそうだろうけど………」  
 若菜は指を動かしながら、驚きに目を丸くしていた。  
 自分は処女だと嘘をついたが、彼が一人の女性しか知らないというのは本当だろう。若菜は可哀相な気がして、もっともっと楽しませてやりたい気がした。  
 奥さんといっても同じ時代の人なのだから、あんまりフェラチオとかバックとか、大胆なことなどしていないだろう。それに話を聞くと、俊雄は十代前半から陸軍幼年学校に入っていて、まったく女性のいない世界で暮らしていた。  
 将校になっても同僚のように商売女の居るところには泊まらなかったし、親のすすめで見合い結婚しただけで、戦後になってからも完全なカタブツで通っていたようだった。  
 結局奥さんとの間に子供はできず、親の遺産を元に事業をはじめたものの、後継ぎがいないので二十年前に遠縁から夫婦養子をもらったのである。  
 その夫婦養子も俊雄が寝たきりになると手のひらを返したように冷たくなり、長年連れ添った老妻も二年間、一足先に鬼籍に入ってしまった。  
 戦い続け、耐え続けてきた俊雄に鬱屈した欲望が、いま、この陰茎の中でたぎっているように若菜には思えた。いやいや、若菜は単にイヤらしいことが好きでたまらなかっただけだった。  
 「ね、お爺ちゃんは最後に奥さんとしたのいつ?」  
 カレコレ、シハンセイキニナラウカ………  
 「二十五年もしてないのお………!? 自分の手でも? 夢精は少しだけ? じゃもう出ないかなあ………」  
 デヌカワリニ、エンエントタノシミハオハラヌ………  
 俊雄は、ニヤニヤ笑いながら若菜の手のひらに書いた。この歳になって欲望に悶えて、彼なりの苦悩があるようだった。  
 若菜は指を動かし続けた。しかし俊雄の陰茎は、一定の硬度を保ったまま、それ以上の変化はいつまで経っても見られなかった。  
 ミタイ………  
 
 「え………?」  
 キミノアソコガミタイ、ダメナライイ………  
 「ダメじゃないわ。あたしのでよければ、見せたげる」  
 若菜が言うと、俊雄の陰茎がビクンと脈打った。俊雄も、筆談だと口に出せないことも大胆に伝えることができるようだった。  
 若菜も、彼に恥をかかせないように、少しも考え込まずに即答した。そのため俊雄も言ってよかったと思うだろう。まあそれが後に、どんどんエスカレートしていくようになるのだが………。  
 若菜は彼の陰茎から指を離し、ドアに近づいて誰も来ないか確認した。まあ、まず誰も来ることはないだろう。回診まではまだまだ時間があるし、看護婦や暇な老人患者たちも俊雄を苦手としているからだ。  
 若菜は白衣の裾をまくり上げ、ためらいなく、手早くパンティを降ろして足首から抜き、丸めてポケットに入れてしまった。これなら、咄嗟の場合でもノーパンだということに気づかれない。  
 「見て、良かったら触ってもいいのよ」  
 若菜は立ったまま、俊雄の顔に向け、おヘソまで見えるほど裾をまくり上げてやった。  
 むっちりとした張りのある白い肌に、黒ぐろと群生した恥毛が見え、窓から射す午後の光に艶々と輝いた。俊雄は顔を横に向けながら、ゴクリと生唾を飲んで目を凝らした。  
 そして、水分が抜けきったような手を伸ばしてきて、手のひらでシャリシャリと恥毛を撫ぜた。  
 「見える? こうしたほうがいいかしら」  
 若菜は靴を脱いで、片脚だけベッドの端に載せた。ちょうど高い位置に片膝立てた形で、俊雄からは桃色のワレメまでハッキリと見ることができた。さらに若菜は片方の指を当てて、そのワレメを押し拡げてやった。  
 パックリと陰唇が開いて、ほんのりヌメリを帯びた内側の粘膜が覗き、差し込む西日がヒクヒク息づく膣口までもクッキリと照らしだした。  
 若菜は、じっと見つめられてちょっぴり濡れてきそうになってしまった。何だか大胆にふるまえばふるまうほど、純粋なお爺ちゃんが喜び、また驚いて目をみはるのが心地よかった。  
 
