上気したるりかがバスタオルを巻いただけの姿で  
「ふぅー」  
 とため息をつきながら部屋に戻ってくる。  
 
 僕たちはるりかの部屋にいた。  
 高校卒業を機に本格的に付き合いはじめて4ヶ月が過ぎていた。  
 清泉女子短大に入学したるりかは上京、今は東京に一人で住んでいる。  
 るりかがこっちに来てからは僕たちは毎日のようにデートしていた。  
 そして今日、ついに僕たちは結ばれようとしている。  
 
「あはは、なんか緊張するね。……そうだ、何か飲む?」  
 そう言いながらるりかが冷蔵庫を覗きこむ。  
「るりか」  
 僕のかけた声にるりかの細い肩がビクッと震える。  
 そしてベッドに腰かけている僕を見やり、目が合うと恥ずかしそうに視線を横に逸らした。  
「るりか」  
 もう一度呼ぶ。  
「電気……消していい?」  
「あぁ……うん」  
 
 部屋の明かりが消される。  
 目が闇に慣れていないためか、おぼろげにるりかの存在がわかる程度で不安になる。  
「るりか、こっち……」  
「え?」  
「こっち、おいでよ」  
「……うん」  
 闇の中に甘い髪の香りが漂う。  
「あはっ」  
 照れたような小さな声がしてベッドに重みが加わった。  
 そしてぬくもりが、快い重みが僕に寄りかかってくる。  
 僕は少しの間、無言でその体温を感じていた。  
 
「……ねぇ」  
 黙ってしまった僕に不安を感じたのか、るりかが言った。  
「……な、なんだか照れくさいな」  
「うん……」  
「あ、あのさぁ、僕、こういうの初めてで……」  
 自分でも情けないほど声がかすれている。  
「あは……慣れてない感じだもんね、見ればわかるよ……そういう私も初めてだし」  
「……うん。ありがとうるりか」  
「えっ? なにが?」  
「僕を初めての相手に選んでくれて」  
 そう言いながらるりかの顔を見る。  
 少しずつ目が慣れてきたのか、今はるりかの表情が読み取れる。  
 るりかはあわてたように僕から目を逸らした。  
 そっとるりかの肩に手を回して抱き寄せると、その体がビクッと震える。  
 僕同様、るりかも緊張していると思うといくらか安心できた。  
「るりか……」  
 つややかなるりかの唇が何かを言いかけるように動いた。  
 僕は目を閉じると、自分の唇をるりかにそっと重ねた。  
 
「んっ……」  
 やわらかな唇。ぬくもり。熱い吐息……。  
 これまで何度もキスをしているのに、まるで初めてのように気持ちが昂ぶる。  
 ゆっくりとるりかの唇を割り、舌を口内にすべり込ませる。  
「んっ!」  
 るりかは少し驚いたように鼻を鳴らした。  
 それでも自分から求めるように僕に舌を絡めると、お互いの口腔を愛撫しあう。  
 唇を軽く噛んでしごくように摩擦する。とがらせた舌先で上あごをなでるようにすべらせる。  
 歯の裏や舌の下といったもっとも感じやすい部分でじらすように舌を這いまわらせる。  
 舌を強く吸い、唾液をすすりあう。  
 ……キスだけで達してしまいそうな快感が僕の背すじを駆け抜けた。  
 
 空いている手でバスタオルの上からるりかの胸に触れた。  
 と、絡みあっていたるりかの舌が一瞬止まる。  
「はぁん……」  
 唇が離れる。  
「……いや?」  
「……ううん」  
 るりかは小さく首を横に振ると、胸の上にある僕の手に自分の手を重ねてきた。  
「さわられたことなかったから、すこし……びっくりしただけ」  
 
 るりかの手を乗せたまま、僕の手はふくらみをまさぐりはじめる。  
 やわらかいるりかの胸の感触の中に、ひときわ目立つ突起があった。  
「んっ……はぁ……」  
 そこに触れた途端、るりかの口から小さな喘ぎが洩れる。  
 ピクン、と小さく震えたるりかが僕の手を押さえていた手を離してしまう。  
「んっ……んん……」  
「るりか?」  
「なんか……恥ずかしい。ん……」  
「かわいいよ、るりか……」  
 そのままバスタオル越しにわかるほど固くなったるりかの乳首を中心に円を描くように刺激する。  
 そしてもっとるりかを感じたくなった僕が体の向きを変えると、抱きかかえるような体勢になった。  
「あっ……」  
 勃起がるりかの肌に触れた。それを感じ取ったるりかが小さく声を上げる。  
 僕は勃起を押し付けるように腰を揺すりながらなおも胸をまさぐった。  
「ん……ぁ……」  
 るりかが唇のすき間から切なげな吐息を洩らす。  
 
