僕は大阪にやってきた。今日は通天閣の前で14時に待ち合わせだ。
僕の姿を見つけた夏穂が声をかけてきた。
「いたいた!」
僕が振り向くと、少し心配そうな顔で、
「・・・久しぶり・・・。なんか、疲れてない?」
「大丈夫、大丈夫。ちょっと昼食を食べ忘れただけさ」
実は新幹線の中で寝込んでしまい、昼食を食べていない。
「だったらいいけど・・・」
少し安心した表情になって、
「ちゃんと来られたね、えらいえらい」
にこにこした、と言うか、なんとなく嬉しそうな顔になった。
僕は微笑みながら、
「今日はどこへ行こうか?」
夏穂が間髪入れずに
「おなかすいてるんでしょう?ごちそうしてあげるよ」
嬉しそうに言う。
「え、悪いよ」
軽く微笑んだ夏穂が
「うちのお好み焼きくらい、いつでもごちそうしてあげるよ」
そういって、夏穂の家の方に歩き出す。僕は、
「ありがとう・・・」
とだけ行って、夏穂と歩き出した。
夏穂が『おたふく』の扉を開けて
「ばあちゃん、ただいま!」
元気にあいさつすると、奥の方からも、
「おかえり!出前が入ってるから持っていっておくれ!」
元気な声が返ってくる。夏穂に続けて店に入ると、お好み焼きを焼く音と、良い匂いがする。
夏穂が
「ばあちゃん、今日は東京からわざわざ来てくれた友達がいるんだけど」
「夏穂、いいよ僕は。あと1時間くらいでしょ?どこかにいるから」
おばあさんが手を止めて僕を見たので、僕は、
「私はかまいませんから」
といい、夏穂は
「せっかく遠くから来てくれたんだよ?」
僕らを見ていたおばあさんは、
「じゃあ、うちのお好み焼きを食べてておくれ。その間に夏穂の出前もすむじゃろうから」
夏穂は少しがっかりした顔で
「わたしが焼きたかったのに・・・」
その次の瞬間には笑顔に戻って、
「ごめんね。でもばあちゃんのお好み焼きは大阪で一番おいしいから、食べていってよ」
そう言って、出前を届けにいった。
それからおばあさんにお好み焼きを焼いてもらい、ご馳走になったのだが、出前は続いているみたいだし、お客はたくさん入ってくるので、僕はお店を手伝うことにした。
おばあさんはさすがに悪いと思ったみたいだけど、お客がひくまでの忙しい間だけ、手伝わせてもらうことにした。
お客がひけたので、僕はとりあえず夏穂の家の居間にいることになった。
居間で座っていると、なんとなく眠くなってくる。
お好み焼きはおいしかったし、店の手伝いでおなかがこなれかけて終わったし、最近バイトが大入りだし、授業も休むわけにはいかないし・・・。
そんなことを考えていたら、いつの間にかうつらうつらとしていた。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
しばらくして、
「ねぇ・・・ねぇってば・・・」
肩を軽くたたかれた。見ると、夏穂が僕を起こしていた。僕が
「・・・あ・・・ごめん・・・」
言うと、夏穂は
「寝込んじゃうなんて、どうしたの?」
聞いてきた。
「・・・別に、なんでもないよ」
「本当に?」
「うん」
「本当に?」
「本当に」
しばらく僕の目を見ていたけど、夏穂の表情が温かい笑顔になった。
「本当かな〜?」
僕はその笑顔に目を奪われた。人を和ませる、飾らない笑顔。
ただ心配してくれて、純粋に気遣ってくれているのが、とても嬉しかった。
その笑顔に負けて、つい、