 「ほら、よく見えるでしょ? 遠慮しないでもっといじって。ここが感じるの、クリトリス、昔はなんて言ったの?」  
 サネ………  
 俊雄は指をワレメに這わせはじめ、クリクリとおサネを愛撫した。そしてまた筆談をはじめる。今度は若菜の内腿に書くため、若菜はくすぐったくて判読に苦労した。  
 ヨメイリマヘノムスメノココ、ハジメテミタ………  
 「あ、そうか、奥さんとは結婚してからだもんね………」  
 カホニマタガツテホシイ………  
 「まあ、だんだん大胆になるのね。でもあたし、動き廻ってるから汗の匂いするかもよ」  
 イイ、ニホヒカギタイ、シカシハジメテミラレテ、ハズカシサガマンデキルカ………  
 「う、うん………、お爺ちゃんにらなら見られても平気よ………」  
 俊雄はあくまで、若菜が処女で、まだ誰にも秘部を見られたことがないと信じているようだった。やがて若菜は両脚とも靴を脱いで、ベッドの上に上がった。そして俊雄の顔を跨いでしゃがみ込んでやった。  
 軍隊時代も実業界でも、多くの部下を顎で使っていた人物が孫のような小娘に顔を跨がれたのだ。勿論彼にとっては初めての体験だろうし、若菜に会わなければ一生経験せずに済んだことである。  
 若菜もまた、単なるセックス遊戯と違って、何か大変なことをしているように思えてゾクゾクと興奮した。完全にしゃがみ込むと、俊雄の鼻先に若菜の恥毛が触れんばかりに近々と迫った。  
 甘く酸っぱいような、ぬるい女の匂いが彼の鼻腔をくすぐった。  
 「あ………、息が………」  
 若菜は俊雄の息を内腿とワレメの中心に感じ、ピクッと肌を震わせた。  
 そしてよく見てもらおうと、両手の指を当てて陰唇をめいっぱい左右に拡げてやった。  
 と、俊雄が枕元に手を伸ばし、本や新聞を読むときに使う大きな虫メガネを取って若菜の陰唇に向け、シゲシゲと観察をはじめた。  
 「あん………、そんなので見るの………? 恥ずかしい………」  
 
 若菜は身をくねらせながら、それでも開いた陰唇を閉じたりせずに、次第にねっとりと潤いはじめたワレメから指が滑らないように何度か奥へと当てて開き直した。  
 手相見が使うような大きなレンズに、若菜のワレメが大写しになった。  
 ヌメヌメしたピンクの粘膜がアップになり、張りのある縦長の唇が左右に押し拡がっている。その小陰唇が上で合うところに、真珠のようにツヤツヤしたクリトリスが包皮を押し上げてつんと勃起し、俊雄の呼吸に芳しい若草が微かにそよいでいた。  
 「見るだけ? いいのよ、好きなようにして………」  
 若菜が囁くように言うと、俊雄はワレメの中に指を這わせて粘膜をそっと愛撫しはじめた。  
 「ああっ………、濡れてきちゃう」  
 優しすぎる指の動きに、若菜は演技でなく喘ぎはじめてしまった。  
 膣の中に指がゆっくりと侵入してきた。様子を探るように浅く、入口付近をコチョコチョ蠢いて、愛液をまといつかせながらさらに奥の方に入ってきた。  
 しかし若菜を処女と思い、あくまで遠慮がちに触れ、それが却って若菜を燃え上がらせた。俊雄はヌメッた指を抜いてクリトリスをいじりはじめた。  
 「あうう………、気持ちいい………」  
 処女のふりをしながらも、若菜はどうしようもなく喘ぎが洩れてしまった。そして、しゃがみ込んでいる脚がグラグラして、ややもすればギュッと俊雄の顔に坐り込みそうになった。  
 しかし俊雄は顔を逆に持ち上げて、若菜のワレメに唇を押しつけてきたのだ。  
 「あんっ………! 舐めてくれるの………?」  
 若菜は拒まず、体重をかけて坐らぬように注意し、舐めやすい位置まで腰を沈めてやった。俊雄の舌がクネクネと微妙に蠢き、やがてタップリと愛液の溢れたワレメに唇全体でチュッと吸いついてきた。  
 「あ………、もっと、強く吸って………」  
 若菜は艶めかしく腰をくねらせながら悶えた。  
 