「るりか……僕のもさわって……」  
 その言葉に答えるかのように、るりかがおそるおそる僕のモノに手を伸ばしてきた。  
「うっ!」  
 ただ触れるだけの愛撫……。  
 それだけなのに、僕の股間から脳天に向かって電気が流れるような感覚が走る。  
 
「はぁ……」  
 再び僕はるりかのキスしながら小ぶりだけど形のいい胸を包みこむように愛撫する。  
「んんぅ、はぁんっ……はぁぁん」  
 愛撫する手から伝わる激しい鼓動。  
 僕の気持ちが加速するのに比例して、やわらかな胸に対する愛撫も大胆さを増した。  
「あぁん……はぁぁん……ね、ねぇ……」  
 その動きに合わせるように、るりかもまた僕のモノを遠慮がちにさわる。  
 るりかの手の震えがそのまま快感として僕の脳髄を刺激した。  
「あぁ、だめ……そんなことしたら……」  
 股間の快感に耐え、執拗に胸を攻める僕にるりかはたまらず僕の手を制止しようとする。  
 だけども僕はそんなことお構いなしにるりかの乳首と乳房全体をキュッキュッと刺激する。  
「あぁぁぁんっ! お願い……もっと、もっと優しく……」  
「あ、ごめん……痛かった?」  
「……う、ううん……ただ、ちょっと変になっちゃいそうで……」  
「るりかの変になるとこ見たいな……ねぇ、下……さわるよ?」  
 るりかは何も言わず、恥ずかしそうに  
こくん  
 と小さくうなずく。  
 
 ひざから太ももへとなぞるように指をすべらせる。  
「う…ん……」  
 少しくすぐったそうな吐息をもらす。  
 けれどもその吐息はすぐに熱を持ち、足への愛撫を正直に受け止める。  
 僕の手は太ももの内側を静かに這い上がる。  
 やがてバスタオルで隠されているるりかの恥ずかしい部分に手がふれた。  
「んん……ん……」  
 るりかがあえぐ。  
 バスタオルに隠されていて中は見えない。  
 それでも手の感触で柔らかさ、熱、そしてとめどなくあふれるるりかの液を感じることができた。  
 るりかから流れ出るヌルヌルの液はすでにタオルの一部分にしみを作るほどだった。  
「恥ずかしいよぉ……」  
 泣きそうな声でるりかが言った。  
 
 るりかの股間に置かれた僕の指は、陰毛が生えているところを優しくなでまわす。  
「んっ……んんっ」  
 さわさわと柔らかい恥毛が僕の指に触れては絡まり、そして離れていく。  
 恥丘あたりの肉はぷにぷにとしており、少しだけ盛り上がっていた。  
 その下は左右からの肉がはさみこむような形で割れ目を形づくっている。  
 指先を割れ目のまわりに這わせ、るりかの性器の形を確かめるようになでまわす。  
「はぅっ……あぁ、あぁんっ!」  
 るりかのそこは意外にこじんまりとした感じで、中心部分は割れ目の奥に隠されたままだった。  
「いや……ぁ」  
 中指の腹を割れ目のほうに向け、ゆっくりとその肉の間にうずめていく。  
くちゅ、ちゅぷ……  
 液体の混ざるいやらしい音を立て、僕の指はどんどんるりかの中にうずもれていった。  
「あぁぁぁっ!」  
 
ちゅぷっ くちゅっ ぬちゅっ…………  
 小陰唇にはさまれた指をそのまま前後に行ったり来たりさせる。  
「あぁぁぁっ! はっはぅぅ……」  
「るりかってこんないやらしい声出すんだ……」  
 初めて聞くるりかの淫らな声に興奮しきった僕が思わずそんなことを口走った。  
「もぅっ! そんなこと……してるときに……言っちゃやだ……ああっ!」  
 