「いろいろと、疲れちゃってさ・・・」
言ってしまった。
途端に夏穂の表情が寂しそうな笑顔になって、
「そうだよね・・・。大阪まで来てくれるのだって・・・」
そんな顔を見ていたくなかった。僕はその言葉をさえぎって夏穂を抱きしめた。
「え・・・」
夏穂ははずかしいのとびっくりしたのとで赤い顔で目を見開いて僕を見た。
「違う・・・。僕は夏穂に会うのが楽しみで大阪に来てるんだ。それは違うよ・・・」
それを聞いた夏穂は、まだ赤い顔をしながら微笑んだ。
「ありがとう・・・。あなたの気持ち、すごく嬉しいよ・・・」
また暖かな日差しみたいな笑顔で僕を見る。
僕が夏穂の目を見て微笑むと、夏穂の顔が曇った。
「わたし、ダメだ・・・。あなたに大丈夫って言われると、大丈夫なのかなって思っちゃう・・・。今だって、そんなに疲れているのに・・・」
そう言って、僕の目の下をそっと指でなぞった。
僕のことを本当に自分のことみたいに考えてくれる夏穂が、とても親しく思えた。
心配そうな顔をしてくれている夏穂に、僕は思い切ってくちづけをした。
「あっ・・・」
頬を染めて無言で僕を見つめる夏穂に言う。
「ごめん。でも僕はどれだけ疲れていたって、夏穂に会いに来るよ。夏穂の笑顔が好きだから。夏穂のことが好きだから!」
夏穂は目に涙をうっすらと浮かべて微笑みながら、
「ありがとう・・・。本当に嬉しい・・・。そんな風に言ってもらったら、わたし、どうしていいのか分からなくなっちゃうよ・・・」
キスで取り去った夏穂の涙は、やっぱり温かかった。
「あったかいね・・・」
僕が言うと、夏穂は目を閉じて、僕にゆっくり近づいた。
"ちゅっ"
涙の引いた目で恥ずかしそうに微笑みながら、
「私のくちびるも、あたたかい?」
「うん。とっても。なんだか夏穂の暖かさをそのままもらったみたいだ・・・」
答えた僕に、また恥ずかしそうに
「そうなら・・・嬉しいな・・・」
そして僕の首に腕を回して、僕のすぐ近くで、
「あなたの暖かさも、感じたいな・・・」
僕は夏穂の頬に手を添え、ゆっくりと、長く、くちづける。夏穂が目を閉じるたびに、何回も、何回も。
そのうちに、体温が上がってきた気がした。
夏穂も少し上気したような表情で、
「あの・・・さ・・・。わたしのこと・・・好き?」
「好きだよ・・・」
夏穂の顔が真っ赤になって、もじもじしながら僕の目を見る。
「・・・」
「・・・」
珍しい夏穂の様子に僕が何も言えないでいると、夏穂が赤い顔のまま寂しそうな表情になって、
「そうだよね・・・。こんな女の子らしくない女の子なんて・・・」
僕は夏穂の唇を優しく奪って、夏穂を強く抱きしめる。
「僕は、夏穂のことすごく魅力的な女の子だと思ってる」
それから小さな声で、
「いいよね・・・?」
夏穂は真っ赤な顔で、それでも嬉しそうにコクンとうなずいて、
「・・・いいよ・・・」
そう言った。
「ありがとう・・・」
「じゃあ、服・・・脱いじゃうね・・・」
夏穂はくるりと後ろを向いた。僕も後ろを向いて、服を取る。
夏穂はゆっくりなのか、きぬずれみたいな音をさせて、一つ一つ着ていたものを置いていく。
その音が終わると、今度は、後ろから、
「電気・・・消してもいいかな・・・」
少し小さめの声で聞いてくる。やっぱり恥ずかしいんだと思った。
「うん。いいよ」
後ろを向いたまま僕が答えると、
「じゃあ、消すね」