 俊雄は両手でしっかりと若菜の腰を抱え込み、貪欲にチュウチュウ音を立てて吸い続けた。それはまるで、若い女性のエキスを吸収して、自分も若返ろうとするかのような激しさであった。  
 鼻のまわりもビチョビチョにさせながら、俊雄の舌がまんべんなく若菜の敏感な粘膜に這い廻った。クリトリスをくすぐり、膣の中に潜り込み、果ては唇で陰唇を挟んで口の中へチュッと吸い込んだ。  
 「あう………!」  
 若菜はビクッと下腹を震わせた。俊雄の歯のない口に吸い込まれ、ヌメつく歯茎で陰唇をマッサージされると、どうしようもなく身悶えてしまった。  
 さらに俊雄は顔を若菜の股間に潜り込ませ、お尻のワレメのほうにまで唇を寄せていった。  
 「あん………、ダメ、そんなとこ舐めちゃ汚いわ………」  
 若い男相手なら、トイレから出てすぐに舐めさせたって何とも思わないのに、やはり人生の大先輩と思うと、若菜はちょっぴり気が引けた。  
 しかし俊雄は若く美しい処女(?)の全てが愛おしくてならないのか、若菜の身体のどんな匂いも回春剤といわんばかりに、アヌスに鼻を押し当ててクンクン鼻を鳴らして嗅いだ。  
 そしてアヌスの可憐な蕾にチロチロ舌を這わせ、ピンクの襞を唾液でヌルヌルにした。  
 「あ………、くすぐったい………」  
 若菜は俊雄の舌の刺激に、ヒクヒクとアヌスを収縮させた。俊雄は思い出したように伸び上がって、ワレメ一面にタップリ溢れ、今にも滴りそうになっている愛液をすすった。  
 「あん………、もう堪忍………」  
 若菜はとうとう腰を上げてしまった。このままでは本格的に悶えて、我を忘れて俊雄の顔に坐り込み、激しく股間をこすりつけて、動けない彼を窒息させてしまうかもしれない。  
 若菜はハアハア息を弾ませて、ようやくベッドから下りた。そして俊雄の、ビチョビチョになった鼻や唇のまわりをタオルで拭いてやった。  
 さらに俊雄の陰茎をしまってやろうとして若菜はびっくりした。不完全だった陰茎がなんと、若々しくピンピンに青筋立てて勃起していたのだ。  
 
 「まあ! お爺ちゃんすごい………」  
 若菜は溜息交じりに呟いた。若い女体のエキスを吸って効果てきめん、四分の一世紀のあいだ抑圧されていた分がいま解き放たれ、完全に若さを取り戻してしまったようだった。  
 若菜は思わず陰茎を慈しむように手のひらで包み込んだ。やわやわと陰嚢に触れると、シワシワの袋の中でふたつの睾丸がゆっくりと蠢き、まるでザーメンの製造を再開させたようだった。  
 「いっぱい舐めてもらったから、あたしもお爺ちゃんにお返ししてあげる………」  
 言いつつ若菜は顔を寄せて屈み込み、丸く口を開いて、そのカチンカチンになっている亀頭をすっぽりと含んでやった。  
 「ウウン………」  
 びっくりしたような俊雄が低く唸り声を上げ、若菜の口の中で陰茎をビクンと脈打たせた。若菜は舌を蠢かせて亀頭を舐め廻し、喉の奥まで深く含んではキュッと唇で締めつけながら、頬をすぼめ笑窪を浮かべて強く吸ってやった。  
 案外、昔の人のほうが大きく、筋金が入って硬いのかもしれないと若菜は思った。若菜はスポスポ唇でピストン運動して、陰茎全体をねっとりと唾液にヌメらせた。  
 そしてカリ首の溝に念入りに舌を這わせ、亀頭の先端で縦に割れた尿道口にも舌を差し入れるようにペロペロ舐めてやった。  
 若菜はフェラチオが好きだった。萎えたものを口の中で大きくするのも快感だが、見事に傘の張った亀頭を含み、喉のつかえるほど陰茎を呑み込むと、それだけで全身に快感がじいんと拡がっていくのだった。  
 やがて若菜は唇を締めつけて強く吸いながら、スポンと引き抜いた。  
 「どうする? 出しちゃう? それとも身体に悪いかしら………」  
 ダシタイ、キミサエイヤデナケレバ………  
 「いいのよ、あたしのことは。もっとわがままになって、何でもしてあげるから。それより、口の中がいい? それとも、あたしを二人目の女にする? 遠慮しないで、あたし、お爺ちゃんになら処女捧げてもいいと思ってるから」  
 