 指の先端部分を恥丘のほうにずらすと、そこにあったなにやらコリッとする突起物に押しつける。  
「あ、あぁっ! ……そ、そこ……あぁぁん」  
「え?」  
「そ、そこ……いちばん感じるの……」  
 どうやらるりかは自分がもっとも気持ちよくなれる場所を充分理解しているようだった。  
 初めて女体に触れるため、まだまだ扱いに慣れていない僕。  
 そんな僕をるりかが導いてくれるのはとてもありがたかった。  
「ここがいいんだ……」  
「う、うん……」  
 
 その突起を中心に、るりかの女性の部分を執拗なまでに攻めた。  
 充分すぎるほどに濡れているるりかの膣穴はスムーズに僕の指を受け入れる。  
 少し力を入れると、ちゅるんっ、とるりかの中心をこすりあげるような感じになる。  
 続いてこんこんと湧く淫らな液体を指にまとわせて肉芽を揉むように圧迫する。  
「ひゃんっ! ひんっ……ひゃうっ!」  
 そのたびにるりかはあられもない声を上げた。  
 首を反らせ、のけぞるようにビクビクと身を震わせる。  
「ああっ! ふあっ! はぁっ、あっ!」  
 僕の指の動きに合わせてるりかの悶える姿も激しくなる。  
「だ、だめっ……ああっ! そこばっかり……あぁっ」  
 やはりここが一番感じるのだろうか?  
 るりかはもう耐え切れなくなったのか、甲高い声を上げて僕に訴える。  
「あぁぁっ! だめっ……イッちゃうよぉ……」  
「えっ?」  
 一瞬手を止めた。ちょうどそのとき、僕の指の腹がるりかの肉突起を強く押し込んだ形になった。  
「あ、だめっ……っ! あああぁぁぁぁっ!」  
 僕のモノに絡めた指を強く握りしめたまま、ビクンビクンとるりかの体は痙攣した。  
 るりかの指に強く握られ、根元までまわりの皮を押し下げられたその瞬間、僕も限界を迎えた。  
「っっ!」  
どくっ! びゅびゅっ! びゅるっ!………  
 ……るりかの手に握られたまま、白濁が宙を舞った。  
 
「あぁぁぁ……はぁ、はぁ……」  
「るり……か?」  
 射精の余韻から冷静を取り戻した僕が聞く。  
 指による愛撫で絶頂を迎えたるりかは、力なくその体を僕に預けている。  
 るりかの首筋を流れる粒状の汗……。肩が上下し、  
「はぁはぁ」  
 と、まるで全力疾走でもしたかのような息遣い。  
「るりか、イッちゃったの?」  
「……うん」  
 
 ゆっくりるりかの股間から指を引き抜くと、  
ちゅぽん……  
 という音とともに、糸を引きながらふやけた指が姿を現わした。  
 
「るりか……」  
「はぁ、はぁ、恥ずかしい……」  
 そのうっとりとした眼差しと、薄紅色に染まった頬は僕にさらなる欲望をもたらした。  
「るりか……るりかのこと、もっとよく見たい……」  
「……え?」  
 僕はベッドからゆっくりと降り、るりかの正面に来るように座る。  
「るりか……前、はずすね」  
「うぅ……ちょっと恥ずかしいよぉ……」  
 るりかはわずかに抵抗した。  
 それにかまわず、僕はるりかのバスタオルの結び目をはずすと股間に顔を近づける。  
「あっ! やっ! ちょ、いや……み、見ないで……」  
 るりかは両手で恥ずかしい場所を隠し足を閉じようとする。  
「……いや?」  
「………」  
 るりかはもじもじとしながら、これ以上ないほどに顔を赤く染める。  
 そして決心がついたのか、僕の顔を見ないようにしてゆっくりとその足を開いていった。  
「……ううん、してほしい……でも、恥ずかしい……」  
 
 汗ばんだ内ももに舌を這わせ、キスマークが付くほど強く吸った。  
「……くすぐったいよぉ」  
 内ももを舌で愛撫しながら、るりかが手で隠しているところへ顔を近づけていった。  
「るりか……手、どかして……」  
 るりかは僕に促され、恥ずかしそうに手をどけた。  
「……こ、こう?」  
 部屋に明かりはなかったが、窓から差し込む外のボーっとした明かりがあった。  
 それと目が暗闇になれたせいもあってか、るりかのアソコがはっきりとわかる。  
「……もう……恥ずかしい……」  
 