と声がした後、照明が消えた。
目が慣れていないのでほとんど見えない。僕は体を動かさずに
「夏穂?」
呼びかけると、僕の方に歩いてきていたらしい夏穂が、すぐ後ろで、
「ここだよ・・・」
言った。目が慣れてきたので振り向くと、すぐ前に夏穂の顔がある。
夏穂は頬を赤らめて、
「暗くても、やっぱり恥ずかしいね」
「じゃあ、僕は目を閉じていようか?」
僕が返すと、
「あはは・・・。無理だよ・・・」
赤い顔で軽く笑った。
「でも、ありがとう・・・」
僕を抱きしめる。夏穂の背中に手を回すと、夏穂がぴくんと震えた。
「怖い?」
夏穂は少し申しわけなさそうに、
「あなただから、嬉しいんだよ。でも、体がこわばっちゃうんだ・・・。ごめんね」
僕はずっと、夏穂を抱きしめた。そのうち、二人ともお互いを抱きしめあって、そのまま時が流れる。いつのまにか、
"とくん・・・とくん・・・"
夏穂の鼓動が僕に伝わってきていた。
僕が微笑んで、
「どきどきしてるね」
言うと、夏穂は恥ずかしそうに答える。
「あなただって・・・」
そう言って、僕の手首を人差し指で軽く押さえる。20秒くらいして、
「ほら・・・1分なら120回・・・。私が走った後より多いよ・・・」
夏穂の指に僕の指を絡めながら、
「だって、夏穂があんまりかわいいから・・・」
夏穂も僕の指に指を絡めて、
「そんなことないよ・・・」
恥ずかしそうに言った。
「夏穂・・・」
僕が名前を呼び、目をじっと見つめると、
「うん・・・」
夏穂は目を閉じる。僕たちはまた、深く深く、くちづけを交わす。
だんだんと夏穂の目が、とろんとしてくる。
「ねぇ・・・」
そう言った夏穂が、僕が目を閉じる前に、僕にくちづけた。
僕を見る夏穂の目が、少し大人に見えた。
次に進む気分になってくれたかなと思った僕は、
「座ってくれる?」
夏穂はゆっくりベッドに座った。僕はまた夏穂の目を見て、キスをする。
と同時に、左手を夏穂の胸にわずかに触れる。
「・・・あ・・・」
そう言った夏穂は目を開けて僕の方を見る。僕も夏穂の目を見ると、
「あ、ごめんね・・・。恥ずかしくって、つい・・・」
僕は自分の心臓に夏穂の手を当てて、
「ぼくもこんなに緊張してる。夏穂と同じだよ・・・」
夏穂はその手を見て、微笑んでる僕を見て、
「えへへ・・・。そうだよね・・・。わたしだけじゃないよね・・・」
そう言って目を細めて微笑んだ。
「じゃあ、続けていいかな?」
「うん・・・」
夏穂はゆっくり目を閉じた。
僕は夏穂の胸に軽く触りながら、ひざの内側を右の手のひらでなでる。
夏穂の声が普段より少し高くなる。
「・・・は・・ぁ・・・」
夏穂の唇を塞いで、右手を少しだけ上の方へずらす。
「・・・あ・ん・・・脚・・・ごつごつしてて・・・女の子らしくないよね・・・」
甘い吐息の後につぶやいた言葉に、僕は少し大きく内側をなでながら聞き返す。
「どうして?」
「・ひゃ・・・あん・・・。わたし・・・走ってばかりで・・・筋肉ばっかり・・・」
僕は脚のつけねに近い辺りを触るか触らないかのところで優しくなでながら、
「こんなにすらりとしてすべすべしてるじゃない・・・」
夏穂の脚がぴくんぴくんと震えて、
「・・・あふ・・・ず・・るいよ・・・。そんなこと言われたら・・・はぁ・・・」
少しうちまたになったけど、もう脚には力が入らないみたいだった。