 恩きせがましい言い方に多少の後ろめたさはあるが、あくまで処女のままでいたほうが俊雄が悦ぶと思って、若菜は清純なふりをしつづけた。まあ、ここまでくると、とてももう清純とは思えないが。  
 シヨヂヨヲイタダキタイ………  
 「いいわ、じゃ口の中はまた今度ね」  
 若菜は言い、もう一度陰茎を含み、強張りを確かめてからチュッと音を立てて顔を上げた。そして再びベッドに上がって俊雄の股間を跨ぎ、しゃがみ込んで片膝突き、陰茎に手を添えて膣に当てがった。  
 俊雄が少年のように身体を緊張させていた。若菜はゆっくりと腰を沈めていった。充分に濡れた秘腔にヌルヌルと陰茎が侵入してきた。かなりの長刀で、先端は若菜の子宮の入口にまで達した。  
 「あううっ………! すごい………」  
 若菜は上体を反らせ気味にして喘いだ。根元まで呑み込んで、若菜は完全に坐り込んだ。俊雄も顔を上気させて息を弾ませて下から少しずつ、腰を蠢かせはじめていた。  
 とくに俊雄が無理をしたり、危険な兆候は全く見られなかった。むしろ驚くほど血色は良くなっているし、何よりも陰茎の雄々しさが身体の良好状態を表していた。  
 若菜も、少しずつ腰を上下に動かしはじめていった。俊雄は喘ぎこそしないが、じっと快感を噛みしめているようだった。そして硬度はそのまま、すぐに果てることはなく、むしろ若菜のほうが参りそうになっていた。  
 「ああっ………! もうダメっ………!」  
 若菜はガクンガクン上体を振る運動をはじめていた。二人分の体重にベッドがギシギシ悲鳴をあげるように軋み、ようやく俊雄がヒクヒクと身体を震わせた。  
 「アウウ………」  
 俊雄が喘ぎ、老人とは思えない勢いで、若菜は膣の奥に熱い迸りを感じた。彼の痙攣が治まるまで若菜はゆるやかに腰を動かし続け、やがて力を抜いた。かろうじて若菜は昇りつめずに済んだ。  
 若菜にしてみればとことん絶頂を味わいたいところだったが、それでは処女でないとわかってしまう。もう気づかれているかもしれないが、互いに口には出さず、心地良い錯覚に浸ったままでいたかった。  
 
 若菜は動きを止めて、俊雄の陰茎をしごくように膣を締めつけてゆっくりと引き抜いていった。そして片足上げて、バイクから降りるようにベッドから下りた。  
 若菜はティッシュを股間に当ててザーメンが漏れる前に受け、俊雄の陰茎も拭いてやった。  
 「大丈夫だった? どこも苦しくない?」  
 若菜が訊くと、俊雄はすっきりした顔で頷いた。陰茎はしばらく勃起したままで、若菜が拭いてやっているうちは一向に萎える気配を見せなかった。  
 イタクナカツタカ、チハデナカツタカ………  
 「う、うん………、ちょっと痛かったけど、出血はしなかったわ。でもお爺ちゃん、とってもすごいのね」  
 ツギハイツシテクレルカ………  
 「無理しちゃダメよ、二十五年ぶりなんだから。あたしはいつでもいいから、お爺ちゃんがしたくなったら呼んでね」  
 イツデモデキル、イマスグデモ………  
 「まあ! 今はダメよ。少し休憩しなくちゃ。あら、また立ちはじめてる。とにかく今日はこれでナイナイしましょうね」  
 若菜は俊雄の寝巻の裾を直してやり、もの足りなげに若菜を見つめる俊雄を置いて病室を出た。  
 
 −−いったん抑圧が取り除かれると、俊雄は日毎に欲望をエスカレトートさせていった。若菜は、眠っていた性欲の亡者を目覚めさせてしまったようだ。  
 いかに俊雄が性欲の塊で、しかもそれを抑えつけた人生を歩いてきたか、若菜にはまるで理解できなかった。欲望を口に出すことの恥ずかしさ、仕事一筋で生きている矜持、硬派の誇りを引きずったまま今日まで来てしまったようだ。  
 それが、病気の心細さ、意識の混乱、若菜の導きなどによって一気に爆発してしまったのだ。それはあたかも、抑圧しつづけた自分の人生を取り戻そうとするかのような激しさであった。  
 急に性欲に目覚めたのではなく、きっと俊雄はもともとイヤらしいことが大好きで、その満たされないエネルギーを仕事に向けていたのだろう。それを今、我慢することを止めたのだろうと若菜は思った。  
 しかし俊雄は、さすがに射精が身体の負担であることに気づき、放出は何日に一回と決めたようだ。まあ俊雄ぐらいになれば射精などせず、若い若菜に接するだけでえんえんと楽しめるのである。  
 その代わりに、若い女のエキスを吸収しようと、唾液や愛液を求めるようなフェティシズムにのめり込むようになってしまった。勿論若菜は時間の許すかぎり、どんな恥ずかしいことでも、俊雄の希望をかなえてやっていた。  
 