 閉じられた部分からあふれているるりかの愛液。  
 それは部屋のわずかな光を反射しテラテラと輝いている。  
 この形をどう形容すればいいのだろう?  
 とにかく、るりかの女性器は薄いピンク色と肌色の混じったとても綺麗な色合いを見せていた。  
 
 ゆっくりとるりかの足の間に顔を埋め、びしょびしょに濡れたそこにキスをする。  
 ……さっきシャワーを浴びたときに使った石鹸の匂いがする。  
「ああっ……そんなところ……」  
 石鹸の香りのするえっちな液を舌ですくい取る。  
 そして下から上へ、るりかのオンナの部分を丹念に舐め上げた。  
「ああっ! ぁ……」  
 ちゅるるっと音を立て、淫液が僕の口の中にすべり込む。  
 口の中がるりかの液でぬめる。るりかの味と香りが広がる。  
「ああ……あっ……あぁ」  
 それを音を立ててすすり、るりかがもっとも感じるところを探すように全体を何度も舐めあげる。  
 
「んぅ!」  
 コリコリと固くなったるりかの中心に舌が触れた。  
「あ、ぁ、あ……」  
 クリトリスを中心に円を描いたり、舌先で弾いたりして集中的に舐めまわす。  
「い、いや……あ……あっ!」  
 るりかの愛液はお尻まで垂れ、シーツにしみを作っていく。  
「あっあっあっ……」  
 それにつれてるりかの反応がどんどん過敏になっていく。  
 一方の僕は慣れない動作に首の筋肉が悲鳴を上げる。舌が疲れて動きが鈍くなる。  
 疲れた舌を離そうとしても、るりかは僕の頭を押さえて股間に押し付けるようにする。  
 鼻と口をふさがれて呼吸ができない。息苦しいけど、るりかから離れることさえできない。  
「ひんっ! ああっ、そ、そこ……いいっ!」  
 息を吸おうと必死に舌と唇を動かしたら、ちょうどるりかの感じるところを刺激したようだ。  
 僕はそのまま愛撫を続けた。  
 
「……ぁ……はぁ」  
 さっきあれほどるりかが乱れたクリトリス。そこを唇で挟もうとした。  
 だけども一度性の満足を得たせいか、小さくなってしまったるりかの突起はうまく唇に挟まらない。  
 このままではちゃんと刺激が伝わっているかどうかわからない。  
「んん……はぁ……ぁ」  
 るりかの反応も舐められていたときよりあまりいいようには感じられない。  
 焦った僕はつい思わず強く吸ってしまった。少しだけ歯がるりかの敏感な部分に触れてしまった。  
「んあっっ!」  
 大きな声を上げ、るりかは体を弾ませ、体をピクつかせた。  
「ご、ごめん」  
 僕はるりかの淫靡な女性の部分を目の前にしたままとっさに詫びた。  
「ん……ううん、大丈夫……痛くないの」  
 るりかは僕を気遣ってか、そう言ってくれる。  
 
 再び慎重にるりかの突起を舌先でつつく。  
 するとるりかが腰を舌の動きに合わせて軽く突き出してきた。  
「んっ……んん」  
 その動きは徐々に強まる。  
 るりかから自分自身が感じるところを僕の舌に押し付けているようにさえ感じる。  
「んん……んっ!」  
 僕もるりかが求めるようにその動きに合わせ、強く舌をクリに押しつける。  
「あ、ぁっ……ああ」  
 僕の顔とるりかの性器が触れ、くちゅくちゅといういやらしい音が部屋の中に響く。  
「ぁっ! あ……だ、だめ……」  
 るりかの淫らな声に欲望があおられる。  
 腰の奥がうずく。射精したい。るりかの一番奥に精液をぶちまけたい……。  
「るりか……」  
「はぁ……はぁ……はぁ……」  
 るりかは荒い息で目に涙をため、僕を見つめる。  
 そして僕の呼びかけの意図を察したようで、無言のままうなずいた。  
「い、いいよ……きて……」  
 