右手はそのまま続けて、左手は夏穂の肩を抱き、唇からくびすじ、肩、鎖骨、胸までくちづけ続けていく。
キスするたびに夏穂の体から力が抜けていき、顔が赤く染まっていく。
「・・・ん・・は・・あぅっ・・ふぁ・・・あっ・・」
特に胸を重点的になぞると、
「・・・はぁ・・ん!あっ・・はぁあん、あ・いっ・・・」
その声が少し大きくなる。
感じてくれているのかな、そう思った僕はもう少しだけ、夏穂を気持ち良くしてあげることにした。
胸の上でくるくると舌で円を描く。
「あ・・あ・・はぁ・・・」
頂上のつんと出た部分を唇で転がしてみる。
「はぁん!あっ・・ん!は・・あ・・」
夏穂は真っ赤な顔で目を閉じた。もっとその声を聞きたくなって、頂上の部分を唇ではさみ、舌で小刻みに震わせる。
「ひゃ!んっ・・あ・・くふ!・・」
夏穂の声が大きくなり、声も高くなった。
左手から力を抜いて、夏穂をゆっくりと仰向けにする。
自由になった左手で夏穂の胸をゆっくりとなでると、
「はぁ・・・んっ・・・はあぁ・・はあ・・・」
夏穂の声が切ない吐息のように深くなる。
もう一度夏穂にキスをして、胸に置いた手に少しだけ力を入れ、それと同時に右手を夏穂のクレバスに置いて軽くなぞる。
途端に
"ぴちゃ"
という水っぽい音がして、
「ひゃああ!あんっ!・・はぁ・・んんっ・・」
高い声を出した夏穂が腰を引いた。
腰を引くと胸がそりかえって顔が上を向くので、僕はすかさず胸に今までより強い刺激を与え、唇を塞ぐ。
「ひ、あぁんっ・・・あはぁ、あっ・・・あぁーん・・・」
少しくぐもった吐息が僕の耳に響く。
と、夏穂の目が何かを訴えたそうにしている。唇を解放すると、
「わたし・・、わたし、もう・・・おねがい・・・」
夏穂が熱にうなされたような表情で、それでも僕の目をみつめてそう言った。
僕は夏穂の目を見ながら夏穂のを指で前後させてみた。
"くちゅくちゅっ、くちゅくちゅ"
「ひゃ、ひゃあん!いっ・・あっ!あ・んっ!」
水の音と、夏穂の高い声が、僕の耳に届いた。
目をぎゅっと閉じていた夏穂が目を開けると、潤んだ瞳で僕を見つめて言う。
「も、もう・・・おねがいだから・・・いいでしょ・・・?」
僕は微笑みながらゆっくりうなずいて、
「・・・じゃあ、いくね・・・」
と言うと、夏穂はうなずいてまた目を閉じた。
夏穂の気持ちも大丈夫そうだし、見るかぎり、夏穂のも大丈夫そうだ。
そう思った僕は、夏穂の脚を少しだけ動かして、ゆっくりゆっくりと、僕のを夏穂のに沈めていった。
「あうっ!はあぁーーーー!!」
夏穂の高い声が僕を通り過ぎた後、また僕はゆっくりと進める。
夏穂の中が暖かく強く僕のを包み込む。
爆発してしまいそうな高まりをなんとかして抑えながら、夏穂に感情の高まりを与える。僕が入れていくごとに、
「はぁあん、あんっ、い・・あっ、はう・・」
夏穂の声が高く、色っぽくなっていく。ゆっくりゆっくりと夏穂を高めていると、そのうちに僕をちらりとみた夏穂が、
「あふっ」
小さくため息を出して、次の瞬間大きく腰を引いた。
「あぁん!」
夏穂も思わず声を出したみたいだけど、僕もあまりの良さに思わず腰が引けてしまう。
僕が引けた腰を戻したと同時に夏穂の腰も戻って、二人を大きな感情が襲う。
「ひっ!ああーーーー!」
夏穂は大きな声を上げてぴくぴくと体を震わせ、夏穂の中は僕のを強烈に締め付けてくる。
(だめだ!)