 そんなある日、若菜の居る詰め所に、俊雄の孫娘、市川寛子が訪ねてきた。  
 「あの、お爺ちゃんが変なんです………」  
 寛子は十二歳、区立中学の一年生である。  
 俊雄の夫婦養子にできたいちばん末っ子で、実際の血縁関係は無いに等しいが、年寄り思いで気立ての優しいところから、俊雄が冷たい身内たちのなかで唯一気を許し溺愛している少女だった。  
 長い髪はツヤツヤとして、小麦色の肌に産毛が輝き、目元のクッキリとした美少女だった。学校の帰りに真っすぐ来たらしく、白い半袖のブラウスに濃紺のスカート、襟元で蝶むすびにした細く赤いリボンが可愛らしかった。  
 「どうしたの? お爺ちゃんはどんどん良くなっているのよ。回診の先生が驚いているみたい。さっきも会ってきたけど、変なところなんかないはずだけど」  
 「いえ、あの、身体のことじゃないんです………」  
 寛子は恥じらい、何やらひどく言いにくそうだった。若菜は寛子と一緒に詰め所を出た。他の看護婦が居ては言えそうもないようだったからだ。  
 二人は廊下をゆっくりと歩き、俊雄の病室へと向かった。  
 「言って。お爺ちゃんがどうしたの?」  
 若菜は歩きながら訊いた。寛子は俯いてさんざんためらい、やがて唇を湿らせて、ようやく決心したように口を開いた。  
 「お爺ちゃん、あたしの手のひらに、こう書いたんです………」  
 寛子は若菜の手を取り、指で字を書いた。口に出して言うのが恥ずかしかったのだろう。  
 「ツバノマセテ………、ああ、寛子ちゃんの唾液が飲みたかったんでしょう」  
 若菜は何事もないように笑って言った。  
 「やっぱり、そういう意味だったんですね………、あたし、そんなこと恥ずかしくてできません。汚いのに、どうしてそんなことを………」  
 「可愛い寛子ちゃんのものなら汚くないのよ。それに、きっと喉が渇いたんでしょ」  
 
 「だって、お水あげようとしたらいらないって………」  
 まだ何の汚れもない寛子には、男のフェチ願望などとても理解できないだろう。  
 「それにね、水は身体に悪いけど、唾液は同じ人間から分泌されるものだから身体にいいのよ」  
 「綾崎さんも、お爺ちゃんに飲ませてあげるんですか?」  
 「お爺ちゃんが言ったの。この世で若い女のしか飲みたくないって」  
 若菜が言うと、寛子は可哀相なほど戸惑いと羞恥に身をクネらせた。  
 「でも、それだけじゃないんです」  
 「まだ何か言われたの?」  
 「こんなことを………」  
 寛子はまた若菜の手のひらに書いた。  
 「カホマタイデ………、ああ、これも寛子ちゃんの全てが見たかったのね」  
 「だって、そんな、恥ずかしいわ………」  
 「いい? お爺ちゃんが好きだったら、どんなことだって聞いてやらなきゃダメ。あなただけが、お爺ちゃんを慰められるんじゃないの」  
 若菜は少し強い口調で言った。寛子はハッと息を呑み、羞恥と絶望に今にも泣きそうになっていた。  
 若菜はゾクゾクと妖しい嗜虐欲が湧き上がり、ひそかに舌舐めずりした。何の苦労もない大金持ちの箱入り娘、その汚れない処女をとことん欲望の泥沼にズブズブ沈めてやりたい気がした。  
 だいいち、俊雄自身が望んでいるのである。  
 所詮、老人が孫娘に寄せる愛情には、ドロドロした性欲が秘められているのかもしれない。しかも今の俊雄は全ての歯止めがなくなっているし、無意識に、冷たい養子夫婦に対する恨みがあるのではなかろうか。  
 寛子は実の父親でさえはっとしそうなほどの美少女だし、それに寛子は俊雄の実の孫ではないのだ。  
 俊雄が性欲をむき出しにしてから、身体が快方に向かっているのは確かだった。病気に性欲がいけないなどという一般論は通用しなかった。  
 