 るりかのもっとも恥ずかしい部分を口でなぶっているうち、僕はすっかり硬度を取り戻していた。  
 痛いほど勃起した淫茎を握り、亀頭でるりかの粘膜をなぞる。  
「はぁ……」  
 そうしながらるりかとひとつになれる場所を探した。  
「う……くっ」  
 敏感になりすぎた亀頭は、るりかをなぞるだけで射精してしまいそうなほどだ。  
 何度も何度も先端でなぞり、ひとつになれる場所を探すがわからない。  
(さっき指でしたときは場所がわかったのに……)  
「……入らない?」  
 るりかの声に心臓が握りつぶされそうになった。  
「ご、ごめん……場所が見つからない……」  
「……ねぇ、横になって……」  
 そう言うとるりかは上体を起こし、僕の額に軽くキスをする。そしてベッドの端に寄った。  
 僕はわけがわからず、るりかに促されるまま仰向けになる。  
 るりかは恥じらいながら僕にまたがると、僕のモノにおそるおそる手を添える。  
「るりか……無理しなくても……」  
「……ううん、平気」  
 るりかは僕の先を挿入するべき場所にあてがう。  
「ここだよ……」  
 そう言うと、るりかはゆっくりと腰を下ろしてきた。  
「ん……」  
 亀頭の先が少しだけるりかに包み込まれていく感触がある。  
 だけど、るりかの入り口はまだ固く、なかなか入らない。  
「んっ……っ」  
「るりか……大丈夫。そんなに焦らなくてもいい」  
 僕はるりかから自分のモノを取り上げ、るりかの粘液を充分に自分のモノになじませる。  
 そして亀頭をるりかのそこに押し付け、すりつけるように上下運動を行なう。  
「はぁ……ぁああっ、あぁぁあああん! いいっ! それ気持ちいい……」  
 るりかが鳴く。  
ぬちゅるっ くちゅっ ぐちゅっ ちゅぷっ………  
 その柔らかいひだの感触に亀頭が刺激され、じらされるような何ともいえない快感を僕も味わう。  
 
ちゅるっ ちゅぷっ ぬちゅっ くちゅっ………  
 淫らな水音が部屋に響く。  
 僕は腰を突き上げるスピードを少し早めた。  
「あんっ あんっ あんっ あんっ!」  
 るりかのそこは熱いほどに熱を持っている。  
 僕の下腹部はるりかからあふれ出した愛液でびしょびしょになっていた。  
ちゅっ ちゅぷんっ!  
 
「あっ、ああんっ!」  
 ふいに亀頭の先端がるりかの中に入ってしまった。  
「あっ!」  
 包まれるような温かさを先端に感じて僕も思わず声を上げる。  
 僕は跳ね上げていた腰の動きを止めた。  
 と、今度はるりか自身がくねくねと腰を回すようにして僕のモノをどんどん中へと導いていく。  
「はっ……あぁ、ぁぁ」  
 
くちゅ……くちゃっ  
 僕の亀頭はすっかりるりかの中に収まってしまった。  
 先ほどの愛撫で入り口はすっかり開き、あとは僕の侵入を受け入れるだけになっていたらしい。  
「あぁ……ぁぁ……あぁぁあああぁ!」  
 るりかの中にどんどん入っていく……。温かい、なんて温かいんだろう。  
 もう僕のモノは半分以上るりかの中に飲み込まれてしまった。  
「んあぁぁぁああああんっっ!」  
 
くちゅ……くちゃっ……くちゅぅ……  
 るりかはそこからゆっくり、ゆっくりと腰を下ろし、完全に僕の下腹部に座り込む姿勢になった。  
「ふぁっ……ふあぁん」  
 根元まで収まる。  
「は、入ったぁ……」  
 幸せそうに、しかし苦しそうにるりかがうめいた。  
 
「るりか、大丈夫?」  
「……うん、大丈夫……。少し痛いけど、平気……」  
 二人がつながっている場所を見る。……破瓜の血とるりかの淫液とが混じりあっていた。  
「はぅ……」  
 苦しそうなるりかの声にふと見ると、目尻には涙の粒がたくわえられている。  
 それがいとおしく、僕は親指でるりかの目にたまった涙を拭い、頬から耳にかけてなで上げた。  
 