わずかに残った思考で、急いで夏穂の中から僕のを出すと、絡み付く夏穂の中が僕に、僕のの動きが夏穂に、一瞬でのぼりつめるほどの高まりを引き起こす。
「ひゃあっ!い、あっ!あふ!」
今度は夏穂が腰を持ち上げて刺激を和らげようとしたけど、引けきった僕の腰が戻るのとタイミングが合ってしまった。
「あ!あぅ!は、あっ、ああーー!!」
夏穂は体を震わせて、
「もう、もう・・いっちゃ・・」
僕にしがみついてきた。夏穂の耳元で小さく、
「・・いいよ・・・好きなときに、登り切ってね・・・」
夏穂はその感情の波の中からかろうじて首を縦に振ったようだった。
一度だけ夏穂に深く口付けると、さっきよりも大きく早く、出し入れを繰り返す。
僕のが夏穂の中を動くたびに、夏穂は
「あっ!!あぁーー!!ああっ、ひっ、ああーーー!!」
ぴくんぴくんと震えて、艶やかな声で僕の耳と感情を支配する。
(夏穂の嬉しそうな声をもっと聞きたい)
僕は、もっと早く、もっと深く、奥の方にも見える部分にも、できる限りの刺激を与えた。
「だめ、はぅんっ!・・も、あっ!・・・いい・本当・・・ひぁっ!・い、いっちゃう!」
激しい息遣いの下からそう言って僕の目を見る。
「・・・いっしょにいこう・・・」
と言うと、夏穂が笑ってくれたので、僕はもてる力を出し切って、夏穂の中を出し入れする。
つながっているところから出る水の音と夏穂の声が部屋に響く。
"ぐちゅ、ぐちゅぐちゅっ"
「あっ!!あっ!!いっ!!・・・・あっ!!ふっ!!」
夏穂がひときわ大きく震えて、
「ああああーーーーーーー!!!」
夏穂の中がびくんびくんと震えて、僕のを中に引き込むように動く。
夏穂は完全に登り切った。
その動きに、何とか耐えていた僕も登りつめる。
「くっ・・・」
夏穂は小さくため息を漏らしたかと思うとぴくぴくと震えて、
「あふっ・・・」
全身から力が抜けた。
全身を桜色に染めて目を閉じ、まだ乱れた息を整える。
「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁ・・・」
何分かそうして息を整え、その後少し大きめに
「はぁー・・・・・・はぁ・・・・・」
目を開けると、僕が見ているのに気づいて、
「・・・なんか、恥ずかしいね・・・」
照れたような微笑みで僕を見る。
僕も微笑んで、
「あはは・・・やっぱりそうだよね・・・。ぼくもそうだけど・・・」
夏穂が僕の首に腕を回して、
「ありがと・・・」
ささやいたかと思ったら、
"ちゅっ"
軽く僕にキスをした。夏穂は、
「これくらいなら、もう恥ずかしくないよね?」
そう言ったけど、夏穂の顔はまだ恥ずかしそうに赤く染まっていた。
・・・。
それからしばらく、僕らは余韻を楽しんだ。
僕も夏穂も完全に目が慣れたので、それぞれ自分の服を着直すと、
「じゃあ、電気、つけるね」
夏穂が言って、電気が点いた。
僕の方に振り向いた夏穂が、悲しそうな顔になって、
「・・・わたし、やっぱダメかな・・・」
僕の目の下を指でなぞって、
「こんなに疲れてるあなたを・・・」
寂しそうに下を向いた。
僕は下を向いている夏穂に宣言する。
「僕は、夏穂の笑顔を見たいだけ。夏穂に笑顔になってほしいだけ・・・」
夏穂は目を潤ませて、
「ありがとう・・・」
震えそうな声でそう言って、目が細くなるくらい、僕に笑いかけてくれた。
自然な、とても暖かい笑顔。飾らない夏穂の等身大の笑顔は、僕の気持ちを向こう1年は和ませてくれそうな気がした。
Fin.