 一人一人、身体が違うのだから、いけないとされていることが快方に向かうきっかけになる例が病院内にはいくらでもあった。やがて二人は俊雄の病室に入った。  
 俊雄が満面に喜色を浮かべる。寛子の表情を見て、一瞬にして俊雄は若菜の共犯めいた意図を察したようだった。  
 「さあお爺ちゃん、もう甘えていいわよ。寛子ちゃん何でもしてくれるって」  
 若菜が言うと、俊雄の股間がビクンと動くのが、毛布越しでも若菜にははっきりとわかった。若菜はベッドの反対側に廻って俊雄に手のひらを差し出し、メッセージをいちいち寛子に伝えることにした。  
 勿論、ことさらに寛子の羞恥を煽るため、メッセージをデッチあげることもするが、、それとて俊雄の希望にそれほど遠くないはずだった。  
 「なあに、寛子ちゃんのツバ飲みたいの? わかったわ。さあ寛子ちゃん」  
 若菜が促すと、寛子はとうとう観念して、俊雄の枕元に近づいた。  
 「お願い、綾崎さん、パパにもママにも、誰にも言わないでね………」  
 寛子は若菜にそう言い、俊雄の顔に屈み込んだ。さらりと流れかかる髪を手で押さえ、愛らしい唇をすぼめる。そして長いことためらいながら、口に溜めた唾液をタラーリと垂らした。  
 小泡の多い白っぽい唾液がキラキラと光り、下で口を開けて待っている俊雄の口のなかに落下した。しかしお上品なほどちょっぴりの量だった。  
「寛子ちゃん、もっとたくさん欲しいって。レモンをかじること考えて、口いっぱいにツバ溜めなさい」  
 言うと、寛子ははしたない行為に涙ぐみながらも、必死になって再び俊雄に顔を寄せていった。  
 そして今度はもっと多く、美少女の清浄な唾液をグジューと注ぎ込んでやった。俊雄は美味しそうに口の中で味わい、ゴクリと喉仏を上下させて飲み込んだ。  
 「美味しい? 良かったわねえ、願いがなかって。え? 次はなあに?」  
 若菜は俊雄の筆談を読み、寛子に向き直った。  
 
 「やっぱり、寛子ちゃんのアソコが見たいんだって。可哀相だけど、願いを聞いてくれる?」  
 「でも………」  
 寛子は下を向いて唇を震わせていた。その可憐な風情に、若菜自身のいけない欲望がムラムラと頭をもたげてきた。  
 「さあ、恥ずかしがらないで。お爺ちゃんを治せるのは寛子ちゃんだけなのよ」  
 若菜はムチャクチャ言いながら、寛子の紺のスカートをまくり上げてしまった。  
 「あっ………!」  
 寛子が声を上げ、それでも抵抗できず、されるままになっていた。  
 若菜は寛子の白いパンティに指をかけ、健康的にむっちりとした太腿へとズリ降ろしてしまった。やがて若菜は寛子を椅子に坐らせ、パンティを両足首から抜いてしまった。  
 「さあ、まずあたしに見せてね。脚を開いて」  
 「ど、どうして………?」  
 寛子はしきりに膝頭を合わせるが、強引に若菜の手で拡げられてしまった。  
 「だって、お爺ちゃんはきっと寛子ちゃんのアソコを舐めたがるわ。汚れてるといけないから検査しておかなくちゃ」  
 「ああん………、そんなのいや………」  
 「ダメよ、さあ両脚を抱えて、よく見えるように」  
 若菜は椅子に坐った寛子の前にしゃがみ込んだ。  
 とうとう寛子はポロリと涙をこぼしてしまった。それでも仕方なく両手で脚を抱え、若菜の目の前で脚をM字型に開いた。俊雄が顔をこちらにねじ曲げて、眼をギラギラさせて興味深そうに眺めていた。  
 まくれ上がったスカートの中から、ふんわりしたと甘ったるい思春期の体臭がゆらゆらとぬるく漂った。女の若菜でもうっとりと酔いしれる薫りだった。股間の中心は、縦割りにした桃の実のようだった。  
 ぷっくりとしたヴィーナスの丘には、うっすらと霞んだような若草がほんのひとつまみだけ煙っていた。まだ産毛と紛うばかりに、生えはじめたばかりの柔らかさ、線の細さであった。  
 