「はぁ……はぁ……はぁ……んっ」  
 るりかの中の熱い粘膜の壁は僕のペニス全体を包み込んでいる。  
くちゅっ………  
 ゆっくり、ゆっくりと深呼吸をするようにるりかが腰を動かす。  
 そのたびに濡れた音が結合部から立つ。  
「ん……るりか……」  
 さざなみのように押し寄せては引いていく甘美な感覚。とても優しく、そして温かかった。  
 るりかとひとつになれた喜びに、僕もまた涙が出るほどに感動していた。  
「あはっ……ねぇ、好きよ……ほんとに……」  
 るりかの鼓動、吐息、心地よい重み、そしてぬくもり……。  
 温かいもので心がいっぱいになり、僕もるりかの動きに合わせてゆっくりと腰を突き上げた。  
「はぁっ! 痛っ、あぁぁん……」  
 るりかがうめく。  
「うぅ……あ、んんっ!」  
 亀頭が、カリが、狭い肉穴で摩擦される際の信じられないほどの快感!  
 カリ首が膣を戻るときの粘膜の壁に引っかかるようなこころよい抵抗!  
「き、気持ちいい!」  
 苦しむるりかと対照的に、僕は気持ちよさのあまり思わず声を出してしまった。  
「うれしい……ね、もっと気持ちよくなって……」  
 るりかは僕が抜けきらないところまで体を持ち上げるとまた腰を落とす。  
 そうやって痛みに打ち震えながら僕を再び飲み込んでいった。  
 
ちゅぷっ ぐちゅっ………  
 体液の混ざる音と、僕たちの肌が触れ合う音が聞こえる。  
「……ん、んんっ」  
「痛い?」  
「平気……なんか、気持ちいい……」  
 本当だろうか? 処女を喪ったばかりのるりかが肉体的な快感を得ているとは考えがたい。  
 もしるりかの言うように気持ちがいいのならそれは精神的なものなのか?  
 一瞬の逡巡が僕の腰の動きを止める。  
 
ちゅぷっ ちゅぷっ………  
 それでもるりかは腰を動かしつづけた。  
「はぁ……はぁ……あっ……あぁ、う……ん、ああ……あぁ、ぁ」  
 その動きに合わせ、るりかの口からは艶めいた声が洩れた。  
 ……考えるのはよそう。るりかの意思を無視しているわけじゃない。  
 僕もるりかも、望んでこういう関係になったんだ。だけど……。  
 
「るりか」  
 声をかけ、充血して熱を持ったるりかから自分自身を引き抜いた。  
「?」  
 不思議そうな顔をするるりかを自分の横に寝かせる。  
 そうしておいて後ろから片足を持ち上げた。そのまま肉茎をるりかの中に埋めこんでいく。  
「あ……あぁぁんっ……ぁぁぁぁぁぁ!」  
 亀頭のもっとも太いところがるりかの入り口を通過するとき、るりかは少し苦しそうな声を上げた。  
「痛くない? 動いても大丈夫?」  
「……うん」  
 その許しを得た僕は、遠慮なく剛直をるりかの膣内へと出し入れさせた。  
「あっ、あっ、あっ……あぁ……ぁ、ぁ」  
 きつく締め上げられ、とめどなく快感が押し寄せてくる。  
「あ、あ……あ、あぁ! あっ……ああっ、ああぁっ!」  
 僕のモノが奥に当たるとるりかはまた甲高い声を上げてよがる。  
「はぁぁっ! んあ……はぁ」  
 全体を包む柔らかさ、きつくて、ぬめぬめした感覚がたまらない。激しくるりかの中をむさぼる。  
 
「んぅ……んぐ、ああ」  
 何度か突いたあとでペースを落とし、その分ストロークを長くしてるりかの感触を味わった。  
「ああ……」  
 ゆっくりとるりかの中に押し入れ、ゆっくりとるりかから引き出す。  
「んん……」  
 るりかは僕の動きに合わせて声を上げる。痛みはほとんどなくなっているのか?  
 僕は徐々に動きを早めていく。  
「あっ! ああ……あぁ!」  
 さらに速度を上げる。  
「んあ……ん、あぁ……あ!」  
 
ぬぽっ  
 ギリギリまで引き出したせいか、誤ってるりかの中から抜けてしまう。  
「あんっ!」  
 るりかから抜けた僕のモノはるりかを求めてビクンビクンと脈打っている。  
「あ……ぬけちゃった……」  
 るりかは切なげに僕のそれを見つめてつぶやいた。  
「もっと……もっとるりかを感じたい……」  
 そう言うとるりかをベッドに仰向けにする。  
 ビクン、ビクンとるりかを求めて脈打つモノをもう一度、膣の入り口に押し当てる。  
 腰を押し出すと、ほとんど抵抗なく今度は肉茎が沈んでいった。  
 
「んっ! んんんっ! ああぁぁあんっ!」  
 るりかは自分の口から洩れる声を押さえようと指を噛む。  
「んんぁっ! あっ! んん……んん!」  
 感じさせたい。もっと淫らに僕を求めてほしい。るりかの本当の姿を僕だけに見せてほしい。  
 そう思い、僕は激しく腰をぶつけるようにるりかを求める。  
「るりか……るりか……」  
 るりかの耳元で名前をささやく。  
「あっ! ああっ! 好き……大好きっ! ああっ! あんぁっ!」  
 僕のささやきにるりかはこらえきれずに声を上げた。  
 
 ぴちゃ……ぴちゅ……と僕とるりかがひとつになっているところからいやらしい水音がする。  
「あっ! あああっ! あっ! だめっ! だめぇっ!」  
 るりかがさらに声を張りあげる。  
 僕もまた、何かがあふれるような快感にその身を包まれる。  
「だめっ! ああっああっあ……あ……あ、あっ!」  
 だめだ……我慢できそうにない……。  
「ひっ! ああっ! んんっ! んぐぅっ!」  
 破瓜の血なのかるりかの体液なのか、何かがつながっているところから飛び散っているようで、  
ぐちゅ、ぶちゅ  
 と大きな音がする。  
「あっ! あぁっ! ああっ! 好きっ! 好きぃっ! ああっ、あんんっ!」  
 るりかは恥ずかしがる様子もなく、無我夢中で僕を求めてきた。  
「るりかっ! るりかぁっ!」  
「ああっ! だめっ! んんっ、ああっ! あ……あ……ああっ!」  
「いいっ、るりか……イッちゃうよっ……ああ、イキそうだよっ!」  
 その声が聞こえたのか、るりかの中がきゅうっと締まってくる。  
 僕自身がるりかの奥に、もっともっと奥に引き込まれて先端をくすぐられているような感覚が襲う。  
「い、イク……ぐ……あっ、るりかぁっ!」  
 
 快感が脳天まで突き抜けた次の瞬間、僕のモノがるりかの中で脈打った。  
どくんっ! びゅっっびゅっっびゅっ!………  
 血管がふくらみ、るりかの体内で爆発するんじゃないかと思うほど僕のモノは膨脹する。  
 そのたびごとに尿道を熱い塊が通過していく。  
びゅっ! びゅくっ! ずびゅっ!………  
 体をビクビクと痙攣させながら、僕は何度もるりかの中に欲望を吐き出した。  
「ああ……ぁあ……」  
 体の奥深くに精液を打ち込まれ、るりかがうめく。  
 僕はるりかの中に淫茎を深く突き入れたまま熱い精をあふれさせた。  
 それは僕たちがつながっているところから漏れ出すほど大量で、そして熱かった……。  
 
「……ああ、いっぱい……あなたの……」  
「はぁ……はぁ……はぁ……」  
「好き、大好き……」  
 るりかは僕の名を呼び、潤んだ瞳でじっと僕を見る。  
 そしてゆっくりと目を閉じ、唇を重ねる。つながりあったまま、僕たちは口づけを交わした。  
 
「るりか?」  
「なに?」  
「あ、いや……大丈夫かな? ……って」  
 中で出してしまったこと。処女を気遣えず、自分の欲望だけで達してしまったこと。  
 それらもろもろの感情が僕の中で渦巻く。  
「あはっ……うん、よかったよ……すごく」  
 そんな僕の葛藤を忘れさせてくれるようなるりかの笑顔。  
「痛かっただろ?」  
「……うん……そこそこ」  
「ごめんね」  
「あはっ、平気。……だって、あなたが優しくしてくれたから」  
 そう言ってはにかんだ笑みを浮かべた。  
「……るりか」  
 何か言いたい。だけど言葉にならない。言葉が出てこない。  
「ねぇ」  
 沈黙を破るように、突然るりかが言った。  
「えっ? なに?」  
「チューして……」  
 かわいい声でキスをねだるるりか。  
「うん」  
 それに応じるようにるりかと唇を合わせる。  
「んん……私たち、えっち……しちゃったんだね……腕枕して……ね、お願い……」  
「ん……ああ、いいよ」  
 るりかが僕の腕に頭を置く。僕たちは眠りに落ちるまで、お互いの顔をずっと見つめていた。  
 
           おわり  
 

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