 ワレメの方も初々しく白い肌色のまま、何の黒ずみも色素沈着もなかった。脚を開いているため、ワレメの縦線が僅かに開き、果汁の多そうなピンクの果肉が覗いていた。若菜は指をV字に当ててさらに開いてみた。  
 「あ………」  
 寛子の肌がピクッと震え、ちょっぴり汗の匂いの混じった体臭がゆらめいた。小さめの小陰唇をめいっぱい左右に拡げると、ぽつんとしたクリトリスと、指一本がやっとの膣口が見えた。  
 膣口のまわりは処女膜が入り組み、さらに下ではピンク色した可憐なアヌスがおののくように襞を震わせていた。若菜は完全に陰核包皮をむいて、露出したクリトリスにチョンと触れてみた。  
 「あうっ………!」  
 寛子がまた肌を震わせた。  
 「感じる? オナニーしてるの? バイ菌がついてるといけないわ」  
 「し、してません」  
 「でも一応ツバで消毒しといてあげる」  
 若菜は息が荒くなるのを抑えながら、寛子のワレメにピッタリと唇を押しつけた。  
 「あっ………、い、いやっ………!」  
 寛子が腰をクネらせてもがき、若菜は少女の初々しい匂いを胸いっぱいに吸った。ぷっくりした恥丘にギュッと鼻を押しつけ、舌をワレメに這わせてやった。  
 磯の香に似た残尿臭がふっくらと蘢り、小陰唇の内側の粘膜はちょっぴりしょっぱい味がした。  
 「オシッコ臭いわ。ちゃんと丁寧に拭いてる? お尻の穴はどうかしら。お爺ちゃんが舐めても大丈夫なほど綺麗になってるかな………」  
 「ああん………、もうやめて………、いや………」  
 寛子は激しい羞恥と、生まれてはじめて敏感な部分を舐められた衝撃に、涙声でむずかりながらクネクネと身悶えた。  
 若菜はサディスティックな興奮にゾクゾク胸を震わせながら、さらに屈み込んで、両の親指で寛子の尻のワレメをむっちりと押し拡げた。鼻を当てると寛子の恥ずかしい匂いがした。  
 
 若菜は蕾の襞をそっとくすぐるように舌で微妙に触れ、さらに潜り込ませてヌルッとした粘膜を舐めた。  
 「あ………、ああっ………!」  
 寛子は、もう何が何だかわからなくなって、ただ切なげに身をよじり喘ぎ続けた。若菜は再び、アヌスから陰唇に戻り、まだどんな機能があるのかも充分にわかっていないクリトリスに吸いついてやった。  
 「くうっ………!」  
 寛子が激しく呻き、ギュッと若菜の顔を内腿で挟みつけてきた。若菜は小刻みに舌を蠢かし、クチュクチュと執拗にクリトリスに愛撫を集中させた。  
 そして舌を幼い膣に潜り込ませてやる。ちょっぴりと、自分の唾液だけではない、ねっとりとした酸味のあるヌラヌラが滲みはじめてきた。  
 オナニーを知らない処女でも、十二歳ともなればクリトリスへの刺激にどうしようもなく蜜が溢れてきてしまうのだろう。  
 「ウウーン………」  
 見ていて待ちきれなくなった俊雄が、催促するように唸り声を上げた。  
 若菜もようやく顔を上げた。寛子はぼうっと上気した顔で、ただわけもわからずハアハア喘いでいるだけだった。  
 「さあ、臭い匂いも汚れもなくなったわ。安心してお爺ちゃんに舐めてもらいなさい」  
 若菜が羞恥を煽るように言っても、寛子は魂を吹き飛ばして何の反応も示さなくなっていた。仕方なく若菜が寛子を椅子から立たせ、身体を支えながら俊雄のベッドまで運んでやった。そしてベッドに押し上げて俊雄の顔を跨がせてやった。  
 「ほら、しっかりして。お爺ちゃんが窒息しちゃうから、ギュッと坐り込んじゃダメよ」  
 若菜が言いながら、寛子の股間を俊雄の口にあてがってやった。そして自分は俊雄の下半身に廻り、毛布をはいで陰茎を露出させてやった。もうすっかり、俊雄の陰茎ははちきれそうなほどピンピンに勃起していた。  
 「ああっ………、お、お爺ちゃん、そんなに舐めちゃダメ………、あうっ………!」  
 
 寛子の喘ぎが続いた。それに交じって、俊雄のピチャピチャという舌舐めずりの音が聞こえていた。  
 俊雄はしっかりと寛子のお尻を両手で抱えて、息を弾ませながらワレメの奥のほうまで舐めているようだった。そこは若菜の唾液にまみれ、寛子自身の愛液もじくじくと滲み続けているだろう。  
 寛子はガクガクと身体を波打たせながらも、ペタリと坐り込まないよう必死に両膝に力を入れていた。  
 「さあ、寛子ちゃん、こっち向いて、そう、舐めてもらいながら」  
 若菜が言い、寛子を支えて股間を中心に百八十度反転させた。俊雄は口をズラしてアヌス舐めに移ったようだ。  
 「見て、初めてでしょう? お爺ちゃんの、おっきいでしょう」  
 若菜は向き直った寛子に、俊雄の陰茎を見せてやった。赤黒い亀頭の先端からは透明な粘液がうっすらと滲みはじめていた。  
 「あん………」  
 股間を舐められている衝撃のなかでも、はじめての男性器は寛子にとって眼を見張るものだったようだ。あわてて顔をそむけた寛子を屈み込ませ、若菜は強引に陰茎に顔を押しつけてしまった。  
 「い、いやあん………!」  
 寛子が必死に顔をそむけようとする。  
 「ダメよ、自分だって舐めてもらってるんだから。さあ、拭いたばかりだから綺麗よ。安心しておしゃぶりしてあげなさい」  
 若菜は陰茎を指で支えて、唇に押しつけてやった。  
 「アウ………! クッ………!」  
 とうとう苦しげに開いた口に押し込まれ、寛子は息を詰め眉をひそめた。  
 「さあ舐めてあげて。あたしもいつまでお爺ちゃんの担当でいられるかわからないから、これからはあなたがお爺ちゃんを慰めてあげるのよ」  
 若菜は、寛子が顔を上げられないよう押さえつけながら言った。と、寛子の股間を舐め続けながら、俊雄が若菜の手のひらにメッセージを送ってきた。  
 ダシタイ………  
 「そう、いいわ、そろそろ溜ってるもんね。で、寛子ちゃんの口に出す?」  
 
 ホンタウノ(本当の)シヨヂヨガホシイ………  
 判読して、若菜はクスッと笑った。  
 「多分、痛がって動いてくれないわよ。でも、一応入れてみようか」  
 若菜は寛子の顔を上げさせ、再び反転させて俊雄の陰茎を跨がせた。  
 「さあ、すぐ済むからね、ガマンするのよ」  
 若菜は、ふらふらと頼りなくなっている寛子を支えながら、ヌメヌメになっている陰唇に亀頭をあてがった。  
 「いいわ、おもいきり坐りなさい」  
 若菜が寛子の肩を押し下げると、ズブッと陰茎が潜り込んだ。  
 「アウウッ………!」  
 寛子が呻き、ビクッと身体を強張らせた。俊雄が寛子の腰を抱え、懸命に下から腰をギシギシ突き上げるが、寛子は死に物狂いでもがいていた。  
 「い、痛いっ………! いやっ、ダメ、死んじゃう………!」  
 「無理ね、出血してるわ。もう少し成長するまで待ったら? 入れたんだから処女は奪ったし、射精は口にしたほうが今は気持ちいいわよ」  
 若菜は寛子の股間を覗き込みながら言った。俊雄は諦めて腰の動きを止めた。若菜はグッタリとなった寛子を起こして、その顔をまた俊雄の陰茎に屈ませた。  
 「アウ、グッ………!」  
 喉の奥まで含まれた瞬間、充分に高まっていた俊雄は絶頂に達したようだ。寛子が口の中いっぱいに拡がる生臭いザーメンにむせ返り、苦しげに呻いた。  
 「飲むのよ、全部」  
 若菜は顔をしかめて吐きそうになっている寛子に命じ、自分は寛子のお尻に廻って、ちょっぴり血が滲んでいる陰茎をペロペロ舐めてやった。………  
 
完  
 

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